30日(木)。速いもので今日で4月も終わりです.わが家に来てから204日目を迎え,何故かいじけているモコタロです
そうか きみは その わけのわからない デカ顔がいいのか ? !
閑話休題
昨日、サントリーホールで「AAR(難民を助ける会)チャリティ朗読コンサート~地雷でなく花をください」を聴きました このコンサートはAAR(難民を助ける会)が地雷除去についての一般の関心を高め,一定の資金を確保するために開いたチャリティ・コンサートです 2部構成から成り,第1部はショパンのピアノ協奏曲第1番(室内楽版)を,第2部は「地雷でなく花をください」の朗読と合唱を中心に進められました
自席は1階4列18番,センターブロック左から3つ入った席です.サントリーホールでこれほど前の,しかもセンター寄りの席を確保したのは初めてだと思います それも,萩原麻未の演奏姿を間近で見たい一心で席を確保したのです 会場は8割くらい埋まっている感じです.ホールに入った時,いつもの客層と違うな,と感じました ほとんどが第2部目当ての”真面目な”聴衆で,私のような第1部の「萩原麻未でショパンが聴ければ」という聴衆は少数派だったのではないか,と想像します
ステージの客席寄りには色とりどりの花が飾られています 中央後方にはグランドピアノが,その手前に弦楽奏者のための椅子と譜面台が準備されています
空色の爽やかなドレスに身を包まれた萩原麻未がプラジャーク弦楽四重奏団,コントラバスの池松宏とともに登場します 萩原麻未は言うまでもなく2010年第65回ジュネーヴ国際コンクール(ピアノ部門)で日本人として初めて優勝,モーツアルテウム音楽院を卒業しています 一方,プラジャーク弦楽四重奏団は1972年,プラハ音楽院内で結成されたチェコを代表する四重奏団です.池松宏はN響の首席を経て,現在は都響の首席を務めています
6人の奏者がそれぞれの配置に着きます.が,せっかく前の席を取ったのに二人のヴァイオリン奏者の陰になって,萩原麻未がまったく見えません.「ちょっとどいて!」なんて言えないし,これは想定外でした
第1ヴァイオリンのレオシュ・チェビツキーの合図でショパン「ピアノ協奏曲第1番」第1楽章が開始されます 長い序奏に続き,萩原麻未の力強いピアノが入ってきます.その瞬間,深い感動に満たされ背筋が寒くなりました 何と素晴らしい感性なのか これが萩原麻未の音楽だ と一人感激にうち震えていました
第1楽章が終わると,会場のそこかしこから拍手が起こりました おそらく会場の3分の1くらいの人がこの曲を生まれて初めて聴いたのではないか,と思いました その原因の一つはプログラムの記述が簡単すぎることです.スペースの関係で曲目の解説がないのは仕方ないとしても,せめて3つの楽章から成る曲であることだけでも表示すべきだったと思います
第2楽章に移ろうとするその時,自席の右斜め前の金髪の外国人女性がデジカメのようなもので演奏者を撮影しているのが見えました 大胆不敵です.たしか,演奏前には日本語と英語で「許可のない撮影と録音はお断りする」旨を放送したと思うのですが・・・・あるいは英語が通じない国の人なのか・・・・いずれにしても,一見インテリ風かつ上流階級風の魅力的な女性に見えるのに,これで台無しです とても文化人とは思えません.あの行為がなければ大胆素敵だと思っていたのに,残念です 私の経験では,こういう人で休憩後に自分の席に戻って来た人は一人もいません
さて,第2楽章「ロマンツェ」における萩原麻未のニュアンス豊かなピアノはどうでしょう ロマンティシズムの極致です.この楽章終了後,また拍手が入ります 第3楽章「ロンド」では冒頭,若干指使いに不安定な部分がありましたが,すぐに立ち直り軽快に演奏を進めました 今度こそ盛大な拍手です
休憩後,第2部に入りましたが,自席の右斜め前の金髪美人はセオリー通り席に戻りませんでした
第2部の最初は,プラジャーク弦楽四重奏団によってドヴォルザークの「弦楽四重奏曲第13番」から第1楽章が演奏されました プログラムには第14番となっていましたが,後で帰りがけにロビーの掲示を見たら変更になっていたことが分かりました もし開演前に分かっていたのなら,プログラムに「曲目一部変更のお知らせ」を挟み込むとか,ロビーにその旨を大きく掲示するとか,何らかの対応を図るべきだったのではないかと思います.演奏の直前の変更だったとしたら仕方ありませんが
舞台が暗い中,ピアニストの碓井俊樹が静かに登場し,おもむろに美しいメロディーを奏で始めます それに合わせて左右から色とりどりの傘を持った人たちが,傘をくるくる回しながらステージに集まってきます.その中に,一人だけ7色の虹の傘を持った人にスポットライトが当てられ,傘の陰から宮沢りえがにこやかな顔を見せました そして「地雷ではなく花をください」の朗読に入りました
朗読が終わると,先ほど色とりどりの傘を持って舞台に上がった小学生から大人までの女性たちが歌の準備を始めました 実は彼女たちはIPCMスペシャル・コーラス風花,めばえ幼稚園花の会コーラスの人達だったのです.それに加え,フラワーマダムの会(駐日大使・大使夫人合唱団)の14人の女性が登場しました 加藤洋朗の指揮,碓井俊樹のピアノで,酒井玲子作曲・上田真樹編曲による女性合唱組曲「サニーおねがい 地雷ではなく花をください」が歌われました
駐日大使・大使夫人の合唱団の中にひときわ声が美しい人がいましたが,上手な日本語で「地雷で犠牲になった人たちを偲んで,カッチー二のアヴェ・マリアを歌わせていただきます」と言って,美しいソプラノで歌い,喝さいを浴びました あとでロビーの掲示に「コロンえりか」という人であることが分かりましたが,どこの大使館からいらっしゃったのか,あるいは歌手が紛れ込んでいたのか,彼女はいったいどういう人なのでしょうか??
最後に再び萩原麻未と池松宏がポンセの「エストリータ」を演奏し,長いコンサートを締めくくりました
帰りがけ,ホールの出口で「シードペーパー」(紙状になっている花の種↓)が配られました これを一晩水に浸し,鉢に入れて紙の上に5センチくらい土をかけ,水やりをすれば5~10日で発芽するそうです シードペーパーにすき込まれた花の種は,ナデシコ,わすれな草,ひなげし,オダマキetc・・・・・・と何種類かあるうちのどれからしいのですが,咲いてみないと分からないところが良いところでしょうか
内幸町にある当ビルでも「難民を助ける会」からの要請を受けて,同会主催の写真展を1階玄関ロビーで開いたことがありますが,このチャリティ朗読コンサートが,難民を助ける会の活動を,世界の地雷除去援助の活動を一層推進するきっかけになれば良いと思います