31日(火)。いよいよ今年も今日で終わり。1年が過ぎるのは速いものです 昨日は午前中、今年診療最終日の整骨院に行ってマッサージをしてもらい、トイレ掃除を済ませました 息子がすべての部屋の床とと廊下の拭き掃除をしてくれたので助かりました 午後は、手紙・ハガキ・写真の類いとコンサートのチラシ等の整理をして、大きなゴミを出しました。何でこんなにゴミが出るのかと思うほど大量に出ました
今日は今年最後のコンサートに行きます。東京文化会館小ホールで開かれる「ベートーヴェンの弦楽四重奏曲・9曲演奏会」です 時間の関係ですべて聴かずに帰宅することになると思いますが、古典四重奏団、ルートヴィヒ弦楽四重奏団のベートーヴェンを堪能してこようと思います
閑話休題
佐藤正午著「ダンスホール」(光文社文庫)を読み終わりました 佐藤正午は1955年長崎県佐世保生まれ。この本は「愛の力を敬え」「空も飛べるはず」「ピーチメルバ」「ダンスホール」「真心」の短中編小説から成ります 佐藤正午と言えば、私は2009年刊行の「身の上話」が彼の最高傑作だと思っています
その「身の上話」の原点ともいうべきエピソードが最初の「愛の力を敬え」に出てきます 「いまの宝くじの話は小説に書けませんか?」と聞かれ、”私”が「書けるかもしれない。その宝くじが当たったという設定でね」と答えるというシーンです 佐藤正午は、宝くじに当たったという設定で、男と女の衝動的な駆け落ちの話を「身の上話」で書いています。この長編小説の最後の一行は強烈です
「ピーチメルバ」は、女はバニラの匂いに恋人の浮気を疑うという話ですが、この話のタイトルである「ピーチメルバ」とは「アイスクリームと桃とラズベリーソースで作ったデザート」のことで、さらに、その「メルバ」とはネリー・メルバというオーストラリアのソプラノ歌手の名前であると説明されています あるホテルの料理人が彼女のために新しいデザートを考案して捧げたのが、その名前の由来とのこと
メルバは1861年5月19日に生まれ、1931年2月23日に死去しています。クラシック音楽界でオーストラリア出身のソプラノ歌手として初めて有名になった歌手として知られています われわれが生まれる前に死去しているので、名前しか知りません
「ダンスホール」は、ある男の妻が、2枚の離婚届に判が欲しいと言ってくる話ですが、かなりの部分が会話で成り立っています 登場人物の会話のやり取りの妙が佐藤正午の小説の魅力の一つだと思います 何気ない日常の中にある非日常の世界、その活写が素晴らしいと思います