人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

アジアユースオーケストラ(AYO)東京公演・最終日を聴く~イッサーリスのハイドン「チェロ協奏曲」

2013年08月31日 07時01分31秒 | 日記

31日(土)。月日の流れは速いもので8月も今日で終わり。まだ暑さは相変わらずですが、暦の上ではとっくに秋です。油断していると9月もあっという間に過ぎ去ってしまいます

 

  閑話休題  

 

一昨日に続き、昨夕、東京オペラシティコンサートホールでアジアユースオーケストラ(AYO)東京公演を聴きました プログラムは①ブラームス「交響曲第3番ヘ長調」、②ハイドン「チェロ協奏曲ハ長調」、③ベートーヴェン「交響曲第5番ハ短調」で、指揮はAYO芸術監督リチャード・パンチェス、②のチェロ独奏はスティーヴン・イッサ―リスです

 

          

 

 アジアユースオーケストラ(AYO)については昨日のブログで書きましたので省略しますが、アジア各国から選抜された若い演奏家たちによる夏季限定の臨時編成オーケストラです 

自席は1階19列10番、左ブロック右通路側です。会場は前日とほぼ同じ7割位の入りです 前日と同様、パンチェスがマイクを持って登場 挨拶をしましたが、その中で「在日韓国大使が会場に見えることになっているが、光栄である」旨の発言、挨拶が続く中、それらしき人物が数人のSPに囲まれて入場し、会場の中央VIP席に着席しました。舞台上の演奏者の中に韓国出身者は一人しかいません(首席チェロの女性)が、自国の演奏者の人数の問題ではないのでしょう。文化度の高さを感じます

パンチェスが一旦舞台袖に退場し、オケのメンバーが登場します この日のコンマスは女性(香港出身)です。ショートカットの髪型でボーイッシュです

パンチェスがタクトを持たずに登場、1曲目のブラームス「交響曲第3番ヘ長調」が開始されます フル・オーケストラでブラームスに対峙しましたが、全体を通して、この曲を演奏するにはちょっと人生経験が浅いかな、と思いました 背伸びしてブラームスに近づこうとする気配を感じます。むしろベートーヴェンの方が合っているのではないか、と思いました

 

          

 

2曲目はハイドンの「チェロ協奏曲ハ長調」です。イッサーリスが颯爽と登場します オケは35~36名程度まで縮小し、こじんまりとした態勢を採ります。イッサーリスは明るく、楽しく、伸び伸びと演奏します 顔の表情で曲を楽しんでいることが分かります。オケも1曲目のブラームスと違い、肩の力を抜いてリラックスして演奏を楽しんでいるように見えます イッサーリスは前日のドヴォルザークのチェロ協奏曲の時と違い、目をしっかり開けて中空を見上げながら演奏します。曲想に合わせています。鮮やかな演奏です

 

          

 

鳴り止まない拍手に、ピチカートによる楽しげな曲を演奏し、拍手喝さいを浴びます 弦楽器の面々も弓を掲げて喝さいします。後でその曲はカバレフスキーの「ダンス」であることが判ります それでも鳴り止まない拍手に、ピチカートだけによる曲を演奏しました。これは掲示にChonguri by tsiutsadseとありました イッサーリスは、チェロの首を持ってお辞儀をさせ、聴衆に「これで終わり」と合図を送りましたが、それでは収まらず、ついに3曲目のアンコールとして前日に演奏したカタロニア民謡「鳥の歌」を静かに演奏しました 舞台上の若き演奏者たちも真剣な表情で演奏に聴き入っていました

 

          

 

最後はベートーヴェン「交響曲第5番ハ短調”運命”」です。若き演奏家たちが登場する中、拍手が一段と大きくなったと思ったら、何とイッサーリスがチェロ・セクションの一番後方席にスタンバイしました こんなことは滅多にないでしょう。オケは冒頭から集中力に満ちた演奏を展開します。やはり、このオケにはブラームスよりもベートーヴェンが合っているように思います 力強く、自信に満ちて、堂々と演奏を展開します フィナーレが終わると会場一杯の拍手 とブラボーが押し寄せます

パンチェスは一旦引っ込んで、マイクを持って再度登場、前日と同様、国別にオケのメンバーを紹介しました

中国 19人    

韓国  1人    

日本 14人    

同じ音楽を演奏することにおいては尖閣列島問題も、竹島問題も存在しません。それが文化です

最後にパンチェスが英語で、今年の夏季限定臨時編成オーケストラAYOのオーディションからアジア各国を回るコンサートツアー最終日までの経緯を説明、「この演奏会が最後で、オケのメンバーはそれぞれの国に帰っていく。最後に1曲演奏して今回のツアーを締めくくりたい」とあいさつし、エルガーの「エニグマ変奏曲」から『ニムロッド』を静かに、感動的に演奏しました

パンチェス、そして演奏を終えた若き演奏家たちの目には涙が見えました。若き演奏家の皆さん、2日間の素晴らしい演奏をありがとう 私たちはあなたたちを忘れない また来年も日本に来て演奏を楽しませてください。待っています

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「アジアユースオーケストラ」+イッサーリスでドヴォルザーク「チェロ協奏曲」を聴く

2013年08月30日 07時01分08秒 | 日記

30日(金)。昨日は休暇を取って、午前中はマンションの消防設備点検に立ち会い(異常なし)、午後はS市の実家に帰って母の葬儀の残務整理と四十九日の打ち合わせをしました 早いもので通夜から1週間が経ってしまいました 昼のS市はなお夏の暑さでしたが、トンボが飛び交っていて秋の気配を感じました

 

  閑話休題   

 

昨夕、東京オペラシティコンサートホールで「アジアユースオーケストラ東京公演」を聴きました コンサートを聴くのはほぼ2週間ぶりです プログラムは①ウェーバー「魔弾の射手:序曲」、②ドヴォルザーク「チェロ協奏曲」、③シベリウス「交響曲第2番」で、指揮はジェームス・ジャッド、②のチェロ独奏はスティーヴン・イッサ―リスです

アジアユースオーケストラは、中国、香港、台湾、日本、韓国、マレーシア、インドネシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムから選出され、各地での厳しいオーディションを通過した若い演奏家98名から成ります。彼らは香港での3週間のリハーサル・キャンプに続き、3週間のアジア演奏ツアーを組むなど毎夏6週間の活動をしています

 

          

 

毎年、入口で渡される70ページを超える立派なパンフレット(プログラム)は各国ツアー共通の内容で、英語、中国語、日本語で書かれています キャセイパシフィック、SMBC、ペニンシュラ・グループ、フィナンシャル・タイムスなどグローバル・スポンサーのサポートが無ければこのツアーは実現不可能です こういう活動こそ”企業の文化的な活動=メセナ”と言うべきものでしょう

会場は残念ながら7割程度の入りでしょうか。自席は1階21列11番、センターブロック左通路側です 最初に同オケの芸術監督リチャード・パンチェスがマイクを持って登場、若干判りにくい流暢な日本語で次のように挨拶をしました

「アジアユースオーケストラのツアーは今回で23年目を迎えます 春のオーディションで11か国から98名の若い演奏家を選抜しました。ハノイ、シンガポール、中国、香港、台北、日本(大阪~鎌倉)と回り、今回の東京が最後になります。お楽しみください

登場するメンバーを見ると、男女とも上がグレーのシャツ、下が黒のパンツまたはロング・スカートで統一しています 98人のメンバーを数えてみると男59対女39で、なぜか男はメガネ着用が多いようです。コンマスもメガネのインテリ風青年です オケの態勢は左奥にコントラバス、前列は左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴィオリンという対向配置です。コントラバスは8人、チェロは12人います

ビートルズのポール・マッカートニー似のジェームス・ジャッドが登場、さっそく1曲目のウェーバー「魔弾の射手」序曲が始まります 冒頭で管楽器の一部に出遅れがあったようですが、すぐに持ち直しました 相当緊張していたのだと思います。フィナーレの追い込みは興奮を呼びました。すると、後方から「ボー」の声が・・・・・・「ブラボー」とはっきり言わず「ボー」と叫ぶのは東響サントリー定期で自席の後方の席の中年男性です2週間前の読響のコンサートの時も「ボー」を連発していましたが、今回もしっかり存在感を示していました向こうも「また、あいつが来ている」と思っているかも知れません

 

          

 

2曲目はドヴォルザークの名曲「チェロ協奏曲」です。ベルリン・フィルの常任指揮者サイモン・ラトル似のスティーヴン・イッサーリスが登場します 指揮者ジャッドと並ぶと、ポール・マッカートニーとサイモン・ラトルが競演しているような錯覚を覚えます

イッサーリスは演奏中、自分の指使いを一切見ません 目を瞑って上空を見ながらひたすらチェロを奏でます。その音の何と艶やかで美しいことか 彼は完全に曲を把握し切っています。チェロが雄弁にドヴォルザークを語ります

 

          

 

客席はもちろん、舞台上の若手演奏家たちからもアンコールが催促されます 彼らの流儀は足で床を踏み鳴らすのです。イッサーリスは明るい行進曲風の曲を楽しげに演奏、拍手喝采 を浴びましたが、それでも拍手、地鳴らしが止まないので、2曲目は静かな曲を演奏しました。会場は静まり返っています。1曲目でホットにさせて、2曲目でクールダウンを図った憎い演出です 後でロビーの掲示を見ると、1曲目がプロコフィエフの「マーチ」(ピチカート)、2曲目がカタロニア民謡「鳥の歌」とありました。後者は、チェロ演奏のパイオニア的存在パブロ・カザルスが国連で演奏して有名になった曲です

 

          

 

15分間の休憩後はシベリウス「交響曲第2番」です。迫力のある演奏でしたが、演奏者98人はシベリウスを演奏するには若干規模が大きすぎると感じました シベリウスはある意味、透明感が求められると思うのですが、楽器が多いとマスとしての音が大きくなり、その分透明感が失われるような気がします とは言うものの全体的には若さに溢れる清々しい演奏でした

最後に再度パンチェスが登場して、出身国別にメンバーを紹介しました。自分の国を呼ばれたメンバーはその場で立ち上がり、会場や仲間から大きな拍手を浴びました

中国 19人  

香港 12人(インテリ・コンマスも含む)  

韓国 1人(首席チェロの女性)  

インドネシア 3人 

マレーシア 3人  

フィリピン 3人  

シンガポール 3人  

タイ 3人  

台湾 25人  

ベトナム 3人  

次は皆さん、わかりますね、まだ出ていない国・・・・

日本 14人  

そして最後に、イギリスが1人います

ここでポール・マッカートニー、もといジェームス・ジャッドが登場します  

こういう演出はいいですね アジア各国から集まった若者たちが同じ音楽を演奏する そして、国の別に関係なく拍手を送って健闘を讃える。本当に素晴らしいことだと思います 

今日もアジアユースオーケストラを聴きに行きます。今日が彼らAYOの今年最後のコンサートです

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中山七里著「魔女は甦る」を読む~これが「さよならドビュッシー」を書いた同じ著者の作品か?!

2013年08月29日 07時00分11秒 | 日記

29日(木)。8月も終わりを告げようとする今日この頃は、さすがに朝晩は涼しくなりました。今朝6時の東京の気温は25度でした。ただ、昼間は今日も暑くなりそうです

中山七里著「魔女は甦る」(幻冬舎文庫)を読み終わりました 中山七里は、このブログでもご紹介したとおり、「さよならドビュッシー」で「第8回このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビューしました音楽シリーズでは「おやすみラフマニノフ」も書いています

この「魔女は甦る」は前記2作品よりも前に書かれたものですが、まったく趣がちがう作品です 「さよならドビュッシー」と「おやすみラフマニノフ」が”軟派”とすれば、「魔女は甦る」は”硬派”です 読んでいて「これらの3作品は本当に同じ著者が書いた作品だろうか」と疑問に思ったほどです

元薬物研究員が、勤務地の会社の近くで肉と骨を切り刻まれた無残な姿で発見されます 埼玉県警の槙畑は捜査に当たりますが、ドイツに本社がある製薬会社の日本支社は2か月前に閉鎖され、社員も行方が知れない状態にあります それと同時に生後4か月の嬰児誘拐事件と繁華街での日本刀による無差別殺人が発生します だれもが認める真面目な研究員は何故、無残な形で殺されたのか。会社員の知られざる過去が明らかにされ、それぞれの事件のつながりが明るみに出て、殺人の主役のベールが剥がされます片目同士の最後の闘いはどちらに軍配が上がるのか・・・・・・表紙の写真が象徴的に事件の真相を現しています 「さよならドビュッシー」や「おやすみラフマニノフ」に親しんできた読者は、別の中山七里を発見して驚くことになるでしょう

 

          

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星新一著「つぎはぎプラネット」を買う~読書好きだった息子よ、もう一度!

2013年08月28日 07時00分33秒 | 日記

28日(水)。星新一著「つぎはぎプラネット」(新潮文庫)を買いました この本の謳い文句によると「同人誌やPR誌に書かれて以来、書籍に集録されないままとなっていた知られざるショートショートの作品集」です

 

          

 

なぜ星新一かというと、実はこの本、大学生の息子にプレゼントしようと買ったものなのです というのは、息子は小学生の頃から星新一が大好きで、5~6年生の2年間で新潮文庫、角川文庫収録のすべての作品(50数冊)を読破したくらい夢中で読んでいたのです

中学受験のため国語の読解力をつけるために買い与えたのが星新一の「きまぐれロボット」でした ショートショートなので、一話がすぐに読み切れることからか、塾への通学時間などを利用して読んでいました びっくりしたのは塾に迎えに行った時、ジュースの自動販売機の光で文庫本を読んでいたことです よほど星新一が気に入ったようだな、と感心しました

 

          

 

星新一の本を薦めた私はといえば、どうもショートショートは物足りなくて、結局「きまぐれロボット」のほかは、明治末期に官僚組織と闘いながら星製薬を創業した父・星一の生涯を描いた「人民は弱し、官吏は強し」ぐらいしか読んでいません

星新一のショートショートに夢中だった読書好きな小学生は、大きくなるにつれてほとんど本を読まなくなっていきました。最近ではスマホは手放さないのに、本は滅多に手にしません 少しでも、本好きだった小学生時代に戻ってくれたら、と期待を込めて買ってきたのが「つぎはぎプラネット」なのです

食卓の上に置いておこうと思います。息子が手に取って読むかどうか、一種の掛けです。私がこの作品を読むのは、その後です

 

          

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ナポレオン帽子型ピアノとクララ・シューマンのピアノ~武蔵野音大楽器博物館

2013年08月27日 07時00分14秒 | 日記

27日(火)。前々からの約束で、子どもたちと当ビル10階のレストランAで会食しました 5時半に10階で待ち合わせをして夏季限定半額サービスのステーキ・コースをいただきました 飲み物はビールにしないで最初からレストランのハウスワイン(ボルドー)のフルボトルにしました。オードブルは鮭、生ハム、もう一つはなに?・・・鯛ときゅうりのカルパッチョだそうです

 

          

 

スープは子供たちは冷たいヴィシソワース、私は温かいポタージュです 次にレストランA名物エスカルゴが出たのですが、撮ったつもりが写っていない

 

          

 

メイン・ディッシュのサーロイン・ステーキは、娘「レアで」、息子と私「ミディアムで

 

          

 

デザートはシナモン味の効いたアップル・パイ、キウイ、メロン、アイスクリーム

 

          

 

〆はホットコーヒーです。私はミルクと砂糖は一切入れません

 

          

 

夏の年中行事となった会食で、どれも美味しかったですが、私一人がワインの3分の2くらいを飲んだので若干酔いすぎたようです

 

  閑話休題  

 

昨日の日経朝刊「教育・大学」欄の『キャンパス新発見』に「楽器博物館 名器集う 武蔵野音大 5400点 一般公開」という記事が載りました 記事を要約すると、

「武蔵野音楽大学は1949年に初の音楽大学として設置された。入間キャンパスには篤志家からの寄贈やオークションなどで集めた国内最大級の楽器博物館がある 1500年代のチェンバロや歴史的価値のあるピアノ、邦楽器、ヴァイオリンの名器など5400点が所狭しと展示されている 中でも『世界唯一の品でお宝的な存在』は1853年製の『ナポレオン帽子型ピアノ』。このピアノは仏皇帝ナポレオン・ボナパルトのおいに当たるナポレオン3世の結婚祝いに、英国のビクトリア女王がウ―ジェニー妃に贈ったもの 形状はナポレオン愛用の帽子をかたどった局面になっており、バラの花やイチジクの実をあしらった脚とペダルの飾りが、贅沢で重厚な感じを与える。作曲家シューマンの妻で、名ピアニストだったクララ・シューマンが愛用したグランドピアノも博物館の見どころの一つ 楽器は生涯学習の一環として一般に公開している。ピアノなどは音を少し奏でてもらうことも可能で、タイムスリップすた気分にも浸れる

この記事を読んで、驚いたのは武蔵野音大が、初の音楽大学として設置されたということです。私の知り合いにも数人、この音大の卒業生がいますが、この記事で初めて知りました ナポレオン帽子型は・・・・シャッポを脱ぎますが、クララ・シューマンの弾いたピアノの音はどんな音がするのでしょうか

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もう一人の天才ウォルフガング~コルンゴルトのオペラ「死の都」のこと

2013年08月26日 07時00分28秒 | 日記

26日(月)。新国立劇場の会員情報誌「ジ・アトレ」が、来年3月に日本初上演するエーリヒ・ウォルフガング・コルンゴルトのオペラ「死の都」を特集しています コルンゴルト(1897年~1957年)は天才ウォルフガング・アマデウス・モーツアルトと同じオーストリア生まれ。ウィーンの寵児でありながらナチスからの迫害を避けアメリカに亡命、ハリウッドの映画音楽家として後半生を送った作曲家です

17日に観た映画「25年目の弦楽四重奏曲」の中で、ピーターが妻ミリアムを想い起すシーンで、ミリアムに扮したアンネ・ゾフィー・フォン・オッタ―が歌ったのが誰の何という曲か判らず、何となくリヒャルト・シュトラウスの歌曲かな?と思っていたのですが、コルンゴルトの「死の都」第1幕のマリエッタのアリア「リュートの歌」だったことを、後に新日本フィルのヴァイオリン奏者・篠原英和さんから教えられました

「死の都」のあらすじは『亡き妻マリーの思い出に浸って生きているパウルの前に、妻と瓜二つの女性マリエッタが現れる。彼女の中に妻を見るパウルはマリエッタを求めてブルージュの町へ行く・・・・・』というものですコルンゴルトは最後のロマン派とも言われているように、その音楽は艶やかでロマンティックです

コルンゴルトと言えば「ヴァイオリン協奏曲」が有名で、私も大好きですが、この「死の都」も魅力的なオペラで、いつか生で鑑賞したいと待ち焦がれていたプログラムです 上演の来年3月まで間があるので、取りあえず手元のCDを楽しむことにします。エーリヒ・ラインスドルフ指揮ミュンヘン放送管弦楽団、ルネ・コロ(パウル)、キャロル・ネブレット(マリエッタ)、ヘルマン・プライ(フリッツ)ほかの演奏です

 

          

 

  閑話休題  

 

母の死去に伴い先週水曜日から特別休暇をいただいていましたが、今日から職場復帰します

ニューヨーク・ヤンキースのイチロー選手が日米通算4,000安打を達成したというニュースが流れた日が、ちょうど母が息を引き取った8月21日(水)でした。その日の夜に予定していた「読響サマーフェスティバル」は当然聴きに行けなくなりました 23日に通夜、24日に告別式を挙行しましたが、24日(土)は今住んでいるマンションの1階に、新たにイオン系のコンビニM.Bが開店し、朝早くから賑わいを見せていました 元々ここには豊島区の高齢者介護施設(デイサービス等)が入居していたのですが、民間との競争に勝てず3月末に撤退したのです これまで一番近い店舗はコープ東京でしたが、数十メートル離れているので、雨が降った時などは不便を感じていました 今度は同じマンションの中で、お店の広さもコープより広く品ぞろえも豊富なので、これからはM.Bに行く機会が多くなると思います

25日(日)は東京オペラシティで「侍ブラス2013」のコンサートがあり、トランペットのエリック・ミヤシロの演奏を楽しみにしていたのですが、葬儀の翌日でもあり、腰痛が一段ときついので家で読書をして過ごしました

 

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無意識か、偶然か?~ショパン「ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調」を聴きながら

2013年08月25日 10時12分17秒 | 日記

25日(日)。今朝はいつもより遅く7時過ぎに起きました。ここ2~3日の疲れが残っているようです いつもは土曜日の朝にワイシャツにアイロンがけをするのですが、昨日は葬儀のため出来なかったので、ワイシャツとハンカチにアイロンをかけました いつも通りBGMを流そうと思って、枕元に置いてある50枚ほどのCDの中から、何気なく「ショパンがいいな」と思って、ユリアンナ・アヴデーエワが第16回ショパン国際ピアノコンクールで弾いた「ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調」のライブ録音をかけました 第3楽章まできて、ハタと気が付きました。このソナタは別名”葬送ソナタ”ではないか 無意識に選んだCDが”葬送”だったことに自分でも驚いています

 

          

          

 

21日(水)午前8時過ぎ、実家の妹からケータイに電話があり、「『病院から、入院中の母親の呼吸が停止した』という連絡があった」というので、通勤支度そのままの格好で電車を乗り継いでS市の病院に駆けつけました。妹夫婦が待っていて、「病院から連絡があってすぐに駆け付けたが、間に合わなかった」ということでした。1月にも肺に水が溜まり呼吸が困難になる病気(両側膿胸)にかかり、一時危篤状態に陥ったのですが、奇跡的に回復、自宅に戻り療養を続けていました。7月29日に同じ症状で再度入院し、最近は比較的安定していただけに大変驚きました。1月のことがあり、いざという時のことを妹と相談してあったのですぐに葬儀社に連絡、亡き母を実家に連れて帰りました。その日は葬儀社の担当者と通夜、告別式の日程から内容に至るまで事細かに打ち合わせをして、火葬場の空き状況も考慮して通夜を23日(金)、告別式・初七日を24日(土)に執り行うことを決めました。合わせて、会社や親せき関係にも電話連絡を入れました。その日の帰りは、もの凄い雷雨に見舞われひどい目に遭いました。

翌22日(木)は、娘が仕事で休めないと言うので長男を連れて実家に行き、通夜・告別式の準備で詰め切っていない点を打ち合わせをして、また自宅に戻りました。

23日(金)は午後3時半から納棺をしましたが、2人の女性が儀式をリードしてくれ、最後に顔を化粧してくれたのですが、まるで生きている人間が眠っているような感じになり、さすがはプロだなと感心しました。その後、遺体をお寺に移しました。午前中から心配していたとおり、4時過ぎから急に天気が悪化して激しい雷雨になりました。お寺に着いた5時少し前には土砂降りになり、これでは通夜に来ていただく方が大変だ、と心配しました。幸い6時の通夜開始の頃には大分雨も収まり一安心しました。多くの方々にご参列いただき、無事に通夜を終え、この日は家族でお寺の施設(葬儀会場に隣接)に泊まりました。娘と私は8年前の父親の葬儀の時以来今回が2回目です。前回はシャワー設備がなかったのですが、今回は付いているので快適でした。

24日(土)は午前11時半から告別式・初七日の儀を執り行いました。最後に喪主として挨拶をしましたが、その中で思い出として、小学生の頃クリスマスの時にささやかなプレゼントを枕元に置いてくれたこと、大学生の時、母親に「そんなこと当たり前だろう」と言ったら「親に向かって、当たり前だろうとは何事だ」とひどく叱られたこと、普段はおとなしく優しい母親があれほど激しく怒ったのは見たことがないこと、それ以来母親に対する言葉遣いに気を付けるようになったことを話しました。また、父親と母親の介護を18年以上も続けてくれた妹とその連れ合いのUさんに対し感謝の言葉を述べました。

お寺から車で火葬場に移動して、荼毘に付し、骨上げまでの時間を利用して精進落とし(会食)をしました。通常は火葬場からお寺に戻ってから精進落としをするのが一般的ですが、葬儀社の話によると、最近では、参列者の便宜のため火葬している間に精進落としを済ませることで時間を短縮するケースが増えつつあるとのことでした。妹夫婦とも相談した結果、参列者の年齢も高いので出来るだけ拘束時間を短くした方が良いだろうということになり、そうすることにしました。

骨上げの際、窯から出てきた母親の骨のあまりの少なさに驚きました。父親のときは倍ぐらいあったのではないかと思います。ただ、頭の骨だけはかなりしっかりと残っていました。

マイクロバスでお寺に戻り、そこで解散しましたが、われわれは実家に移動し、母の遺骨を仏壇のある部屋に安置しました。四十九日までここで供養することになります。

通夜、告別式にご参列くださった皆さま、生花をお供えしていただいた皆さま、弔電をくださった皆さま、お心遣いありがとうございました

 

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有川浩著「キケン」を読む~理系大学生の青春を描く

2013年08月22日 07時05分24秒 | 日記

22日(木)。有川浩著「キケン」(新潮文庫)を読み終わりました 有川浩はこのブログでも紹介した「県庁おもてなし課」でお馴染みの女流小説家です

キケンとは城南電気工科大学のサークル「機械制御研究部」の略称です 部長・上野、副部長・大神の二人が仕切るキケン集団は、破壊的な行為からキケン=危険として周囲から畏れられています

部長の上野は小学生の時から花火の火薬を使って爆弾を作るなどとても危険な人物です その実態は「第1話:上野直也という男」で語られます。また、副部長の大神は大(魔)神的な存在で、実質的な部長です。この男が学園祭で知り合った女子大の学生と付き合って、最終的には振られる「第2話:副部長・大神宏明の悲劇」は、聞くも涙、話すも涙の物語です 心情的には大神にすごく同情します

第3話・第4話の「3倍にしろ!」は学園祭でラーメンの模擬店を出店するのですが、上野部長の命令は売り上げを去年の3倍にしろというもの 上野は、母親が喫茶店を経営している元山を責任者として指名します。元山を中心に1年生たちが売り上げではなく利益を3倍にするまでの涙ぐましい奮闘ぶりが書かれています

第5話「勝たんまでも負けん!」では、県主催の「ロボット相撲大会」に出場することになったキケンの活躍ぶりが書かれています 決勝戦で”負けない最後の手段”としてロボットを自爆させて、相手のロボットを吹き飛ばし周囲を唖然とさせます これはルール違反か・・・・・

最終話「落ち着け。俺たちは今、」は、数年後の元山が、妻と母校の学園祭を訪ねる話ですが、「あの頃主人公だった自分たちの役割は後輩たちがしっかりと受け継いでいる。現在の主人公は彼らだ」と思うと同時に、「すべては過去になったが自分たちの”機研”の思い出は誰も消せない宝物になったのだ」と認識を新たにします。302教室を除いた元山は、上野、大神たちの寄せ書きを目のあたりにして感激に浸ります。この場面は有川浩の真骨頂、思わず熱いものを感じます。理系大学生の青春を描いた「キケン」をお薦めします

 

          

 

  閑話休題  

 

昨日朝、整骨院で順番待ちをしている時にケータイが鳴ったので出ると、実家の妹からで、入院中の母親が急に呼吸を停止した、という連絡でした。会社に行く恰好そのままで病院に駆けつけましたが、間に合いませんでした。母を実家に連れ帰り、昨日は夜まで妹夫婦とともに葬儀屋さんと打ち合わせをし親戚はじめ関係者に連絡をしました。

帰りがちょうど雷雨の激しい時間帯にぶつかり、傘を持っていたのに役に立たず、びしょ濡れになりました。家に帰ったと思ったら娘から「近くの地下鉄の駅にいるが傘がないので迎えに来てほしい」というので再び、川と化した道路を歩いて迎えに行きました。

今日は再度、実家に行き明日夜の通夜と明後日の告別式の打ち合わせをします。このブログはお休みするかもしれません

 

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METライブビューイング・アンコール2013「トゥーランドット」「セヴィリアの理髪師」のチケットを買う

2013年08月21日 07時00分20秒 | 日記

21日(水)。昨夕は、たまには仕事抜きで暑気払いをしようということで、いつもの3人のメンバーで久しぶりにHCビル地下のKで飲みました 夏なので、いつものように生ビールで乾杯して、その後はいつものように冷酒にしました 幸い7時10分頃には解散となり、週の半ばからの朝帰りが避けられました 最近の話題は「上野のカラオケスナックが潰れて、行き先を失って困ったね」という切実な問題です まさにカラオケ難民になったわれわれの行方はいかに・・・・・誰かイイ店教えて!

 

  閑話休題  

 

8月10日から東銀座の東劇で「METライブビューイング・アンコール2013」が始まっています 2006年から始まったMETライブビューイングの中から選りすぐりの演目をピックアップして再上映するものです。2006-2007シーズンで上映されたロッシーニ「セヴィリアの理髪師」から2012-2013シーズンで上映されたヴェルディ「リゴレット」まで28作品がリバイバル上映されます 今回の特徴は生誕200年を迎えたヴェルディとワーグナーの作品をすべて上映することです

 

          

 

私はこのうち2作品を観ることにしました 一つは9月14日(土)午前10時15分から上映されるプッチーニ「トゥーランドット」で、もう一つは9月21日(土)午前10時から上映されるロッシーニ「セヴィリアの理髪師」です。「トゥーランドット」は5回目、「セヴィリアの理髪師」は3回目です

「トゥーランドット」はフランコ・ゼフィレッリの絢爛豪華な演出・舞台と、マリア・グレギーナのトゥーランドット姫の迫力がたまらない魅力だし、「セヴィリアの理髪師」はフローレスのアルマヴィーヴァ伯爵、ヘレン・ディドナートのロジーナ、ピーター・マッティのフィガロと、最高の顔ぶれで最高の歌声が聴けます。ストーリーが楽しいので何度観ても飽きません

本当は、ヴェルディもワーグナーもドニゼッティもモーツアルトもみんな観たいのですが、日程と時間の関係で思うようにスケジュールが組めません 非常に残念です。上映スケジュールは「メト・ライブビューイング」か「松竹」のホームページをご覧ください。入場料は3,000円(ただし、ワーグナーの4作品とベルリオーズ「トロイアの人々」は4,500円)です

なお、2013-2014シーズンは今秋10月以降に始まります。新シーズンの特徴はこれまで取り上げてこなかった新しいプログラムが多く取り上げられていることです チャイコフスキーの「エフゲニー・オネーギン」、ヴェルディ「ファルスタッフ」、マスネ「ウェルテル」、ロッシーニ「ラ・チェネレントラ」、ショスタコ―ヴィチ「鼻」、ドヴォルザーク「ルサルカ」、ボロディン「イーゴリ公」などです。どれも楽しみです

 

          

 

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明日は飯野ビルのランチタイムコンサートです~初のプロの演奏を楽しむ

2013年08月20日 17時30分07秒 | 日記

20日(火)その2.明日、21日(水)12:05から12:50まで、内幸町の飯野ビル1階エントランスロビーで「ランチタイムコンサート」があります

出演は齋藤友紀さん(フルート)と大隅桂子さん(ピアノ)のお二人です 齋藤さんは桐朋学園大学卒業、ジュリアード音楽院インターナショナルマスタークラス修了の俊英です 昨年12月にはCDをリリースしています

一方、大隅さんは桐朋学園大学卒業、第3回名古屋テレビピアノコンクール第1位の実力者です

プログラムは①ハチャトゥリアン「仮面舞踏会」より”ワルツ”、②ビゼー「アルルの女」より”メヌエット”、③カサド「愛の言葉」、④アメージング・グレース、⑤ダニー・ボーイ、⑥ふるさと、⑦月の光、⑧ファルカシュ「ルーマニア舞曲」です

このコンサート初のプロによる演奏です 内幸町界隈にお勤めの方は是非お立ち寄りください 私も、途中からでも聴きに駆けつけたいと思います

 

          

 

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