人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

METライブビューイングでプッチーニ「トスカ」を観る ~ リーゼ・ダーヴィッドセン、フレディ・デ・トマーゾ、クイン・ケルシー、パトリック・カルフィッツィにブラボー!

2025年01月30日 06時41分06秒 | 日記

30日(木)。わが家に来てから今日で3670日目を迎え、米国の科学者らは28日、地球滅亡まで残された時間を示す「終末時計」の時刻を昨年から1秒進んで89秒としたが、これは公表を始めた1947年以降、残り時間が最も短い状況であるとし、核使用のリスクが増え、温室効果ガスの排出量が増加し続けているのに対し、解決策に十分な前進がないことから判断したとしている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     「パリ協定」「WHO」からの離脱・脱退を表明する トランプ政権の出現が大きい

         

昨日の夕食は「豚肉・野菜鍋」にしました 鰹節出汁なのであっさりとしていましたが、美味しかったです

     

         

昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、プッチーニ「トスカ」を観ました これは2024年11月23日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です 出演は、トスカ=リーゼ・ダーヴィッドセン、カヴァラドッシ=フレディ・デ・トマーゾ、スカルピア=クイン・ケルシー、堂守=パトリック・カルフィッツィ他。管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団、合唱=メトロポリタン歌劇場合唱団、指揮=ヤニック=ネゼ・セガン、演出=ディヴィッド・マクヴィカーです

当初指揮予定だったシャン・ジャンが降板し、ヤニック・ネゼ=セガンが代役を務めました

     

オペラ「トスカ」はジャコモ・プッチーニ(1858-1924)が1896年から1900年にかけて作曲、1900年にローマのコスタンツィ劇場で初演されました

物語の舞台は1800年のローマ。人気の歌姫トスカは、パリ帰りの画家カヴァラドッシと熱愛中だ しかし共和主義者のカヴァラドッシは、ローマを支配しているナポリ王国の政権から睨まれていた カヴァラドッシは、政治犯として収容されていた牢獄から脱走してきた友人のアンジェロッティを自分の別荘に匿う 冷酷な警視総監スカルピアは、アンジェロッティを自殺に追い込み、カヴァラドッシを逮捕する 彼の助命を乞うトスカにスカルピアは代償として肉体を要求するが、トスカの一刺しで息絶える カヴァラドッシは”見せかけ”の銃刑に処せられるが、実弾に倒れる トスカは城郭から飛び降り自害する

     

トスカ役のリーゼ・ダーヴィッドセンは1987年ノルウェー生まれのソプラノです デンマーク王立音楽院で学ぶ。プラシド・ドミンゴ主宰「オペラリア」などで優勝し、主要歌劇場で活躍しています 圧倒的な声量と巧みなヴォイス・コントロールにより、力強くも美しい歌唱を聴かせてくれました 背丈があるので存在感抜群で、演技力も申し分ありませんでした 第2幕での「歌に生き、愛に生き」はトスカに成り切って歌い上げ、しばし拍手が鳴りやみませんでした

     

カヴァラドッシ役のフレディ・デ・トマーゾ1993年英国生まれのテノールです 王立音楽院在学中にバリトンからテノールに転向しました 2018年ビニャス国際声楽コンクールで第1位。今回がMETデビューとなりますが、ドラマティックな歌唱で聴衆の支持を集めました

     

スカルピア役のクイン・ケルシーは1978年ハワイのホノルル出身のバリトンです サンフランシスコ・オペラ・センターやシカゴ・リリック・オペラのプログラムで研鑽を積みました 艶のある低音の魅力で、狡猾なスカルピアを歌い演じ、存在感を示しました

     

堂守役のパトリック・カルフィッツィは1974年ニューヨーク州生まれのバスバリトンです 喜劇的な役柄が得意ですが、MET出演468回!のうち「トスカ」の堂守役は今回が61回目という大ベテランです 今回も巧みな演技と魅力的な歌唱によって聴衆を楽しませました

指揮をとるヤニック・ネゼ=セガンは1975年生まれのフランス系カナダ人です フィラデルフィア管弦楽団音楽監督等を歴任後、2018年9月からMET第3代音楽監督を務めています 背が低いので、カーテンコールでリーゼ・ダーヴィッドセンと並ぶとまるで大人と子供ですが、歌手とオケからの信頼は厚く、METは2030年まで契約を延長しました 今回の公演では、歌手陣に寄り添いつつ、ドラマティックな音楽づくりでプッチーニの悲劇を歌い上げました

演出のディヴィッド・マクヴィカーは1966年スコットランドのグラスゴー生まれ。1993年にオペラ演出デビューを果たしました 今回の演出は何度か観ましたが、重厚な舞台とオーソドックスな演出に好感が持てました

     

このオペラで私が一番好きなのは第1幕のラストです 教会で「テ・デウム」が歌われる中、スカルピアが「行け、トスカ」を歌うシーンです コーラスによる神を讃える荘重な音楽と、スカルピアの邪心を表したソロが混然一体となって歌われる場面は、いつ聴いても鳥肌が立ちます この場面では、パイプオルガンの荘重な音楽と、バスドラムの重低音が鳴り響きますが、幕間のMET音楽管理部長T.ラウスマン氏のインタビューによると、パイプオルガンは固定されているため、オルガン操作卓はオーケストラ・ピット内に設置し、オルガン奏者は他のメンバーとともに指揮者のタクトを見ながら演奏しているとのことです またバスドラムは、世界中を探し回り、ドイツの楽器メーカーから最大の大太鼓を調達したとのことです あまりにも音が大きいので、近くにいる奏者は聴力を失う恐れがあるとのことでした

ところで、スカルピアはトスカの目の前でスポレッタに「パルミエリの時のように、見せかけ(の方法)でカヴァラドッシを処刑しろ」と命令を下し、それを聞いたトスカは「見せかけの処刑だから、カヴァラドッシは死なない」と信じますが、実際には銃で撃たれて死んでしまいます 彼が倒れた後、兵士の一人がトドメを刺そうとするとスポレッタがそれを押しとどめ、そのまま兵を引き上げさせます つまり、「パルミエリの時のように」とは本当に銃殺はするが、最後のトドメを刺さないという処刑方法なのです。トスカは最後まで狡猾なスカルピアに騙されたのです

幕間では特別映像「プッチーニとMET ~ 歴史に刻まれた狂詩曲」が上映されました    映像によると、プッチーニは6週間ニューヨークに滞在し、METの公演も鑑賞したそうですが、蝶々夫人を歌ったソプラノ歌手については「音程が外れている」と批判し、あの有名なカルーソーに対しては「向上心がない」と批判していたといいます    これには笑ってしまいました

今回あらためて感じたのは、METライブビューイングの最大の魅力は何かということです 実際のライブ公演では舞台に近い席ならともかく、多くの場合はステージから遠くて歌手の顔の表情や仕草が分かりにくいのですが、METライブではアップの映像で紹介するので、歌手の感情の起伏が良く分かるのです この点は映像ならではの大きなメリットだと思います

METライブビューイング「トスカ」の上映は1月30日(木)までですが、東銀座の「東劇」のみ2月6日(木)まで上映されます

     

本日、toraブログのトータルアクセスページ数が940万PVを超えました これもひとえに普段からご訪問くださっているフォロワーの皆さまのお陰と感謝しております これからも1日も休むことなく 根性で書き続けて参りますので、モコタロともどもよろしくお願いいたします

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海老原光 ✕ 毛利文香 ✕ 読売日響でショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲第1番」、チャイコフスキー「交響曲第5番」を聴く ~ 都民芸術フェスティバル参加公演 / 秋山和慶氏逝去

2025年01月29日 00時02分25秒 | 日記

29日(水)。マネジメント会社ヒラサオフィスは27日付の公式サイトで、以下の「指揮者 秋山和慶 逝去のお知らせ」を掲載しました

「指揮者 秋山和慶は2025年1月26日(日)22:57に入院先の病院にて安らかに永眠いたしました。享年84  死因は肺炎でした。今年1月1日に自宅で転倒し重度の頚髄損傷を負い 治療に専念するため1月23日に音楽活動からの引退を表明していました。故人が生前賜りました御厚誼に深く感謝いたしますとともに 謹んでお知らせいたします」

1月23日付の同社の公式サイトに掲載の秋山家のコメントに「これから厳しいリハビリとの戦いになりますが、引き続き温かいご支援を頂戴できますことを願っております」と書かれていたので、いずれは回復されるのではないか と期待していました あまりの急変に驚き、無念の思いでいっぱいです    私が20年以上前に秋山さん率いる東京交響楽団の定期会員となり、その後も音楽監督がユベール・スダーン、ジョナサン・ノットと代わってからも会員継続しているのは、秋山さんが初代監督を務めておられたからこそです

真面目で紳士で正確無比の指揮ぶりで名演を聴かせてくださった 秋山さんのご冥福をお祈りいたします

ということで、わが家に来てから今日で3669日目を迎え、トランプ米政権が「米国第一主義」に基づく外交政策との整合性を検証するとして、海外での人道支援や開発のための対外援助を一時停止したことに対し、国連や支援団体などからは現場への影響を懸念する声が出ている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     トランプ政権は今や”世界一の駄々っ子”だ  米国が困った時は どの国も助けないだろ

   昨日は娘が外食で 私がコンサートだったので 夕食作りはお休みしました  

         

昨夜、すみだトリフォニーホールで「2025 都民芸術フェスティバル」参加公演「読売日本交響楽団」 演奏会を聴きました   プログラムは①ショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 作品77」、②チャイコフスキー「交響曲第5番 ホ短調 作品64」です    演奏は①のヴァイオリン独奏=毛利文香、指揮=海老原光です

このフェスティバルは、これまで池袋の東京芸術劇場が会場でしたが、改修工事により休館しているためトリフォニーホールに変わりました 新日本フィルの本拠地トリフォニーホールで読響を聴くのは初めてです

     

オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの読響の並び。コンマスは日下紗矢子です

1曲目はショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 作品77」です この曲はディミトリ―・ショスタコーヴィッチ(1906-1979)が1947年から翌48年にかけて作曲、1955年にレニングラードで初演されました 初演が遅れたのは完成後に当局から作曲家に対する批判が出たためです 第1楽章「ノクターン:モデラート」、第2楽章「スケルツォ:アレグロ」、第3楽章「パッサカリア:アンダンテ」、第4楽章「ブルレスケ:アレグロ・コン・ブリオ ~ プレスト」の4楽章から成ります

指揮をとる海老原光は1974年鹿児島生まれ。ハンガリー国立歌劇場で研鑽を積む。2007年ロブロ・フォン・マタチッチ国際指揮者コンクール3位

ヴァイオリン独奏の毛利文香は2015年パガニーニ国際コンクール2位、エリザベート王妃国際音楽コンクール6位、2019年モントリオール国際音楽コンクール3位

黒を基調とした銀のラメ入り衣装を身に着けた毛利文香が登場し、海老原の指揮で第1楽章に入ります 低弦の導入部に続き、毛利のヴァイオリンがほの暗い主題を奏でます この楽章は ほとんどヴァイオリンのモノローグを聴いているような感覚です    第2楽章では一転、速いテンポにより切れ味鋭い独奏ヴァイオリンが諧謔的な音楽を繰り広げます 第3楽章では毛利のヴァイオリンとイングリッシュホルンのアンサンブルが美しく響きました 続くカデンツァでは、ひたすら演奏に没頭する毛利が修道僧のように見えました 第4楽章では、超絶技巧の独奏ヴァイオリンが、速いテンポにより躍動感あふれる演奏を展開しました 素晴らしい演奏でした    海老原 ✕ 読響は独奏者にピタリと寄り添い、ソリストを引き立てました

満場の拍手とブラボーが飛び交い、カーテンコールが繰り返されました    毛利はアンコールにJ.S.バッハ「無伴奏ヴァイオリンパルティータ第1番」より「サラバンド」を超絶技巧で演奏、聴衆を黙らせました

     

プログラム後半はチャイコフスキー「交響曲第5番 ホ短調 作品64」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)が1888年に作曲、同年ペテルブルクで初演されました 第1楽章「アンダンテ ~ アレグロ・コン・アニマ」、第2楽章「アンダンテ・カンタービレ、コン・アルクーナ・リセンチア」、第3楽章「ワルツ:アレグロ・モデラート」、第4楽章「フィナーレ:アンダンテ・マエストーソ ~ アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

海老原の指揮で第1楽章がクラリネットの暗い響きで開始されます チャイコフスキーは構想メモに、この主題を「運命、もしくは神の摂理への完全な服従」と書いていることから「運命の主題」と呼ばれています この主題はすべての楽章に登場します アレグロに移ってからは金管楽器が重厚な演奏を展開し、鈴木康浩、柳瀬省太両首席が率いるヴィオラ・セクションのアンサンブルが美しく響きました 第2楽章は冒頭の日橋辰朗のホルン独奏が素晴らしく、続いて演奏される荒木奏美のオーボエ独奏が冴えていました 中間部では金子平のクラリネットが印象に残りました 第3楽章はスケルツォではなく、チャイコフスキーらしいワルツです 弦楽セクションを中心に流麗な演奏が繰り広げられます クラリネット、ファゴット、オーボエ、フルートといった木管楽器が素晴らしい演奏を展開しました 第4楽章は冒頭から、第1楽章で暗い響きで現れた”運命の主題”が、まるで勝利のテーマのように鳴り響きます 同じメロディーがまったく異なる曲想で展開する、まさにチャイコフスキー・マジックです オーケストラの総力を挙げての躍動感あふれる演奏により、堂々たるフィナーレを飾りました

満場の拍手とブラボーの嵐の中、カーテンコールが繰り返されました 海老原は読響からゴージャスなサウンドを存分に引き出し、スケールの大きな演奏を展開しました

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長原幸太氏 ⇒ 4月からN響第1コンマスに就任 / 東京春祭「ジョルジュ・ビゼー」(4月6日)のチケットを取る / オンプラゾリステン主催プッチーニ「ジャン二・スキッキ」(2月5日)に申し込む

2025年01月28日 00時01分22秒 | 日記

28日(火)。NHK交響楽団は公式サイト(1月27日付)で下記の4月人事を発表しました

「NHK交響楽団では、2025年4月から長原幸太氏が第1コンサートマスターに就任し、現・第1コンサートマスターの郷古廉、現・ゲストコンサートマスターの川崎洋介とともに、オーケストラをリードすることになりました。なお、すでにお知らせのとおり、篠崎史紀は2025年3月をもって特別コンサートマスターを退任し、N響を退団します」

私は、昨年12月6日に篠崎氏のN響退団が発表された際、翌12月7日付のtoraブログで次のように書きました

「私の何の根拠もない憶測では、読売日響のコンマスを10年間務め今年3月末で退団し、11月21日、22日のN響Bプロ定期演奏会でゲストコンマスを務めた長原幸太氏が新たにコンマスに就任し、第1コンマス・郷古廉、ゲストコンマス・川崎洋介との3人態勢でA・B・Cプログラムを分担するのではないか、と推測します 長原氏は東京・春・音楽祭「ワーグナー・シリーズ」でN響のコンマスを務めてきた実績もあるので、それを考慮すると全く的外れでもないような気がします

”私の何の根拠もない憶測”がほぼ当たったようです 3人でA・B・Cプログラムを分担するかどうかは分かりませんが、これでN響は万全の3人コンマス体制になります   なお、今月30日、31日のN響1月度Bプロ定期演奏会は郷古廉がソリスト(バルトークの「Vn協奏曲第2番」)を、長原幸太がコンサートマスターを務めます

ということで、わが家に来てから今日で3668日目を迎え、トランプ米大統領が就任初日、2021年1月の連邦議会議事堂占拠事件で罪に問われた人たちに恩赦や減刑を与え、極右団体指導者らが釈放されたが、アイダホ州ボイシのパメラ・ヘンフィルさん(71)は25日日本経済新聞の取材に答え、「6か月収監される実刑判決を受けたが、今回の恩赦を拒否した。恩赦を受けることは議会を守っている警察や法制度、私たちの国への侮辱になる。私が有罪を認めたのは、私が有罪だったからだ」と語った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     トランプ政権は 気骨のあるこの女性を 司法長官にすべきなんじゃね? 推薦するよ

         

昨日、夕食に「ビーフカレー」と「生野菜とアボカドとモッツアレラチーズのサラダ」を作りました ビーフカレーはブロック肉ではなく切り落としを使いましたが、美味しかったです

     

         

4月6日(日)14時から東京文化会館小ホールで開かれる東京・春・音楽祭「ディスカバリーシリーズVol.11:ジョルジュ・ビゼー ~ 没後150年に寄せて」のチケットを取りました   曲目や出演者は未定で、決定後に東京春祭公式サイト等で発表するとしています

これにより、今年の「東京・春・音楽祭」で私が聴く公演は日時順に以下の9公演となります

①3月16日(日)15時「シューマンの室内楽Ⅰ」:白井圭、村上淳一郎、上野通明ほか。

②3月27日(木)15時「ワーグナー『パルジファル』」:マレク・ヤノフスキ指揮N響。クリスティアン・ゲルハーヘルほか。

③4月2日(水)19時「室内楽シリーズ:郷古廉&加藤洋之」:横坂源、金子平。

④4月4日(金)19時「ベートーヴェン『ミサ・ソレムニス』」:マレク・ヤノフスキ指揮N響。アドリアナ・ゴンザレスほか。

⑤4月6日(日)14時「ディスカバリー・シリーズ『ジョルジュ・ビゼー』」

⑥4月10日(木)15時「プッチーニ『蝶々夫人』」:オクサーナ・リーニフ指揮読売日響。ラナ・コスほか。

⑦4月11日(金)19時「リッカルド・ムーティ指揮東京春祭オーケストラ」※イタリア・オペラの序曲・間奏曲ほか。

⑧4月14日(月)19時「名手たちの室内楽の極」:長原幸太、鈴木康浩、伊東裕ほか。

⑨4月18日(金)15時「J.シュトラウス2世『こうもり』」:ジョナサン・ノット指揮東京交響楽団。アドリアン・エレートほか。

     

         

2月5日(水)14時から豊島区民センター多目的ホールで開かれる、一般社団法人オンプラゾリステン主催公演:プッチーニ「ジャン二・スキッキ」のチケットを取りました 協力=公益財団法人公益推進協会となっており、第1部が講演(「争族にならないための遺言書の書き方」講師:公益推進協会代表理事・福島達也氏)、第2部がオペラ「ジャン二・スキッキ」(セミステージ形式)となっています 「オンプラゾリステン」はオペラ歌手が集まって作られた団体のようです 下のチラシには歌手陣は紹介されていますが、指揮者やオケ(orピアノ伴奏)の名前が載っていません ちょっと怪しいのですが、豊島区民でありながらまだ区民センターを利用したこともなく、講演も公演も聴けるので申し込みました

申し込んだ後に気がついたのですが、「ジャン二・スキッキ」は3日前の2月2日(日)に新国立オペラで聴く予定が入っていたのでした 聴き比べもできるし、まあいいかと思っています

     

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佐渡裕 ✕ 新日本フィルでマーラー「交響曲第9番 ニ長調」を聴く ~ 新日本フィル第660回定期演奏会

2025年01月27日 00時01分01秒 | 日記

27日(月)。わが家に来てから今日で3667日目を迎え、トランプ米大統領は24日夜、政府機関内の不正や違法行為などを根絶するために議会が主導して設置した「監察官」十数人を一斉に解任したが、自身への忠誠心の高い人物を起用するのが狙いと見られている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     トランプはプーチン・金正恩・習近平と並ぶ 現代の世界の独裁者の仲間入りをした

         

昨日、サントリーホールで新日本フィル「第660回定期演奏会 サントリー・シリーズ」を聴きました プログラムはマーラー「交響曲第9番 ニ長調」です   指揮は新日本フィル第5代音楽監督・佐渡裕です

「交響曲第9番 ニ長調」はグスタフ・マーラー(1860-1911)が1909年から翌10年にかけて作曲、マーラーの死後 1912年6月26日にブルーノ・ワルター指揮ウィーン・フィルにより初演されました この作品は「大地の歌」を含めると10番目の交響曲となりますが、「交響曲第10番」が未完のままマーラーが死去したため、この第9番が完成された最後の交響曲となりました 第1楽章「アンダンテ・コモド」、第2楽章「緩やかなレントラーのテンポで、いくぶん不器用に、きわめて粗野に」、第3楽章「ロンド・ブルレスケ:アレグロ・アッサイ 極めて頑なに」、第4楽章「アダージョ:非常にゆっくりと、控えめに」の4楽章から成ります

     

開演にあたり、いつも通り佐渡監督がマイクを持って登場し、プレトークとしてマーラーの思い出を次のように語りました

「今年は大阪万博が開催されますが、今から55年前の1970年に大阪万博が開かれた際にはカラヤン & ベルリン・フィルがベートーヴェン「交響曲全曲(第1~9番)」を、バーンスタイン & ニューヨーク・フィルがマーラー「交響曲第9番」他を演奏しました   その2年後、小学5年生だった私は初めてLPレコードを買いましたが、マーラーの交響曲でした これが私とマーラーとの出会いです  今日はゆっくりとお聴きください

1970年の万博の際にはジョージ・セル&クリーヴランド管弦楽団も来日し 演奏しましたが、帰国後まもなく多発性骨髄腫により73歳で死去しました   それにしても、世界に冠たる指揮者とオーケストラがよくも大阪万博の一環として極東の島国に集まったものだと感心します 当時の日本には経済を中心に勢いがあったことが窺えます

     

オケは16型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの新日本フィルの並び コンマスは崔文洙、隣はアシスタント・コンマスの立上舞です チェロのトップには首席・長谷川彰子と並んで先月 正団員となった佐山裕樹(首席)がスタンバイします ステージ下手にはハープが2台控えます

佐渡の指揮で第1楽章が開始されます 冒頭の音楽を聴くとマーラーの厭世観を感じます かつての「マーラーブーム」の時、「体調の悪化から、この曲はマーラーが自らの死を意識して書いた」という見解をレコードや演奏会の解説で読んだ記憶がありますが、最近の研究ではそういうことでもないようです まだまだマーラーは次の曲を書く気満々で、実際に彼は交響曲第10番を未完ながら書いています 中盤ではトロンボーンやテューバが中低音の底力を発揮し、絶好調のホルンがベルアップ奏法を見せました 崔コンマスのヴァイオリン・ソロが素晴らしく、野津雄太のフルートも冴えています 第2楽章は丹羽紗絵(首席)率いる第2ヴァイオリンの演奏から入りますが、魂がこもっていました この楽章はテンポの緩い2つのレントラー(3拍子のドイツ民俗舞踏)とテンポの速いヴェッラー舞曲を起源とするワルツが入れ替わり立ち替わり現れますが、急緩のテンポの落差が大きく メリハリのある演奏が展開します   第3楽章は、どこかとぼけた味わいのファゴットの演奏が印象的です   豊潤な音色のホルンが素晴らしい 咆哮する金管、炸裂する打楽器、渾身の弦楽セクションにより力強く展開するラストの追い込みは、佐渡裕ならではのスピード感溢れる演奏でした さて、この曲の白眉は第4楽章「アダージョ」です 冒頭のヴァイオリン・セクションによる入魂の演奏が印象的です 引き続き分厚い弦楽セクションによる美しくも力強い演奏が展開します オーケストラの総力を挙げての演奏で一旦クライマックスを築き上げたあとは、次第にテンポが落ち、音が弱くなっていき、最後は消え入るように終結します この間の弦楽セクションの弱音による演奏は、「『静寂』を音で表したらこういう演奏になるのではないか」と思えるほど素晴らしいものでした

最後の音が消え、しばしの静寂の後、佐渡のタクトが静かに下ろされると、満場の拍手とブラボーが飛び交い、カーテンコールが繰り返されました この日の佐渡 ✕ 新日本フィルは終始 弛緩することなく、集中力に満ちた演奏を展開しました

     

     

     

当日券売場で、久しぶりにチケットボックス部の登原さんの姿を見かけたので、声を掛けようと思ったのですが、開演前も終演後も彼女の前に列が出来ていたので、諦めました 今週金曜日の「クラシックへの扉」に期待を繋ごうと思います

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ダロン・アセモグル & ジェイムズ・A・ロビンソン著「国家はなぜ衰退するのか(上)権力・繁栄・貧困の起源」を読む ~ なぜ豊かな国と貧しい国があるのか? / NTT語る電話詐欺に注意

2025年01月26日 00時30分58秒 | 日記

26日(日)。昨夜、固定電話の留守電に「こちらはNTT東日本です。2時間後に電話が使えなくなります。オペレーターにお話しになりたい方は〇〇番を押してください」というメッセージが入りました 今回が2度目です。前回はどうせ詐欺だと思って放置しておいたら2時間後も使用できました 今回も詐欺に決まっているので放置しました 「詐欺電話や詐欺メールに気を付けましょう」とあちこちで喧伝されている中、まさか、こんな間抜けな子供だましに乗る人はいないと思いますが、人間のクズ= 詐欺師はあの手この手と手段を変えて仕掛けてきます   お互いに気を付けましょう

ということで、わが家に来てから今日で3666日目を迎え、米上院は24日、トランプ政権の国防長官に元保守系FOXニュース司会者のピート・ヘグセス氏を充てる人事案を採択したが、賛成と反対がともに50票となったため、上院議長を兼務するJ・D・バンス副大統領が賛成票を投じて承認された  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     この人は以前から適格性が疑われてた人物だよね 本当に米国の国防を任せて大丈夫?

         

先日、アクアパッツァを作った時に残ったスープ(煮汁)を活かして、娘が「ブロッコリとエビのスパゲッティ」を作ってくれました 毎日のように料理を作っている身からすると、やっぱり他人が作ってくれた料理は文句なしに美味しいです

     

         

ダロン・アセモグル & ジェイムズ・A・ロビンソン著「国家はなぜ衰退するのか ~ 権力・繁栄・貧困の起源(上)」(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)を読み終わりました ダロン・アセモグルは1967年生まれ。トルコ出身。経済学者。マサチューセッツ工科大学インスティテュート・プロフェッサー。専門は政治経済学、経済発展論。2024年に「社会制度が国家の繁栄に与える影響の研究」によりジェイムズ・A・ロビンソンと共同でノーベル経済学賞を受賞 ジェイムズ・A・ロビンソンは1960年、イギリス出身。シカゴ大学ハリス・スクール・オブ・パブリック・ポリシーのリチャード・L・ピアソン教授。専門は政治経済学と比較政治学、経済発展と政治発展

     

繁栄を極めたローマ帝国はなぜ滅びたのか? 産業革命がイングランドから始まった理由とは? 共産主義が行き詰まりソ連が崩壊したのは何故か? 韓国と北朝鮮の命運はいつから分かれたのか? そして、なぜ世界には豊かな国と貧しい国が生まれるのか? 本書は、これらの難問に2024年のノーベル経済学賞を受賞した経済学者コンビが挑んだ新たな国家論です

2人の主張を簡単に要約すれば次のようになります

「国家が貧困を免れるのは、適切な経済制度、特に私有財産と競争が保証されている場合に限られる 国家が正しい制度を発展させる可能性が高まるのは、開かれた多元的な政治体制が存在するときであり、そうした制度に必要なのは、公職につくための競争、幅広い有権者、新たな政治指導者が生まれやすい環境である

ひと言で言えば、「自由で民主的な政治・経済体制を取る国が繁栄し、強権的で独裁者による国は衰退する」と解釈できそうです

理論の詳細は各章で解説していますが、第2章「役に立たない理論」の中で 2人は次のように書いています

「世界の不平等を理解するには、一部の社会がきわめて非効率かつ社会的に望ましくない仕方で構築されるのはなぜかを理解しなければならない 大半の経済学者や政策立案者は『正しく行う』ことに焦点を合わせてきたが、本当に必要なのは貧しい国が『間違いを犯す』理由を説明することである 間違いを犯すことは、無知や文化とはほとんど関係がない。貧しい国が貧しいのは、権力をに担っている人々が貧困を生み出す選択をするからなのだ。彼らが間違いを犯すのは、誤解や無知のせいではなく、故意なのである

2人は本文の中で、強権的な権力者は体制を維持するため、新しい考え方や新たなテクノロジーの導入には否定的な態度を取る、したがって、いつまで経っても貧しさから脱却できない、と指摘しています

また、第3章「繁栄と貧困の形成過程」では次のように述べています

「韓国と北朝鮮、合衆国とラテンアメリカの著しい相違から、ある一般原則が明らかになる 包括的な経済制度は、経済活動、生産性の向上、経済の繁栄を促すのだ 安全な私有財産権が重要なのは、そうした権利を持つ人しか、投資しようとか生産性を向上させようなどとは思わないからだ 自分の生み出す成果が盗まれたり、没収されたり、すべて税金で取られたりすると予想する実業家は、働くインセンティブなど持つはずがない。だが、そうした権利は社会を構成する大多数の人々のために存在しなればならないのだ

「包括的な経済制度は包括的な市場を生み出す。この市場は、自分の才能に最適な天職を追求する自由を人々に与えるだけではない。そうする機会を得られる公平な場をも提供するのだ 包括的な経済制度はまた、繁栄を呼ぶ別の2つの原動力、すなわちテクノロジーと教育への道を開く 持続的な経済成長には、ほとんど常にテクノロジーの進歩が伴っている。そのおかげで、人々(労働力)、土地、既存の資本(建物や既存の機械など)の生産性が向上するのだ

本書は、「富める国と貧しい国はどのようにして形成されてきたのか」に焦点を当て、世界各国の政治・経済の歴史を振り返り、上記の結論を導き出しています

上巻だけで約400ページ しかも細かい文字でびっしり詰め込まれているので、最後まで読み通すのに大変苦労しましたが、それだけに読了後は達成感がありました

世界の経済格差の根本原因を知りたい方は、是非お読みになることをお薦めします

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秋山和慶さん ⇒ 指揮活動から引退 / アリ・アッパシ監督「アプレンティス ドナルド・トランプの創り方」を観る ~ 辣腕弁護士コーンの「勝利の3つの法則」によって好青年が怪物になるまでを描く

2025年01月25日 00時09分49秒 | 日記

25日(土)。一昨日はタレントの中居正広氏の芸能界からの引退のニュースが世間を賑わせていましたが、日本のクラシック界では、昨年末の井上道義氏に次いで秋山和慶氏の引退が発表されました

マネジメント会社ヒラサオフィスは1月23日付の公式サイトに「指揮者  秋山和慶に関する重要なお知らせ」と題する告知を掲載しました 内容は以下の通りです

「本日、60年にわたり日本および世界各地のオーケストラでその芸術性を存分に発揮し、広く愛されてきた指揮者  秋山和慶の引退を、本人に代わりご家族が下記の通り表明いたします。

『秋山和慶は、元日に自宅で転倒し、C3ーC4頸椎間に重度の頚髄損傷を負いました。その結果、手足に後遺症が残っており現在も入院中のため、今後の指揮活動は困難と判断し引退を決意いたしました。この重い決断は、意識がはっきりしている本人と家族によって十分に話し合われた結果決めたことです。皆様には大きな失望を与える事になります事を心からお詫び申し上げますとともに、これまで60年間にわたり秋山和慶を支えてきてくださったすべての皆様に心より御礼申し上げます。秋山和慶は、これから厳しいリハビリとの戦いになりますが、引き続き温かいご支援を頂戴できます事を願っております。秋山圭子、昌慶、真喜子、知慶』」

秋山さんは東京交響楽団で40年間にわたり音楽監督として活躍されたのをはじめ、中部フィル 芸術監督・首席指揮者、岡山フィル ミュージックアドヴァイザー、広島響 名誉指揮者、九州響 桂冠指揮者など全国のオーケストラで活躍され、日本のオーケストラの水準向上に多大な貢献されました あの紳士的で正確無比の指揮が二度と見られないのは、とても残念です 秋山さん、長年にわたり素晴らしい音楽を届けてくださり、ありがとうございました 1日も早いご回復をお祈りいたします

ということで、わが家に来てから今日で3665日目を迎え、米国で生まれた子どもには無条件で米国籍を与える「出生地主義」を大幅に制限するトランプ大統領の大統領令をめぐり、ワシントン州の連邦地裁は23日、「違憲」だとして差し止めを命じた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     国籍規定は憲法に定められている 大統領令ならなんでも通ると思ったら大間違いだ

         

昨日の夕食は、隔週金曜日のローテにより「鶏の唐揚げ」にしました 今回も 外カリカリ 内ジューシー に揚がりました 唐揚げにはビールということでよろしかったでしょうか

     

         

1月20日、ドナルド・トランプは第47代アメリカ大統領に返り咲きました 「アメリカ・ファースト」を掲げる彼の言動は、世界中の人々の注目を集めています    そんなトランプの考え方や生き方は如何にして創られたのか? その謎を解く若き日のトランプの姿を描いた映画が公開されました

昨日、TOHOシネマズ日比谷でアリ・アッパシ監督「アプレンティス ドナルド・トランプの創り方」(2024年製作アメリカ映画・123分)を観ました

1980年代。気弱で精細な若き実業家ドナルド・トランプ(セバスチャン・スタン)は、不動産業を営む父の会社が黒人差別や税金問題を理由に政府に訴えられ破産寸前まで追い込まれていた そんな中、トランプは政財界の実力者が集まる高級クラブで、悪名高き弁護士ロイ・コーン(ジェレミー・ストロング)と出会う 勝つためには卑劣な手段も辞さない辣腕を振るう冷酷な男として知られるコーンは、意外にもトランプを気に入り、「勝つための3つのルール」を伝授する ロイの教えとサポートで成功を収める中、ドナルドは次第に独自の能力を発揮し、アトランティック・シティーのカジノ買収やトランプタワーの建設などを手掛け、コーンの想像をはるかに超える怪物へと変貌していく

     

コーンはトランプの指南役として彼を導いていきますが、彼の指南する「勝利の法則」とは、「攻撃、攻撃、攻撃」「非を絶対に認めるな」「勝利を主張し続けて、最後まで諦めるな」というものです 最初のうちは盗聴など手段を選ばないコーンに対し「それは違法ではないか」と疑問を呈しますが、次第に3つの法則を実践し冷酷になっていきます トランプが最初に大統領に選ばれた8年前から2回目に返り咲いた今年の1月までの言動を振り返れば、彼はまさにコーンの「勝利の3つの法則」を実践してきたことが分かります ヒラリー・クリントン、ジョー・バイデン、カマラ・ハリスらに対する攻撃、4年前の大統領選で敗れたのに絶対に認めない姿勢、4つの罪で告発されながらも最後まで勝利を確信した結果、大統領に返り咲いたこと・・・すべてが当てはまります

標題の「アプレンティス」とは”見習い”の意です。トランプがかつて司会を務めたリアリティー番組の題名でもあります 本作では落ちぶれた兄フレッドとの確執や最初の妻イヴァナとの出会いと別れなどもリアルに描かれています

昨日の朝日夕刊にアリ・アッバシ監督のインタビュー記事が載っていました それによると、監督はトランプがいかに育てられたかだけでなく、80年代ごろのニューヨークにも興味があったから制作依頼を引き受けたとのことです 『新保守主義が台頭して、強欲を良しとする理念が掲げられるようになって格差は拡大した。西洋世界のパラダイムシフトが起きていたと思う』と語ります。映画ではそんな時代の象徴としてトランプが描かれています 映画を巡っては、トランプ側から米国では上映しないよう要請されたそうですが、米大統領選中の公開に踏み切りました 『要請のメールが来たとき、”on brand"(まさにトランプらしい)だと思いました トランプはそこまで特異な人ではないと思いますが、芯がぶれないからこそ、下手な職業政治家よりもウケがいいのかもしれませんね』と語っています

本作は、今まさに見るべき”旬な”映画と言えます

アメリカ大統領に返り咲いたトランプは、今後4年間 「勝利の3つの法則」を忠実に守りながら行動していくと思われますが、他の問題は別として、ウクライナ問題を巡る対ロシア政策に関しては、ガンガン押していってほしいと思います

     

ところで、「TOHOシネマズ日比谷」を探すのに苦労しました 漠然と日比谷シャンテの近くだったな、という記憶を頼りに現地に行ったのですが、かつて知っていた建物が見つかりません 場所を間違えたかな、と思って有楽町駅方面に歩いて行きましたが、やはりありません 日比谷から離れる一方なのでオカシイと思い、日比谷に戻りシャンテ近くをうろついていたら、看板が目に入りました どうやら数年前に竣工した「東京ミッドタウン日比谷」の4階に移ったことが分かりました トヨタLEXUSのショールームが1階に入居しているビルです。ビル自体には映画館の看板が出ていないので分かりにくかったのだと思います 2度目は間違えません

     

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筒井康隆原作・吉田大作監督「敵」を観る ~ 77歳の元大学教授に訪れる「敵」の存在:誰にも「敵」はやって来る、じわじわとそして突然に

2025年01月24日 00時23分35秒 | 日記

24日(金)。わが家に来てから今日で3664日目を迎え、トランプ米大統領が発表したソフトバンクグループ、オープンAIなどによる人工知能(AI)開発への巨額投資計画について、起業家イーロン・マスク氏が21日、資金面の問題から実現性を疑問視する見方を示した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     超大型投資を否定するような発言をトランプはどう思うかな? 2人の決裂は近いか

         

昨日、夕食に「真鯛のアクアパッツァ」「生野菜とモッツアレラチーズと生ハムのサラダ」「舞茸の味噌汁」を作りました アクアパッツァは久しぶりに作りましたが、美味しく出来ました

     

         

昨日、池袋のシネマ・ロサで筒井康隆原作・吉田大作監督「敵」(2023年製作・モノクロ・108分)を観ました

77歳の渡辺儀助(長塚京三)は大学教授の職をリタイアし、妻には先立たれ、祖父の代から続く日本家屋に一人で暮らしている 毎朝決まった時間に起床し、料理は自分で作り、原稿の執筆などを淡々と行い、衣類から文房具に至るまで丹念に扱う 時には気の置けないわずかな友人と酒を酌み交わし、フランス近代演劇史の教え子・鷹司靖子(瀧内公美)を招いてディナーを振る舞う この生活スタイルを預貯金があと何年持つかを計算しながら、日常は平和に過ぎていった そんな穏やかな時間を過ごす儀助だったが、ある日、書斎のパソコンの画面に「敵がやってくる。北から」と不穏なメッセージが流れて来る はたして「敵」とは何なのか

     

映画の冒頭、独り住まいの男の繰り返される日常生活を描いているシーンは、ヴィム・ヴェンダース監督・役所広司主演「パーフェクトデイズ」を思い出させます

私は新潮文庫の原作を読んでいるので、ストーリーを思い出しながら映画を観ましたが、「文章で表現できることは、必ずしも映画では再現できない」ことを痛感しました 原作では、儀助が「敵」に立ち向かう場面が概要次のように描写されています

「儀助は立ち上がり喝と眼を見開いて天井桟敷を睨みつける 『うぬ、やってきやがったな。敵め。悪魔め。死霊め。ではこっちも迎え討ってやるぞ』『来た。来た。こいつらめ。老醜め。臆病め。自堕落め。老臭め。保守め。懐古め。頑固め。偏見め。卑怯め。虚栄め。ひとりよがりめ』」

つまり、「敵」とは上の文章に書かれている通り、老醜、臆病、自堕落、老臭、保守、懐古、頑固、偏見、卑怯、虚栄、ひとりよがりなのです ひと言で言えば、人が老いることによって生じ易い弊害、ひいては「死」を意味しているのではないか、と思います

映画では、雷鳴のような光と銃声が轟く中、儀助が木刀をもって「敵らしきもの」に立ち向かおうとするも 銃弾に倒れる姿が描かれます 「雷鳴のような光と銃声」は「敵」のメタファーであるとしても、この描写では「敵」の本質が分かりません これは映画の限界です

原作の映画化にあたり私が一番関心を抱いたのは、「ラストをどう映像化するのか?」ということです はっきり言って映像化は困難だと思いましたが、結果はやはり無理でした

     

・・・と、ここまで書いて 今さら書くのもナンですが、「小説を題材にした映画は原作通りに撮らなければならない」というルールはありません 原作は原作として読み、映画は独自の映像作品として観るのが望ましいのかもしれません その意味では、この映画は儀助役の長塚京三の名演と美しいモノクロ映像による シニア映画の金字塔的な作品と言えると思います

原作と映画の両方をあらためて振り返って思いました 「敵」は誰にもやってくるし、誰も避けることはできない、と

     

ところで、儀助の「預貯金があと何年持つかを計算しながら余生を過ごす」という生き方、つまり「将来必ず訪れる死を見越して、逆算型の思考により生活する」という人生について、どう捉えるべきだろうか 映画では、詐欺に遭ったような形で300万円を失ってしまう”予想外”の出来事が描かれています(これ、原作にあったかな?)。いくら預貯金残高を計算して余生を過ごそうとしても、世の中は自分の思い通りに行くとは限らないのです そういう意味では、予想外のアクシデントを見越して、人生には「予備費」が必要なのかもしれません

参考までに、原作を読んだ感想は2024年11月18日付toraブログにアップしましたので、興味のある方はご覧ください

     

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エフゲニー・ニキティン ⇒ 「さまよえるオランダ人」2日目公演も降板 / 伊坂幸太郎「ペッパーズ・ゴースト」、逢坂冬馬「同志少女よ、敵を撃て」、P.D.ジェイムズ「女には向かない職業」他を買う

2025年01月23日 00時22分05秒 | 日記

23日(木)。10月に始まったマンションの大規模修繕工事(2回目)が終盤を迎えました 昨日は南西バルコニー側の足場が撤去され、昼間から暗かった部屋に明るい日差しが戻ってきました 太陽の有難さをあらためて感じています

さて、昨日付の新国立劇場のホームページによると、ワーグナー「さまよえるオランダ人」の初日公演(19日)を”体調不良”により降板したオランダ人役のエフゲニー・ニキティンは、22日の第2回目公演も降板することになった、としています 代役は初日と同じ河野鉄平です 新国立オペラ「さまよえるオランダ人」はこの後、25日、29日、2月1日と3回ありますが、どうなるんでしょう 「体調不良」だけでは具体的にどんな症状なのか分かりませんが、初日公演を聴いた日の夕食時に、主役歌手のドタキャンについて娘に話したら、「その人、プロとしてどうなんだろうね」と言っていました 普通の人の感覚はそんなものなのでしょうね

ということで、わが家に来てから今日で3663日目を迎え、トランプ米大統領は就任初日の20日、メキシコ湾を「アメリカ湾」に改称する大統領令に署名した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     そもそも海は地球上で繋がっている どこの国に命名権があるのか?  教えてほしい

         

昨日の夕食は「サーロインステーキ」にしました 娘が肉を焼いて、私が野菜の付け合わせを用意しました   肉は柔らかくて美味しかったです

     

         

「スタンダールはモーツアルトの音楽の本質を『北欧の風土が生んだ憂鬱(メランコリー)にある』と定義した チマローザやロッシーニの陽気さと対照的に、モーツアルトの悲しさを指摘した最初の人である モーツアルトの評価がまだ定まらない時代に、その不朽の生命を断言したスタンダールの耳がなかったら、今日のモーツアルト讃歌もあるいは違っていたかもしれない」(高橋英郎著「モーツアルト366日」より)

スタンダールについては小林秀雄がエッセイ「モオツァルト」で触れています 1月23日はスタンダールの誕生日です

     

         

手元の本が残り1冊になったので、昨日 ジュンク堂書店池袋本店で本を8冊購入しました

1冊目は泡坂妻夫著「亜愛一郎の狼狽」(創元推理文庫)です この本は米澤穂信著「米澤屋書店」で推薦していた作品です

     

2冊目は筒井康隆著「七瀬ふたたび」(新潮文庫)です 筒井康隆の作品は最近読んだ「敵」が映画化されたこともあり、他の作品も読んでみたくなりました

     

3冊目も筒井康隆著「エロチック街道」(新潮文庫)です 面白そうなタイトルですが、18篇の短編集のようです

     

4冊めは伊坂幸太郎著「ペッパーズ・ゴースト」(朝日文庫)です 彼の作品は文庫化されるたびに購入して読んでいますが、文庫最新版です

     

5冊目は西條奈加著「よろず引くもの」(創元推理文庫)です 彼女の作品は「隠居すごろく」や「金春屋ゴメス」などを読みましたが、面白かったので買い求めました

     

6冊目は逢坂冬馬「同志少女よ、敵を撃て」(ハヤカワ文庫)です 単行本で刊行された時は大きな話題を呼びました 本屋大賞第1位とのことで、面白そうです

     

7冊目はP.D.ジェイムズ「女には向かない職業」(ハヤカワ・ミステリ文庫)です この本は早川書房「海外ミステリハンドブック」で推薦されていました

     

8冊目は千早耿一郎著「悪文の構造」(ちくま学芸文庫)です ”悪文”は自覚があるので 他人事とは思えず購入しました

     

いずれも読み終わり次第、toraブログでご紹介していきます

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上岡敏之 ✕ イーヴォ・ポゴレリッチ ✕ 読売日響でショパン「ピアノ協奏曲第2番」、ショスタコーヴィチ「交響曲第11番”1905年”」を聴く~第644回定期演奏会

2025年01月22日 00時47分16秒 | 日記

22日(水)。昨日午後、大学の先輩であり、かつての職場の先輩でもあるU氏とS氏と3人で池袋東武デパート13階のとんかつ屋で遅めのランチを取りました お互いに顔を合わせるのは昨年9月の新聞関係団体NSKのOB会以来です 話題は年齢相応の「健康」の話、「OB会メンバーの消息」(生きているか死んでいるか)が中心でした NSKで上司だったKK氏が今月19日に病気で亡くなった(享年89歳)という話も出ました KK氏はNSKを退職後、東大新聞研究所教授を務め、その後、立命館大学や東京情報大学などでも教鞭を執りました KK氏と同じ東京外国語大学卒でNSKでKK氏と同期生だった推理小説評論家のGM氏(この人も かつての上司)はまだご存命とのことです カフェに移ってコーヒーを飲みながら引き続き歓談しましたが、私が夜コンサートを控えていることもあり、また春に再会することを約して解散しました

ということで、わが家に来てから今日で3662日目を迎え、米共和党のトランプ氏(78)が20日、第47代大統領に就任し、2021年1月の連邦議会議事堂襲撃事件をめぐり、約1500人に恩赦を与えるなどの大統領令を連発し、気候変動対策の国際ルール「パリ協定」からの離脱や、バイデン前政権による78件の大統領令の取り消しを命じた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     米国第一・トランプファースト時代再来の幕が開いた 再びすべてが利害関係で動く

         

昨日、夕食に「豚バラ大根」「生野菜とアボカドとモッツアレラチーズのサラダ」「エノキダケの味噌汁」を作りました 豚バラが続きましたが、たまにはこういうこともあります

     

         

昨夜、サントリーホールで読売日響「第644回定期演奏会」を聴きました プログラムは①ショパン「ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 作品21」、②ショスタコーヴィチ「交響曲第11番 ト短調 作品103 ”1905年”」です 演奏は①のピアノ独奏=イーヴォ・ポゴレリッチ、指揮=上岡敏之です

     

オケは12型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの読響の並び。コンマスは林悠介です

1曲目はショパン「ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 作品21」です この曲はフレデリック・ショパン(1810-1849)が1829年から翌30年にかけて作曲、1830年3月17日にワルシャワで初演されました 第2番となっていますが、楽譜の出版が遅れたためで、実質的には第1番です 第1楽章「マエストーソ」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります

ピアノ独奏のイーヴォ・ポゴレリッチは旧ユーゴスラビアのベオグラード生まれ。モスクワ音楽院で学ぶ 80年のショパン・コンクールでは個性的な演奏で審査員の評価が割れ、本選に進めなかったことにマルタ・アルゲリッチが審査員を辞して抗議するという大スキャンダルとなり、世界的な注目を集めました

大きな拍手の中 ポゴレリッチが楽譜を携えて登場、ピアノに向かいます 譜めくりの男性も斜め後方にスタンバイします。ポゴレリッチはこの曲をCD録音もしているし、得意中の得意の曲のはずですが、必ず楽譜を譜面台に置いて演奏します

上岡の指揮で第1楽章が管弦楽により開始されますが、ごく普通のテンポで演奏されたので意外に感じました 私の予想ではもっと遅いテンポで演奏されると思っていました この間、ポゴレリッチは椅子の高さを調整したりして神経質な様子を見せます やがてポゴレリッチのピアノが入ってきますが、最初はオケに同調するかのように ごく普通のテンポで演奏します    しかし、曲が進むにつれ予想通りテンポが落ち、ポゴレリッチ独特の世界に転換します 第2楽章が白眉でした ますますテンポが落ち、ポゴレリッチは一音一音を慈しむように丁寧に奏でていきます その音色の美しさは他の何物にも例えられません 第3楽章はマズルカ風の主題の演奏が独特で、流麗というよりも音楽が呼吸しているような印象を受けます 全楽章を通じて、唯一無二のショパンです ポゴレリッチを前回聴いた時もショパンの第2番でしたが、今回も遅めのテンポの演奏に納得させられました

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返され、ポゴレリッチは楽譜を携えて拍手に応えました すると、まさかのことが起こりました 何と今 演奏したばかりの第2楽章「ラルゲット」をアンコールに演奏したのです     同じ繰り返すなら、普通は力強く終わる第3楽章を演奏するところでしょうが、ポゴレリッチは聴衆が「ラルゲット」を聴きたいことを知っているのです    こんなに素晴らしい演奏を2度も聴けて本当にラッキーでした

     

プログラム後半はショスタコーヴィチ「交響曲第11番ト短調 作品103 ”1905年”」です この曲はドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906-1975)が1957年の十月革命40周年記念のために1956年から57年にかけて作曲、57年にモスクワで初演されました 「1905年」という標題は同年のペテルブルクでの「血の日曜日事件」を描いています この事件は改革を求める民衆10数万人が行ったニコライ2世の冬宮への大行進に対して軍隊が発砲、大惨事になった動乱で、ロシア革命の端緒となりました 第1楽章「宮廷前広場:アダージョ」、第2楽章「1月9日:アレグロ」、第3楽章「永遠の記憶:アダージョ」、第4楽章「警鐘:アレグロ・ノン・トロッポ」の4楽章から成りますが、間断なく続けて演奏されます

弦楽器が14型に拡大し、上岡の指揮で第1楽章に入ります    上岡得意の弱音重視の演奏で、ひと言で言えば「嵐の前の静けさ」を表した音楽です    独奏トランペットが素晴らしい   第2楽章は一転、「血の日曜日事件」の惨劇を表す激しい演奏が展開します    管弦楽が咆哮します    第3楽章はチェロとコントラバスのピッツィカートに載せて演奏されるヴィオラの葬送のメロディーが印象的です    第4楽章は一転、勇壮な音楽が力強く演奏されます。咆哮する管楽器、炸裂する打楽器、渾身の弦楽器によりクライマックスが築かれます    やがて静けさが回帰され、イングリッシュ・ホルンが悲し気なメロディーを奏でますが、北村貴子の演奏が素晴らしかった    フィナーレは、まだまだ続く悲劇と混乱を暗示するかのようなコーダで曲を閉じました

満場の拍手とブラボーの嵐の中、カーテンコールが繰り返されました    全曲を聴き終わって思ったのは、上岡氏の並外れた統率力と最弱音から最強音までのダイナミックレンジの広さです また、この曲はCDで予習しておいたものの、やっぱりライブで聴かないと本当の良さが分からない、とあらためて思いました

     

     

         

この日の公演をもって16日(木)から続いた6日間連続コンサートが終了しました 確実に腰痛が悪化しました 今日は大型書店で文庫本を何冊か仕入れてこようと思いますが、その後はベッドに寝ながら読書して身体を休めたいと思います

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新日本フィル「室内楽シリーズ The section ~ 4人のオーボエ奏者たち」でバッハ「ゴルトベルク変奏曲」抜粋、モーツアルト「5つのディヴェルティメント」から第5番他を聴く

2025年01月21日 00時07分02秒 | 日記

21日(火)。わが家に来てから今日で3661日目を迎え、死亡した元兵庫県議をめぐり、NHK党の立花孝志氏は自らのSNSで「逮捕される予定だった」などと発信したことについて、事実ではなかったと認め 謝罪した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     デマと嘘を撒き散らしてSNSのカウントを稼ぐセコイ奴 こいつの辞書に”恥”はない

         

昨日、夕食に「豚肉とキャベツの炒めもの」「生野菜とアボカドとモッツアレラチーズと生ハムのサラダ」「シメジの味噌汁」を作りました 「豚肉~」は簡単で美味しかったです

     

         

昨夜、すみだトリフォニーホール(小)で新日本フィル「室内楽シリーズ The section ~ 4人のオーボエ奏者たち」を聴きました プログラムは①モーツアルト「5つのディヴェルティメント」から第5番(オーボエ三重奏版)、②アラン・スティーヴンソン「ミニ・トリオ」、③J.S.バッハ(浅間佳世子編)「ゴールドベルク変奏曲」より抜粋(オーボエ四重奏版)です 演奏はオーボエセクションの浅間信慶、神農広樹、岡北斗、森明子です

     

この室内楽シリーズは、開演前に仕掛け人(プロデューサー)がプレトークを行うことになっていますが、この日の浅間氏は、本人も自覚していたように相当アガッテいたようです かつてこの室内楽シリーズのプレトークで、毎回カンペなし・15分ジャストの天才的トークを披露したヴァイオリン奏者・篠原秀和氏が懐かしい プレトークはその人の人柄がよく分かるメリットがあるので、やらないよりはやった方が良いと思いますが、浅間氏に限らず カンペを見ても良いから もう少し落ち着いて話してほしいと思います

さて、開演時間になるとステージの照明が落とされ、暗い中 4人の演奏者が配置に着きます。明かりが点くと、なぜかチャイコフスキーのバレエ音楽「白鳥の湖」の「4羽の白鳥の踊り」が演奏されました   演奏後の浅間氏の解説によると、この日の4人の出演者を4羽の白鳥になぞらえたそうです🦢 考えましたね

プログラム1曲目はモーツアルト「5つのディヴェルティメント」から第5番(オーボエ三重奏版)です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1783~1788年頃に作曲した5楽章形式の5曲の5番目の作品です 元々は「バセットホルン三重奏曲」として考えられていたようです 第1楽章「アダージョ」、第2楽章「メヌエット」、第3楽章「アダージョ」、第4楽章「ロマンツェ:アンダンテ」、第5楽章「ポロネーズ」の5楽章から成ります 演奏はオーボエ=岡、浅間、イングリッシュ・ホルン=森です

15分程の作品なので、あっという間に終わってしまいましたが、特に「アダージョ」と「ロマンツェ」にモーツアルトらしさが感じられ、印象に残りました

2曲目はスティーヴンソン「ミニ・トリオ」です この曲は英リヴァプール出身のアラン・スティーヴンソン(1949-2021)が2007年に作曲した作品です 第1楽章「アレグロ・ヴィーヴォ」、第2楽章「ポーコ・レント」、第3楽章「スケルツォ・アンド・トリオ:モルト・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「ロンド・フィナーレ・アラ・ハイドン:プレスト」の4楽章から成ります 演奏はオーボエ=神農、浅間、イングリッシュ・ホルン=森です

現代の作曲家の作品の割にはロマン的で、親しみ易さを感じさせました 活気に満ちた第1楽章、美しいメロディーが印象的な第2楽章、楽しさ溢れる第3楽章、ウィットに富んだ第4楽章という印象を持ちました

     

プログラム後半はJ.S.バッハ(浅間佳世子編)「ゴールドベルク変奏曲」より抜粋(オーボエ四重奏版)です この曲はヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)が弟子のゴルトベルクが仕えていたカイザーリンクの不眠症を治すために1741から42年にかけて作曲した「アリアと30の変奏曲」からなる楽曲です この日の演奏は「アリアと12の変奏曲」がオーボエ四重奏用にアレンジされたものです 演奏はオーボエ=神農、岡、オーボエ・ダモーレ=森、イングリッシュ・ホルン=浅間です なお 森さんの解説によると、「オーボエ・ダモーレ」はオーボエより3度低く、「イングリッシュ・ホルン」はオーボエより5度低い楽器とのことです 勉強になりました

4人の演奏は息がピッタリ合って素晴らしかったです これは浅間佳世子さんの卓越した編曲に負うところが大きいと思います

満場の拍手の中カーテンコールが繰り返され、4人はアンコールにバッハ「主よ、人の望みの喜びよ」を鮮やかに演奏 鳴りやまない拍手に、スコット・ジョプリン「エンターテイナー」をノリノリで演奏し、再び大きな拍手に包まれました

浅間さん、楽しいコンサートをプロデュースしていただき、ありがとうございました

     

     

         

今日は読響定期演奏会で 上岡敏之 ✕ イーヴォ・ポゴレリッチのバトルを聴きに サントリーホールに行きます 私の予想では、ショパン「ピアノ協奏曲第2番」は超スローテンポの演奏になると思います

     

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