人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ヤボルカイ兄弟withモーツアルトハウス・ウィーン弦楽四重奏団を聴く

2015年09月30日 07時02分02秒 | 日記

30日(水).月日が経つのは早いもので,今日で9月も終わり.1年の4分の3が終わってしまいます 栄枯盛衰会者定離,覆水盆に返らず,一期一会,次は終点・新宿,なんのこっちゃ 

昨日午後、当ビル9階の会議室で救護訓練があり,AED操作を実習しました.年1回実施していて,毎回参加していますが,Aほで,EかげんなDoじな性格なので,1年前のことをすっかり忘れています 今回も勉強になりました.誰が倒れても大丈夫です.参加者が多数いましたから

ところで、昨日の朝日「天声人語」は久々に面白い話題が載っていました 大分市の高崎山自然動物園のサルの話ですが、母ザルの「カラオケ」が、ほかの母ザルが育児放棄した赤ちゃんザルを、わが子とともに育てているが、これは希少なケースだと書いています 面白いと思ったのは母ザルの名前「カラオケ」です。その母ザルの名前が「ボックス」だからだそうです。同じ”家系”のサルの名はセットにして覚えやすくする。例えばカトリ、センコウ、ハナビと言った具合だということです

この動物園はセンスが良いですね 「ボックス」「カラオケ」とくれば、次の子供は「マイク」か「オンチ」でしょうか 私などに命名を任せたら「フォルクス」「ワーゲン」「ギソウ」とか、「リーチ」「イッパツ」「ツモ」とか、ロクでもない名前になりそうです ということで,昨日の続きで,別の角度からオヤツを狙うモコタロの姿を映したカメラ映像を再現します わが家に来てから368日目を迎えたモコタロの実態です 

 

          

            しめしめ あそこにオヤツの容器があるぞ・・後ろの足だれ?

 

          

          ほーら簡単にオヤツを食べられた・・誰の足よ?・・・足からず 

 

  閑話休題  

 

昨夕,大手町の日経ホールで日経ミューズサロン「シャンドル&アダム・ヤボルカイ兄弟withモーツアルトハウス・ウィーン弦楽四重奏団」のコンサートを聴きました このタイトルからすれば,出演者は兄弟+弦楽四重奏団の6人と思われがちですが,実はこの兄弟はカルテットの一員なのです.メンバーは第1ヴァイオリン=シャンドル・ヤボルカイ,第2ヴァイオリン=高橋和貴,ヴィオラ=アレクサンダー・パク,チェロ=アダム・ヤボルカイです

 

          

 

コンサートは第1部がモーツアルトハウスゆかりの四重奏曲で,第2部がヤボルカイ兄弟による超絶技巧デュオ曲集です

自席はH列19番,センターブロック前から8列目の右から2つ目です.4人のメンバーが入場します.第1ヴァイオリンとチェロが第2ヴァイオリンとヴィオラを挟む配置をとります

第1部の第1曲はモーツアルト「弦楽四重奏曲第15番ニ短調K.421」です.この曲は師と仰ぐハイドンに献呈した「ハイドンセット」の2番目に当たる曲で,唯一の短調の作品です.第1楽章「アレグロ・モデラート」,第2楽章「アンダンテ」,第3楽章「メヌエット」,第4楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」から成ります

ここでまず考えるのは,なぜ1曲目がモーツアルトで,2曲目がハイドンなのか,ということです 生まれた順で言えばハイドンが1732年生まれで,モーツアルトが1756年なので,ハイドンを先に演奏して,短調のモーツアルトで締めた方が良いのではないか,と思ったのです しかし,作品の作曲年を見るとモーツアルトのK.421が1783年(27歳)の作品で,ハイドンの”皇帝四重奏曲”が1797年(65歳)の作品であることが分かります つまり,ハイドンは,モーツアルトの死(1791年)の6年後にこの四重奏曲を作曲したことになります.したがって,作曲順ということであれば,この日のプログラム通りで良いということになります それにしてもハイドンは77歳まで生きていたのですね.モーツアルトはその半分にも満たない人生(35年)だったのに

4人の演奏を聴いていて感じたのは,名前に”ウィーン”の冠を付けるこだわりもあってか,第3楽章「メヌエット」がウィーン情緒豊かな演奏でした 4人がお互いに目と目で合図しながら実に楽しげに”舞曲”を演奏する姿が見られました

2曲目はハイドンの「弦楽四重奏曲第77番ハ長調”皇帝”」です.この曲が”皇帝”と呼ばれるのは,ハイドンが作曲したオーストリア皇帝賛歌の旋律を,この曲の第2楽章の変奏曲のテーマとして使っていることによります このテーマはオーストリア国歌となり,その後,現在に至るまでドイツ国歌になっています

この曲は全体的にハイドンらしく明快な曲ですが,このクァルテットで聴くと,やはり第3楽章「メヌエット」が生き生きと再現されますウィーンゆかりの作曲家の曲なら任せておけ,といった自信に満ちた演奏で,実に楽しげです

休憩後は第1ヴァイオリンのシャンドルとチェロのアダムのヤボルカイ兄弟による名デュオ曲集です 1曲目はヘンデル/ハルヴォルセンの「パッサカリア」です.この曲は,チェンバロ独奏のためにヘンデルが作曲した「クラヴィア組曲」の第1巻第7番の終曲「パッサカリア」を,ノルウェーの作曲家ハルヴォルセンが編曲したものです.超絶技巧と言っても,この曲の演奏はまだまだ序の口です

次のバルトーク「ルーマニア民族舞曲集」は,1915年に作曲した同名のピアノ曲を編曲したものです 第1曲から第6曲までありますが,例えば第4曲の「ホーンパイプの踊り」を聴くと,ヴァイオリンとチェロで演奏しているのに,まるで管楽器を吹いているような印象を受けます.それぞれの曲が色彩感豊かに表現されます

3曲目はハンガリーの現代作曲家ドゥブロヴァイの「ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲」です.この曲はヤボルカイ兄弟のために書かれた曲です 演奏に当たり兄のシャンドルが「グリッサンドを使って幽霊みたいな音が出ますが,怖がらないで聴いて下さい」と解説して演奏に入りました.弦を弾いたり,こすったり,叩いたり,速く弾いたり,遅く弾いたり,様々な技巧を凝らして演奏し,会場を宇宙のように広げました 私が頭に思い浮かべたのは星新一+真鍋博が描く近未来の世界です

4曲目はサラサーテのツィゴイネルワイゼンです ドイツ語で”ジプシーの歌”という意味です.シャンドルのヴァイオリンから入りますが,ツィゴイネルワイゼンのメロディーは出てきません.かなりアドリブで”前奏”を弾いて(ジャズで言うインプロビぜーション)から,いつの間にか本編に入っています.そのテクニックは鮮やかです.まさに超絶技巧による演奏です

次の曲に入る時,二人で何やら次の曲のことを言い合っています.「えーと,オコノミヤキ(じゃなくて)」「クマ」「クマンバチ」ということで,リムスキー・コルサコフの「熊蜂の飛行」の演奏に入りました ヴァイオリンだけなら速弾きを聴いたことがありますが,ヴァイオリンとチェロのデュオでこの曲を聴くのは初めてです.二人は超絶技巧曲をお互いの間合いを取りながらも超高速で弾き切りました.ボルトも真っ青か,と思われるスピードでした 君の演奏は1万ボルトってか

最後はハチャトゥリアンの「剣の舞」です.が,聴こえてきたのは,何とモーツアルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の第1楽章冒頭のテーマです 「おいおい,どーすんだよ」と思っていると,いつの間にか「剣の舞」に移っています 「あのね,暗いね」なんて言っている場合ではありません.ヴァイオリンとチェロの掛け合いが見事な「剣の舞」です.舞りました

会場一杯の拍手に二人はアンコールに応え,まずパガニーニの「ベネチアの謝肉祭」から「いとしいお母さんによるおどけた変奏曲」を演奏,次いで,ヴァイオリンとチェロが鳥の鳴き声のような音で応酬する「ひばり」を,最後にブラームスの「ハンガリー舞曲第5番」を鮮やかに演奏し,拍手喝さいで幕を閉じました

いや~実に楽しいコンサートでした.会場は大うけでした 日経ミューズサロンは当たり外れがある,といつか書きましたが,これは大当たりです

コンサート帰りに,F列の左ブロックで聴いていた当ブログの読者ゆえさんと神保町の喫茶店でお茶をしました 「胡散臭さは当たったね」「兄弟でも,プロレスラーの兄弟みたいだね」「お客さんの年齢層が高いね」「日経の読者で会社のOBと奥さんといった人が多いように思うな」「あれで3,800円は安いね」などとお互いの感想を述べ合いましたが,ゆえさんから指摘されるまで,第2ヴァイオリン奏者とヴィオラ奏者の名前を取り違えていることに気が付きました 私はてっきり,下の写真の右から2番目の人が日本人の高橋さんで,左サイドの人がパクさんだとばかり思っていたのですが,持っている楽器からして反対であることが判明した次第です.思い込みって如何ともしがたいですが,人は外見で判断しては行けません.反省しています

 

          

           

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北野武監督「龍三と七人の子分たち」を観る~スカッとするジジイ連合の大活躍

2015年09月29日 07時03分34秒 | 日記

29日(火).一昨日は十五夜でしたが,昨夕が満月でした.夕べ娘が月見ダンゴを作りました

 

          

 

昨日の朝日夕刊・文化面に音楽評論家C氏の「英国ロイヤル・オペラ『ドン・ジョバン二』の批評が載りました この公演はMETの看板ソプラノ,ジョイス・ディドナートがドンナ・エルヴィーラを歌うというので,生で聴きたかったのですが,あまりのチケット代の高さに手も足も出ませんでした さて,C氏の評の最後の部分を読んで,オヤっ?と思いました

「地獄落ちはなく,最後の6重唱も前半をカット.疎外されていく主人公の姿をかつてなく浮き彫りにした」

「地獄落ちのない『ドン・ジョバンニ』ってどうなんでしょうか このシーンはオペラの終盤で,騎士長の石像がドン・ジョバンニの手を取って「悔い改めよ,生き方を変えよ」と迫るのに対し,ドン・ジョバン二が最後まで拒否したことから,地獄の門が開き,ドン・ジョバン二が地獄に落ちるというものです 実際にこの公演を観ていないのでどういう演出だったのか分かりませんが,『疎外されていく主人公の姿をかつてなく浮き彫りにした』というなら,なおさら「地獄落ち」がないのは不自然だと思いますが,どんなものでしょうか あるいは,会場のNHKホールが地獄落ちがやりにくい舞台だったのでしょうか? いずれにしても”地獄落ち”のないドン・ジョバン二なんて泡(空気)の抜けたシャンパンのようなものです.気が抜けてしまいます また,『最後の6重唱も前半をカット』とあるのは,疎外されたのはドン・ジョバン二ではなく聴衆だったのではないか,と思います ということで,わが家に来てから367日目を迎え,オヤツを狙うモコタロです

 

          

             あそこに オヤツの容器があるぞ しめしめ・・・・

 

          

            こんな椅子 なんでもないさ 上に乗ってやるぞ!

 

          

          ほら簡単に乗った! あとは容器の中のオヤツを食べるだけだ

 

             今のシーンを別の角度から映します 明日につづく ・・・

          

 

  閑話休題  

 

昨日,飯田橋のギンレイホールで北野武監督「龍三と七人の子分たち」と,原田眞人監督「駆込み女と駆出し男」の2本立てを観ました 今日は「龍三と七人の子分たち」について書きます

 

          

 

「元ヤクザの組長の龍三は現役を引退して,息子の家で肩身の狭い思いをしながらくすぶっているが,ヤクザの性分が抜けきれない ある日,オレオレ詐欺に引っかかったことをきっかけに,詐欺で年寄りを騙す元暴走族の京浜連合の若者集団を懲らしめようと,昔の仲間を集める 集まったのは若頭のマサ,はばかりのモキチ,神風のヤス,早撃ちのマック,ステッキのイチゾウ,五寸釘のヒデ,カミソリのタカ,の7人の元ヤクザたち 「一龍会」を結成し,京浜連合のやる詐欺行為を邪魔しまくるが,浜連合の連中だって黙ってはいない.組織を挙げての反撃に出る さて,ジジイ連合対若者詐欺集団との戦いの決着は如何に・・・・」

これはもう抱腹絶倒の映画です 若者詐欺集団に対する,明日を知らない(知りたくない)ジジイ連合のやりたい放題が描かれています 龍三を演じた藤竜也はまさに親分にぴったりだし,若頭を演じた近藤正臣は,かつての2枚目もこんなに老けたかと驚いたし,早撃ちマックを演じた内田裕也はいくら歳を取ってもカッコいいし,一人一人に個性があります

萬田久子がクラブのママを演じていますが,これもはまり役です.それに,監督の北野武が刑事の役で出ていますが,良い役はやっぱり監督が持っていくのでしょうね

現役を引退して家に引き籠って余生を送るお年寄りが観れば,スカッとすること間違いなしの映画です

 

          

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東京交響楽団2016-2017~定期会員継続へ

2015年09月28日 07時02分07秒 | 日記

28日(月).昨日は日曜日にしては珍しくコンサートがなかったので,朝から家中のレース・カーテン(10枚)を洗濯しました 新しく買い替えてから一度も洗濯していないので,回転中の洗濯機を小窓から覗くと真っ黒な水が見えました ここまで来てはもう洗濯するしか選択の余地はなかったことになります 厚手のカーテンは洗った後アイロンがけが必要らしかったので,すべてクリーニングに出しました.1万円を超えるかと覚悟していましたが,8枚で5千円以内に収まりました

ところで,1年前の今日,モコタロがわが家にやってきました.このブログのプロフィール欄に掲載している写真が1年前のモコタロです 娘が”餌づけ”をしたので,最初のうちは娘ばかりに懐いていて,スポンサーである私が近づくと逃げ惑っていましたが,今では私の手からオヤツをもらうところまで”成長”しました 放っておくとどこかに勝手に行ってしまうので,探すのに苦労することが少なくありません 大抵は娘の机の下ですが,時には自分のゲージの中に戻って休んでいることもあります ネザーランドドワーフは身体が大きくならない種類の兔なので,今でも体重は軽いです.ということで,わが家に来てから366日目を迎え,ご主人の誕生月にペット・フード優待ハガキが届いたので,利用を勧めるモコタロです

 

          

           ご主人さま 今がチャンスですよ 10%割引ですよ!

 

  閑話休題  

 

東京交響楽団から2016年度(2016-2017年)定期演奏会の会員継続案内が届きました 現在,私はサントリーホールと東京オペラシティコンサートホールでの定期会員になっています

 

          

 

サントリーホールでの「定期演奏会」は来年4月から再来年1月まで10回の公演があります

 

          

          

          

          

 

上記10公演のうち音楽監督ジョナサン・ノットが振るのは①4月のブラームス「ドイツ・レクイエム」他,②7月のブルックナー「交響曲第8番」他,③10月のショスタコーヴィチ「交響曲第10番」他,④12月のシューマン「交響曲第2番」他の4公演です 注目すべきは前音楽監督ユベール・スダーンがベルリオーズの劇的物語「ファウストの劫罰」を振る9月の公演です 

ソリストでは,5月の公演でロマノフスキーがプロコフィエフの「ピアノ協奏曲第3番」をウルバンスキのサポートで演奏すること,8月の公演でオルガ・シェプスがラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」を飯森範親のサポートで演奏すること,そして10月の公演でイザベル・ファウストがベートーヴェンの「ヴァイオリン協奏曲」をノットのサポートで演奏することが目立ったところです

このラインアップを見る限り,迷うことなく次期も「定期演奏会」の会員を継続したいと思います

次に東京オペラシティ・シリーズですが,来年4月から再来年3月まで6回公演があります

 

          

 

          

 

上記6公演のうちジョナサン・ノットがタクトをとるのは4月のR.シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」他と10月のブラームス「交響曲第1番」他の2公演です 珍しい組み合わせとしては6月にバッハ・コレギウム・ジャパンの音楽監督・鈴木雅明の指揮,息子の鈴木優人のオルガンで,サン=サーンス「交響曲第3番”オルガン付”」他が演奏されます

こちらも会員を継続しようと思います

 

  も一度,閑話休題  

 

今日もチケット代が比較的安価なコンサートをご紹介します 最初は10月17日(土)午後3時から東京藝大奏楽堂で開かれる「名手で聴くバロック『オール協奏曲プログラム』」です ヘンデルやテレマンの楽しい音楽が聴けます.入場料は全席自由で2,000円です

 

          

 

次は11月14日(土)午後6時から上野学園 石橋メモリアルホールで開かれる「AOIレジデンス・クァルテット」東京公演です プログラムは①ショスタコーヴィチ「弦楽四重奏曲第1番」,②野平一郎「弦楽四重奏曲第5番」,③ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第1番」です  AOIというのは静岡音楽館AOIのことで,そこの専属弦楽四重奏団がAOIレジデンス・クァルテットです.メンバーは,ヴァイオリン=松原勝也,小林美恵,ヴィオラ=川本嘉子,チェロ=河野文昭です.入場料は全席指定3,500円です

 

          

 

最後にご紹介するのは12月12日,13日に開かれる「昭和音楽大学 第40回記念 メサイア」公演です 12日(土)が午後3時から横浜みなとみらいホール,13日(日)が午後3時から昭和音楽大学「テアトロ・ジーリオ・ショウワ」で開かれます 入場料は横浜がS2,500円,A1,500円,学生1,000円で,昭和音大がS2,500円,A2,000円,B1,500円,学生1,000円となっています

 

          

 

私は例によって,3公演ともピンポイントでコンサートの予定が入っていて聴きに行けないのが残念です

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”クラシック界のミューズ”モイツァ・エルトマン,バッハ・コレギウム・ジャパンに登場!

2015年09月27日 08時53分38秒 | 日記

27日(日).わが家に来てから365日目(満1年)を迎え,テーブルの下で一休みするモコタロです

 

          

             やっぱり 上に屋根があるところは落ち着くよね

 

  閑話休題  

 

昨日,初台の東京オペラシティコンサートホールで,バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の第114回定期演奏会を聴きました プログラムはJ.S.バッハの①オルガン協奏曲イ短調BWV593,②カンタータ「裏切り者なる愛よ」BWV203,③同「悲しみのいかなるかを知らず」BWV209,④「農民カンタータ”おれらの今度の殿さまは”」BWV212です.出演は,オルガン独奏=鈴木優人,ソプラノ:モイツァ・エルトマン,バス:ドミニク・ヴェルナーです 今回はBCJの誇るコーラス陣の出番はありません

 

          

 

”クラシック界のミューズ”モイツァ・エルトマンが遂にBCJ定期公演に登場です エルトマンがバッハからベルクまで幅広いレパートリーを持っていることは知っていましたが,まさか,BCJの定期公演に出演するとは思ってもみませんでした.その意味では期待が高まります

最初に鈴木優人のパイプオルガン独奏で,バッハの「オルガン協奏曲イ短調BWV593」が演奏されました.この曲はヴィヴァルディの協奏曲集「調和の霊感」作品3に含まれる「2台のヴァイオリンと弦楽,通奏低音のための(3楽章から成る)協奏曲」が原曲で,それをバッハが編曲したものです 聴く限り,やはりヴィヴァルディの曲想だな,と思いますが,それをバッハは自分らしく編曲しています

 

          

 

バスのドミニク・ヴェルナーが鈴木雅明とともに登場,チェンバロの伴奏で独唱カンタータ「裏切り者なる愛よ」BWV203を歌います 歌の内容は,ある失恋した求愛者の独白で,愛の神アムールを非難し,裏切りと欺瞞と咎め,報いられない愛の苦悩に満ちた奴隷状態から逃れることを強く決心する,というものです 聴く限り,まさに独白といった感じで,本当にバッハが作曲したのだろうか,と疑問にさえ思います

BCJのメンバーが登場し,配置に着きます.向かって左サイドに若松夏美以下ヴァイオリン6,右サイドにヴィオラ2,チェロ(竹澤秀平),ヴィオローネ(=コントラバス・西澤誠治),チェンバロ1(鈴木優人),そしてフラウト・トラヴェルソ(菅きよみ)がスタンバイします

モイツァ・エルトマンが上がベージュ,下がブラックのスタイリッシュなドレスで登場 鈴木雅明の指揮でカンタータ「悲しみを知らぬ人」BWV209の演奏に入ります.最初にオケだけで「シンフォニア」(序曲のようなもの)が演奏されます 菅きよみのフラウト・トラヴェルソが心地よく会場に響き渡ります.「管弦楽組曲」のような親しみやすい曲想です

次いでエルトマンが「別れのカンタータ」を美しい声で歌い上げます この曲を聴いただけでも,いかにエルトマンが優れたソプラノであるかが分かります.とくに高音部が綺麗で,まったくムリがありません

 

          

 

休憩後はカンタータ・ブルレスク「”農民カンタータ”おれらの今度の殿さまはBWV212」です.筋書きは

「ある1組の農民男女,ミーケ(エルトマン)と彼氏(ヴェルナー)が新領主就任祝いの前景気を祝う 男はキスを求めるが,ミーケはつれない素振り.すると男は新領主を褒め称え,税金取りに不平の矛先を向ける.ミーケは領主のすばらしさを讃えて歌い,税金や徴兵も殿様次第と男と一緒に囁く 次いで男が領主の奥方を褒め称え,ミーケは領主への新しい献上の歌を歌う これに対して男は「百姓はそんな町の節は歌わない」と言い,二人の歌合戦が始まる 歌合戦の終わりには,『いつもの飲み屋に飲みに行こう』と意気を上げて,幕を閉じる」

新領主とあるのはドイツ,ライプツィヒの南西にあるクライン=チョッハーという騎士領ですが,貴族のディースカウが領主を引き継いだのを機会に,この曲が作曲され演奏されました ディースカウってまさか,あの天下の名バリトン歌手フィッシャー・ディースカウの祖先では・・・と一瞬思いましたが,プログラムに掲載されたエルトマンのインタビュー記事にその答えがありました.彼女は語ります

「『農民カンタータ』は今回の依頼があるまで知らない曲でした.バッハの作品の中で数少ない,面白おかしい曲なので,歌うのが楽しみです でもこの領主様って,実はフィッシャー・ディースカウのご先祖様だってご存知でしたか?私にとっても今回勉強する過程で知った驚くべき事実でした.これは歌うしかないですよねぇ?(笑)」

チェンバロが左右に配置され,オケがスタンバイする中,会場の照明が落とされます.通常の定期公演ではプログラムの歌詞が読める程度の明るさがあるのですが,今回はオペラ会場のように暗転します 舞台上には”農民カンタータ”らしく野菜が入った籠などが置かれています

最初は弦楽合奏により「序曲」が演奏されます.楽しいウキウキするような曲想です すると舞台の左手から,髪をおさげにしてチェックのジャンバースカートをはき,白いエプロンをしたエルトマンが登場 右手からは同じようなチェックのシャツを着たヴェルナーが登場し,物語が始まります.エルトマンのチャーミングなこと

二人のやり取りを見ていると,これはまるでオペラではないか と思いました.バッハはそれを意識して作曲したのだと思います.エルトマンもヴェルナーも,歌が抜群に上手いのは言うまでもありませんが,演技も”玄人はだし”と言って良いでしょう 歌の合間に管きよみがフラウト・トラヴェルソを演奏しながら舞台を歩いたり,ホルンの福川伸陽(N響)が出てきて当時のホルンを復元した単純な仕組みのホルンを吹いたりします また,時々,二人の男女を望遠鏡で覗く集団が出てきたりしますが,これは佐藤美晴というウィーン大学演劇学科に留学経験のある女性の演出によるものです

二人の歌手を中心にカーテンコールが繰り返されましたが,途中で退席する人が極めて少なかったのは,この公演がいかに感動的だったかを表しています

今回のエルトマン+ヴェルナーによる”農民カンタータ”は実に楽しく素晴らしい公演でした 間違いなく私の「今年のマイベスト10」に入るでしょう

モイツァ・エルトマンの実力をさらに知りたければ,彼女のドイツ・グラモフォン・ソロ・デビューCD「モーストリー・モーツアルト」を聴くのが一番です バッハ,モーツアルト,サリエリなどを歌っていますが,透明で力のある美しいソプラノが聴けます

 

          

           エルトマンのリサイタルの時にサインをもらった記念のCD

 

  も一度,閑話休題  

 

読者の皆さまのお陰をもちまして,モコタロが来てからちょうど1年経った日に当ブログの登録読者が600人を突破しました 日頃のご愛読に感謝いたします(これで,ますます休めなくなりました).これを記念して,抽選により「1万円札の詰め合わせセット」が当たるプレゼント・キャンペーンを実施します・・・・と考えたのですが,考えただけです.すいません これからも毎日更新しますので,引き続きご愛読をよろしくお願いいたします

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池永陽著「珈琲屋の人々」を読む~読後,熱いコーヒーが飲みたくなる物語

2015年09月26日 09時36分49秒 | 日記

26日(土)。昨夕,会社近くのHCビル地下のK亭に飲みに行きました そこで,Kさんから「モーツアルトへの旅」というムックをプレゼントしていただき,感激しました クラシック音楽界では名の知れた堀内修氏が執筆し,木下晃氏が写真を担当しています この本を肴に,ン十年前に訪ねたモーツアルトの生まれ故郷ザルツブルクやウィーンへの旅について話して盛り上がりました.一人で 表紙になっているモーツアルト像のある庭園を見て「あっ,ここ行ったことある」と言うと「やっぱりね」と納得されました ウィーンのブルク庭園です.庭の中央には花によってト音記号が描かれています またザルツブルクやウィーンに行ってみたくなりました.Kさん,美しい本をありがとうございました

 

          

 

ということで,わが家に来てから364日目を迎え,これからどうしようか沈思黙考しているモコタロです

 

          

 

  閑話休題  

 

昨日の日経朝刊・社会面に「『宿題やらない』レノンの指導録 ロンドンで競売へ」という小さな記事が載りました。記事を超訳すると

「ビートルズのメンバーだった故ジョン・レノンが15歳のころ、問題行動を教師にたびたび指摘され、居残り指導を繰り返し受けたことを記録した書類が29日、ロンドンの競売大手サザビーズに掛けられる レノンが通っていた英中部リバプールの高校で1970年代に見つかった。当時、レノンは「宿題をやらなかった」「注意しても私語を止めなかった」「授業妨害」「横柄な態度」など複数の教師から指摘されていた サザビーズは『反抗的な性格と権威に対する不敵な態度が15歳の時点で確立していたことが分かる資料だ』としている」

サザビーズの言う「反抗的な性格と権威に対する不敵な態度が15歳の時点で確立していた」というのは、レノンがビートルズのメンバーとして世界中に知れ渡った”有名人”だからこそ言えるのであって、単なる市井の人だったら「ああ、不良だったのね」で済んでしまう話です 

この記事の教訓は「若き日の悪行は、後に有名人になれば『勲章』になるが、ただの人に止まる限り『悪ガキだった』で片付けられる」ということでしょうか

 

  も一度、閑話休題  

 

池永陽著「珈琲屋の人々」(双葉文庫)を読み終わりました 著者の池永陽は1950年愛知県豊橋市生まれ.グラフィックデザイナー,コピーライターを経て,98年「走るジイサン」で第11回小説すばる新人賞」を受賞しデビューしました

 

          

 

「東京の小さな商店街にある喫茶店『珈琲屋』の主人・行介は,過去に地上げがらみの事件でヤクザを殺し,刑に服した経験がある 当時,行介の恋人だった冬子は別の男性と結婚したが,行介が出所すると冬子は離婚していた.彼女はなぜ離婚しなければならなかったのか?」

「初恋」「シャツのぬくもり」「心を忘れた少女」「すきま風」「九年前のけじめ」「手切れ金」「再恋」の7つの物語から成る連作短編です それぞれ,『珈琲屋』に出入りする人たちが主人公になり,行介が聞き役になって物語が展開する形をとっています.それと並行して行介と冬子の物語が展開します 前科者の男とバツイチの女の恋の行方が気になります.読み終わった後に熱いコーヒーが飲みたくなりました

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ジャン・ルノワール監督「ピクニック」を観る~絵になる映画

2015年09月25日 07時01分06秒 | 日記

25日(金).わが家に来てから350日目を迎え・・・・と書いたところで,娘が「モコタロが家に来たのは去年の9月28日だったね.1年が経つの速いね」と言ったので,はたと考え込んでしまいました ブログを書く時は前日のブログを見てから「わが家に来てから〇〇日目を迎えたモコタロです」と書いているのですが,1年が365日であることが事実であるとすれば,計算が合いません 今日が350日目とすれば,丸1年経つ27日は352日目ということになり,1年が13日足りなくなってしまいます.いつかの時点で13日間間違えたままブログを書いてきたようです 今から検証しようと思ったのですが,それを突き止めたところで何の意味があるのか,と考え直して,今日をもって過去を清算することにしました 今度の9月28日は366日目になるはずですから,今日は363日目です.ということで,わが家に来てから363日目を迎え,リビング・ルームを散歩するモコタロです

 

          

            オヤツはまだでしょうか? ぼくの唯一の楽しみの・・・・

 

  閑話休題  

 

昨日の朝日朝刊に載った赤坂ACTシアターの全面広告を見て,「え~っ」と絶叫してしまいました

 

          

 

広告によると,10月10日から25日まで赤坂ACTシアターで上演される「No.9ー不滅の旋律」は,「劇的な人生を送ったベートーヴェン最後の交響曲『第9番』まで,彼はどんな時間を生きたのか,豪華キャストと3人のピアニスト,コーラスによって描かれる”苦悩”と”歓喜”」という謳い文句で,スマップの稲垣吾郎とAKB48出身の大島優子が主演を張る”会話劇”です

私が「え~っ」と叫んだのは,広告の中の次の文面です

 

          

 

何ですか,この「立見指定券」というのは しかもS席が11,800円に対して「立見指定券」は6,500円と,一番高い席の半分以上の料金です 私には「立ち見」に指定があるというのがまず理解できないし,「立ち見」なのに6,500円も取るという根性が理解できません 歌舞伎にしたって,オペラにしたって,立ち見席があるとしてもせいぜい1,000円とか2,000円とかでしょう この話を職場のAさんに話したら「それを買うのは大島優子ファンじゃないですか」とのこと.なるほど,と思いました

しかし,もしも,カルロス・クライバーもヘルベルト・フォン・カラヤンもいない現在のクラシック音楽界,とくにオペラ界で「立ち見指定券」6,500円なんて売り出したら,聴衆から総スカンを食って二度と興業が打てなくなるでしょうね 在京のオケの定期演奏会のチケット代に換算すればA席に匹敵する席です.A席が「立ち見」なんて考えられません どう思いますか,ご同輩 

 

  も一度,閑話休題  

 

先日,早稲田松竹でフランス映画「やさしい女」と「ピクニック」の2本立てを観ました 昨日「やさしい女」について書いたので,今日はジャン・ルノワール監督「ピクニック」(1936年)のデジタル・リマスター版について書きます 監督のジャン・ルノワールは印象派の画家ピエール=オーギュスト・ルノワールの息子です

 

          

 

「夏のある晴れた日,結婚を控えたアンリエッタとその家族が郊外の川辺にやってくる 輝く太陽,穏やかな水辺を背景に一家はピクニックを楽しむ そこに現地の若者二人が現われ,アンリエッタはそのうちの一人と結婚することになる しかし,彼女が本当に結婚したかったのは・・・・・」

映画を観ながら思うのは,これがカラ―だったらいかに素晴らしいだろうか,ということです そう,まるで監督の父親・画家ルノワールの柔らかいタッチの絵のように しかし,それは「大いなる幻影」で,想像で補うしかありません

アンリエッタがブランコをこぐシーンは印象的です.青春の輝きそのものです この映画を後で振り返ってみると,1シーン1シーンがまるで絵画的であることに気が付きます.ひと言で言えば「絵になる映画」です.それで思い出すのは黒沢明の時代劇映画です.「影武者」にしても何にしても1カット1カットが絵になっています

さて,この映画でもし最終的に結婚した相手が二人のうちもう一人の男だったら,あまりにも”予定調和的”で,この映画にスパイスが効かなかったでしょう 40分程の短い映画ですが,モノラルながらデジタル・リマスターにより非常に美しい画面が楽しめます

 

          

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ロベール・ブレッソン監督「やさしい女」を観る~モーツアルトのピアノ・ソナタ

2015年09月24日 10時13分58秒 | 日記

24日(木).9月のシルバー・ウィーク5連休最終日の昨日,天気が良かったので午前中,家じゅうの窓ガラス&網戸を掃除しました ジェット水流を窓に吹きつけて,といきたいところですが,水道の蛇口とホースの口が合わず,四苦八苦して繋いだので,シャワー程度の弱い水流しか期待できませんでした それでも何とか全ての窓ガラス&網戸を綺麗にしたので気分が晴れました 汚れたものを綺麗にするのは気持ちの良いものです ということで,わが家に来てから349日目を迎え,いつの間にか脱走をはかり,奥の部屋の入口でたたずむモコタロです

 

          

           本が積んであって廊下が狭いねぇ しかも サザエさん だし

 

  閑話休題  

 

東京ニューシティ管弦楽団から2016年度定期演奏会の案内が届きました 来年5月21日の第105回から再来年3月11日の第111回までの7公演です.各回のプログラムを大雑把に見た感じでは,一番の”ウリ”は11月1日(火)の公演でピアニストのクリスチャン・ツィメルマンが出演することです ただし,演奏曲目はクナピク「ピアノ・ソロ,混声合唱,オーケストラのための協奏曲『ソング・オファリングス(歌の捧げもの)』の本邦初演とのことで,相当のクラシック通でも知らない曲です しかし,「誰も取り上げない曲こそ上演する」という東京ニューシティ管弦楽団常任指揮者・内藤彰氏のこだわりがあるのでしょう.その意欲は大いに買いたいと思います

 

          

 

その他の公演では,常任指揮者の内藤彰が7月にチャイコフスキー「交響曲第6番”悲愴”」他を,3月にモーツアルト「レクイエム」他を振り,秋山和慶が11月にラフマニノフ「交響曲第3番」他を振るのが目立ったところです このオケの大きな特徴は,年間会費が比較的安価なことですが(全7回.S席32,000円,A席25,500円,B席18,600円,C席13,600円),定期会員を継続するかどうか,指揮者,プログラム等をじっくり吟味してから結論を出したいと思います

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

飯田橋のギンレイホールに続き,早稲田松竹でフランス映画の2本立てを観ました ロベール・ブレッソン監督「やさしい女」とジャン・ルノワール監督「ピクニック」です いずれもデジタル・リマスター版です 今日は最初に観た「やさしい女」について書きます.原作はロシアの文豪ドストエフスキーの短編「やさしい女 幻想的な物語」です

 

          

 

「銀行を辞め質屋を営む中年男の回想によって物語は展開する.最初に客として質屋に現われたその女は『16歳ぐらいに見えた』と語る.安物のカメラやキリスト像を質に出す美しい彼女に同情感を抱き,結婚を申し出る.『あなたの望みは愛ではなく結婚だわ』と看破する彼女を説き伏せて結婚する 質素ながらも幸せな生活を送っていたが,彼女の心に変化が現われる.夫婦で映画を観に行った時に,隣り合わせた若者に彼女は心を奪われ,密会するようになる.夫の心に若者に対する嫉妬心が湧き起こり,彼女に外出を禁じるようになる ある日,病気で寝込んだ自分を看病する夫に,もう自分勝手な行動は止めて夫とともに歩む,と語るが,その後,彼女は突拍子もない行動に出る 外ではサイレンの音が鳴り響く」

この映画の魅力は,何と言っても薄幸のヒロインを演じたドミニク・サンダでしょう 1951年パリ生まれ.ブルジョアの家庭に育ち,15歳の時に学校を辞め結婚するがほどなく離婚,ファッション誌VOGUEなどでモデルとして活躍していたところをロベール・ブレッソン監督に見い出され,1969年の『やさしい女』で映画デビューを果たしました.あの顔は一度見たら決して忘れない顔です

 

          

 

 さて,私が映画を観る時に気になるのは,どんな音楽が使われているかです.この映画では,夫婦が野外パーティーのような場面の映画を観るシーンで,ハイドンのような明るく楽しげな音楽が流れていました また,女が部屋でレコード・プレーヤーにLPを乗せて音楽を聴くシーンがありますが,モーツアルトのピアノ・ソナタでした 残念ながら何番か思い出せません

 

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小林克己著「青春18きっぷで楽しむおとなの鉄道旅行」を読む

2015年09月23日 07時46分16秒 | 日記

23(水・祝).昨日は,義父の米寿と義母の86歳の誕生日を兼ねたお祝いの会があり,品川に出かけました スパークリング・ワインで乾杯して,「なだ万」の”秋”をあしらった豪華なお弁当をいただきました 3時にはケーキも平らげたのでお腹いっぱいになって帰宅しました.したがって夕食は抜きです

 

          

 

というわけで,わが家に来てから348日目を迎え,食後に机の下で寝そべるモコタロです

 

          

 

  閑話休題  

 

昨日の朝日朝刊「文化・文芸」欄は「演劇チラシ その魅力」と題してイープラスが6月から始めた「チラシステージ」を紹介しています これは,全国の演劇の公演チラシをスマートホンで閲覧できる無料アプリで,1度に9枚が画面に並び,拡大や裏面の表示も可能とのこと こういうサービスってクラシック音楽界でもやっているような気がしますが,どうなんでしょうか

とくに在京オーケストラの定期演奏会などの時には1Kgにも及ぶチラシの束を受け取ることが少なくありませんが,私などは,新しいコンサートを知る第一の情報源として重宝しています クラシック音楽情報誌『ぶらあぼ』は私の愛読誌ですが,月刊誌であることから,最新情報を知る手段としてはチラシにかないません 第一に,あのチラシの束を1枚1枚確かめながら,これぞといった公演を見い出す喜びは何にも代えがたい喜びがあります チラシを受け取る回数が多いせいか,これぞ というコンサートのチラシを選別するスピードは誰にも負けませんよ

 

  も一度,閑話休題  

 

小林克己著「青春18きっぷで楽しむ おとなの鉄道旅行」(だいわ文庫)を読み終わりました 著者は1975年,早稲田大学地理歴史専修卒.海外旅行地理博士とのこと

 

          

 

「青春18きっぷ」は別に18歳以下でなければ利用できないという訳ではなく,何歳でも利用可能の切符で,快速と普通列車しか乗れないけれど,1日2,370円(5日分11,850円)JRであればどこまでも乗ることができる利用価値の高い切符だそうです 極端な話,夜行を利用した場合,東京から乗り継いで1日で九州・熊本県の矢代まで行けてしまうとのことです 新幹線なら6時間ですが,普通列車では23時間だそうです

この切符の利用は「日帰り旅行」が一番のお奨めコースとのことですが,この本の良いところは,疲労度に応じてモデルコースを5ランクに分けて示していることです 一番楽な片道2時間までの「日帰り・悠々コース」から始まり,「日帰り・普通コース」,「日帰り・やや強行軍コース」,「日帰り・強行軍コース」,最後の「日帰り・超強行軍コース」まであります

さらにこの本の良いところは,「春の旅」,「夏の旅」,「秋の旅」,「冬の旅」というようにそれぞれの季節に分けてお薦めコースを紹介しているところです

その一方で,「日帰り旅行で『行ってはいけない!』観光地」も紹介しています 東京や大阪などから片道70.1Kmまでは1,140円,往復しても2,280円であるから,近場の有名観光地は普通にJRや私鉄の切符を買った方が安くつくということです 具体的には,東海道線方面では横浜,鎌倉,逗子,横須賀,小田原など.中央線方面では,高尾山,相模湖,青梅,秋川渓谷などです

また「1泊2日で『行ってはいけない』観光地として,箱根,熱海,三島,勝沼,榛名湖,日光などを挙げています この場合は『宿泊採算分岐駅』があるということです.詳細は本をお買い求めください

とくに”時間はあるけれど,お金は少ない”シニア世代には有り難い簡易旅行のガイドブックです 各コースには1日のスケジュールの入ったモデル・プランも示してあるので,取りあえずそれを参考に近場に出かけてみるのも良いかも知れません

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映画「バードマン」を観る~マーラー「第9番」,チャイコフスキー「第5番」

2015年09月22日 09時13分04秒 | 日記

22日(火・休).わが家に来てから347日目を迎え,食後 机の引き出しの下にもぐるモコタロです

 

          

              基本的に ぼくは狭いところが好きなんだよね

 

  閑話休題  

 

一昨日,飯田橋のギンレイホールで映画の2本立てを観ました 「マジック・イン・ムーンライト」と「バードマン」です.昨日「マジック~」について書いたので,今日は2014年アメリカ映画「バードマン」について書きます

 

          

 

「その昔,ヒーロー映画『バードマン』で一世を風靡した俳優リーガン・トムソン(マイケル・キートン)だが,今は落ちぶれて,自分自身が脚色・演出・出演を手がけた舞台「愛について語るときに我々の語ること」に復活を懸けていた しかし,降板した俳優の代役としてやってきたマイク・シャイナー(エドワード・ノートン)が才能豊かであったことから衝突し,さらに娘のサム(エマ・ストーン)にも『時代遅れ』と疎んじられている リーガンはいつしか,舞台での役柄に自分自身を投影し始める

「マジック・イン・ムーンライト」で可愛い占い師を演じたエマ・ストーンが,この映画ではイケてる現代っ子を演じています

昨日も書きましたが,私が映画を観る時に興味があるのは,どういう音楽を使っているかです この映画ではマーラーの「交響曲第9番ニ長調」の第1楽章「アンダンテ・コモド」と,チャイコフスキーの「交響曲第5番ホ短調」の第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」が効果的に使われていました 両曲とも人生の黄昏を表しているような曲想です.素晴らしい選曲だと思います

ものはついでです.この2曲の私の愛聴盤をご紹介しておきましょう まず,マーラーの交響曲第9番ですが,レナード・バーンスタイン指揮ベルリン・フィルによる1979年のライブCDです.バーンスタインのマーラーはいつも熱いです

 

          

 

チャイコフスキーの交響曲第5番は,グィド・カンテルリ指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団による1950年の演奏です カンテルリはスカラ座管弦楽団のリハーサル中に巨匠トスカニーニに認められ,世界的に認められるようになりましたが,1956年11月24日,パリ郊外のオルリー空港を離陸直後に飛行機事故のため36歳の若さで死去しました この演奏を聴くと,カラヤンのライバルに成り得たカンテルリの早すぎる死が惜しまれます

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

今日も,コンサート会場で配られたチラシの中から比較的安価なコンサートを選んでご紹介します 1枚目は「クラシカル・プレイヤーズ東京 室内楽演奏会シリーズ」です 11月5日(木)午後7時からと来年1月23日(土)午後3時からの2公演で,会場は池袋の東京芸術劇場コンサートホールのエントランス付近のスペースです.入場料はどちらも全自由席で2,000円です

 

          

 

どちらもモーツアルトの曲が入っていますが,私のお薦めは1月23日のモーツアルト「オーボエ五重奏曲」です バッハ・コレギウム・ジャパンでいつも素晴らしいオーボエを聴かせてくれている三宮正満のソロが楽しめます この演奏を聴くだけでも2,000円の価値があります いつものことですが,私は両日ともピンポイントでコンサートの予定が入っていて聴きに行けません.非常に残念です

2枚目は12月6日に東京芸術劇場で開かれる「東京フロイデ合唱団 第18回演奏会」です 小松長生が日本フィルを振って「第9」を演奏します.入場料はS席:5,000円,A席:4,000円,B席:3,000円,C席:2,000円,D席:1,000円となっています この日も,よりによってミューザ川崎でのコンサートを聴きに行くので聴けません 第9は夏に東京シティ・フィルで聴いたから良しとします

 

          

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ウディ・アレン「マジック・イン・ムーンライト」を観る~春の祭典,ボレロ,第9

2015年09月21日 08時17分03秒 | 日記

21日(月・祝).わが家に来てから346日目を迎え,最近オヤツを食べ終わると自分のゲージに戻って休むことが多くなったモコタロです

 

          

          食後のひと休みだよ 引きこもりじゃないから心配しないでね

 

  閑話休題  

 

昨日,久しぶりに飯田橋のギンレイホールに行って映画の2本立てを観ました 1本目はウディ・アレン監督の「マジック・イン・ムーンライト」で,もう1本はイニャリトゥ監督の「バードマン」です 今日は2014年アメリカ・イギリス合作映画「マジック・イン・ムーンライト」について書きます

 

          

 

「超能力を信じない皮肉屋のイギリス人マジシャン,スタンリー(コリン・ファース)は,ある大富豪をとりこにしているアメリカ人女性占い師の正体を暴いて欲しいと頼まれる イカサマ占い師のトリックを見破ってやろうと意気込んで南フランスの富豪の家を訪ねると,占い師のソフィー(エマ・ストーン)が次々と自分の秘密を言い当てるので彼女の透視能力に驚く それまで魔法や超能力を信じなかったスタンリーは遂に脱帽し人生観を覆される.その上,明るく容姿端麗な彼女にいつしか魅かれていき,ついに結婚を申し込むまでに至る しかし,彼女の愛を勝ち取るには大富豪のライバルが立ちはだかっていた

映画の終盤で,疑り深いスタンリーも遂にソフィーの美貌と透視能力に屈したか,と思いきや,ウディ・アレンはそんなに単純ではありません 最後の最後にありました,どんでん返しが.いったいどんなマジックがあったのか

さて,私が映画を観て気になるのは,どういう音楽が使われているかです まず,映画の冒頭シーンからウディ・アレンはクラシック音楽を3曲続けて使っています スタンリーが中国人奇術師ウェイ・リン・スーとして登場,ステージ上で巨大な象を消したり,自分自身が瞬間移動したり,箱の中の美女を半分に切断したりしますが,その時に流れていたのが,ストラヴィンスキーの「春の祭典」であり,ラヴェルの「ボレロ」であり,ベートーヴェンの交響曲第9番の第2楽章「スケルツォ」だったのです このうち「スケルツォ」だけが,後でスタンリーが寝付けないシーンで流れます.この音楽は,この間観た同じ監督の映画でも使われていました.よほど好きなのでしょう

また,スタンリーとソフィーが郊外をドライブするシーンで,スタンリーがソフィーに「僕はベートーヴェンの(交響曲)第7番が好きだ.君はベートーヴェンの弦楽四重奏曲を聴くと良い,そう,第15番と第16番が良い」と語ります これはアレン監督が自分の趣味をスタンリーに言わせているのでしょう 楽しいロマンティック・コメディとしてお薦めします

 

  も一度,閑話休題  

 

今日も格安のコンサートをご紹介します.1枚目は映画で使われているクラシック音楽を特集した「シネマ・セレナーデ」です 入場料は全自由席で1,000円.私はこの日2つのコンサートをハシゴするので残念ながら聴きに行けません

 

          

 

次は「秋の夜コンサート」です.ピアノ独奏によりモーツアルトやラフマニノフなどが演奏されます ソリストは高橋優介君とアヴェ・マリア・・・・安部まりあさんです.入場料は全自由席で500円.気軽にクラシックを聴くのには良いかもしれません よい子は早めに並んでよい席を取りましょうね

 

          

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