人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

終息と収束 / 今日は「ゴジラ」の音楽でお馴染みの伊福部昭の誕生日です ~ 1914年5月31日 / 専門家会議の議事録残さず ~ 問われる政権の姿勢

2020年05月31日 07時23分18秒 | 日記

31日(日)。今日でコロナコロナで明け暮れた5月も終わりです コロナという言葉を見たり聞いたりしない日はなかったと思います 1日も早く忘れたいと思う きょうこの頃です

さて、右肩が凄く痛むので昨日午前、いつも通っている整骨院に行って診てもらいました ひと言でいえば、右の腕が上がらないほど痛いのです かつて経験のある五十肩と同じような痛みです。しかし、先生はインナーマッスルの棘上筋(きょくじょうきん)の一部が切れていると思われる、との診断でした 電気治療とマッサージをして、テーピングをしてもらいました それにしても、右手首の腱鞘炎が治りかけたと思った矢先に今度は右肩の筋肉の痛みです 案の定、先生からは「安静にして 動かさないように」という厳命が下されました

原因はこれです

 

     

 

現在、この本=クリスチャン・メルラン著「オーケストラ」を読んでいますが、590ページあります。料理用の秤で測ったら650グラムありました ベッドに仰向けになって、本を両手で持って毎日ぶっ続けで読んでいたのです 筋肉が本を支えきれなくなって悲鳴を上げたのだと思います 今まで週に2~3回だった整骨院通いは来週から毎日になります。トホホ

ということで、わが家に来てから今日で2069日目を迎え、25日に起きた米国ミネソタ州ミネアポリスでの警官による黒人死亡事件で 一部のデモ隊が暴徒化したしたことに関し、29日 トランプ大統領が「略奪が始まれば銃撃も始まる」とツイッターに投稿したことに対し、運営するツイッターは「暴力を賛美し、ルールに違反している」との注意書きを張り付けた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     こういうアホなツイートを繰り返しながら トランプは自滅の道をひた走っていく

 

         

 

昨日、久しぶり(2か月ぶり?)に喫茶店で新聞を読みました 以前は巣鴨駅前のSカフェに通っていたのですが、今回 初めて地蔵通り商店街のTズに行ってみました 店内は椅子と椅子の間が離され、かなり余裕をもって座ることが出来ました コーヒーの単価はSカフェより1割くらい高いですが、風通しのよさや店内の雰囲気を考えるとリーズナブルかなと思いました

そこで朝日新聞朝刊を読んでいたら、コラム「ことば/サプリ」で「終息と収束」の違いを解説していました 校閲センター・加藤氏の解説を超訳すると、

「いずれもシュウソクと読む同音異義語。『終息』は物事が『終わる、絶える』ことを指す。澤井直・順天堂大助教によると『疫病についての旧内務省の報告では、一貫して”終熄”が使われている。現代でも、衛生学の論文では、感染症には”終息”を使う例が多い』という 一方、『収束』は『集めて束ねる』という意味。政府のコロナ対策専門会議の資料には『短期的収束』『収束のスピードが期待されたほどではない』などの記述がある。『終わり』という結果ではなく、収まっていく過程に注目する時は『収束』の字をあてることが多いようだ 加えて、行政や民間の取り組みによってコロナ禍を『抑え込もう』という文脈では、『収束』がしっくりきそうだ 医師をしている友人の話では、『小康状態なら収束、根絶なら終息』というイメージとも 人々の営為で感染を徐々に『収束』させていき、最後には完全に『終息』する。平穏な日常を一日も早く取り戻したいものだ

コロナ禍の影響で、今の大学4年生は大変ですね それは『就職』

 

         

 

昨日の朝日朝刊 総合面に「専門家会議の議事録残さず 『歴史的事態』の検証 問われる政権姿勢」という見出しの記事が載っていました 超訳すると、

「医薬業界専門紙『リスファクス』は28日、同紙からの専門家会議の情報開示請求に対し、内閣官房が議事録は『不存在』として不開示決定をしたと報じた 菅義偉官房長官は29日の閣議後会見で、専門家会議は、公文書管理のガイドラインが定める『政策の決定または了解を行わない会議等』に該当すると主張。一方、専門家会議の尾身茂副座長は29日の会見で、同日の会議でメンバーから、発言者の記載がある議事録の作成を求める声があったことを紹介した

この記事を見て、真っ先に頭に浮かんだのはアルベール・カミュの長編小説「ペスト」です この小説は今から70年以上も前の1947年に書かれていますが、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、あらためて注目を浴びています ペストが去った後、主人公の医師リウーは、起こった出来事を書き残そうと決意します それは、人々が今後 同じ苦しみを味合わなくて済むようにという配慮からです

 

     

 

「100年に1度の大惨事」への専門家の対応を議事録として残さないという判断は どこから出てくるのか  実に不思議な政権だ モリ カケ サクラ では公文書の改ざん、隠蔽、廃棄をやってのけた現政権は、今度は記録を作ることもしないという 何を隠そうとしているのか???  過ちに過ちを上塗りすることにならないか

 

         

 

今日は日本作曲界の巨匠・伊福部昭の誕生日です 伊福部昭(1914-2006)は、今から106年前の1914年5月31日に北海道釧路市に生まれました 北海道帝国大学農学部林学実科卒業後、北海道庁厚岸森林事務所に勤務したという変わった経歴の持ち主です デビュー作「日本狂詩曲」をはじめ、「シンフォニア・タプカーラ」、「ピアノと管絃楽のためのリトミカ・オスティナート」など数々の名曲を作曲し、芥川也寸志や黛敏郎ら多くの作曲家を育てました 彼の名前を知らない人でも、水爆実験により海底に潜んでいた怪獣が首都東京を襲撃するという映画「ゴジラ」(第1作は1954年)の音楽を作曲した人だと言えば分かりやすいでしょう 彼はこのほか「ビルマの竪琴」や「座頭市」シリーズなど多くの映画音楽を手掛けています

晩年には東京音楽大学で後進の指導にもあたりましたが、2006年2月8日、多臓器不全のため91歳で亡くなりました

私は1度だけコンサート会場で伊福部昭氏の姿を見たことがありますが、上下白のスーツを鮮やかに着こなしていたダンディな姿を思い出します

下の本=伊福部昭著「音楽入門」は2003年に刊行された単行本を2016年に文庫化したものです 「真の美しさを発見するためには、教養と呼ばれるものを否定するくらいの心構えが必要です」という伊福部音楽の本質を語った音楽入門書です 「聴覚は最も原始的な感覚であり、本能を揺さぶるリズムにこそ本質がある」という独自の音楽観に貫かれています

 

     

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こだわりのレコード収集 ~ 綾部徹之進氏のロシア盤1万枚 / 新文芸坐、早稲田松竹、ギンレイホール ⇒ 6月から上映再開へ / 読書のBGMはバリリ四重奏団のベートーヴェン「弦楽四重奏曲」

2020年05月30日 07時32分36秒 | 日記

30日(土)。わが家に来てから今日で2068日目を迎え、米国は新型コロナウイルス感染による死者が10万人を超え 世界全体の死者の3割となり、過去10週間の失業保険の申請件数が4000万件に達するなど大打撃を受けたが、直近の世論調査ではトランプ大統領の不支持率は53%と 支持率を8ポイントも上回ることが分かった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ツイッター社と中国に国民の目を向けさせて コロナ対応の失敗を隠せ ってか!?

 

         

 

昨日、夕食に「鶏のから揚げ」を作りました もう作り慣れたので 今回も美味しく出来ました   唐揚げにはビールですね

 

     

 

         

 

待ちに待った嬉しいお知らせです 池袋の「新文芸坐」は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため臨時休館中でしたが、ホームページ上で6月1日から上映を再開すると発表しました 6月1日(月)から6日(土)までは、フランシス・フォード・コッポラ監督「タッカー」とヘクトール・バベンコ監督「蜘蛛女のキス」の2本立て。7日(日)から16日(火)まではフランソワ・トリュフォー監督特集となっています 上映作品は「夜霧の恋人たち」「大人は判ってくれない」「突然炎のごとく」「ピアニストを撃て」「恋のエチュード」「隣の女」「私のように美しい娘」「柔らかい肌」「終電車」「日曜日が待ち遠しい」の10本ですが、各日とも2本立て、各作品とも2回上映(12日以降がアンコール上映)されます ウイルス感染防止のため、入場時に検温・手指の消毒があり、3密防止のため途中休憩が20~30分となり、マスク着用が入場の条件となります。新文芸坐の定員は264席。何人入れるのでしょうか

また、早稲田松竹も6月1日から営業を再開、「新聞記者」と「楽園」の2本立て、「宮本から君へ」(レイトショー)を上映します ウイルス感染防止のため新文芸坐と同じような対応をとります なお、座席(定員153席)はすべて指定席となり 2席ずつ空けて全55席となります

一方、神楽坂の「ギンレイホール」は6月6日(土)から上映を再開、「イエスタディ」と「レディ・マエストロ」を日替り(奇数日と偶数日)一本立て・完全入替制で上映するとのこと なお、座席(定員198席)のうち90席のみ使用するとのことです 当然のことですが、ウイルス感染防止のため新文芸坐と同じような対応をとります

私は6月1日からは まだ観たことのない映画「タッカー」と「蜘蛛女のキス」を、7日以降は「フランソワ・トリュフォー特集」を観に行きます

 

         

 

昨日の日経朝刊 文化欄に「ロシア盤名奏者の宝庫 旧ソ連時代に国外不出の音源 1万枚収集」という見出しにより綾部徹之進氏のエッセイが載っていました   超訳すると、

「ロシアのクラシック音楽に魅了され、ピアノやヴァイオリンのレコードを収集している それも音質の優れた旧ソ連の共産党幹部専用盤ばかりで、20年ほどかけて1万枚以上コレクションした 旧ソ連時代、国際舞台に登場するのは国内では2番手の演奏家。外貨稼ぎの手段として国に選ばれた存在だった 傑出した演奏家は国内に留まり、後進の育成にあたったため、彼らの演奏をオリジナル版で聴くにはロシア盤を集める必要がある。敬愛する演奏家は、ピアノではアレクサンドル・ゴリデンヴェイゼルと、その門下生のサムイル・フェインベルク。ヴァイオリンではユリアン・シトコヴェツキ―。30歳の頃、ロシア盤の在庫が最も豊富だった神保町のレコード店に2日に1回は通い、そこでピアノやヴァイオリンのソロの録音を聴いて衝撃を受けた ちょうどインターネットが普及し始めた頃で、東欧の業者とのやり取りをしながら、ロシア盤を数十枚まとめて購入したり、オークションに参加したりするようになった 起きている時間の95%はレコードについて考えている。欧州のコレクターと意見交換するため、午後2時ごろ起きて午前6時過ぎに寝る。現地時間に合わせた生活だ ロシア盤を聴き比べられる資料館を作りたいと思っている

ロシア盤だけ、しかも旧ソ連時代のレコードだけで1万枚は凄い CDとLP合わせて5,500枚の私は とても追いつきません アレクサンドル・ゴリデンヴェイゼルと言われても Who?という感じです    そういえば確かにロシア盤が揃っているレコード店が神保町にありました 私もその頃、LPレコードを買い漁っていたので、一度は訪ねたことがあると思います

ところで、私が綾部氏のエッセイをご紹介しようと思ったのは、徹底的に一つのことに「こだわっている」からです 趣味とはこだわることだと思いますが、誰もが何かしらこだわりを持っているのではないかと思います

現役時代、管理部に新人を採用することになり、管理部長の私が作文(800字以内)のテーマを考えることになりました 私は「これだけは誰にも負けない」とか「こういうことに関してはこだわりを持っている」という信念を持った人を採用したいと思ったので、「私のこだわり」というテーマに決めました その結果、K君が採用されましたが、彼は作文の中でギターが弾けると書いていました もちろん、彼がギターが弾けるというだけで採用したわけではなく、一般常識と作文と面接の総合評価で決めたわけですが、作文はその人の性格や考えや知識を正直に反映するものだな、とあらためて思いました ちなみにK君の先輩のT君は総務部採用だったので総務部長のE氏が作文のテーマを決めました お題は「酒」です   お察しの通り、E部長は会社一の呑兵衛です 幸い、採用されたT君は、テキーラには弱いようですが 大酒飲みではありません コロナ禍のため外出自粛が続いて、外で飲む習慣が途絶えてしまいましたが、緊急事態宣言も解除されたので、6月に入ったら そのE元部長、S元監査役を誘って フェイスシールド着用で飲みたいと思っています

 

         

 

ここ数日、読書のBGMで流しているのは、バリリ四重奏団によるベートーヴェン「弦楽四重奏曲」全曲(1952~1956年録音・8枚:ウェストミンスター盤)です

愛聴盤の「イタリア・クァルテット」とは違った趣があり、ソフトで温かみを感じる演奏が特徴です 何回聴いても飽きない演奏です

①弦楽四重奏曲第1番、第2番、第3番

 

     

 

②弦楽四重奏曲第4番、第5番、第6番

 

     

 

③弦楽四重奏曲第7番”ラズモフスキー第1番”、弦楽五重奏曲ハ長調

 

     

 

④弦楽四重奏曲第8番”ラズモフスキー第2番”、第9番”ラズモフスキー第3番”

 

     

 

⑤弦楽四重奏曲第10番”ハープ”、第12番

 

     

 

⑥弦楽四重奏曲第11番”セリオーソ”、第15番

 

     

 

⑦弦楽四重奏曲第13番、大フーガ

 

     

 

⑧弦楽四重奏曲第14番、第16番

 

     

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政府の芸術支援、団体は最大2500万円 / 読響6月公演、芸劇ブランチコンサート ⇒ 中止 / 今日はストラヴィンスキー「春の祭典」初演の日 ~ 1913年5月29日、パリ シャンゼリゼ劇場

2020年05月29日 07時19分08秒 | 日記

29日(金)。読売日響から6月の主催公演中止のハガキが届きました 私の場合は9日の定期公演が中止となりました。チケット代金払い戻しは、4月~6月分をまとめて、郵便局の「払出証書」を10月28日に発送するとのことです また、7月以降の主催公演のチケット販売と、振替制度の受付を一時停止するとしています

また、サンライズプロモーションのホームページによると、6月17日(水)に東京芸術劇場で開催予定の「第25回芸劇ブランチコンサート」は10月14日(水)午前11時からに変更となりました 都合のつかない場合は払い戻しに応じるとのことです 私は振替公演を聴きます。これにより、私の場合 コンサートの中止が78公演(うち延期8公演)に達しました 中止に伴う払い戻しは、現時点で 全体の4割が戻ってきたに過ぎません

ということで、わが家に来てから今日で2067日目を迎え、トランプ米大統領は自身のツイッター内容に米ツイッター社から警告が出されたことに猛反発し「共和党員はSNSが保守派の声を完全に封じようとしていると感じている。こうしたことが起きる前に、我々はSNSを強力に規制し、閉鎖する」と対抗措置を取る考えを示した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプは言論の自由の意味がまったく理解できていない! これが米国大統領?

 

         

 

昨日、夕食に「もやし巻き豚肉しょうが焼き」を作りました たぶん3年ぶりぐらいに作りましたが、コスパ抜群で美味しいです

 

     

 

 

         

 

昨日の朝日朝刊 社会面に「芸術支援  団体は最大2500万円」という見出しの記事が載りました 超訳すると、

「文科省によると、舞台芸術などの実演家やスタッフ、スポーツ関係者、20人以下の小規模団体に対し、最大で150万円を支援する この範囲内で、練習などにかかる経費について、簡単な手続きで個人が20万円程度の支援を受けられるメニューを用意する方針だ。複数の個人や小規模団体が共同で公演を行う場合には最大で1500万円まで支援する 文化芸術団体が、公演の動画配信や教育コンテンツの制作など収益力強化に取り組む場合、150万~2500万円程度の範囲で国が事業を委託し支援する方針だ

この記事だけでは、オーケストラが動画配信などを制作し”収益力強化”に取り組んだ場合、この支援を受けられるのかどうかが不明です というのは、ほとんどのオーケストラは公益財団法人で、利益を上げてはならないからです とは言え、実行しても経費の方が多くなり利益が出ないという判断があるのかもしれません いずれにしても、文科省がどういう判断基準で支援先を選別するのか分かりませんが、ほとんどのオーケストラは困っています 幅広く支援してほしいものです

 

         

 

今日はストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」初演の日です この曲はイーゴル・ストラヴィンスキー(1882-1971)がロシア・バレエ団の主宰者セルゲイ・ディアギレフの委嘱により、1911年から13年にかけて作曲した作品で、「火の鳥」「ペトルーシュカ」に次ぐバレエ音楽第3作にあたります

この作品は今から107年前の1913年5月29日、バレエ・リュス(ロシア・バレエ団)の公演としてパリのシャンゼリゼ劇場で、ピエール・モントゥーの指揮、ヴァ―ツラフ・ニジンスキーの振付により初演されました 会場にはサン=サーンス、ドビュッシー、ラヴェルといった錚々たる作曲家が揃っていましたが、曲が始まると客席から嘲笑の声が聞こえ、サン=サーンスは冒頭を聴いて席を立ったと伝えられています ダンサーの踊りが始まると、飛び上がったり跳ねたりする前代未聞の振り付けに、客席は野次で騒然とし音楽がほとんど聴こえなくなったと言われています ストラヴィンスキーはその夜の初演の模様を次のように回顧しています

「私は、第4か第5列目の右手に座っていた。今ではモントゥーの背中の方が、舞台の光景より生き生きと心に残っている 彼は、そこで、見たところ、ワニみたいに無神経に、犯しがたく立っていた 彼が 管弦楽をとにかく終わりまでやり抜いたというのは、いまだに、いつもほとんど信じられない気がするくらいだ    猛烈な騒ぎが始まると、私は席にいたたまれなくなり、・・・・かるい不安は、始まるとすぐから 辺りにみなぎっていた・・・舞台の裏に回り、右手のニジンスキーのことろに行った」(「118の質問に答える」吉田秀和訳)

今でこそ、20世紀を代表する名曲と言われる「春の祭典」も、当時の聴衆には理解されなかったようです 当時の新聞には「春の虐殺」という見出しもあったといいます もし私が107年前の初演の場にいたとして、果たして「春の祭典」の変拍子に次ぐ変拍子によるバーバリズムを理解できたと自信を持って言えるか?と問われれば、全く理解できなかっただろうと自信を持って言えます

ところで、私が初めて「春の祭典」を聴いたのは、ズービン・メータ指揮ロサンゼルス・フィルによるLPレコードでした 第1部第2曲「春のきざしと若い娘たちの踊り」や第2部第3曲「選ばれた者の賛美」では 針が跳ぶかと思いました 現在の愛聴盤は、テオドール・クルレンティス指揮ムジカエテルナのCD(2013年10月録音:ソニー)です 極めて速いテンポによってグイグイ押していくバーバリズムの極致を行く快演です

 

     

     

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芸術関係者に最大150万円 ~ 政府の第2次補正予算案 / 芸術への保護厚い欧州~フランス、ドイツ、イタリアの施策 / 加藤浩子著「オペラで楽しむヨーロッパ史」を読む

2020年05月28日 07時15分54秒 | 日記

28日(木)。わが家に来てから今日で2066日目を迎え、米国では新型コロナウイルスの感染拡大で、投票所に直接行かずに投票できる「郵便投票」への関心が高まっているが、トランプ米大統領が26日、「郵便受けが盗難に遭うだろうし、投票用紙は偽造され、違法なプリントアウトさえされ、不正署名されるだろう」とツイートしたことに対し、ツイッター社はこのツイートの下の部分に「!  郵便投票についての事実を知って」という警告のリンクをつけた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     感染リスクなど何とも思っていないトランプにとって投票所での投票が当たり前

 

         

 

昨日、夕食に「ポークカレー」と「生野菜サラダ」を作りました カレーは時々食べたくなります。お酒はワインですね

 

     

 

         

 

昨日の朝日新聞朝刊 国際面に「芸術は『産業』 保護厚い欧州 ~ 仏   劇団員救済 来夏まで手当、独  中止公演 報酬1部支払い」という見出しの記事が載っていました   超訳すると、

「欧州各国では新型コロナウイルスの影響を受けた文化・芸術活動に対し、政府が手厚い支援をしている 観光客を呼び込み、雇用も支える一大産業を守らねば、今後の経済に大きな打撃があることも背景にある フランスでは、文化・芸術関連の雇用は130万人に及ぶ。映画や演劇関連の経済効果は445億ユーロ(約5兆2千億円)に上る 行動規制の緩和が始まっているが、映画館や劇場は閉鎖されたままで、関係者の苦境は続く そうした中、フランス政府は今月、芸術分野で働く人への救済策を発表した。パリ郊外が拠点の劇団『グランテアトル』を営むエルザ・ロビンヌさんは1日50ユーロ(約5900円)の手当てを来夏まで受け取れる見通しになったという 一方、ドイツではメルケル首相が9日の演説で『文化的催しは私たちの生活にとってこのうえなく重要だ」と語り、文化や芸術を通して『私たちは過去をよりよく理解し、未来に全く新しい眼差しを向けられる』とし、『文化的環境を維持することが政府の優先順位の一番上にある』と語った ドイツでは、美術館や博物館には年間約1億1400万人が訪れ、オペラなどの公演には約3500万人が足を運ぶ。政府は音楽や映画、芸術、芸能などを『文化・創造産業』と定義。産業規模は1005億ユーロ(約11兆8600億円)に上る 約170万人が『文化・創造』に携わり、その約45%がフリーランスや自営業者だ。ドイツ政府は3月下旬、総額500億ユーロ(約5兆9千億円)の中小企業支援策をまとめ、芸術関係者らも対象としたが、4月末には、政府が資金援助する文化機関の公演に出るはずだったフリーランスの出演者への報酬のうち、40~60%を支払うことを決めた 州によっては個別に追加の芸術支援策も打ち出している。また、イタリアでも支援策に舞台などの中止による損害を救済する基金約2億ユーロ(約290億円)を盛り込んだ ただ、文化芸術団体からは、不十分だという声が上がる コンテ首相は支援について『私たちを楽しませてくれる芸術家のことも忘れてはいけない』と発言、著名な芸術家らが『文化芸術を軽視している』と反発した

それぞれが文化・芸術分野において歴史と伝統を誇る国々ですが、国のトップがどのように考えているかが具体的な支援策に表れていると思います 新型コロナウイルスへの全般的な対応にしても、文化・芸術家支援にしても、ドイツのメルケル首相の発言には重みがあります。こういう人がトップなら、多少の我慢を強いられても国民はついて行こうと思うでしょう

 

         

 

一方、日本はどうでしょうか 昨日の朝日新聞第1面に「芸術関係者に最大150万円  2次補正案  支援総額560億円規模」という見出しの記事が載りました 超訳すると、

「政府は26日、新型コロナウイルスに対応する第2次補正予算案に、文化芸術・スポーツ関係者や団体に対して、活動の継続や再開などを支援するために、総額560億円規模の新たな支援策を盛り込む方針を固めた 個人に対しては、最大で150万円を支援する方針。2月末に政府が大規模イベント開催の自粛を呼びかけてから、演劇や音楽会などが相次いで中止や延期に追い込まれており、関係者や与野党内からより踏み込んだ公的支援を求める声が高まっていた 関係者によると、活動の継続や稽古、公演準備、感染予防対策などに対し、個人や小規模事業者に最大で150万円を支援する 中・小規模事業者については文化芸術分野に限り、さらに増額した支援メニューを用意する。第1次補正で盛り込んだ収益力強化に取り組む団体への支援事業も拡充し、総額で約560億円とする見通しだ。芸能や音楽、映画など21団体でつくる文化芸術推進フォーラムによると、2月26日に政府が大規模イベントの自粛を要請してから3週間だけで約5600回の公演が中止され、損失は推計で約522億円にのぼる 緊急事態宣言の解除後も『新しい生活様式』に沿った感染症対策が必要とされ、採算面でもコロナ前にすぐ戻ることは難しいとみられる

これまでの支援策があまりにも的外れでお寒い内容だっただけに、やっとここまできたか という感じがします   ただ、アベノマスクにしても一連の助成金にしても、決めたは良いが、実行が遅々として進まないきらいがあります 安倍首相は「躊躇なく」「積極果敢に」「間髪を入れず」「一気呵成に」など言葉では勇ましく「やってる感」満載なのですが、いざ実行となると「ほふく前進」になってしまいます 「可及的速やかに」実行に移してほしいと思います

 

         

 

加藤浩子著「オペラで楽しむヨーロッパ史」(平凡社新書)を読み終わりました 加藤浩子は東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒、同大学院修了(音楽史専攻)。著書多数あり。音楽ツアーの企画・同行も行う 私にとっては、新国立オペラのプログラム冊子に掲載される「解説」でお馴染みの人です

 

     

 

著者は「はじめに」で次のように書いています

「オペラには、作品が生まれた時代が反映されている。モーツアルトもヴェルディもワーグナーもプッチーニも、多かれ少なかれ時代を投影した作品を書いた 『フィガロの結婚』も『魔笛』も『ニュルンベルクのマイスタージンガー』も『蝶々夫人』も『火刑台上のジャンヌダルク』も『マクベス』も、『時代』がなければ生まれ得なかった作品だ 『時代』を読めば、作品に託された別の面が見えてくる。登場人物も時代背景も、別の色を帯びて生き生きと動き始める

そして、主要な作曲家と作品を、次のような章立てにより、それぞれの時代背景の中で語って行きます

第1章「モーツアルト『三大オペラ』とフランス革命」~「フィガロの結婚」「ドン・ジョバンニ」「魔笛」

第2章「ヴェルディとイタリア統一」~「建国の父という神話」

第3章「ドイツ統一とワーグナーのオペラ」~「タンホイザー」「ニュルンベルクのマイスタージンガー」

第4章「ジャポニスムが行き着いた『幻想の日本』」~「蝶々夫人」への道

第5章「時代の写し絵となったフランスの国民的ヒロイン~ジャンヌ・ダルクとオペラ

第6章「シェイクスピアと歴史とオペラと」~「マクベス」「ハムレット」

例によって、読み進めるうちに「ドッグイヤー」だらけになってしまいました 気にかかる箇所があるとそのページの片隅を折る癖は治りません フランス革命前夜の空気を音楽に遺したモーツアルト、イタリア統一運動とヴェルディとの関り、ドイツ統一運動とワーグナーとの関り、19世紀終わりのヨーロッパを席巻したジャポニスム、フランス史上最も有名な女性ジャンヌ・ダルクの物語・・・どれもが面白く知らないことだらけで参考になりました とくにジャンヌ・ダルクについてはオネゲルの「火刑台上のジャンヌ・ダルク」しか知らなかった(しかも聴いたことがない)のですが、フランス人にとってはマリー・アントワネットよりも誇りに思っているヒロインであり、リアルのジャンヌが如何に若いながらも波瀾万丈の生涯を過ごしたのかがよく分かりました

ところで、加藤さんは2015年に「オペラでわかるヨーロッパ史」という本(平凡社新書)を刊行していますが、それから5年しか経たないのに なぜ同じようなタイトルの「オペラで楽しむヨーロッパ史」を刊行したのかの理由を「あとがき」に書いています

「これは、革命の音楽だ。2014年の秋、テオドール・クルレンティスが指揮する『フィガロの結婚』のCDを聴いた瞬間、『フィガロの結婚』という作品を取り囲む景色が一変した    嵐のように沸き起こる序曲。大胆な強弱やロックンロールのようなリズム感。あっと驚くような装飾やおびただしい即興。巻き込まれ、圧倒されているうちに、『時代』が見えた フランス革命という時代が。『フィガロの結婚』が革命直前に書かれたこと、特にボーマルシェの原作がフランス革命の空気を反映していることは頭では理解していたつもりだが、クルレンティスの演奏を聴いて腑に落ちた。さらにクルレンティスが『フィガロの結婚』について語った言葉を読んで頷いた 彼は決して奇をてらっているわけではなく、モーツアルトの自筆譜をくまなく研究し、前後数世紀の演奏法を実践した結果、このような刺激的な演奏にたどり着いたのだ 本書『オペラで楽しむヨーロッパ史』の直接の出発点は、そこにある。あの時、モーツアルトの三大オペラを『フランス革命』という視点から見直したいという考え方が芽生えたのだった

こういう風に書かれたら、クルレンティス指揮ムジカエテルナによるモーツアルト「フィガロの結婚」のCDを聴かざるを得ないではないですか 以前から気になっていたCDなので、6月に入ったら新宿のタワーレコードに行って(5月末まで営業自粛中)買い求めようと思います

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ザルツブルク音楽祭8月1日から開催へ / 今日はパガニーニの命日です(1840年5月27日) / 日本一長い駅名

2020年05月27日 07時20分52秒 | 日記

27日(水)。昨日の朝日朝刊のコラム「数字は語る」に「26字 日本一長い駅名」が紹介されていました それは「等持院・立命館大学衣笠キャンパス前」という駅名です 京都市の京福電鉄が嵐電北野線の等持院駅を改称し、音読で26字で日本一になり、ホームの駅名板には「とうじいん  りつめいかんだいがく  きぬがさきゃんぱすまえ」と読み方を表記したとのことです 文字数では17文字で、富山地方鉄道の「富山トヨペット本社前(五福末広町)」、千葉県のディズニーリゾートラインの「リゾートゲートウェイ・ステーション」「東京ディズニーランド・ステーション」と並び、文字数でも1位タイとのことです このコラムには書かれていませんが、日本一短い駅名はどこでしょう?  三重県の「津」だと思いますが、どうでしょうか

ということで、わが家に来てから今日で2065日目を迎え、世界保健機構(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は25日の記者会見で、抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」について、服用時に致死率が上がったとする論文が医学誌ランセットに載ったことを踏まえ、新型コロナウイルス対策としてWHOが調整して国際協力で進める「連帯治験」を一時停止すると明らかにした  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     マスクもせずに この薬が効果があるかも と服用していた某国の大統領はWHO?

 

         

 

昨日、夕食に「牛肉とナスのオイスター炒め」を作りました 初挑戦ですが、美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨日の朝日夕刊によると、7月に開催予定だった「ザルツブルク音楽祭」は、開始を8月1日に遅らせて開催することになりました 記事を超訳すると、

「オーストリアの『ザルツブルク音楽祭』は新型コロナウイルスの拡大で開催が危ぶまれていたが、主催者が25日に発表したところによると、オーストリア政府が大人数の集まる文化行事への制限を緩めたため開催が可能となった 当初、7月18日~8月30日だったが、会期を2週間短縮し、開始を8月1日に遅らせる。公演数は200から約90に、会場も16カ所から最大6カ所に減らす 再編した日程は6月上旬に発表するという

いよいよ世界が動き出しましたね 日本では一昨日、政府の緊急事態宣言が全国的に解除され、社会経済活動の再開の目安として、コンサートについては6月18日までが定員の50%の範囲内で100人まで(屋外は200人)、6月19日から7月9日までは50%の範囲内で1000人まで、7月10日以降は50%の範囲内で5000人まで、8月以降は50%の範囲内でーというタイムテーブルが発表されています すでに新日本フィルが7月の定期演奏会を開くと発表していますが、他のオケはどうなんでしょうか

 

         

 

今日はニコロ・パガニーニ(1782-1840)の命日です 「パガニーニの超絶技巧は、悪魔に魂を売り渡した代償として手に入れたものだ」といったエピソードが伝えられるほど高度な技法を駆使した演奏で知られた19世紀最大のヴァイオリ二ストです 5歳の時に父からマンドリンを与えられ、7歳でヴァイオリンを習い始め、11歳で開かれた初めての公開演奏会で大成功を収めたといわれています 40歳の頃から外国に演奏旅行に出ましたが、1828年ウィーン、プラハ、1829年ベルリン、ワルシャワ、1831年パリ、ロンドンを訪問し、行く先々でセンセーションを巻き起こしました

今から180年前=1840年のきょう、ニースで58歳の生涯を閉じています

ここでご紹介する「ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調作品6」は1817年頃に作曲されたと言われています 第1楽章「アレグロ・マエストーソ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ロンド:アレグロ・スピリツィオ―ソ」の3楽章から成ります 演奏はヴァイオリン独奏=ヒラリー・ハーン、大植英次指揮スウェーデン放送交響楽団によるCD(2006年録音)です ハーンによる第1楽章のカデンツァが見事で、全体的に派手さがなく華麗で美しい演奏です

 

     

     

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エフゲニー・ムラヴィンスキーの芸術 ~ ショスタコーヴィチ「交響曲第12番”1917年”」をムラヴィンスキー最後の録音で聴く:「音楽の友」6月号を読んで

2020年05月26日 07時18分09秒 | 日記

26日(火)。わが家に来てから今日で2064日目を迎え、新型コロナウイルスの感染拡大で3月上旬を最後に趣味のゴルフをやめていたトランプ米大統領は24日、ワシントン近郊にあるゴルフリゾートを2日連続で訪れプレーしたが、バイデン前副大統領は「新型コロナによる(米国内の)死者が10万人に近づき 多くの人が失業している。それなのに大統領はブルフをしている」と批判した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプはそのままゴルフ場に留まって 政治に関わらない方が世界のためになる

 

         

 

昨日、夕食に「鶏肉とホウレンソウの卵とじ」を作りました ヘルシーで美味しいです

 

     

 

         

 

「音楽の友」6月号のベートーヴェン「弦楽四重奏曲」特集を読み終わって、何か面白い記事がないかな と探していたら、「ロシア音楽物語 エフゲニー・ムラヴィンスキー ~ レニングラードの奇跡」という浅松啓介氏の記事が載っていました エフゲニー・ムラヴィンスキー(1903-1988)は貴族で法律家の父と歌手の母のもとサンクトペテルブルクで生まれました ムラヴィンスキーはオーケストラに長時間、長期間のリハーサルを強いる厳しい指揮者ということで知られていました 浅松氏は次のように書いています

「私自身がサンクトペテルブルクの音楽院で学んでいた時に、指揮科の教授から聞いた忘れられないムラヴィンスキーのエピソードがある ブルックナー『交響曲第7番』のリハーサルの後に、急きょムラヴィンスキーがその演奏会本番をキャンセルするという出来事があった。彼は、『リハーサルでこれ以上にないほどの演奏ができたため、本番ではそれを超えるものができないから』という理由で 本番を行わない決断をしたのだ    その時のことは、いまもムラヴィンスキーの音楽作りを象徴する言葉として語り継がれている

さらに次のように続けます

「現在の音楽業界を取り巻く環境ではありえない長時間、長期間のリハーサルは、彼とその手兵レニングラード・フィルの土台であったし、世界に名を馳せるオーケストラに仕上げられた大きな理由の一つだ 想像してみてほしい。ソ連という鎖国状態の国で、海外へ出ることもなかなか叶わない状況で、音楽家が持っていた楽器の質を。今からは考えられないほど低品質の楽器を用いて、いろいろな工夫や鍛錬のもと、ああした歴史的演奏を紡ぎ出し世界へ出て行ったことを とにかく妥協のない練習を楽団員に強いて、いわば独裁色を持ちながら、徹底的に音を作り込んでいく時間をとっていた これは共産党政権のもと、他の業種と比べて、はるかに恵まれた給与体系や生活水準が音楽家に与えられていたことも一つの理由だろう

そして、ムラヴィンスキーとショスタコーヴィチの交友関係に触れ、ショスタコーヴィチ「交響曲第12番ニ短調”1917年”作品112」は特別な意味を持っていると書いています 1917年という年は、ロシア革命、すなわち社会主義への突き進むきっかけとなった十月革命があった年です 貴族の家系に生まれたムラヴィンスキーはこの年、14歳の少年でしたが、裕福な生活環境から財産を没収され、「みな平等に与えられた」小さなアパートに移らされ、天国から地獄へ突き落されたのです 浅松氏は書きます

「地獄を見た形だ。それに加え最愛の父が3年後に亡くなってしまう こうしたあまりにも劇的な出来事が、ずっと彼の人生に横たわっていたそうだ。苦悩、喪失感というような感情や表現に対して、大きなシンパシーを感じて接していたことが、彼とショスタコーヴィチ音楽との相性の良さを押し上げていることは疑いの余地がない さまざまな名演があったなか、それでもやはりショスタコーヴィチの演奏は随一のものであるように思われる

ここに1枚のCDがあります。ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団によるショスタコーヴィチ「交響曲第12番ニ短調”1917年”作品112」の演奏です 1984年4月30日、レニングラード・フィルハーモニック大ホールでの録音です この曲はムラヴィンスキーが最後に初演したショスタコーヴィチの交響曲(1961年10月1日、レニングラード・フィルにより初演)ですが、それから23年後に収録したこの演奏が奇しくもムラヴィンスキーが録音した最後の作品となりました

 

     

 

1961年に作曲されたこの作品は第1楽章「革命のペトログラード」、第2楽章「ラズリフ」、第3楽章「アウローラ」、第4楽章「人類の夜明け」の4楽章から成ります ムラヴィンスキーによる研ぎ澄まされた指揮による非常に厳しい演奏です まさにムラヴィンスキーの遺言を聴く思いがします

 

     

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ベートーヴェン「弦楽四重奏曲全曲完全読本」を読んでみる ~ 「音楽の友」6月号 / オリンピックにおける名実況の効果 ~ あの感動をもう一度!

2020年05月25日 07時15分15秒 | 日記

25日(月)。昨日の日経朝刊 文化面にエッセイスト宮田珠己氏が「名実況の効果」と題するエッセイを寄せていました 感動的に面白かったので超訳してご紹介します

「東京オリンピックがまさかの延期になり、宙ぶらりんな気持ちだ (オリンピックで)どの競技も気になるが、注目するのはアナウンサーの実況だ 興奮のあまりアナウンサーも解説者も冷静さを失って、単なる応援団になってしまってる実況に感動する たとえば、バルセロナ オリンピック、競泳女子200メートル平泳ぎ決勝のラスト、アナウンサーも解説者も叫び倒していた

『さあ、ノールをとらえるか、あと25メーターの勝負、25メーターの勝負、日本の岩崎にチャンスがある、チャンスがある、並んだ、並んだ、アニタ・ノールちょっとくたびれた、ちょっと疲れた、あと10メーター、並んだ、並んだ並んだ、ピッチがあがった、ピッチがあがりました、さあチャンスだ、さあチャンスだ、もうメダルは間違いない、メダルは間違いない、さあ、さあどうだ、逆転した、逆転した、逆転した、勝ったあ、岩崎恭子金メダル

声だけ聴いても泣けてくる    長野オリンピック、スキージャンプ ラージヒル団体もよかった

『風は向かい風、いい風が吹いている。K点以上跳べばトップに出てくる。今度は高いか、高い、高くて高くて高くて高くて、いったあ!大ジャンプだ、原田あ

もちろん競技そのものにも感動しているのだが、アナウンサーの絶叫に近い実況でさらにそれが何倍にも増幅されるのだ

この後、筆者はソウル オリンピック 競泳男子100メートル背泳ぎ決勝の鈴木大地の実況、アテネ オリンピック 競泳男子100メートル平泳ぎ決勝の北島康介の実況におけるアナウンサーの意味不明の絶叫を紹介し、最後に、最も感動した実況として、バルセロナ オリンピック 陸上男子400メートルで日本人として初めて決勝に残った高野進の実況を紹介します

「必至でくらいついても結果最下位(8位)。私もまあそんなもんだろうとぼんやり見ていたら、ゴールの瞬間、アナウンサーがこう言ったのだ。

『高野!高野は世界の8位か

私は号泣した ちゃんと聴きとれたが、その優しさに泣いたのである

さあ、来年に延期された東京オリンピックは実現するのでしょうか そして絶叫調の実況は聴けるのでしょうか

ということで、わが家に来てから今日で2063日目を迎え、米紙ワシントン・ポストは22日、トランプ米政権が1992年以来行っていなかった核爆発実験の再開について議論したと報じた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     誰か暴走老人トランプを止める者はいないのか?  核で新型コロナには勝てない!

 

         

 

「音楽の友」6月号がベートーヴェン「弦楽四重奏曲全曲完全読本」を掲載していることを新聞広告で知ったので、地元の書店で買い求めました コロナ禍騒ぎでもない限り買わない雑誌です

 

     

 

この特集では、クァルテット・エクセルシオ、ストリング・クヮルテットARCO、古典四重奏団といった弦楽四重奏団のメンバーや音楽評論家たちが、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全16曲に解説にを加えています

最初に平野昭氏が「エポックにして頂点 創造的破壊を繰り返した表現様式の変遷」と題して全16曲の作曲の変遷を概観していますが、通常、初期、中期、後期の3つに分けて分析するところを、「中期の『ラズモフスキー・セット』と『ハープ』や『セリオーソ』との間には表現様式に大きな違いが見られ、これを2分して全体を4期区分することで、作曲技法や弦楽四重奏曲に対する創作姿勢の変化をより明確に捉えやすくなるだろう」として、創作期を次の4期に分けています

第1期(初  期):1798年夏=作品18(第1番~第6番)

第2期(中期前半):1806年4月~11月=作品59(第7番~第9番=ラズモフスキー四重奏曲)

第3期(中期後半):1809年夏~10年秋=作品74、95(第10番「ハープ」、第11番「セリオーソ」)

第4期(後  期):1824年5月~6年11月=作品127、130~132、133「大フーガ」、135(第12番~第16番)

後期の「弦楽四重奏曲 第13番 変ロ長調 作品130」は、当初、最終楽章(第6楽章)に「大フーガ」が置かれていたのですが、当時の聴衆をひどく困惑させた(理解困難)ため、楽譜の売れ行きを心配する出版社が別のフィナーレを書くよう間接的に依頼し、ベートーヴェンもこれを受け入れ、新たに分かりやすいフィナーレ(アレグロ)を作曲しました    外された「大フーガ」は作品133として独立して出版されました     これについて、越懸澤麻衣さんは解説で

「ベートーヴェンはまったく異なるコンセプトで新たな終楽章を作曲した これはこれで作品全体のバランスに配慮したものとなっており、過小評価すべきではないだろう

と書いています まったくその通りだと思います 私は「大フーガ」は素晴らしい音楽だと思いますが、晩年の肩の力が抜けたような軽快なアレグロが大好きです 結局、この新たな第6楽章アレグロが、結果的にベートーヴェンが完成させた最後の作品となりました しかし、解説にもある通り、ベートーヴェンは新たなフィナーレによる第13番を聴かずして天に召されました

越懸澤麻衣さんは「3大ジャンルにおける『弦楽四重奏曲』の立ち位置」という文章も書いています

「ベートーヴェンの作曲様式を初期、中期、後期と分けて考えると、どの時期にも弦楽四重奏曲が書かれており、全曲を見ると彼の様式的な変化をはっきりと辿ることができる そして大まかに捉えるならば、ベートーヴェンは新しい試みをピアノ・ソナタ、交響曲、弦楽四重奏曲の順で取り入れる傾向があった

とした上で、

「ベートーヴェンの創作の3本柱と言われるピアノ・ソナタ、交響曲、弦楽四重奏曲。これらのジャンルは、ベートーヴェンの作曲時期とその様式変化を克明に捉えている傑作揃いであるが、生前から19世紀にかけて、弦楽四重奏曲は他の2つのジャンルほど高い人気を獲得していたわけではない (ピアノ・ソナタや交響曲と違い)弦楽四重奏曲、とくに中期、後期の作品は ごく一部の人々にのみ評価され、一般的には尊敬されはしたが理解はされなかった

と指摘しています たしかに、実際に個々の楽曲を聴いてみればよく分かるような気がします。当時は今ほど頻繁にコンサートが開かれることもなかっただろうし、CDやDVDといった機械もなかったので、繰り返し聴いて曲を覚えることも出来なかったはずです 逆に言えば、当時、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲を理解して適正な評価をすることができた ごく一部の人たちは相当 耳が肥えていたことになるでしょう

 

         

 

「音楽の友」を読みながらBGMとして聴いたのはイタリア・クァルテットの「ベートーヴェン『弦楽四重奏曲全集』」(1967~1975年録音)です 私はアルバン・ベルク四重奏団、バリリ四重奏団、ヴェーグ四重奏団の全曲盤も持っていますが、つい手が伸びてしまうのはイタリア・クァルテット盤です

 

     

     

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「コロナ禍」ってなに? / 井岡瞬著「冷たい檻」を読む ~ 代表作「代償」を超える傑作 / 読書のBGMは「ドレスデン国立歌劇場管弦楽団 設立450年記念アルバム」

2020年05月24日 07時17分49秒 | 日記

24日(日)。昨日の朝日朝刊のコラム「ことば  サプリ」が「コロナ禍(か)」を取り上げていました 最近よく見かけるようになった言葉ですが、同紙 校閲センター・丹羽のり子さんは次のように解説しています

「『禍』はわざわい、災難のこと。新型コロナウイルスへの強い不安や市民生活への影響の大きさが字面から伝わってくるようだ   『禍』のつく言葉は、古くから『戦禍』『輪禍』『舌禍』といった漢語の形で使われてきた。『輪禍』は交通事故のこと。『舌禍』は今なら『失言』のほうが身近だろうか。『新型コロナウイルス感染拡大の影響で』のような長い書き出しを避けようとして、新聞を含めた活字メディアが便利に使いだした合成語が『コロナ禍』と言える    ただ、『渦中』という言葉があるためか、『禍』は『渦』と間違えやすいので注意  『禍』と同様、『わざわい』と訓読みする字に『災』がある。『漢字ときあかし辞典』によると、『災が主に運命による災害を指すのに対して、禍は人間の営みによって引き起こされるものまで含めていうのが、この2つの違い』とのこと

「災いを転じて福となす」とは災害が発生するたびに よく言われてきた言葉ですが、新型コロナウイルスの感染がこれから収束に向かおうとするとき、「禍を転じて福となす」ように社会をもっていかなければならないですね

ということで、わが家に来てから今日で2062日目を迎え、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため閉鎖されている礼拝施設の再開について、トランプ米大統領は22日 記者会見し、全米の州知事に対し、教会などの礼拝施設を即時再開させるよう要求した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     大統領選での宗教団体からの支持を意識した発言であるのは明らか  知事は拒否か

     

         

 

井岡瞬著「冷たい檻(おり)」(中公文庫)を読み終わりました   井岡瞬は1960年東京都生まれ。2005年に「いつか、虹の向こうへ」で第25回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をダブル受賞し作家デビュー 代表作の「代償」は45万部をこえ、「悪寒」は25万部を超えるベストセラーになっている

 

     

 

物語の舞台は北陸にある人口1万人弱の 取り立てて名所もない過疎の村、岩森村。その中に、払い下げられた「かんぽの宿」の建物を使い、中国資本「星河(シンホー)」が開設した、老人介護・青少年更生・児童養護の3部門とクリニックを併設する複合ケアセンター、通称「施設」がある   そんな小さな村から、駐在所の警察官・北森が忽然と姿を消した    実は北森は公安関係者だったことから、1カ月後、警察に関係するある組織から調査を命じられた調査官の樋口透吾が岩森村にやってくる。北森の後任として駐在所に勤務する巡査部長の島崎は、警察官でもない得体のしれない樋口に戸惑いを感じながらも彼の調査を手伝うことになる 調べるうちに、一見平和そうに見えるこの村で、密かにとんでもないことが行われていることが判明する 施設の老人が崖から転落死したり、ぼや騒ぎが起きたり、農機具が盗まれたり・・・そして遂に殺人事件が発生する 一連の事件は誰がどうして引き起こしたのか 最後に、事件を引き起こした彼らこそが犠牲者だったことが判明する

井岡瞬の作品はこれまで「代償」「桜も咲かない季節」「もしも俺たちが天使なら」「乙霧村の七人」「痣(あざ)」「悪寒」と続けて読んできましたが、この「冷たい檻」はこれまで彼の”代表作”と言われてきた「代償」を超える最高傑作かもしれないと思いました 主な舞台が複合型ケアセンターであることから、登場人物が老若男女問わず数多く登場し、主要な登場人物が語り手を変えながら物語が進んでいきますが、そえぞれの人物描写が優れているので、話が混乱することがありません この作家の確かな構成力と筆力を感じます 580ページを超える大作ですが、一気読み必至です。お薦めします

 

         

 

読書のBGMに流すCDとして昨日から聴き始めたのは「ドレスデン国立歌劇場管弦楽団 設立450年記念アルバム(1998年発売・4枚組CD:ドイツ・グラモフォン)」です

 

     

 

ドレスデン国立歌劇場管弦楽団(スターツカペレ・ドレスデン)は1548年、ザクセン選帝侯の宮廷楽団として設立され、1998年に創立450年を迎えた歴史と伝統のあるオーケストラです 

今からン十年前にヘルベルト・ブロムシュテットの指揮でリヒャルト・シュトラウスの「ティル オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」を聴いた時の感激は今でも忘れられません それ以来、このオケの大ファンになり、来日するたびに聴きに出かけました

このアルバムにはリヒャルト・シュトラウス、シューベルト、モーツアルト、シューマン、ウェーバー、ベートーヴェン、ワーグナーといった いわゆる”ドイツもの”が中心に収録されています   指揮者はカール・べーム、カルロス・クライバー、コリン・デイヴィス、ベルナルト・ハイティンク、ジュゼッペ・シノーポリ、小澤征爾、ジェイムズ・レヴァインといったお馴染みの顔ぶれです

1枚目に収録されているリヒャルト・シュトラウス「ばらの騎士」のフィナーレにおけるオクタヴィアン、マルシャリン、ゾフィーの三重唱をカール・べームの指揮で聴いて、鳥肌が立つほど感動を覚えました リヒャルト・シュトラウスの音楽は 誇大妄想的であまり好きではないのですが、「ばらの騎士」だけは例外です こんなに素晴らしいオペラがあるのだろうか、と思うほどです

 

     

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都のアーティスト支援 応募者殺到し 対象者2万人に増 ~ 「アートにエールを!東京プロジェクト」 / 文化は『ジャムやバター』 ~ 横坂剛比古氏の考え:朝日の記事から

2020年05月23日 07時20分44秒 | 日記

23日(土)。先週の月曜日に、寝室で聴くために買ったばかりのCDプレーヤーが2週間も経たずに故障してしまいました イジェクト・ボタンを押してもディスクが出てこないのです これまで使ってきた古いCDプレーヤーも同じ故障が原因で買い替えたわけですが、これでは買い替えた意味がありません 驚いたのは、古い機械ではクナッパーツブッシュのウィンナ・ワルツのCDが出てこなくなったのですが、今回もクナッパーツブッシュのCD(ワーグナー管弦楽集)だったのです よほどクナッパーツブッシュと相性が良くないのでしょうか いずれにしても、同じ3万円程度の機械でも古いの(ティアック)は7年間持ったのに、新しいの(デノン)はたったの12日間ですよ、奥さん 池袋のBカメラにディスクを呑み込んだままのプレーヤーを持っていき、40分待たされて修理の依頼をしましたが、修理が終わるのが2~3か月先になると言われました 思わず「え~、そんなにかかるんですか」と叫んでしまいました。しかし、こちらとしてはどうすることも出来ないので、その間どうするか考えなければなりません 急きょ、小型スピーカー売場に行って、2390円のテレビ用のポータブルスピーカー(JVC)を、溜まっていたポイントでタダで手に入れました これをポータブルCDプレーヤーにつなげることにしました その結果が下の写真です。当面これでしのごうと思います

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で2061日目を迎え、主要7か国首脳会議(G7)は6月中旬にテレビ会議形式で開かれる方向だったが、トランプ大統領が 米国のキャンプデービッドで開くことを検討しているとツイートしたことに対し驚きの声が上がっている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプのコロナに対する危機管理能力の欠如を 世界に表明するようなもんだ!  

 

         

 

昨日、夕食に「串なし焼き鳥」を作りました 娘はネギを食べないので、これは私の分です。やっぱりネギがあった方が好きです

 

     

 

         

 

一昨日の朝日朝刊・オピニオン面の耕論「新型コロナ」は「人はパンのみにて・・・」というテーマでした リードに「『人はパンのみにて生きるにあらず』。芸術や文化活動は、聖書の時代から人間が生きていく『糧』とされてきた コロナ禍という災厄のいま、その意味と支援のあり方を考える」とあります。3人の識者がインタビューに答えていますが、そのうち上馬キリスト教会ツイッター担当の横坂剛比古氏のインタビューをご紹介します

横坂氏によれば、「人はパンのみにて生きるにあらず」は「人は物質的な満足だけでなく、精神的、文化的な満足もなければ、生きていけない」と世間で解釈されているが、これは誤解であるとしています そして、「簡単に言えば、パンばかりに固執してはいけない。神様の言いつけに従っていれば、おのずとパンも与えてもらえる、というメッセージだ」と語っています つまり神様を信頼することの大切さを説いているのだといいます。そして、「文化や芸術は人間の生活にとって欠かせないものである」と多くの人が思っていることが誤解の原因になっているのではないか、と疑問を呈しています その上で次のように語っています

「東日本大震災の直後に、ある音楽関係者が、被災者を励まそうと現地を訪れました。ところが、衣食住が整わないなか、『音楽で元気を出して』と言っても、見向きもされなかったそうです 音楽や芸術といった『文化』は、パンの味を引き立てるジャムやバターのような存在です 『衣食住』という『パン』を取り戻せたとき、『パン』の価値をより高める それが文化の大きな力だと思います

横坂氏の考えは説得力があり、共感できます たしかに『衣食住』という生活基盤が安定していなければ、文化には気が回らないものです 横坂氏は行政書士で、東京都内のキリスト教会で5年前からツイッター担当をしているそうですが、平易な言葉でキリスト教の普及のためにツイートしているのでしょう フォロワーが10万人を超えるというのも頷けます

 

         

 

昨日の朝日朝刊 東京面に「都のアーティスト支援  対象2万人に増   当初4000人想定  応募殺到で」という見出しの記事が載っていました 超訳すると、

「新型コロナウイルス感染拡大を受け、都は、活動の場が減っているプロの音楽家や芸術家らを支援する事業の対象を大幅に増やす 想定の4倍以上となる1万6千人の応募が殺到 当初の4千人から2万人にまで対象を広げる。この事業は『アートにエールを! 東京プロジェクト」。都内在住、もしくは都内で活動する音楽家や俳優、美術家らを対象に、ダンスや短編映像、音楽などの動画作品を募集する 審査を経て都専用のウェブサイトで配信されれば、出演料として都が1人あたり10万円を支払う 都は、15日の受付初日に予定の4千人に達したことから、支援対象を総勢2万人に拡大し、すでに決まっている1万6千人に加え、新たに4千人分を募集することにした 都は19日に公表した補正予算案に、文化芸術活動の支援拡充として28億円を計上。東京プロジェクトの追加経費のほか、感染状況が落ち着いた段階を想定し、劇場やホールでの演劇や演奏などの無観客公演の配信などの補助も盛り込んだ

当初の予想が4千人というのは少なく見積もり過ぎだと思いますが、5倍に拡大したことは大きな評価を与えて良いのではないかと思います アーティストの皆さん、最初から諦めないで応募してみてはいかがでしょうか

 

         

 

最近、読書の時のBGMに流しているのはヴァイオリニスト、ヨハンナ・マルツィのCDです マルツィは1924年10月26日ハンガリーのティメスバール生まれ。6歳からヴァイオリンをはじめ、7歳でフバイに認められ、弟子となりました 1934年に10歳でブダペストのフランツ・リスト音楽院に入学し F.ガブリエル教授に就きました。その後、13歳で公開デビューを果たしセンセーショナルな成功を収めました その後、第二次世界大戦のため活動を中断、1947年にジュネーヴ国際音楽コンクールで唯一の女性として入賞しました 協奏曲ではオーマンディ、クレンペラー、ベイヌム、マルケヴィチ、ショルティといった錚々たる指揮者と共演、その後、母校リスト音楽院の教授を務めましたが、1979年8月13日にグラールスで没しました

1枚目はバッハのアルバムです 「パルティータ第3番」はヒラリー・ハーンの純粋無辜の演奏に比べ、ストレートな感情表現の中にも艶があり豊かさを感じさせます

 

     

     

 

2枚目はベートーヴェンとドヴォルザークのアルバムです とくにドヴォルザークのピアノ三重奏曲”ドゥムキー”の民族色豊かな演奏が素晴らしい

 

     

     

 

3枚目はブラームスとラヴェルのアルバムです ブラームスの抒情的な演奏が素晴らしい

 

     

     

 

4枚目はフランクとラヴェルのアルバムです ラヴェルは1枚上の演奏とは違う録音です。フランクの深みのある演奏が素晴らしい

 

     

     

 

5枚目はヴァイオリン小品集です ヘンデルのソナタが素晴らしい

 

     

     

 

6枚目もヴァイオリン小品集(1960年のライブ録音)です ベートーヴェンの初期のソナタの生き生きとした演奏が素晴らしい

 

     

     

 

全体を通して聴いた感じでは、彼女の演奏の特徴は”知性”ではないかと思います

実は、マルツィの演奏はLPレコードでも11枚持っているのですが、ここではバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタのLPを写真でご紹介するにとどめます

 

     

     

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「コロナ禍『生演奏』を配信」 ~ ベルリン・フィルの試み:日経の記事から / 今日はリヒャルト・ワーグナーの誕生日(1813年5月22日)

2020年05月22日 07時25分29秒 | 日記

22日(金)。一昨日の日経夕刊「グローバル ウォッチ」のコーナーに「コロナ禍『生演奏』を配信」という見出しの記事(NQNロンドン=椎名遥香)が掲載されていました 超訳すると、

「5月1日、ベルリンのコンサートホールに、ベルリン・フィルのメンバー30人弱が集まり、首席指揮者キリル・ぺトレンコの指揮でペルト「フラトレス」やバーバー「アダージョ」などを演奏した もともとイスラエルで演奏する予定だったが、新型コロナでキャンセルになった そこで急きょ、本拠地のコンサートホールで無観客で演奏し、同フィルが運営するオンライン配信サービスで全世界に流した 演奏者の数を減らし、フルオーケストラではなく室内アンサンブルになった。事前に新型コロナウイルスの検査を受け、ステージ上では息を吹き込む管楽器は5メートル、そのほかの楽器も2メートル離れて配置に着いた ベルリン・フィルの広報代表でもあるヴァイオリニストのスタンリー・ドッズ氏は、演奏が終わった瞬間に観客からの反応がないのが、プロの演奏家として残念だ、と語った 州政府の要請でコンサートホールには7月末まで観客を入れないことが決まっている。しかし、それが緩和されたからといってすぐに平時に戻れるわけではない 『3密』を避けるため、本番どころか大勢の楽団員が集まるリハーサルすら今は難しい。規制緩和の段階に合わせて、『まずリハーサル、次に観客数を制限してのコンサート再開を検討したい』とドット氏も慎重だ 欧州のオーケストラはどこも似たような悩みを抱える。ハンガリーのブダペスト祝祭管弦楽団は『隔離の夜会』と題して週3回ほど夕方に演奏をライブ配信している ただ、多くの団員が登場するフルオケではなく、ほとんどが室内楽というのが現状だ。マスクを付けたピアニストやヴァイオリニストが登場することもある 欧州各国は比較的手厚い支援策を講じる。フランスは文化・芸術分野だけで200万ユーロ(約25億円)を援助し、フリーランスの失業手当の受給条件も緩和した。英国は総額1億6000万ポンド(約210億円)を助成。ドイツは個人の音楽家らに3か月で最大9000ユーロを支給する。欧州では、音楽を含めた文化・芸術は単なる『娯楽』『余暇』ではなく、社会を構成する大切な柱として位置づけられている 伝統的にオペラ座や劇場が社交場であり、「芸術家に一目置く空気もある。新型コロナとの闘いは長期にわたる可能性が大きい。支援が息切れせずにどこまで続くかが次の課題となる アーティストも政府も『新たな日常(ニューノーマル)』に身構える

先日このブログでご紹介した新日本フィルの7月公演に向けての取り組みと合わせて考えると、コンサート再開に向けての取り組みは各国共通だな、と思います 最初の段階では、演奏する側も聴く側も人数を絞って ソーシャルディスタンシングを採りながら 大きなホールで演奏することになるのでしょう    欧州各国政府による文化・芸術分野に対する手厚い支援策については、いつも羨ましい思いをしますが、欧州並みとは言わないまでも、もう少し演奏家の活動に対する理解があっても良いのではないかと思います

ということで、わが家に来てから今日で2060日目を迎え、「桜を見る会」の前日に安倍晋三首相の後援会が主催した夕食会をめぐり、662人の弁護士や学者が21日午前、公職選挙法と政治資金規正法に違反した疑いで、首相と後援会幹部の計3人に対する告発状を東京地検に提出した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ケンサツチョウがコケたので この際 モリ カケ サクラ まとめて告発してほしいな

     

         

 

昨日、夕食に「牛肉と大根の煮物」を作りました お酒はやっぱり冷酒ですね

 

     

     

         

 

今日はワーグナーの誕生日です(1813年5月22日) リヒャルト・ワーグナー(1813-1888)は、今から207年前のきょう ライプツィヒに生まれ、75歳でヴィネツィアに没しました ドイツ・ロマン派音楽の劇的分野における頂点に立つ作曲家と言われています 音楽的手法としては、ベルリオーズの「イデー・フィクス(固定観念)」を発展させた「ライト・モチーフ(示導動機)」の使用、管弦楽の巨大化などによって、19世紀後半の音楽に多大な影響を残し、ワグネリアンと言われる崇拝者を生みました

ワーグナーは、20歳の時ヴュルツブルク市立劇場の合唱指揮者となり、その後、指揮者の職を求めて各地を遍歴しました 1839年に失職し、夜逃げしてパリを放浪し「さまよえるオランダ人」を完成させます しかし、もっぱら写譜や編曲によって生計を立てていました 1842年にパリを引き揚げ、ドレスデンに戻った彼はオペラ「リエンツィ」と「さまよえるオランダ人」の初演により予想以上の成功を収め、王室ザクセン宮廷指揮者に就任します その後、「タンホイザー」や「ローエングリン」を完成させ、1849年に革命運動(5月暴動)に加担しましたが、国外追放となりスイスに亡命しました   1862年までに追放が解け、ドイツで活躍、バイエルン国王ルートヴィヒ2世の知遇を得、リストの娘コジマ(ハンス・フォン・ビューローの妻だった)と結婚しました 1876年には各国のワーグナー協会の支援によって、楽劇上演のための劇場がバイロイトに完成されました  なお、彼は反ユダヤ主義者だったため、ヒトラーにその音楽を利用されました また、同じ1813年生まれの作曲家にジュゼッペ・ヴェルディがいます。どちらも波乱万丈の生涯を送ったことでは共通しています

なお、彼の作品は「ローエングリン」までが「歌劇」と呼ばれていますが、「トリスタンとイゾルデ」以降の作品は「楽劇」と呼ばれています

私の愛聴盤をご紹介します。最初はウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィル、フィルハーモニア管弦楽団による「ワーグナー:管弦楽集」(1950~1955年録音、2枚組CD:EMI)です 私は特に「神々の黄昏」の雄大な演奏が好きです

 

     

     

 

次は歌劇「さまよえるオランダ人」です テオ・アダム(オランダ人)他、オットー・クレンペラー指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団による演奏(1968年録音・3枚組CD:EMI)です クレンペラーの指揮はスケールが大きく、ワーグナーにピッタリです

 

     

 

次は楽劇「ニーベルングの指環」4部作です この作品の愛聴盤はマレク・ヤノフスキ指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団によるCD(1980~83年録音・全14枚組・eurodisc)です ヤノフスキは東京・春・音楽祭の「ワーグナー・シリーズ」で毎年 指揮を執っていましたが、キビキビした指揮に好感が持てます

 

     

     

     

     

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