30日(土)。わが家に来てから今日で1367日目を迎え、サッカー・ワールドカップ・ロシア大会で1次リーグH組の日本は28日、ポーランドに0-1で敗れたが、警告数の差で同組第2位に入り、決勝トーナメント進出を決めた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
観る方にとっても 選手にとっても 不本意な試合だったが 次の試合で結論が出るよ
昨日、夕食に「棒棒鶏」と「生野菜とアボカドと紋甲イカのサラダ」を作りました 「バンバンジー」はいつもと違うレシピで作りましたが、味はほとんど同じでした。当然ですね
昨夕、大手町の日経ホールで第473回日経ミューズサロン「ライナー・キュッヒル ヴァイオリン・リサイタル」を聴きました プログラムは①アントニン・ドヴォルザーク「ロマンティックな小品 作品75」、②H.プフィッツナー「ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 作品27」、③リヒャルト・シュトラウス(V.プシホダ編)「ばらの騎士」からワルツ、④フリッツ・クライスラー「ジプシー奇想曲」、⑤同「カルティエの様式による狩り」、⑥カミーユ・サン=サーンス(イザイ編)「カプリス作品52」から第6番です ピアノ伴奏はキュッヒル氏と数多くの公演をこなす加藤洋之です
自席はG列20番、センターブロック右通路側です。昼夜2部構成のためか前の方の席でも空席があります。それでも入っている方でしょう
1曲目はアントニン・ドヴォルザーク(1841‐1904)の「ロマンティックな小品 作品75」です この曲は1887年1月に、2つのヴァイオリンとヴィオラのための「ミニチュア」作品75aとして書いたものをドヴォルザーク自身がヴァイオリンとピアノのために編曲したものです 第1曲「アレグロ・モデラート:変ロ長調」、第2曲「アレグロ・マエストーソ:ニ短調」、第3曲「アレグロ・アパッショナート:変ロ長調」、第4曲「ラルゲット:ト短調」の4曲から成ります
演奏の時はいつもメガネのキュッヒルさんとピアニストの加藤さんが登場し早速演奏に入ります 第1曲は4曲中もっとも馴染みのあるメロディーですが、ドヴォルザークらしい優しさに溢れています キュッヒルさんのヴァイオリンが郷愁を誘います。第2曲は舞曲風で加藤さんのピアノがヴァイオリンに負けじと歌います 第3曲はちょっとシューベルト風です。第4曲はテンポが落ち、嘆息調の曲想でほの暗いロマンを感じさせます
2曲目はドイツの作曲家H.プフィッツナー(1869‐1949)の「ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 作品27」です この曲は1918年に完成し、同年9月25日にミュンヘンでプフィッツナーのピアノとフェリックス・ベルバーのヴァイオリンにより初演されました。第1楽章「アレグロ・エスプレッシーヴォ」、第2楽章「アダージョ、クワジ・ファンタジア」、第3楽章「フィナーレ」の3楽章から成ります
この曲はCDを持っていないので予習なしのぶっつけ本番で聴きましたが、ロマンあふれる曲だと思いました。中でも第3楽章の活気にあふれる曲想が印象に残りました
プログラム後半の1曲目はリヒャルト・シュトラウス(V.プシホダ編):歌劇「ばらの騎士」から「ワルツ」です 歌劇「ばらの騎士」はリヒャルト・シュトラウス(1864‐1949)の作曲した作品の中では最高の傑作だと思います オペラの舞台は18世紀のマリア・テレジア時代のウィーンの貴族社会で、ばらの騎士とは、婚約にあたって女性の家に銀のばらを届ける使者を指します(ただし架空の人物です)。編曲者のプシホダは1920年代以降ドイツ周辺で活躍したチェコ出身のヴァイオリニストとのことです 「ワルツ」は、オクタヴィアンに腕を刺されたオックス男爵が周囲の者たちに介抱され、ワイン片手にいい気分でワルツを踊るシーンで流れる音楽です
キュッヒルさんの演奏を聴いていたら、フルトヴェングラーの指揮のもと、オットー・エーデルマンが演じるオックス男爵がいい気分でワルツを踊るシーンを思い浮かべました かなり技巧的な曲ですが、キュッヒルさんはそんなことはまったく感じさせない弾きっぷりでした ヴァイオリン1挺とピアノで「ばらの騎士」のエッセンスを描き出す卓越した表現力にはただただ唖然とするばかりです
次の曲はウィーン生まれのフリッツ・クライスラー(1875‐1962)の「ジプシー奇想曲」です キュッヒルさんは ジプシー音楽特有の情熱と哀愁を見事に歌い上げました
次いで、同じクライスラーの「カルティエの様式による狩り」の演奏に入ります この曲は狩りの模様を描いた作品です。キュッヒルさんは途中で、ヴァイオリンを弾きながら譜めくりの女性の近くまで引っ込んで同じメロディーを小さい音で弾いて、「狩りの合図の一人芝居」、別名「一人遠近奏法」を試み、譜めくり女性と聴衆の笑いを誘っていました キュッヒルさんってお茶目
最後はカミーユ・サン=サーンス(イザイ編)「カプリス作品52第6番」です この曲はサン=サーンス(1835‐1921)が1877年に作曲した「6つの練習曲」第1集作品52の6番目の曲をベルギーのヴァイオリニスト、イザイが「ワルツ形式の練習曲によるカプリス(奇想曲)」作品52-6として編曲したものです
サン=サーンスはピアノの名手だったし、イザイはヴァイオリンの名手だったことから想像できるように、この曲はかなりの超絶技巧曲です キュッヒルさんは華麗な技巧で演奏するとともに、ピアノとの丁々発止のやり取りを楽しみながら鮮やかに弾き切りました
全曲を通して感じたのは、ピアノの加藤洋之さんの演奏の素晴らしさです キュッヒルさんとはウィーン・ムジークフェラインザールでベートーヴェンの「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ」全曲演奏会でコンビを組み、大成功を納めています ここ数年では、ヴァイオリニストの郷古廉さんと組んで「東京・春・音楽祭」で同じ曲のツィクルスを演奏して好評を博しています
鳴り止まない拍手に、二人はアンコールにクライスラーの「ウィーン奇想曲」をウィーン情緒たっぷりに演奏、それでも鳴りやまない拍手にもう1曲(クライスラーの「ジプシーの女」か?)を演奏、満場の拍手を浴びました