人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

メカゴジラもマジンガーZも共演する「レディ・プレイヤー1」、4人の高校生がゲーム機に吸い込まれる「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」を観る:早稲田松竹

2018年08月31日 07時18分31秒 | 日記

31日(金)。今日で最初から酷暑続きだった8月も終わりです が、残暑は続いています 明日から9月、暦の上では秋になるので夏の居残りは遠慮してほしいと思います

ということで、わが家に来てから1429日目を迎え、フリーマーケットアプリやオークションサイトを運営するメルカリと楽天、ヤフーの3社は、学校に提出する宿題を想定した読書感想文や自由研究の完成品の出店禁止を決めた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     しょうもない親が子どもに悪知恵つけてんじゃないの? 金で何でも解決できると

     

         

 

昨日、夕食に「鶏のトマト煮」「生野菜サラダ」「人参、エリンギ、モヤシ、ウインナのトマトスープ」を作りました スープはトマト煮で余ったタレを利用しました

 

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹で「レディ・プレイヤー1」と「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」の2本立てを観ました

「レディ・プレイヤー1」はスティーヴン・スピルバーグ監督による2018年アメリカ映画(140分)です アーネスト・クラインの小説「ゲームウォーズ」が元になっています

舞台は貧富の格差が激化し、多くの人々が荒廃した街に暮らす2045年。世界中の人々がアクセスするヴァーチャル世界「OASIS(オアシス)」に入り、理想の人生を楽しむことが若者たちの唯一の希望だった そんなある日、オアシスの開発によって巨万の富を築いた大富豪のジェームズ・ハリデーが死去し、オアシスの隠された3つの謎を解明した者に、莫大な遺産とオアシスの運営を明け渡すというメッセージが発信される それ以降、世界中の人々が謎解きに躍起になり、17歳の孤独な青年ウェイド・ワッツ(タイ・シェリダン)もそれに参加していた。そしてある時、謎めいた美女アルテミス(オリビア・クック)と出会ったウェイドは、1つ目の謎を解き明かすことに成功し、一躍オアシスの有名人となる しかし、ハリデーの遺産を狙う巨大企業IOI社の魔の手が迫る ウェイドはアルテミスや仲間たちと協力しながら2つ目、3つ目の謎を解いていく

 

     

 

映画でヴァーチャル・リアリティの世界を描くとこうなるのか、と思わずため息が出るような 常に最新の技術で新しい世界を切り開くスピルバーグ監督による作品です スピルバーグらしく、今までの映画やアニメに登場した様々なキャラクターや名前を登場させています メカゴジラが登場する時は伊福部昭のゴジラのテーマが鳴り響きます マジンガーZも登場し大暴れします トシロウという名の仲間も登場しますが、これはスピルバーグ監督が役者として尊敬する三船敏郎からとった名前でしょう 音楽では、戦いのシーンでグレゴリオ聖歌の「怒りの日」のテーマ(ベルリオーズの「幻想交響曲」でも使われている)が金管で大々的に鳴らされていました 現在における最高のSFアドヴェンチャーと言っておきます

 

         

 

「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」はジェイク・カスダン監督による2017年アメリカ映画(119分)です

学校の地下室で居残り中の高校生4人は「ジュマンジ」というソフトが入ったテレビゲーム機を発見し、プレイするキャラクターを選んだ途端、ゲーム機の中に吸い込まれてしまう 4人は現実の自分とは身体も性別も違うキャラクターに入れ替わった挙句 ジャングルに放り出されてしまう 現実世界に帰るには各自に与えられたスキルやパワーを使って、奪われた宝石をジャガー神殿に戻すというステージをクリアしなければならない 生き残れるチャンス(ライフ)は一人3回まで。4人は協力し合いながらジャングルの凶暴なカバやジャガーやヘビやサイなどと戦いながら難攻不落のステージに挑む

 

     

 

この映画で面白いのは、若者4人が取り込まれたゲームの世界では まったく別のキャラクターに変身しているところです 気弱なゲームオタクのスペンサーは勇敢なムキムキマンのブレイブストーン博士に、アメフト部のスーパースターのフリッジは足の遅い動物学者に、シャイで真面目な がり勉娘のマーサはタフでセクシーな女戦士に、セルフィッシュでうぬぼれ屋の美人ベサ二―は 何とデブオヤジの地図専門家に変身してしまうのです   若者言葉「マジ  マンジ」ってここからきたのか?って思ってしまいます

ゲームの世界の話とは言え、この映画でもメイン・テーマになっているのは「友情」であり「皆で協力して困難な状況を克服することの大切さ」ということのようです

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小山実稚恵がベートーヴェン「ピアノ協奏曲第0番」を弾く!? / バーバー「アダージョ」がフィナーレで静かに流れる「エレファント・マン」、示唆に富む人生訓に満ちた「ラッキー」を観る:新文芸坐

2018年08月30日 07時20分57秒 | 日記

30日(木)。わが家に来てから今日で1428日目を迎え、米ワシントン・ポスト紙(電子版)は28日、トランプ米大統領が6月の日米首脳会談で、安倍晋三首相に「私は真珠湾を忘れない」と述べたうえで、対日貿易赤字に強い不満を表明したと報じた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       「ああ シンゾーに悪い!私こそ広島、長崎を忘れない」と返したんだろうね?!

 

         

 

昨日、夕食に「牛肉と玉ねぎの甘辛煮」と「トマト、エリンギ、レタスと卵のスープ」を作りました 「牛肉~」は久しぶりに作りました。牛肉をタレに漬けて冷蔵庫で30分冷やしてから焼くのがコツです

 

     

 

         

 

昨日の朝日夕刊 文化面にピアニスト 小山実稚恵さんの記事が載っていました   記事によると、彼女は2020年に生誕250年を迎えるベートーヴェンを軸にしたピアノシリーズ「ベートーヴェン、そして・・・」を企画したとのことです  来年6月から21年11月まで計6回 オーチャードホールで公演するが、ただソナタを全曲演奏するだけではなく「ありそうでない演目を聴かせたい」として、第4回にはベートーヴェンが13歳の時に作曲した「ピアノ協奏曲0番」を演奏するそうです

ウィキペディアによると、ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第0番」は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770‐1827)が1784年に作曲した作品で、現存する楽譜のタイトルには「ピアノフォルテもしくはチェンバロのための協奏曲」と記されているとのこと 楽譜はピアノパートのみ現存しており、管弦楽部分は不完全なため補筆が必要で、何人かのベートーヴェン研究家が手掛けているそうです 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「ロンド アレグレット」の3楽章からなり、演奏時間は約27分とのことです 

これは面白そうです。是非聴いてみたいと思います

 

         

 

現在 池袋の新文芸坐ではデヴィッド・リンチを特集しています。昨日「エレファント・マン」と「ラッキー」の2本立てを観ました

「エレファント・マン」はデヴィッド・リンチ監督による1980年のアメリカ・イギリス合作映画(白黒・124分)です この映画は19世紀のロンドンを舞台に、実在した奇形の青年ジョン・メリックの悲劇の人生を描いたものです

見世物小屋で「エレファントマン」として暮らしていた青年ジョンの元に、ある日外科医のトリーブスという男が現われる ジョンの特異な容姿に興味を持ったトリーブスは、彼を研究材料にするため、自分が勤める病院に連れ帰る。それ以来、ジョンとトリーブスの交流が始まる。最初は人を恐れて話すことが出来なかったジョンはトリーブスとの信頼関係の中で、次第に打ち解けるようになり自分の意思を伝えるようになる しかし、エレファントマンを失った見世物小屋の管理人は商売あがったりの状況を何とかしようと、再びジョンを見世物小屋に連れ戻す それを見かねた見世物小屋の仲間たちは皆で協力して、檻に閉じ込められていたジョンを開放する 紆余曲折の末にジョンは再びトリーブスの元に帰りゆっくりとベッドに横たわる

 

     

 

トリーブスは「エレファントマン」であるジョンを研究材料にして学会で発表、その結果、彼自身も有名になり患者も増えることになりますが、彼は妻にこう言います。「私はあの見世物小屋の管理人と同じ人種ではないか。彼を見世物にして世間に晒し、人気を得ている」。この言葉によって、 彼は良心を失っていないことが分かります

この映画が公開された1980年は言うまでもなくカラーの時代です それにも関わらず敢えて白黒で撮った意味はどこにあるのでしょうか? 私が考えるに、エレファントマンの奇怪な顔や身体が、白黒の方がドキュメンタリータッチのリアリティを持って迫ってくるからではないかと思います

いつもはベッドの上で座ったまま寝るのに、誰からも危害を受けることがない安住の場所を保障され、初めて身体を横たえて寝るジョンの姿の背景には、サミュエル・バーバーの「アダージョ」が静かに流れます この映画のフィナーレに最も相応しい 静謐で美しい音楽だと思います

 

         

 

「ラッキー」はジョン・キャロル・リンチ監督による2017年アメリカ映画(88分)です

神など信じずに生きてきた90歳の男ラッキー(ハリー・ディーン・スタントン)は、一人で暮らす部屋で目を覚ますとコップ1杯のミルクを飲み、ヨガのポーズをして、馴染みの店「ダイナー」でクロスワード・パズルをやりながらコーヒーを飲んで煙草をふかし、夜は馴染みのバー「エレインの店」で常連客達とだべり、ブラッディ・マリー(ウォッカのトマトジュース割り)を飲む、という毎日を送っている そんなある日、自宅でめまいがして倒れたことから 自分に人生の終わりが近づいていることに気づいた彼は、死について思いを巡らせるようになる 子どもの頃に怖かった暗闇を思い出し、去って行った友人ハワード(デヴィッド・リンチ)のペットのルーズベルト(リクガメ)の行方を思い、「ダイナー」で出会った同年代の男から聞いた 戦火の中で微笑んで死んでいった日本人少女のことに思いを巡らす。こうした小さな町の住人たちとの交流の中で、彼は死を悟っていく

 

     

 

この映画は「パリ、テキサス」で知られる個性派俳優で、2017年9月に死去したハリー・ディーン・スタントンの最後の主演作で、スタントン本人の体験に基づくエピソードが描かれているほか、長年にわたるスタントンの盟友デヴィッド・リンチ監督が主人公の友人ハワード役で出演しています

この映画は、特別な大きな事件が起こる訳でもなく、偏屈なラッキー爺さんの日常生活を淡々と描いているようでいて、示唆に富む人生訓に満ちています

仲間たちから「孤独じゃない?」と訊かれたラッキーはこう答えます。「俺は孤独じゃない!孤独(lonely)と一人(alone)は違う。aloneは単独という意味で 孤独を意味しない。 all alone 一人一人は単独だ」。

人生を皮肉に捉えることしかできないラッキーの人生観を一瞬で覆したのは、「ダイナー」で出会った海軍出身の同年代の男の話です。彼は「第2次世界大戦で日本軍と戦った時、われわれが近づくと、村の連中は襲われると思って、先に子どもを崖から突き落として、あとから自分が飛び降りたんだ。凌辱されるよりも自決を選んだんだよ その時、一人の少女が死を目の前にして微笑んだんだ。とても美しかった。それは彼女が仏教徒だったからだと思う」と語ります。死を前にしてニッコリ微笑む・・・このエピソードがラッキーの生き方を変えます。それ以降、ラッキーはしかめっ面の代わりに微笑みを浮かべるようになります

もう一つは、友人ハワードの話です 彼は長年連れ添ったペットの亀に「ルーズベルト」と名付け、遺産相続までしようとしていますが、そのリクガメに逃げられてしまいガックリきています しかし、彼は考えた末にこう悟ります。「ルーズベルトは逃げたんじゃない。新しい生き方を求めて旅立ったんだ それを今まで自分が邪魔していたんだ。そう考えることにしたよ。縁があればまたどこかで出会うだろう」。

90歳の老人ラッキーの淡々とした日常生活を観て感じるのは、すぐ近くに馴染みの店があり 話し合う相手がいることが如何に幸せか、ということです

ラッキーは不安になると 赤い大きな電話機のダイヤルを回し 誰かに話しかけます 会話をしているようですが相手の声は聴こえず、ラッキーの声だけが聴こえるので、本当は相手など存在せずラッキーが一人芝居をしているのではないか、と思いますが、生涯独身と自称しているラッキーには本当はどこかに家族(元妻か子ども)がいるのではないか、とも思わせます

大きなサボテンが林立する中、ラッキーがタバコを吸いながら去って行くと、サボテンの蔭からルーズベルトがゆったりした足取りで出てくるラスト・シーンは、そこはかとないユーモアがあって思わず頬が緩みます ラッキー(ハリー・ディーン・スタントン)は、あのまま天国に行ってしまったようです

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新日本フィル 上岡音楽監督のインタビューから / 「ザ・シークレットマン」を観る~ニクソン米大統領が辞任に追い込まれた「ウォーターゲート事件」の全貌と内部告発者を描く:ギンレイホール

2018年08月29日 07時19分50秒 | 日記

29日(水)。わが家に来てから今日で1427日目を迎え、国民的な人気アニメ「ちびまる子ちゃん」の作者、さくらももこさんが亡くなったことを受けて、世界中で53歳の早すぎる死を悲しむ声が広がっている というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                   何年経っても歳をとらない永遠の小学生は ののちゃんとまる子ちゃんだけだね

 

         

 

昨日、夕食に「豚バラこんにゃく」と「厚揚げとトマトの和風炒め」を作りました 「豚バラ~」のこんにゃくが黒く見えるのは焦げているのではなく、気のせいです 「厚揚げ~」は新聞の「料理メモ」にあったレシピですが、初めてにしては上手に出来ました

 

     

 

         

 

27日の朝日夕刊 文化欄に新日本フィル音楽監督・上岡敏之氏のインタビュー記事が載っていました。超訳すると

「人見知りをするので、オーケストラとはようやく親密になり、個性が見えるようになってきた。まだつぼみだが、花開けばオーケストラ全体の個性が出てくると思う」。昨秋、レーガー、ツェムリンスキー、ニールセンのあまり演奏されない3曲を録音したことについては、「神秘的で少し危険な、聴けば聴くほど味が出る曲なんです」。定期演奏会の曲目の脱・定番化をはかっている。時間をかけて練習を重ねることには定評がある 新しい曲では技術や表現の課題をクリアするため、よく演奏される曲ではこびりついた弾き方の『垢』を落とすためだ 新日本フィルに限らず、日本のオーケストラは統制がとれすぎているという 「間違ったり人に迷惑をかけたりしたくない気持ちを乗り越えて、何をしたいかを表してほしい それができる状況を作り出すのが僕の役目だと思っている」「どんな曲にでも物語を見つけてドラマにしてしまう」のがオペラ指揮者の癖だという

上岡氏の「日本のオーケストラは統制がとれすぎている」という指摘は、27日の当ブログでご紹介した「全員が指揮者を見ないで、お互いの音を耳で聴いて演奏する『デア・リング東京』」の記事で指摘されていた「指揮者・コンサートマスター・首席奏者・奏者」というヒエラルキー構造のことを言っているのではないかと思います

9月から始まる新日本フィルの2018-19シーズンはジェイド(サントリーホール)シリーズを選びました 上岡氏の指揮で聴くのは①10月27日のブルックナー「第9番」&「テ・デウム」、②来年3月30日のマーラー「第2番”復活”」、③5月10日の「ワーグナー・アーベント」です いずれも重量級のプログラムですが、上岡氏がどのような指揮をするのか興味深いものがあります

 

     

 

         

 

昨日、神楽坂のギンレイホールで「ザ・シークレットマン」を観ました これはピーター・ランデズマン監督による2017年アメリカ映画(103分)です ニクソン米大統領がアメリカ合衆国史上初めて任期半ばで辞任に追い込まれるキッカケになった「ウォーターゲート事件」の全貌と、謎の内部告発者の姿を描いています

1972年6月、ワシントンD.C.にあるウォーターゲート・ビルに入居している民主党全国委員会本部オフィスに5人の男が侵入し、逮捕された。彼らは盗聴器を設置していたが、事件の真相を突き止めるためFBIの捜査が入ることになった。後に その事件は「ウォーターゲート事件」と呼ばれることになった。フーバーFBI長官の急死後、「ウォーターゲート事件」の捜査の指揮に当たっていたFBI副長官マーク・フェルト(リーアム・二―ソン)は、なかなか進展しない捜査の裏にホワイトハウスが捜査妨害をしていることを察知し、事件自体がホワイトハウスの陰謀によるものであることを悟る 大統領に忠実なL・パトリック・グレイFBI長官(マートン・ソーカス)に捜査協力が期待できない中、フェルトは真相を明るみにするため極秘情報のリークという大胆な決断をする

 

     

 

「ウォーターゲート事件」については、スクープ記事を書いたワシントン・ポスト紙の記者、カール・バーンスタインとボブ・ウッドワードの回想録を映画化した「大統領の陰謀」(1976年アメリカ映画・132分)があります ダスティン・ホフマンがバーンスタインを、ロバート・レッドフォードがウッドワード記者を演じたこの映画は、FBIの内部情報提供者(ディープ・スロート)から極秘情報を得る側の立場からウォーターゲート事件の真相に迫っていますが、リーアム・二―ソンがFBI副長官マーク・フェルトを演じる「ザ・シークレットマン」は、FBIの内部情報提供者(内部告発者)の立場から事件の真相に迫っています

この映画で一番印象に残っているのは、マーク・フェルト副長官がホワイトハウス関係者から捜査の進展状況を報告するよう求められたとき、「FBIは独立機関だ。誰からの指示も受けない」と突っぱねるところです  これは「司法」「行政」「立法」の三権分立の考えに立つもので、捜査機関はどんな組織・人物からも独立していなければならないという信念に基づいています

マーク・フェルトはFBI退官後 長い間沈黙を守ってきましたが、2005年5月31日に「自分がディープ・スロートだった」と認め、ウッドワードもそれを追認しています

この映画を観ると、この時期(2017年)に公開された意味を考えざるを得ません 言うまでもなく、トランプ米大統領を巡る「ロシアゲート事件」のことです。簡単に言えば「ロシア政府が昨年のアメリカ大統領選挙でトランプ陣営に有利な介入を行ったのではないか」ということで、FBIのコミー長官がこの疑惑について担当・調査に当たってきたのですが、コミー長官はトランプ大統領から突然解任されました。これでますますトランプ大統領のロシアゲート疑惑が深まったと言えます

ギンレイホールでは「ザ・シークレットマン」とともに「ペンタゴン・ペーパーズ  最高機密文書」を同時上映しています(9月7日まで)。これはスピルバーグ監督による2017年アメリカ映画(116分)です ベトナム戦争が泥沼化していた1971年、戦争の実態を分析した最高機密文書の一部がニューヨーク・タイムズによってスクープされ、ワシントン・ポストがそれを追いかけて訴訟覚悟で報道したというものですが、女性として初めて新聞社の社主に就任したワシントン・ポスト紙のキャサリン・グラハムの「経営か報道か」を巡る苦悩を描いています 詳細は4月17日付の当ブログをご参照ください

参考までに、この2つのストーリーの時系列を説明すると、まず「ペンタゴン・ペーパーズ」事件があり、その後「ザ・シークレットマン」のウォーターゲート事件が起こったという順番になります 共通するのは、当時のアメリカは共和党のニクソン政権だったということです

さて、現在進行形のトランプ大統領を巡る「ロシアゲート事件」は今後どうなるのでしょうか? 11月のアメリカの中間選挙までに何らかの動きがあるのでしょうか? がんばれ! 独立CIA

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誰も観てはならぬ!METライブビューイング アンコール2018のプッチーニ「トゥーランドット」~ゼフィレッリによる絢爛豪華な演出 / 井上和男編「クラシック音楽作品名辞典 第3版」を買う

2018年08月28日 07時18分20秒 | 日記

28日(火)。わが家に来てから今日で1426日目を迎え、北朝鮮で日本人観光客の男性が拘束されている問題で、北朝鮮は男性が日本政府とは無関係と判断した模様で、朝鮮中央通信は「人道主義の原則に従って寛大に許してやり、国外に追放することにした」と伝えた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      何を偉そうに”寛大に許す”とか言っているのか!  拉致国家体質は変わらないじゃん

 

         

 

昨日、夕食に「手羽中のスペアリブ」「マグロの山掛け」「生野菜とアボカドとタコのサラダ」を作りました 「手羽中~」は2回目のチャレンジかも。とても美味しく出来ました

 

     

 

         

 

現在 私はブログを書く時の参考書として音楽之友社「音楽中辞典」(昭和54年11月1日第1刷。同年12月15日第2刷。507ページ)と神保環一郎著「クラシック音楽鑑賞事典」(講談社学術文庫。1983年11月10日第1刷。2015年5月15日第37刷。1003ページ)を使っていますが、両者とも内容が古すぎて時代にそぐわなくなってきたので、新しい参考書を購入することにしました

「クラシック音楽鑑賞事典」に至っては、2015年に最新印刷になっているにも関わらず、マーラーは交響曲第2番”復活”、大地の歌、歌曲集「さすらいの若者の歌」(原文のまま)、同「亡き児をしのぶ歌」の4曲しか紹介されていないし、バーンスタインに至っては名前さえ載っていません。これではお話になりません

 

     

 

     

 

そこで、池袋のジュンク堂書店本店の最上階にある「芸術コーナー」に行き、音楽の友社ほかから出ている音楽事典・辞典類を比較検討して、井上和男編「クラシック音楽作品名辞典  第3版」(1981年11月20日初版発行。2009年6月15日第3版発行。1234ページ。三省堂。税別4800円)を購入しました 収録されている作曲家は1243名で、約45,200曲が紹介されています。マーラーはすべての交響曲が載っているのはもちろんのこと、室内楽、歌曲まで網羅しており、バーンスタインも詳細に紹介されています 今まで古い辞典・事典で調べて載っていない項目はネットで調べていましたが、手元にすぐに引ける辞典があれば迅速に文章が書けます 毎日ブログを書く私にとっては手放せない道具になりそうです

 

     

 

         

 

昨日、東銀座の東劇で「METライブビューイング  アンコール2018」のプッチーニ「トゥーランドット」を観ました  これは2009年11月7日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です 2010年1月に初めて観て、同年から2013年まで毎年8月にアンコール上映で4回観たので 今回が6度目となりますが、観るたびに新たな感動をおぼえます

 

     

 

キャストはトゥーランドット姫=マリア・グレギーナ、リュー=マリーナ・ポプラフスカヤ、カラフ=マルチェッロ・ジョルダ―二、カラフの父ティムール=サミュエル・レイミ―他です 指揮はラトビア出身のアンドリス・ネルソンズ、演出は現在最高の演出家フランコ・ゼフィレッリです

METライブビューイング「トゥーランドット」は、同じゼフィレッリの演出、ニーナ・ステンメのトゥーランドット、マルコ・ベルティのカラフというキャストで2016年1月30日に上演され、日本では同年2月27日から1週間上映されましたが、今回のアンコール上映に選ばれたのは2009年の上映作品でした それは両公演を比べて観れば一目瞭然です

トゥーランドットは、見た目からして美人ではあるが冷酷無比でなければならず、劇的な感情表現の出来る強靭なソプラノでなければ務まりません その点、マリア・グレギーナはトゥーランドットにピッタリです 幕間のインタビューで、トゥーランドットを歌うことについて訊かれたグレギーナは「地獄のようです」と答えていましたが、それほど、高音の強靭な歌声を持続させることが要求されます

2010年1月に初めてライブビューイングでマリア・グレギーナのトゥーランドットを観て感激した私は、翌2011年2月20日にNHKホールで上演されたワレリー・ゲルギエフ指揮マリインスキー・オペラの「トゥーランドット」を観に行き、生でグレギーナを聴きました 期待通りの圧倒的な存在感に感激しましたが、演出面では METのゼフィレッリの絢爛豪華な舞台・演出を観た経験を持つ身には、物足りなさを感じたことを告白せざるを得ません ただ、トゥーランドット姫に求婚したものの3つのクイズに答えられなかった若者に対する「首を切れ」というジェスチャーは、この公演でもグレギーナならではの冷酷さが出ていてゾッとしました

 

     

 

     

 

プッチーニのオペラの主人公は、「トスカ」にしても、「蝶々夫人」にしても、「マノン・レスコー」にしても、「ラ・ボエーム」のミミにしても、愛する男を思いながら死んでいく「悲劇のヒロイン」です この「トゥーランドット」では、愛するカラフのために自己犠牲を払って自死するリューがその役割を担っています ポプラフスカヤはピアニッシモによる可憐な歌声で「悲劇のヒロイン」リューを歌い演じ 満場の喝采を浴びました カラフを歌ったジョルダ―二は余裕さえ感じさせるテノールで、有名な「誰も寝てはならぬ」をはじめとするアリアを朗々と歌い上げました カラフの父ティムールを歌ったレイミ―はよく通るバスで魅力を発揮しました また、ピン、ポン、パンの3人の歌手も抜群の歌唱力と演技力で楽しませてくれました

充実した歌手陣に負けず劣らぬ活躍を見せたのがアンドリス・ネルソンス指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団・合唱団によるドラマティックでメリハリの効いた演奏でした

     

 

最後に、この公演を成功に導いた最大の要因はフランコ・ゼフィレッリによる舞台・演出と言っても過言ではないでしょう ただ絢爛豪華な舞台というのではなく、舞台装置の細部に至るまでリアリティーが追求され、一度観たら決して忘れられない舞台になっています 上にも書きましたが、この素晴らしい舞台・演出を観たら、他のプロダクションによる舞台・演出が物足りなく感じます そういう意味では、私は次のように言わなければならないかも知れません

                誰も観てはならぬ 

METライブビューイング「トゥーランドット」は、休憩2回、歌手・指揮者へのインタビュー等を含め3時間4分の上映です 東劇での今後の上映日程は、本日=28日(火)午前11時~、29日(水)午前11時~、9月29日(土)午後2時~の3回です この公演はMETの歴史に残る記念すべきオペラ公演です。これを観て感動しない人はいません。断言します

 

     

     

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指揮者を見ないオケ「耳」で協奏「デア・リング東京」公開演奏会へ~朝日の記事から / 栗山千明さんお薦めのミステリー 舞城王太郎著「世界は密室でできている。」を読む

2018年08月27日 07時17分44秒 | 日記

27日(月)。わが家に来てから今日で1425日目を迎え、トランプ米大統領は6月の米朝首脳会談を成功と自賛し、米朝交渉が順調に進んでいないと指摘されると「フェイクニュース」と反発していたが、24日「ポンぺオ氏に訪朝しないように要請した。なぜなら現段階では、朝鮮半島の非核化に重要な進展が見られないからだ」とツイートした というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                トランプは言うことがコロコロ変わるから  さすがの金正恩も頭抱えてんじゃね?

 

         

 

昨日の朝日朝刊 文化文芸欄に「指揮者を見ないオケ『耳』で協奏 『デア・リング東京』公開演奏会へ」という記事が載っていました 超訳すると

「オーケストラは、指揮者に向かって扇形に座って指揮棒を注視するのが常識だ。『デア・リング東京オーケストラ』は奏者全員が客席を向き、指揮者を見ないで演奏する 同オケは録音プロデューサーの西脇義訓氏が2013年に設立し録音中心に活動してきた。同氏は録音のときは空間全体の響きを聴き『空気を録る』ことを心がけるが、オケの奏者は周りの音を十分に聴かず、ハーモニーを作り出せていないことが多いと感じていた 自身がアマ・オケのチェロ奏者としての経験から、これは指揮者、コンサートマスター、首席奏者というヒエラルキー構造が原因ではないかと考えた 『指示する人が多すぎる。志をもって入ってきた人も、がんじがらめで意欲を失う』。自発性を引き出すため、アイコンタクトを禁止し、ボーイング(弓の上げ下げ)はそろえず、コンマスや首席は固定せず、交代制にした 並び方は曲によって変える。弦楽器を四重奏のセットにしたり、ビオラが主導する曲では最前列にヴィオラを並べたりもする。指揮者を見ない演奏は曲により向き不向きがある 構造が複雑で大編成の曲は『聴き合う』だけでは合わせるのが難しい お薦めはモーツアルトだという。奏者は東京藝大、東京音大、桐朋音大など出身の30歳前後が多い。生演奏を聴きたいという声が寄せられ、録音の公開が決まり、31日(金)午後4時から三鷹市芸術文化センターでコンサートが開かれる。演奏曲目はモーツアルト:歌劇『フィガロの結婚』序曲、ベートーヴェン『交響曲第7番』ほか 料金はCD付き4,800円」

オーケストラの演奏で「お互いの音を聴き合いながら演奏するのが大事」というのは良く聞く話です 比較的分かり易いのは「指揮者なしの演奏」です。フォルクハルト・シュトイデ率いる「トヨタ・マスタープレイヤーズ、ウィーン」や都響の矢部達哉率いる「トリトン海のオーケストラ」などでお馴染みのスタイルですが、少数精鋭のメンバーによって、コンマスのリードで見事にベートーヴェンの交響曲などを演奏します しかし、メンバーはコンマスや首席を意識して”揃えて”演奏していると思われます その点、全員が前を向いて 指揮者を見ない(当然、コンマスも首席も見ない)で演奏して、果たしてアンサンブルは乱れないのだろうか、と疑問に思います 

これについては、記事の中で、3年前に加わったコントラバス奏者のS氏が、ヴァイオリンにジュリアード弦楽四重奏団のジョセフ・リンを迎えた録音で劇的に響きが変わる体験をした、として次のように証言しています

「弦がまとまり、音がイメージしやすくなった 耳が開いて全体が聞こえ、肩の力が抜けて楽に弾けた

演奏者が皆、S氏のように感じていたとしたら、やはり効果があったのだと思います クラシックの演奏スタイルはこうして少しずつ変化していくのでしょうか

 

         

 

舞城王太郎著「世界は密室でできている」(講談社文庫)を読み終わりました 舞城王太郎(まいじょう・おうたろう)は1973年、福井県生まれ。2001年に「煙か土か食い物か」で第19回メフィスト賞を受賞してデビュー、03年に「阿修羅ガール」で第16回三島由紀夫生を受賞しています

 

     

 

そもそも私がこの本を読もうと思ったのは、新聞のコラム「読書日記」に女優の栗山千明さんが「お風呂で はまった舞城ワールド」という感想を寄せていたからです   栗山さんは高校生の頃、お風呂に本を持ち込んで読書するのが習慣だったようで、1回8時間も入っていた時があったそうです   それ労働者の基準労働時間ですから その時に読んだ本で一番好きなのが「世界は密室でできている」だそうです

舞台は架空の街、福井県西暁町。家が隣同士の中3男子の西村友紀夫と親友の自称名探偵「ルンババ」こと番場潤二郎のコンビが 次々と起こる密室事件を解決していくという内容です

修学旅行で訪れた東京で椿(ツバキ)と榎(エノキ)というエキセントリックな姉妹と出会い、いつの間にか殺人事件に巻き込まれていきます

4つの建物の中で合計15人もの人が殺されている密室事件の謎解きは、どうも理屈に理屈を重ねたようでしっくりきませんでした むしろ、この本の魅力は、栗山さんも指摘しているように友紀夫とルンババの会話にあるように思います

屋根の上でルンババの「あ!」という声。「どうした!?」「見つけた!」「何を!」「理想の結婚相手!な訳ねえやろ!」「いや下らん冗談はいいで。何を見つけたんだよ」「凶器!」「嘘!屋根の上にあるんか?」「違う。林の中の、木の上!」「・・・・・」

という調子です 

なお、この本の著者本人が書いたイラスト(4コマ漫画風)が何枚か出現しますが、これがすごく・・・・・下手くそで、驚きます 小学生のいたずら書きレベルと言っても過言ではありません しかし、表紙もそうだとすれば、表紙だけは魅力的です

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リチャード・パンチャス ✕ アンナ・ツィブラエワ ✕ アジア ユース オーケストラ でラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」、ガーシュイン「パリのアメリカ人」他を聴く

2018年08月26日 07時21分07秒 | 日記

26日(日)。わが家に来てから今日で1424日目を迎え、本州一のサンマの水揚げ量を誇る岩手県大船渡市で25日、サンマの本州発水揚げがあり、不漁だった昨年に比べ魚体は大きめで 量も7割多く、平均価格は1割安くなった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                「サンマ苦いかしょっぱいか」と味わう前に 酷暑の SUMMER をどうにかして!

 

         

 

昨日、東京オペラシティコンサートホールで「アジア ユース オーケストラ 日本公演2018」第2日目を聴きました プログラムは①ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガ-」より第1幕への前奏曲、②プロコフィエフ「ロミオとジュリエット」第1組曲、第2組曲より抜粋、③ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲 作品43」、④ガーシュイン「パリのアメリカ人」です ③のピアノ独奏はアンナ・ツィブラエワ、指揮はリチャード・パンチャスです

リチャード・パンチャスは1987年にユーディ・メニューインとともにアジアユースオーケストラ(AYO)を設立し、同オケの芸術監督と指揮者を務めています

 

     

 

自席は1階24列22番、センターブロック右通路側です。会場は前日とほぼ同じくらいの入りでしょうか

オケのメンバーが配置に着きます。この日は左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとります。コントラバスは指揮者とソリストの出入口側なのですごく窮屈そうに見えます。この日のコンマスは男性です

1曲目はワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガ-」より第1幕への前奏曲です この楽劇はリヒャルト・ワーグナー(1813‐1883)が1845年に着手し1867年に完成させた作品です マイスタージンガーとは名歌手のことで、14世紀ごろドイツでおこった詩人音楽家を指します この作品は全3幕で上演に4時間半近くかかります 演奏されるのは第1幕への前奏曲です

パンチャスはゆったりしたテンポで音楽を進め、歌わせるところは徹底して歌わせ マスの迫力でスケールの大きな演奏を展開しました

2曲目はプロコフィエフ「ロミオとジュリエット」第1組曲、第2組曲より7曲を抜粋したものです セルゲイ・プロコフィエフ(1891‐1953)は1935年にシェイクスピアの悲劇「ロメオとジュリエット」を基にバレエ音楽を作曲しましたが、その後、1936年に管弦楽用の第1組曲、翌37年に第2組曲を発表しました なお、彼はこのほか第3組曲とピアノ独奏用組曲も作りました

この日演奏されるのは、①モンタギュー家とキャピュレット家(第2組曲)、②少女ジュリエット(同)、③情景(第1組曲)、④メヌエット(同)、⑤仮面(同)、⑥ロメオとジュリエット(同)、⑦ティボルトの死(同)の7曲です

全体を聴いた印象は、1曲目の「モンタギュー家とキャピュレット家」のおける分厚いブラスと切れ味のある弦の演奏、4曲目の「メヌエット」におけるテナー・サックスの味のある演奏、6曲目の「ロメオとジュリエット」における金管楽器の咆哮、弦の底力、打楽器の破壊力、そして7曲目の低弦のたっぷりした響きなどが特に印象に残りました


     


プログラム後半の1曲目はラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲 作品43」です この曲はセルゲイ・ラフマニノフ(1873‐1943)が1934年の夏に避暑地スイスの別荘で作曲したもので、同年11月7日、作曲者のピアノ、レオポルド・ストコフスキー指揮フィラデルフィア管弦楽団により初演されました

この作品は主題と24の変奏から成りますが、主題はパガニーニのヴァイオリン曲「24の奇想曲」第24番「主題と変奏」の「主題」を用いています。中でも第18変奏「アンダンテ・カンタービレ」は一番有名な曲で、単独で演奏されることが多い楽曲です

この作品で気を付けなければならないのは、一般の変奏曲と異なり、まず「序奏」が演奏され、次に「第1変奏」がきて、その次に「主題」が演奏されて、それから「第2変奏」「第3変奏」・・・と続いていくことです

ピアノ独奏のアンナ・ツィブラエワは1990年ロシア生まれで、2015年のリーズ国際ピアノ・コンクール第1位ほか、数々の入賞歴があります

パンチャスの指揮で序奏から開始され、途中から独奏ピアノが入ってきますが、彼女は相当の技巧派ピアニストであることが分かります ぶっちゃけた言い方をすれば滅茶苦茶上手いです 確かな技術を背景にそれぞれの変奏曲の表情が豊かに再現されます 速いパッセージでも音はクリアで、ゆったりしたパッセージでは叙情豊かに、見事に弾き分けます この曲で一番有名な第18変奏「アンダンテ・カンタービレ」のドラマティックな音楽を聴いていたら、まるで第17変奏までがこの第18変奏の前奏曲だったのではないかと思うほど この曲のピークを形成しています

最後の第24変奏のフィナーレはいかにもプロコフィエフらしいユーモアを感じさせる終わり方です トゥッティで盛り上がったと思ったら、ピアノが主題の断片を極めて弱く演奏して「なんちゃって」みたいに曲を閉じるのです

満場の拍手に、アンナはアンコールにショパンの「ワルツ作品64-1”子犬のワルツ”」を鮮やかに演奏しました それでも鳴り止まない拍手にもう1曲演奏しましたが、曲名は分かりませんでした(終演後、ロビーにはこの日のアンコール曲の表示がありませんでした)。

 

     

 

最後の曲はガーシュイン「パリのアメリカ人」です この作品はジョージ・ガーシュイン(1898‐1937)が1928年にニューヨーク・フィルの委嘱により書いた曲で、1920年代に過ごしたパリの活気に満ちた様子を全3部構成で描いた”シンフォニック・ジャズ”です 第1部ではニューヨークの喧騒を表す車のクラクションがこれでもかというほど鳴らされます 第2部ではトランペット・ソロの演奏が郷愁を誘います 第3部ではチャールストン風の音楽が賑やかに演奏されますが、管楽器、弦楽器、打楽器ともノリノリの演奏を展開します

会場いっぱいの拍手に応え、パンチャス✕AYOはオッフェンバックのオペレッタ「地獄のオルフェ」(邦名「天国と地獄」)から「地獄のギャロップ」(カステラ1番電話は2番♬)を賑やかに演奏しました 彼らは各楽器セクションごとに立ち上がって身体を揺らしながら演奏し、この時ばかりは「シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ」に変貌を遂げていました 客席も半ば自然発生的に手拍子で演奏に参加しました 演奏者と聴衆が一体となった瞬間でした

その後、例によってパンチャスがマイクを持って再登場し、100人のメンバーを国・地域別に紹介し、呼ばれた国の若者はその場で立ち上がり、大きな拍手を浴びました(昨日のブログ参照)。ここで、この日のコンマスが参加者が一番多い台湾出身であることが分かりました

最後に、8月3日の香港公演から始まった「AYO2018コンサートツアー」の最終公演の締めくくりに、2曲目のアンコールとして エルガー「エニグマ変奏曲」から「ニムロッド」を、それぞれの思いを込めて演奏し、6週間にわたる「AYO」演奏活動を終了しました 演奏した100人の若者たちは、香港での3週間のリハーサル・キャンプ、3週間のコンサートツアーを共にした仲間たちと握手を、あるいはハグし合い、別れを惜しんでいました

アジア各国から集まって演奏してくれた若者の皆さん、感動をありがとう また来年もオーディションに合格し AYOの一員として東京で演奏してください   楽しみに待っています

 

     

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ジェームズ・ジャッド✕ベニー・ツェン✕アジア ユース オーケストラ でバーバー「ヴァイオリン協奏曲」、ラフマニノフ「ヴォカリーズ」「交響的舞曲」他を聴く

2018年08月25日 08時18分18秒 | 日記

25日(土)。わが家に来てから今日で1423日目を迎え、世界初とされるインスタントラーメン「チキンラーメン」が売り出されてから25日で60年となったが、22、23日に大阪で「世界ラーメンサミット」があり 即席麺の未来について意見が交わされた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                 2017年に世界で消費された即席麺は1001億食だって!わが家も貢献してるよ

 

         

 

昨日、夕食に「肉じゃが」と「生野菜とタコのサラダ」を作りました 「肉じゃが」は火加減が分かるようになってきました

 

     

 

         

 

昨夕、初台の東京オペラシティコンサートホールで「アジア ユース オーケストラ 日本公演2018 第1日目」を聴きました プログラムは①エネスク「ルーマニア狂詩曲第1番」、②バーバー「ヴァイオリン協奏曲 作品14」、③ラフマニノフ「ヴォカリーズ」、④同「交響的舞曲 作品45」です ②のヴァイオリン独奏はベニー・ツェン、指揮はジェームズ・ジャッドです

ジェームズ・ジャッドは英国生まれで、ニュージーランド交響楽団の音楽監督を務めながら、アジアユースオーケストラ(AYO)の首席指揮者を務めています

 

     

 

自席は1階24列目のセンターブロックですが、会場はほぼ例年通りの入りでしょうか  普段コンサートを聴き慣れていない人が多そうです

オーケストラのフル・メンバー100人がステージに上がります 全員が上が濃いグレー、下がブラックの衣装で統一しています。オケは左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという並びで、コントラバスは管楽器の後方に8人が横一列で並びます。この会場では、こうしないと100人が収まらないのかも知れません コンマスは女性です。この時点ではどこの国の出身者か分かりません

どこかポール・マッカートニー似のジェームズ・ジャッドが登場し、指揮台に上がります

1曲目はエネスク「ルーマニア狂詩曲第1番」です この曲はルーマニアの作曲家ジョルジュ・エネスク(1881‐1955)が1901年に作曲し、1903年3月にブカレストでエネスク自身の指揮で初演された管弦楽曲です

この曲は初めて聴きました。冒頭 クラリネットとオーボエが印象的な旋律を奏でますが、素晴らしい演奏でした 中盤でヴィオラのトップとコンマスがその場で立ち上がってソロを演奏するシーンがありましたが、とくにコンマスの演奏は素晴らしかったです 内容的には 終わりそうでなかなか終わらない、まさに「狂詩曲」そのものといった風情の曲でした 全体的に 100人の奏者によるエネルギーに満ちたアグレッシブな演奏でしたが、エネスクって結構しつこい性格なのだろうか、と余計なことを考えてしまいました


     


2曲目はバーバー「ヴァイオリン協奏曲 作品14」です この曲はサミュエル・バーバー(1910-1981)が1939年に完成させた作品です 

管楽器を中心にメンバーがかなり抜け、中規模編成になります ヴァイオリン独奏のベニー・ツェンは1994年台湾の台北市生まれ。2009年の第10回サラサーテ国際ヴァイオリン・コンクールで第1位、2015年のチャイコフスキー国際コンクールで最高位入賞をはじめ数々の入賞歴があります 使用楽器は1732年製のグァルネリ・デル・ジェス「カステルバルコ・タリシオ」です

この曲は第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「無窮動によるプレスト」の3楽章から成ります

演奏を聴いた全体的な印象としては、ベニー・ツェンは極めて端正で素直な演奏スタイルで好感が持てました とくに第2楽章のアンダンテが、オーケストラの確かなサポートと相まって、感動的な演奏で強く印象に残りました

彼はアンコールにJ.S.バッハの「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番」から「ガヴォットとロンド」を丁寧に演奏し 聴衆のクールダウンを図りましたが、この演奏も彼の素直さが良く出ていました

なお、バーバーの「ヴァイオリン協奏曲 作品14」はヒラリー・ハーンの独奏によるCDで予習しておきました

 

     

 

プログラム後半の1曲目はラフマニノフ「ヴォカリーズ」です  この曲はセルゲイ・ラフマニノフ(1873‐1943)が1912年にソプラノまたはテノールのために書いた「14の歌曲集」作品34の終曲に当たるものですが、人間の声以外に様々な楽器で演奏されています

再びフル・オーケストラ編成に拡大したメンバーが配置に着くと、ステージ上のメンバーからヒューヒューという口笛が吹かれ、床が鳴らされました どうやら前半でソリストを務めたベニー・ツェンがヴァイオリン・セクションに加わったようです 以前のAYOのコンサートでチェリストのイッサーリスがソロを弾いた後、次の曲でチェロ・セクションに加わって演奏したことを思い出しました

極めて個人的な印象を言わせてもらえれば、「ヴォカリーズ」という曲は元々 声楽(しかもソロによる)の作品なので、「透明感」が身上の曲だと思います したがって別の楽器で演奏するにしても出来るだけ小編成で演奏すべきではないか、と思うのです。それを100人で、しかも臨時編成によるオーケストラで演奏するわけですから「透明感」を保つことは非常に難しいと思います 今回のケースで言えば、各楽器の人数を絞り込むことでそれが可能だったのではないかと思います。しかし、そこは全員参加が身上のAYOなのかもしれません

さて、最後の曲はラフマニノフ「交響的舞曲 作品45」です この曲はラフマニノフが作曲した最後の作品で、1940年にニューヨークのロングアイランドで作曲されました 最初に2台のピアノのための版が完成され、私的な演奏会で作曲者自身とウラディミール・ホロヴィッツの共演により初演されました その後、ラフマニノフはオーケストラ版を完成させ、1941年1月3日にユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団により初演されました

第1楽章「ノン・アレグロ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モト(テンポ・ディ・ヴァルス)」、第3楽章「レント・アッサイ~アレグロ・ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります

第1楽章ではアルト・サクソフォンが使用されていますが、この楽器を使用した唯一のラフマニノフの例です

ジャッドの指揮で第1楽章の演奏に入りますが、演奏を聴きながら「なぜ、ラフマニノフは第1楽章の表示を『ノン・アレグロ』としたのだろうか? 単純に『アレグレット』とか『アンダンテ』で良かったのではないか」と考えました 「良い」と「悪くない」の間に、あるいは「好き」と「嫌いじゃない」の間に 天と地ほどの隔たりがあるのと同じような大きな違いがあるのだろうか、と疑問に思いましたが、これは作曲者本人にしか分からないことなので考えるのを止めました この楽章ではオーボエ、クラリネット、フルート、ファゴットといった木管楽器が素晴らしい演奏を展開していました また、横一列に並んだコントラバスの重低音が効果を発揮していました 

第2楽章は「ワルツのテンポで」ですが、このテンポで踊れるだろうか?と疑問を持ちました そもそもこの曲は「交響的舞曲」なのだから、踊るために作曲された作品のはず。しかし、無い知恵を絞って考えると、同じロシアのストラヴィンスキーの「春の祭典」だってバレエ音楽で、あの変拍子に満ちた音楽でさえバレエ団がしっかり踊っている それを考えればラフマニノフのこの曲だって踊れるはずだ、と思い直しました

第3楽章の後半「アレグロ・ヴィヴァーチェ」は”マスの力”による迫力満点の演奏で、100人のフル・オーケストラの快進撃といった感じでした

ジャッドは楽章間を空けることなく、3つの楽章をほとんど続けて演奏しましたが、オケのメンバーに対しても、聴衆に対しても、緊張感を持続させるための最良の手法だったと思います

最後の音が会場に鳴り渡った後は、ステージが満場の拍手で満たされたことは言うまでもありません

演奏後に 例年通りAYO音楽監督リチャード・パンチャスが登場し、100人のメンバーを国別に紹介しました   呼ばれた国のメンバーはその場で立ち上がり満場の拍手を浴びました

参加メンバーが多い順に①台湾=27人、②中国=20人、③香港=19人、④日本=12人、⑤韓国=6人、⑥タイ=5人、⑦マレーシア4人、⑦フィリッピン4人、⑨シンガポール=2人、⑩マカオ=1人です  ステージ上のメンバーも、会場2階席で聴いていた仲間たちも、参加人数の多少に関わらず、立ち上がったメンバーに大きな拍手を送り、床を鳴らしていました。こういうところはいいですね

ここで、コンマスが日本人の女性であることが分かりました メンバーリストによると、オオホリ・ハナさん、タカシマ・シホさん、ヨシザワ・エリナさんのいずれかです

たぶん、昨年と比べて中国と台湾は人数が逆転していると思いますが、それにしても・・・と思うのは、100人のうち中国・台湾・香港だけで66人=66%を占めているという実態です とくに面積や人口からいったら、台湾と香港は凄いと言わざるを得ません。この傾向は強まるのでしょうか

なお、「交響的舞曲」はNAXOSのCDで予習しておきました

 

     

 

今日はAYO日本公演2日目で、8月3日の香港公演から始まった3週間のワールド・ツアーの最終日です アンコールはエルガー「エニグマ変奏曲」から「ニムロッド」でしょう もちろん私は今日も初台に出かけます

 

     

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無料コンサート「メトロポリス・クラシックス~オール・チャイコフスキー・プログラム」に応募しよう! / 「レッド・スパロー」「トレイン・ミッション」を観る~グリーグ「ピアノ協奏曲」も流れる

2018年08月24日 07時16分54秒 | 日記

24日(金)。わが家に来てから今日で1422日目を迎え、米芸能誌バラエティー電子版は22日、ロックバンド「エアロスミス」のボーカリスト、スティーブン・タイラーさんがホワイトハウスに対し、トランプ大統領の支持者集会でバンドの曲を無断で使用したと抗議する書簡を送ったと伝えた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     それこそロックンロール精神だ! 良心的な音楽家は誰もトランプを支持しない! 

 

         

 

昨日、夕食に「イカとキャベツと椎茸の醤々焼き」「鮭ハラスの塩だれ焼き」「生野菜とタコのサラダ」を作りました 海鮮中心の手抜き料理ですが、美味しかったです

 

     

 

         

 

メトロ文化財団が抽選で2000人をコンサートに招待します 「メトロポリス・クラシックス~チャイコフスキー  華麗なる珠玉のメロディ」コンサートは、11月11日(日)午後2時から池袋の東京芸術劇場コンサートホールで開かれます 梅田俊明指揮東京都交響楽団が チャイコフスキー①歌劇「エフゲニー・ネーギン」から「ポロネーズ」、②バレエ組曲「白鳥の湖」から「情景」「四羽の白鳥の踊り」、③バレエ組曲「くるみ割り人形」から「花のワルツ」、④交響曲第5番ホ短調を演奏します

 

     

 

応募方法は、ハガキに①代表者の名前(フリガナ)、②年齢、③希望人数(1名または2名)、④招待状の郵送先住所、⑤電話番号を記入し、下記あてに9月21日(金)必着で送付することとなっています

〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町2-13-9 

公益財団法人 メトロ文化財団 メトロポリス・クラシックス事務局


     


当選発表は10月上旬までに招待状の発送をもって代えるとのことです ダメ元で応募してみてはいかがでしょうか

 

         

昨日、新文芸坐で「レッド・スパロー」と「トレイン・ミッション」の2本立てを観ました

ロビーにはチャイコフスキー「交響曲第5番ホ短調」の第4楽章が流れていました 新文芸坐にしては珍しい選曲ですが、1本目の映画の舞台がロシアだからという配慮でしょう

「レッド・スパロー」はフランシス・ローレンス監督による2017年アメリカ映画(140分)で、捜査対象を美貌で誘惑する「スパロー」と呼ばれるロシアの女スパイの活躍を描いています

事故でバレリーナになる夢を絶たれたドミニカ・エゴロワ(ジェニファー・ローレンス)は、病気の母に治療を受けさせるため伯父に説得されてロシア政府が極秘裏に組織した諜報機関の一員となり、ハニートラップと心理操作等を駆使して情報を盗み出す女スパイ「スパロー」になるための訓練を受ける 持ち前の美貌と才能により組織の中で頭角を現したドミニカは、ロシアの機密情報を探っていたCIA捜査官ナッシュ(ジョエル・エドガートン)に近づきロシア政府内に潜むスパイの名を聴き出すというミッションを与えられる 接近したドミニカとナッシュは互いに惹かれ合いながらも、それぞれのキャリアや忠誠心、国家の安全をかけて騙し合いを繰り広げていく

 

     

 

情報収集の過程で、アメリカ側に寝返りを打ったのではないかと疑われて拷問されたり、逆にナッシュを拷問する立場に立ったりと、最後までドミニカはロシア側のスパイで通すのか、あるいはアメリカ側に寝返りを打つのか、本心が分からないまま物語は進んでいきますが、ロシアに潜むアメリカ側のスパイの方からドミニカに自分がそのスパイであると名乗り出ます ここでドミニカは彼をロシアの上層部に差し出せば自分や母親の身の安全が確保できるわけですが、彼女はそうはしません 自分を危険な立場に追い込んだ張本人に復讐を遂げます 彼女は伯父やロシア国家が求めた優秀なスパイであることを証明した上で、自分の人生を切り開いていくのです。そこがこの映画の肝です

ところで、ドミニカとナッシュが二人で部屋に居るシーンでグリーグ「ピアノ協奏曲イ短調」の第2楽章「アダージョ」が流れていました ロシアなのにグリーグ?と思いましたが、深くツッコまないことにしました

 

     

 

         

「トレイン・ミッション」はジャウム・コレット=セラ監督による2018年アメリカ・イギリス合作映画(105分)です

10年間勤めてきた会社から突然 解雇を宣告された60歳の保険セールスマンのマイケル(リーアム・二―ソン)は、失意の中 いつもの電車で帰路に着くが、車内でジョアンナと名乗る女性(ベラ・ファーミガ)から話しかけられる 彼女は、電車が終点に到着するまでの間に、100人の乗客から盗品を持ったある人物を見つけ出せば、マイケルに多額の報酬を支払うという その人物は「終着駅で降りる」「常連の乗客ではない」「通称プリン」という条件を満たす者だという。マイケルは最初は適当に対応していたが、妻と息子が人質に取られていることが発覚し、彼女からの依頼を受けざるを得なくなる マイケルは元警察官というカンを生かして、走る列車内の絶体絶命の状況下でプリンを見つけ出そうと必死に行動する

 

     

 

なぜ、通称プリンという人物を探し出さなければならないのか、と疑問に思っていると、その人物はある事件の目撃者であることが判明します それではジョアンナと名乗る女性は なぜプリンを探せと言ったのかと言えば、その人物が生きていては都合が悪いからだということが分かります ジョアンナはマイケルが元警察官だということを知りながら取引を仕掛けた というところに真犯人の手がかりがあります   列車内で、警察官に「プリンは誰だ」と問い詰められ、一人の若い女性が名乗り出ますが、別の乗客が「いや、本当のプリンは私だ」と次々と名乗り出て、本当のプリンが誰だか分からなくなってしまうシーンはいかにもアメリカ的で感動的です 最後にジョアンナとマイケルが列車内で再会し、マイケルがピカピカの警察手帳を見せるシーンはいいですね 保険会社はクビになったけど 警察に再就職できたのでしょうね

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芸劇ブランチコンサートでトゥールーズ・キャピトル国立管コンマス=藤江扶紀によるバッハ「シャコンヌ」、ラヴェル「ツィガーヌ」、マスネ「タイスの瞑想曲」他を聴く

2018年08月23日 07時55分43秒 | 日記

23日(木)。わが家に来てから今日で1421日目を迎え、トランプ米大統領の元個人弁護士マイケル・コーエン氏が21日、ニューヨークの連邦裁判所で 捜査当局との司法取引に応じ、選挙資金法違反や、トランプ氏と不倫関係にあったとされる元ポルノ女優ら2人に対しトランプ氏の指示で口止め料を払ったことを認めた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      相手が新聞社だろうが裁判所だろうが それはフェイクだ!と白を切るんだろうな

 

         

 

昨日、夕食に「豚肉のアスパラ巻き焼き」「マグロの山掛け」「トマトとレタスと卵のスープ」を作りました。「豚肉~」は久しぶりに作りました

 

     

 

         

 

昨日、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで「第14回芸劇ブランチコンサート~美しきヴァイオリン~藤江扶紀  トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団  コンマス就任記念」を聴きました プログラムは①J.S.バッハ「シャコンヌ」、②リスト/ミルシテイン編「コンソレーション第3番」、③ラヴェル「ツィガーヌ」、④フォーレ「子守歌」、⑤マスネ「タイスの瞑想曲」、⑥クライスラー「美しきロスマリン」「愛の悲しみ」「愛の喜び」です 演奏はヴァイオリン=藤井扶紀、ピアノ=清水和音です

今回で1階N列12番の席ともお別れです 会場は1階席、2階席(バルコニー席を除く)ともほぼ満席近い状況です。このシリーズは人気があり、回を重ねるごとに聴衆が増えているような気がします

 

     

 

黒のシックかつエレガントな衣装の藤井扶紀が登場し、1曲目のJ.S.バッハ「シャコンヌ」の演奏に入ります この曲はJ.S.バッハ(1685‐1750)の「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ」全6曲のうちの「パルティータ第2番」の終曲に当たる作品です 主題と30の変奏が展開されますが、耳を澄まして聴いていると、本当に1本のヴァイオリンから出てくる音だろうか、と思うほど多声的で色彩感に溢れています 藤井扶紀の演奏は厳しい中に温かさを感じる演奏で、演奏者の性格が音楽に現われているのだろうか、と思いました こういう演奏を小さな子どもが聴いたら「ああいうヴァイオリニストになりたい」と憧れを持つかも知れないな、と思いました

彼女の演奏姿を見ていて「おやっ?」と思ったのは、素足で演奏しているのです 私が知る限り、素足で演奏するクラシック演奏家はピアニストのアリス・紗良・オットだけです 彼女の影響を受けたのだろうか? いずれにしても、思うところがあるのでしょう

2曲目はリスト/ミルシテイン編「コンソレーション第3番」です 「コンソレーション(慰め)」は、フランツ・リスト(1811‐50)が1849~50年頃に書いた6曲から成る小品集です これをヴァイオリニストのミルシテインがヴァイオリン用に編曲した版により演奏します 藤井の演奏はヴァイオリンの音色が美しく ロマンティックそのものでした

演奏後の対話で、清水が

「ピアニストからみると、この曲をヴァイオリンで演奏するのはどうも違和感があります ショパンやリストのピアノ曲をヴァイオリン用に編曲したものを演奏して効果を上げるのはすごく難しいと思います 演奏する側としてはどうでしたか?」

と(誘導尋問的に)尋ねると、藤井が

「(ヴァイオリンによる演奏でも)それなりに美しい曲だと思いますが、ピアノのソロによる演奏の魅力には勝てません

と(ピアニストを立てて)答え、それでは、ということが清水のピアノ独奏でこの曲を演奏しました この辺は台本通りでしょうが、私はどちらも魅力的な音楽として聴きました どうも、清水には「他のジャンルの者はショパンやリストのピアノ曲のフィールドを荒らさないでくれ」という意識が強いような気がします 私から言わせてもらえれば、演奏が良ければ どんな楽器で演奏しようが 名曲はどこまでも名曲なのです


     


次いでラヴェル「ツィガーヌ」が演奏されます  この曲はモーリス・ラヴェル(1875‐1937)が1924年にハンガリー出身のヴァイオリニスト、ダラニ―のために作曲した作品で、「ツィガーヌ」とはジプシーのことです   前半は藤井のヴァイオリン独奏でゆったりしたメロディーが奏でられますが、途中からピアノが入るとスピードアップして民族舞曲が奏でられます 前半と後半の藤井の弾き分けは鮮やかで、後半は超絶技巧を駆使した名人芸が繰り広げられました

次の曲がフランスの音楽なので、清水が藤井にインタビューします

「藤井さんは今年1月にフランスのトゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団のコンサートマスターに就任したわけですが、どんな感じでしょうか?」

これに対し、藤井は

「みなさん、本当に親切にしてくれて、楽しく過ごしています コンサートマスターといっても、私の場合は、ヴァイオリン・セクションの最前列4人のどこでも弾く可能性がある立場です(第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリンに関係なくトップで弾く)。」

と答えていました こういうのは、日本のオーケストラでは考えられませんね

そして、ガブリエル・フォーレ(1845‐1924)の「子守歌」とジュール・マスネ(1842‐1912)の「タイスの瞑想曲」を演奏しました 両曲とも前の曲=ツィガーヌの激しい音楽とは対極にある静かな音楽ですが、これが同じヴァイオリンから出てくる音なのかと思うほど、優しく美しい音で、演奏者の技量の高さを示していました

続けて、クライスラー「愛の悲しみ」が演奏されるはずでしたが、なぜか「美しきロスマリン」が演奏されたので、「さては 順番を入れ替えたな」と思いました   こういうのは進行役も兼ねている清水が、演奏に入る前にコメントすべきことです 結局「美しきロスマリン」「愛の悲しみ」「愛の喜び」の順に演奏されました

会場いっぱいの拍手に、3回目のカーテンコールで登場した清水が「最後の3曲の順番の入れ替えについて説明しないと大変なことになるという話になって、出てきました」と言って、説明しましたが、こういうのはみっともないです 今回は主役がヴァイオリンで、自分は伴奏に回っているということもあってか、自分が話したいことを話しているうちに、話すべきことを失念してしまったようです ピアニストとしての実力は誰もが認めるところなので、進行役としての立場に関して次回から自戒してほしいと思います

この日のコンサートは、これまであまりよく知らなかった藤井扶紀というヴァイオリニストの真の実力と魅力を発見できたという点で、大きな収穫がありました

 

     

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エピス・クァルテットでベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第6番、第11番「セリオーソ」、第16番を聴く~JTアートホール アフィニス

2018年08月22日 07時17分51秒 | 日記

22日(水)。昨日、2回目の歯医者に行ってきました 下の前歯の一部が欠落しているというので埋めてもらいました。ところで、敗者復活戦の話はこの前のブログで書きましたね 今日は別のアングルで

歯科医院にて

「先生どうしたんですか? 蝶ネクタイにマイクを握ったりして

「司会者です

おあとがよろしいようで

ということで、わが家に来てから今日で1420日目を迎え、トランプ米大統領は金正恩朝鮮労働党委員長との関係について「私は彼が好きだ。彼も私が好きだ。私は金委員長と個人的に非常に良い関係を築いている」と語った というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       独裁者同士って気が合うんだね 2回目の会談をやるそうだけど何を話すんだろう

 

         

 

昨日、夕食に「野菜と挽肉のドライカレー」と「生野菜と生ハムのサラダ」を作りました 「ドライカレー」は久しぶりに作りましたが、暑い夏にはピッタリです

 

     

 

         

 

昨夕、虎ノ門のJTアートホールアフィニスでエピス・クァルテットの「ベートーヴェン後期作品への挑戦Vol.5」を聴きました プログラムはベートーヴェンの弦楽四重奏曲①第6番変ロ長調、②第11番ヘ短調「セリオーソ」、③第16番ヘ長調です 演奏する「エピス・クァルテット」のメンバーは、第一ヴァイオリン=須山暢大(各オケ客員コンマス)、第2ヴァイオリン=村津瑠紀(藝大フィル第2ヴァイオリン首席)、ヴィオラ=村田恵子(都響副主席)、チェロ=伊藤文嗣(東響首席)です

「エピス」というのはフランス後で「香辛料」(更新料ではない)のことです。音楽にスパイスを・・・分かりますね 私が彼らのコンサートを聴くのは今回が3度めです

全自由席です。4列5番、センターブロック左通路側を押さえました 会場は5~6割くらいの入りでしょうか。ちょっと寂しいです

 

     

 

4人が登場し配置に着きます。左から第1ヴァイオリン・須山、チェロ・伊藤、ヴィオラ=村田、第2ヴァイオリン=村津という並びです

1曲目はベートーヴェン「弦楽四重奏曲第6番変ロ長調」です この曲は ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770‐1827)が、1798年から1800年にかけて作曲し、彼の後援者フランツ・ヨーゼフ・フォン・ロブコヴィツ侯爵に献呈された6つの弦楽四重奏曲の1つです 作曲順は第3、第1、第2、第5、第6、第4番です

第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アダージョ・マ・ノン・トロッポ」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ」、第4楽章「ラ・マランコニア、アダージョ~アレグレット・クァジ・アレグロ」の4つの楽章から成ります

第1ヴァイオリンの須山の合図で第1楽章に入ります 冒頭、第1ヴァイオリンのメロディーにチェロが応えるところは明朗で、ベートーヴェンの師匠ハイドンのテイストです 初期の作品なのでハイドンの影響も当然あるでしょう 最初は須山と伊藤の掛け合いが ちょっと重いかな、と思いましたが、間もなく軽快な演奏になりました この調子で4楽章まで進みました

「運命」とか「皇帝」とか「第九」とか「大フーガ」とか、いかにもベートーヴェンらしい力強い曲も もちろん良いのですが、私はこういう初期の明るく軽い曲も捨てがたいと思うし、とても好きです

2曲目は弦楽四重奏曲第11番ヘ短調「セリオーソ」です この曲は1810年に着想され、1814年5月に改訂された上でシュパンツィク四重奏団によって初演された作品で、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の中では最も短い作品です

第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第3楽章「アレグロ・アッサイ・ヴィヴァーチェ・マ・セリオーソ」、第4楽章「ラルゲット・エスプレッシーヴォ」の4楽章から成ります なお、自筆譜には作曲者自身による「セリオーソ(厳粛・真剣)」という題名が付されています

須山の合図で第1楽章が開始されます。冒頭の動機が第1楽章全体を支配しています。ここで4人は集中力を見せます  第2楽章冒頭で弾かれるチェロの動機は印象的です   第3楽章には「セリオーソ」の表記がありますが、表記通り厳しい音楽が展開します  そして第4楽章では、悲痛な序奏のあとフィナーレに移るのですが、コーダでは突然明るく楽しげなアレグロに変換し、あれよあれよという間に曲を閉じます ここで、聴いている私は思います。これは本当に「セリオーソ(厳粛)」なのだろうか、と   正直に言うと、ベートーヴェンは当時の聴衆の耳を試していたのではないか、と思います

休憩時間になったので、コーヒーを飲もうとホワイエに行ってみたら、そこは「喫煙コーナー」に変身していました よくよく考えていみたら、ここはJT(日本たばこ)の本拠地なんだよな、ということを再認識し、コーヒーよりも喫煙コーナー優先という事情を呑み込みましたが、次の瞬間、煙に巻かれたな、と思いました つまんないシャレで吸いません


     

 

プログラム後半は弦楽四重奏曲第16番ヘ長調です ベートーヴェンは晩年に5つの弦楽四重奏曲を作曲しましたが、作曲は第12、第15、第13(原典)、第14、第16、第13番(改訂)という順番です 第16番は1826年10月に作曲され、作曲者の死後の1828年3月23日にシュパンツィク四重奏団により初演されました

ベートーヴェンのまとまった作品としては最後のものとなる弦楽四重奏曲第16番は、第1楽章「アレグレット」、第2楽章「ヴィヴァーチェ」、第3楽章「レント・アッサイ、カンタンテ・エ・トランクィッロ」、第4楽章「グラーヴェ、マ・ノン・トロッポ・トラット」の4楽章から成ります

この曲の大きな特徴は、第4楽章に「ようやくついた決心」という標題が付けられ、冒頭3音に「こうでなければならないか?」と記され、続く小節には「こうでなければならない!」とあり、そのモチーフで第4楽章が構成されていることです

4人の演奏を聴いていて一番印象に残ったのは第3楽章「レント・アッサイ、カンタンテ・エ・トランクィロ」です このブログで何度も書いたように、ベートーヴェンの作品は緩徐楽章に最大の魅力があります それはこの作品でも例外ではありません そこには「浄化された美しさ」があります。4人の演奏家はその魅力を存分に引き出しました

第4楽章の演奏を聴いていると、「こうでなければならないか?」「こうでなければならない!」のやり取りは、それほど真剣なものではなく、次のようなエピソードによるものではないかと思ってしまいます

「ベートーヴェンは、1826年4月にこの『そうでなければならない!』のアレグロの動機を用いて、カノンを作曲している事実がある このカノンは、作品130の四重奏曲のパート譜の写しを貸すことに対して、シュパンツィヒに50グルデンを支払うように、音楽愛好家のデンプシャーに要求したことから生まれたものである  デンプシャーは、シュパンツィヒの予約演奏会を無視して、自宅でこの曲を演奏させようと考え、ベートーヴェンからこの自宅の演奏会のために楽譜を借りられると思ったのである この50グルデンのことを聞いたデンプシャーは、笑いながら「そうでなければならないか?」と言った。人からこのことを伝え聞いたベートーヴェンも声高に笑って、テンポの速いカノンを書き、『そうでなければならない、そうだ、犠牲を払え』という歌詞を付けた」(以上、門馬直美氏によるアルバン・ベルグ四重奏団のCD解説より)

ベートーヴェンって しかめ面をした小難しい作曲家だと思われがちですが、結構ユーモアを会し、我を通しながら あらゆる困難を乗り越えていきます この日の4人の演奏はそんなベートーヴェンの魅力を引き出した素晴らしい演奏でした

 

     


 

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これもひとえに普段からご覧いただいている読者の皆さまのお陰と感謝申し上げます これからも、残暑にめげずド根性で毎日書き続けて参りますので、モコタロともどもよろしくお願いいたします

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