人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

園子音監督映画「地獄でなぜ悪い」を観る~なぜかベートーヴェンの英雄が、第9が!

2014年02月17日 07時01分27秒 | 日記

17日(月)。ソチ五輪のノルディックスキー・ジャンプのラージヒルで葛西起明が銀メダルを取りましたね 葛西は7大会連続出場(28年!)、史上最年長の41歳でやっと個人のメダルを仕留めたとのことです。凄い根性ですね。日本中が拍手葛西を送りました

 

  閑話休題  

 

昨日は日曜日にもかかわらずコンサートの予定がなかったので、家で音楽を聴きながら本を読んで過ごしました 土曜日に「佐藤久成ヴァイオリン・リサイタル」でモーツアルトのヴァイオリン・ソナタを2曲(K.301、K.304)を聴いたせいか、無性にモーツアルトが聴きたくなり、アンネ・ゾフィー・ムターのヴァイオリン、ランバート・オーキスのピアノによるヴァイオリン・ソナタ全集(2006年録音。4枚組)を片っ端から聴きました

 

          

 

ムター+オーキスの演奏がベストだと思っている訳ではありませんが、聴いていて耳に心地よく、まとめて聴くのに便利なのでどうしても手が伸びてしまいます 例えばK.526のイ長調のソナタに関してはヒラリー・ハーンのヴァイオリンとナタリー・シューのピアノによる演奏がベストだと思います 昨日は、これも繰り返し聴きました

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日の朝日朝刊に「佐村河内氏の代理辞任」という小さな記事が載りました。超訳すると

「”全聾の作曲家”と呼ばれる佐村河内守氏の代理人を務めていた折本和司、若松みずき弁護士が15日『都合により、代理人を辞任した』と発表した。両弁護士は『具体的な経緯、理由については、守秘義務の問題があり、答えられない』としている」

ネットで調べてみたら、辞任の理由は「今後の方針について意見の相違があった」ということのようです この問題が明らかになった時に、代理人弁護士は「佐村河内氏とは手話を介して話をしている。障がい者手帳も確認している」としていましたが、後で佐村河内氏自身が「3年位前から耳が聞こえるようになっていた」と白状しています その辺りから「いつまでも、嘘に塗り固められた人物に付き合っていたら、弁護士としての立場が危うくなる 今回の一連の騒動による損害賠償の大きさを考えたら弁護費用だって支払われるかどうか分からない。早々に撤退した方が無難だ」と考えたのかも知れません。誰か代理人の代理人になる人はいないのでしょうか?それとも誰も引き受け手がなく”孤立無援”の立場を余儀なくされるのでしょうか?

 

  再び、閑話休題  

 

先日、高田馬場の早稲田松竹で映画「凶悪」と「地獄でなぜ悪い」の2本立てを観ました 「凶悪」については15日のブログに書いたので、今日は園子音監督の「地獄でなぜ悪い」について書きます

この映画は「ヤクザの組長が、服役中の妻の夢を実現させるために、娘を主演にして、娘に惚れた若者を巻き込みながら、映画狂の監督とスタッフを迎えて、抗争中の組への殴り込みを舞台にして映画を撮る」という荒唐無稽な映画です 園子音監督といえば「冷たい熱帯魚」「恋の罪」「ヒミズ」「希望の国」などシリアスな映画が多いのですが、この映画はまるで、映画好きの若者が思う存分に撮ったコメディー・エンターテインメント&オーバー・アクションのようです 何しろヤクザの抗争の現場を撮影してしまおうというシナリオなのですから

 

          

 

組長にやくざ映画の常連、國村準、その妻に友近、その娘に二階堂ふみ、敵対する組長に堤真一、映画狂の監督に長谷川博巳、騒動に巻き込まれた男に星野源が当たりますが、個性派俳優ばかりです

さて、私が興味があるのは園子音監督の映画でどんなクラシック音楽が使われているかです 彼は映画の中で必ずクラシック音楽を使います。私が気が付いた範囲では2曲ありました。1つは、組長のところに家出した娘と男が引き立てられて、組長と対峙するシーンです なぜか、ベートーヴェンの交響曲第3番”英雄”の第2楽章”葬送行進曲”が流れていました。これは娘と一緒に連れてこられた男の死を予言しているのでしょうか

もう1つはヤクザが敵方に乗り込んで気勢を上げるシーンです。これもベートーヴェンで、交響曲第9番”合唱付き”の第4楽章、まさに合唱が流れました これから殺し合いが始まるときに”喜びの歌”を流すのはいかにも園子音監督らしいアイロニーを感じます。監督にとって、映画のシチュエーションとしてヤクザの抗争は”喜びの歌”以外の何物でもないのかもしれません

 

          

コメント
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