迦葉山弥勒寺を参詣後、タクシーで沼田市内に戻る。桜が満開で、運転手さんに、桜が素晴らしいところへ案内してほしいと頼む。沼田公園がいいということだった。
沼田公園は、沼田城址につくられた公園である。
池波正太郎の小説に「まぼろしの城」という小説がある。沼田城を築城した沼田万鬼斉とその子を描いたものだ。小説の記憶があったので、こんなところだったのかと感慨を覚えた。
桜は、ちょうど満開になったところだった。満開になったときが一番見応えがある。花が活き活きしているからだ。
谷川岳連峰を見る。城が高台にあったことが分かる。沼田は、要衝の地だった。越後の上杉氏、甲斐・信州の武田氏、小田原の北条氏の勢力圏が交差する地だった。城も段々と高台へとうつされたものだ。
園内に真田信之と小松姫の銅像があった。小松姫が小さく見える。こんなに小さかったのかという疑問はある。徳川幕府に警戒されていた真田氏が取り潰しにあうことがなかったのは、小松姫の尽力によるところが大きい。