31日(金)。早いもので,今日で7月も終わりです.わが家に来てから294日目を迎え,シューマンのピアノ協奏曲のCDを押さえるモコタロです
アルゲリッチのピアノでチョン・ミュンフンの指揮 これいいぜ!
閑話休題
昨日午後3時からミューザ川崎で読売日本交響楽団のコンサートを、次いで午後7時からサントリーホールでKissポートクラシックコンサートを聴きました。今日は、読売日響のコンサートの模様を書きます
これは「フェスタ・サマーミューザ2015」の一環として開かれたコンサートです.オール・メンデルスゾーン・プログラムで①付随音楽「真夏の夜の夢」序曲、②ヴァイオリン協奏曲ホ短調、③交響曲第4番”イタリア”が、②のヴァイオリン独奏=ヴェロ二カ・エーベルレ、指揮=ジェレミー・ローレルによって演奏されました
演奏に先立って午後2時20分から読響メンバーによってプレ・コンサートが開かれました 8人の弦楽奏者が登場します.首席ヴィオラの柳瀬省太がマイクを持って演奏曲目を紹介します
「今日の本公演のプログラムはオール・メンデルスゾーンですが,プレ・コンサートもメンデルスゾーンです 『弦楽八重奏曲』を演奏しますが,全曲を演奏する時間はありませんので,第1楽章を演奏します」
そして演奏者を紹介します.ヴァイオリン=ダニエル・ゲーデ(コンマス),對馬哲男,肥田与幸,太田博子,ヴィオラ=柳瀬省太.渡邉千春,チェロ=唐沢安岐奈,室野良史という面々です
ダニエル・ゲーデのリードで若き日のメンデルスゾーンの傑作が演奏されます 私はメンデルスゾーンが大好きですが,中でもこの『弦楽八重奏曲』が一番好きです 聴いているとウキウキワクワクしてきます.素晴らしいアンサンブルでした
さて,本番です.自席は1階C10列30番,センターブロック右から2つ入った席です 会場はウィークデーの昼間ということもあり6割程度の入りでしょうか.オケのメンバーが登場します.いつも思うのは,読響は男性比率が高いオケだなあ,ということです 男性対女性の割合は3:1ぐらいだと思います.弦楽器で言えば音が低くなるほど,つまり楽器が大きくなるほど女性が少なくなります
ジェレミー・ローレルが登場します.想像していたより若い指揮者です パリ国立音楽院を卒業し,マルコ・ミンコフスキとウィリアム・クリスティという古楽界の先輩のアシスタントを務め,自らピリオド楽器(古楽器)による音楽集団を設立して演奏活動を続けているとのことです そんなこともあって,メンデルスゾーンをいったいどういうアプローチで演奏するのか,興味を持っていました
最初はメンデルスゾーンが17歳のときに,シェイクスピアの戯曲を題材にして作曲した「真夏の夜の夢」序曲です 演奏は極めてオーソドックスです
2曲目は,1988年ドイツ生まれ(27歳)のヴェロ二カ・エーベルレをソリストに迎え,ヴァイオリン協奏曲ホ短調が演奏されます 演奏する彼女を見ていたらアメリカのヴァイオリニスト,ヒラリー・ハーンを思い出しました.雰囲気がちょっと似ています 起伏の大きな演奏で思いを込めて演奏しているのが分かります ストラディヴァリウス”ドラゴネッティ”の美しい音色が会場の隅々まで響き渡ります
鳴り止まない拍手に,エーベルレはバッハの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番」から「アダージョ」をニュアンス豊かに弾きました
それにしても,いつも思うのは,どうしてヴァイオリン協奏曲というとメンコンかチャイコンかべトコンかブラコンになってしまうんだろうか,ということです 今年はシベリウス生誕150年という記念すべき年なので,これにシベコンが加わりますが,いずれにしても,あまりにも限られた曲だけが頻繁に演奏され過ぎるように思います もちろん,これらの曲はどれもが『名曲』の名に恥じない素晴らしい曲ですが,あまりにも偏り過ぎていないか,と思うのです
さて,休憩後は交響曲第4番”イタリア”」です.この曲はメンデルスゾーンがイタリアを旅行した時の印象を音楽にした作品です 恥ずかしい話ですが,私はクラシック音楽を聴き始めた頃,メンデルスゾーン=イタリア交響曲のイメージが強く,メンデルスゾーン=イタリア人だと本気で思っていたのです ユダヤ人でドイツの作曲家であることを知ったのはずっと後のことでした
ローレルが指揮台に上がり,まさに演奏を開始しようとしている時,私の左後方で,高齢の男性がまだしゃべっています すると,近くの男性が「おじさん,始まるよ」と大きな声で注意し,黙らせました.その人も高齢男性でした.指揮者は後ろ向きなので,指揮権を発動してチョークを投げつけることは出来ません.もし,その高齢男性が「ジイさん,始まるよ」と言っていたら,あとで喧嘩になっていたかも知れません.注意されたおじいさんにレッド・カードを,注意にあたって「おじさん」に留めたおじいさんに川崎の商店街のポイント・カードを差し上げたいと思います
さて,指揮者ローレルが古楽器集団を率いて活躍していることから,演奏スタイルは古楽器奏法でも取り入れるのかと思っていましたが,まったく予想外で,極めてオーソドックスな指揮ぶりでした 読響独特のどっしりしたドイツ的とでも言うべき重心の低い演奏スタイルを生かすような指揮ぶりだったと言えば良いでしょうか
このコンサートは大好きなメンデルスゾーンばかり4曲も聴くことができて,とても幸せでした
コンサート終了後,ヤフーの乗り換え案内でサントリーホールへの最短所要時間を調べ,川崎から東海道線で新橋に出て,地下鉄銀座線に乗り換え溜池山王に向かいました 軽く夕食を取って,午後7時から開かれた「Kissポートクラシックコンサート」を聴きました.その模様は明日のブログで書くことにします