30日(木)。わが家に来てから今日で3670日目を迎え、米国の科学者らは28日、地球滅亡まで残された時間を示す「終末時計」の時刻を昨年から1秒進んで89秒としたが、これは公表を始めた1947年以降、残り時間が最も短い状況であるとし、核使用のリスクが増え、温室効果ガスの排出量が増加し続けているのに対し、解決策に十分な前進がないことから判断したとしている というニュースを見て感想を述べるモコタロです
「パリ協定」「WHO」からの離脱・脱退を表明する トランプ政権の出現が大きい
昨日の夕食は「豚肉・野菜鍋」にしました 鰹節出汁なのであっさりとしていましたが、美味しかったです
昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、プッチーニ「トスカ」を観ました これは2024年11月23日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です 出演は、トスカ=リーゼ・ダーヴィッドセン、カヴァラドッシ=フレディ・デ・トマーゾ、スカルピア=クイン・ケルシー、堂守=パトリック・カルフィッツィ他。管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団、合唱=メトロポリタン歌劇場合唱団、指揮=ヤニック=ネゼ・セガン、演出=ディヴィッド・マクヴィカーです
当初指揮予定だったシャン・ジャンが降板し、ヤニック・ネゼ=セガンが代役を務めました
オペラ「トスカ」はジャコモ・プッチーニ(1858-1924)が1896年から1900年にかけて作曲、1900年にローマのコスタンツィ劇場で初演されました
物語の舞台は1800年のローマ。人気の歌姫トスカは、パリ帰りの画家カヴァラドッシと熱愛中だ しかし共和主義者のカヴァラドッシは、ローマを支配しているナポリ王国の政権から睨まれていた カヴァラドッシは、政治犯として収容されていた牢獄から脱走してきた友人のアンジェロッティを自分の別荘に匿う 冷酷な警視総監スカルピアは、アンジェロッティを自殺に追い込み、カヴァラドッシを逮捕する 彼の助命を乞うトスカにスカルピアは代償として肉体を要求するが、トスカの一刺しで息絶える カヴァラドッシは”見せかけ”の銃刑に処せられるが、実弾に倒れる トスカは城郭から飛び降り自害する
トスカ役のリーゼ・ダーヴィッドセンは1987年ノルウェー生まれのソプラノです デンマーク王立音楽院で学ぶ。プラシド・ドミンゴ主宰「オペラリア」などで優勝し、主要歌劇場で活躍しています 圧倒的な声量と巧みなヴォイス・コントロールにより、力強くも美しい歌唱を聴かせてくれました 背丈があるので存在感抜群で、演技力も申し分ありませんでした 第2幕での「歌に生き、愛に生き」はトスカに成り切って歌い上げ、しばし拍手が鳴りやみませんでした
カヴァラドッシ役のフレディ・デ・トマーゾ1993年英国生まれのテノールです 王立音楽院在学中にバリトンからテノールに転向しました 2018年ビニャス国際声楽コンクールで第1位。今回がMETデビューとなりますが、ドラマティックな歌唱で聴衆の支持を集めました
スカルピア役のクイン・ケルシーは1978年ハワイのホノルル出身のバリトンです サンフランシスコ・オペラ・センターやシカゴ・リリック・オペラのプログラムで研鑽を積みました 艶のある低音の魅力で、狡猾なスカルピアを歌い演じ、存在感を示しました
堂守役のパトリック・カルフィッツィは1974年ニューヨーク州生まれのバスバリトンです 喜劇的な役柄が得意ですが、MET出演468回!のうち「トスカ」の堂守役は今回が61回目という大ベテランです 今回も巧みな演技と魅力的な歌唱によって聴衆を楽しませました
指揮をとるヤニック・ネゼ=セガンは1975年生まれのフランス系カナダ人です フィラデルフィア管弦楽団音楽監督等を歴任後、2018年9月からMET第3代音楽監督を務めています 背が低いので、カーテンコールでリーゼ・ダーヴィッドセンと並ぶとまるで大人と子供ですが、歌手とオケからの信頼は厚く、METは2030年まで契約を延長しました 今回の公演では、歌手陣に寄り添いつつ、ドラマティックな音楽づくりでプッチーニの悲劇を歌い上げました
演出のディヴィッド・マクヴィカーは1966年スコットランドのグラスゴー生まれ。1993年にオペラ演出デビューを果たしました 今回の演出は何度か観ましたが、重厚な舞台とオーソドックスな演出に好感が持てました
このオペラで私が一番好きなのは第1幕のラストです 教会で「テ・デウム」が歌われる中、スカルピアが「行け、トスカ」を歌うシーンです コーラスによる神を讃える荘重な音楽と、スカルピアの邪心を表したソロが混然一体となって歌われる場面は、いつ聴いても鳥肌が立ちます この場面では、パイプオルガンの荘重な音楽と、バスドラムの重低音が鳴り響きますが、幕間のMET音楽管理部長T.ラウスマン氏のインタビューによると、パイプオルガンは固定されているため、オルガン操作卓はオーケストラ・ピット内に設置し、オルガン奏者は他のメンバーとともに指揮者のタクトを見ながら演奏しているとのことです またバスドラムは、世界中を探し回り、ドイツの楽器メーカーから最大の大太鼓を調達したとのことです あまりにも音が大きいので、近くにいる奏者は聴力を失う恐れがあるとのことでした
ところで、スカルピアはトスカの目の前でスポレッタに「パルミエリの時のように、見せかけ(の方法)でカヴァラドッシを処刑しろ」と命令を下し、それを聞いたトスカは「見せかけの処刑だから、カヴァラドッシは死なない」と信じますが、実際には銃で撃たれて死んでしまいます 彼が倒れた後、兵士の一人がトドメを刺そうとするとスポレッタがそれを押しとどめ、そのまま兵を引き上げさせます つまり、「パルミエリの時のように」とは本当に銃殺はするが、最後のトドメを刺さないという処刑方法なのです。トスカは最後まで狡猾なスカルピアに騙されたのです
幕間では特別映像「プッチーニとMET ~ 歴史に刻まれた狂詩曲」が上映されました 映像によると、プッチーニは6週間ニューヨークに滞在し、METの公演も鑑賞したそうですが、蝶々夫人を歌ったソプラノ歌手については「音程が外れている」と批判し、あの有名なカルーソーに対しては「向上心がない」と批判していたといいます これには笑ってしまいました
今回あらためて感じたのは、METライブビューイングの最大の魅力は何かということです 実際のライブ公演では舞台に近い席ならともかく、多くの場合はステージから遠くて歌手の顔の表情や仕草が分かりにくいのですが、METライブではアップの映像で紹介するので、歌手の感情の起伏が良く分かるのです この点は映像ならではの大きなメリットだと思います
METライブビューイング「トスカ」の上映は1月30日(木)までですが、東銀座の「東劇」のみ2月6日(木)まで上映されます
本日、toraブログのトータルアクセスページ数が940万PVを超えました これもひとえに普段からご訪問くださっているフォロワーの皆さまのお陰と感謝しております これからも1日も休むことなく 根性で書き続けて参りますので、モコタロともどもよろしくお願いいたします
【忘備録】本日現在のtoraブログのトータルアクセス数
①トータル閲覧数 9,402,507 P V
②トータル訪問者数 3,145,925 I P
③gooブログ全体におけるランキング 3,197,733ブログ中 147位
④にほんブログ村「コンサート・演奏会 感想」におけるランキング 57ブログ中 1位
⑤フォロワー数 2056人(1951人 + X分105人)