29日(木)。月末を迎えたので、2月の3つの目標の実績をご報告します ①クラシック・コンサート12回(今夜の分を含む)、②映画鑑賞=3本、③読書=9冊でした ①については腰痛のため5公演を諦め、②についても腰痛悪化を防ぐため自粛しました そのかわり③が通常の月より倍増しました これはコロナ禍真っ最中の時期以来です
ということで、わが家に来てから今日で3333日目を迎え、2022年のノーベル平和賞を受賞したロシアの人権団体「メモリアル」の幹部だったオレグ・オルロフ氏に対し、モスクワの裁判所は27日、ロシア軍の信用を失墜させる情報を繰り返し発信したとして、禁錮2年6か月を言い渡した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
ロシアでは 政府も議会も裁判所も すべてプーチンという名前が付いているからねぇ
昨日、夕食に「タラのアクアパッツア」「生野菜とアボカドのサラダ」「豚汁」を作り、鯵の刺身と一緒にいただきました 和食はいいですね
昨夜、東京芸術劇場コンサートホールで2024都民芸術フェスティバル参加公演「東京交響楽団」のコンサートを聴きました プログラムは①ブラームス「悲劇的序曲 作品81」、②メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64」、③シューマン「交響曲第3番 変ホ長調 作品97 ”ライン”」です 演奏は②のヴァイオリン独奏=成田達輝、指揮=松本宗利音です
指揮をとる松本宗利音(まつもと しゅーりひと)は1993年生まれ。東京藝大卒。指揮を尾高忠明、高関健らに師事。2019年4月から2022年3月まで札幌交響楽団指揮者を務めた それにしても名前が凄い ドイツの巨匠カール・シューリヒトの名前を借りて命名してしまうのですから大胆素敵です
自席は1階0列23番、センターブロック右から2つ目です
オケは12型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの東響の並び。コンマスは小林壱成です
1曲目はブラームス「悲劇的序曲 作品81」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833-1897)が1880年に避暑地バート=イシュルで作曲、同年12月26日にウィーンで初演されました 序曲と言ってもオペラの序曲ではなく、単独で演奏される「演奏会用序曲」です
松本の指揮で演奏に入りますが、溌溂とした指揮ぶりで東響の面々から推進力に満ちた演奏を引き出しました 管楽器も弦楽器も良く鳴っていました
2曲目はメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64」です この曲はフェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847)がライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のコンマス、フェルディナント・ダーヴィトのために1844年に作曲、1845年にダーヴィトのヴァイオリン独奏、ニルス・ゲーゼの指揮によりライプツィヒで初演されました 第1楽章「アレグロ・モルト・アパッショナート」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「アレグレット・ノン・トロッポ ~ アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」の3楽章から成りますが、続けて演奏されます
ヴァイオリン独奏の成田達輝は2010年のロン=ティボー国際コンクールで第2位、2013年の仙台国際音楽コンクールで第2位入賞 最近では室内楽にも力を入れています
松本の指揮により第1楽章が開始され、すぐに成田のヴァイオリンが加わり、快速テンポで演奏が進みます この楽章に限らず、成田の演奏はピリオド奏法(古楽奏法)を意識しているように思われます ヴィブラートこそ効かせていますが、スタイルはメリハリをつけて鋭角的に演奏します カデンツァは見事でした
それにしても、と思うのは「フェスティバル」とか「音楽祭」とかお祭り的なコンサートや、海外オケの来日公演になると、どうして猫も杓子も「メンコン」になるのでしょうか 個人的にはメンデルスゾーンは大好きだし、「メンコン」は名曲中の名曲だと思いますが、あまりにも「人寄せパンダ」的に選曲されていないだろうか 例えばドヴォルザークの「ヴァイオリン協奏曲」はあまり演奏されませんが、名曲中の名曲だと思います もっと演奏されても良いのではないか 今回のプログラムについては、ブラームス、メンデルスゾーン、シューマンという結びつきの強い3人の作品を選んだという趣旨は理解していますが
公演の話に戻ります 会場いっぱいの拍手に成田は、バッハ「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番 ホ長調 BWV1006」から第3曲「ガボットとロンド」を、自由自在に、ほとんどロケンロールで演奏し再び大きな拍手を浴びました
プログラム後半はシューマン「交響曲第3番 変ホ長調 作品97 ”ライン”」です この曲はロベルト・シューマン(1810-1856)が1850年に作曲、1851年2月6日にデュッセルドルフでシューマン自身の指揮で初演されました 第1楽章「生き生きと」、第2楽章「スケルツォ:きわめて穏やかに」、第3楽章「速くなく」、第4楽章「荘重に」、第5楽章「生き生きと」の5楽章から成ります この曲は「ライン」という愛称が付いていますが、柴辻純子さんのプログラムノートによると、「家族とともにライン地方を旅行し、ライン川の畔にそびえ立つケルンの大聖堂の壮麗さに圧倒されたことが作曲のきっかけになったと伝えられている」とのことです
松本の指揮で第1楽章がインパクトのある総奏で開始されます ライン地方の雄大な風景を表しているかのようです 上間善之率いるホルン・セクションの演奏が素晴らしい 第2楽章では東京シティ・フィルから移籍してすっかり東響に馴染んだ感のある竹山愛のフルート、産休・育休中の荒絵理子に代わり首席代行を務める最上峰行のオーボエが冴えています 第4楽章ではホルンとトロンボーンによる深みのある響きがケルン大聖堂の威容を表しているようで素晴らしい 私は仕事の一環で1991年1月に新聞社の人たちとケルン大聖堂を訪れたことがありますが、外見も内部も威厳のある姿が印象に残っています 第5楽章はオーケストラの総力を挙げての渾身の演奏で、輝くフィナーレを飾りました
満場の拍手に松本 ✕ 東響はシューベルトの劇付随音楽「ロザムンデ」から「バレエ音楽 第2番」をアンコールに演奏、再び大きな拍手に包まれコンサートを締めくくりました
松本宗利音は若さ溢れる指揮ぶりで、溌溂とした音楽づくりが素晴らしかったです これからも名前負けしないように頑張ってほしいと思います