31日(木)。月末を迎えたので、恒例により10月の3つの目標の実績をご報告します ①クラシック・コンサート=12回、②映画鑑賞=2本、③読書=9冊でした 今月はコンサートが少なかった一方、読書が比較的多かったです。映画は相変わらず腰痛悪化防止のため控えているので2本に止まりました
ということで、わが家に来てから今日で3579日目を迎え、ロシア大統領府は29日、プーチン大統領の指揮下で戦略核の演習を開始したと発表したが、プーチン氏はオンラインで演習に参加し「新たな軍拡競争に巻き込まれるつもりはないが、核戦力を必要十分なレベルに維持する」と強調した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
軍拡競争に巻き込もうとしてるのは プーチンと金正恩だって 世界中が知ってるぜ
昨日の夕食は、今秋初の鍋料理にしました 豚バラ肉、シメジ、キャベツ、ニラ、人参、豆腐、ネギ、モヤシを入れた味噌味鍋です。寒い夜に温まりました
東京藝大主催公演のチケットを2枚取りました 1枚目は11月3日(日)15時から東京藝大奏楽堂で開かれる「東京藝術大学うたシリーズ2024 愛をうたう」です モーツアルトやプッチーニ等のオペラのアリアや重唱、歌曲などがピアノ伴奏により歌われます 出演は木下美穂子(ソプラノ)、中島郁子(メゾソプラノ)、櫻田亮(テノール)、萩原潤(バリトン)など藝大の教師陣です
2枚目は11月8日(金)19時から奏楽堂で開かれる「藝大定期第425回 合唱定期演奏会」です プログラムはドヴォルザーク「スターバト・マーテル」です ソリストは下のフライヤーに記載の通りです 演奏は山下一史指揮藝大フィルハーモニア管弦楽団、合唱=同音楽学部声楽科学生です
中山七里著「境界線」(宝島社文庫)を読み終わりました 中山七里は1961年 岐阜県生まれ。「さよならドビュッシー」で第8回「このミステリーがすごい!大賞」大賞を受賞し2010年に作家デビュー 「おやすみラフマニノフ」「どこかでベートーヴェン」「おわかれはモーツアルト」「護られなかった者たちへ」など著書多数 「中山七里は七人いる」と言われるほど速筆・多作を誇る
宮城県警捜査一課の警部・苫篠誠一郎は、東日本大震災で妻・奈津美と息子が津波に呑まれ行方不明となっていたが、気持ちの整理がつかないまま、失踪宣言の規定である7年間が経過した後も遺族の死亡届を出さずにいた そんな中、気仙沼の海岸で女性の遺体が発見された。運転免許証には苫篠奈津美とあった 苫篠は「震災から7年も経つのに、いったいどこで何をしていたのか?」と訝りながら遺体の待つ現場に急行した。しかし、そこで目にしたのは似ても似つかない全くの別人だった 「いったい死体の女性は何者なのか? なぜ妻の名義の運転免許証を所持していたのか?」と疑問を抱き、遺体の身元を捜査するさなか、さらなる事件が発生し、失踪宣言の申し立てがされていない行方不明の個人情報を利用した裏ビジネスの存在が浮かび上がってくる
本書は2020年12月にNHK出版より単行本として刊行された同名作品を文庫化し、加筆修正したもので、「護られなかった者たちへ」に続く「宮城県警シリーズ」の第2弾です
本書は各章に「生者と死者」「残された者と消えた者」「売る者と買う者」「孤高と群棲」「追われる者と追われない者」というタイトルが付けられていますが、それらが「境界線」を表しています
苫篠は、被災者を助けるNPO法人と名簿屋が事件に関与していることを突き止めます NPO法人の代表・鵠沼と名簿屋の五代は高校時代の同級生でした。鵠沼は正義感が強く、一方の五代は反グレでしたが、ある出来事をきっかけに頼り合うようになります 正義感の強かった鵠沼は東日本大震災で両親を亡くしたことや、目の前で津波に呑まれて流されていく少女を救うことが出来なかったことから人生観が一変します 「人はいつでも身分証を持ち歩いているわけじゃない 自分が両親の遺体を確認できなかったら2人とも名無しの遺体になっていた。人間ってあやふやなものだ」とつぶやきます。そして、苫篠に対し「戸籍売買」の正当性を次のように主張します
「戸籍の売買は違法だが、実質的に被害を被った人はいない 行方不明者といっても実質的に死者と同じで 文句の言いようがない。一方、世の中には本来の名前で就職も生活もできない人がいて、別の名前を欲しがっている。行政は死者から税金を徴取できる。誰もが得するビジネスだ 違法であっても罪悪だとは思わない」
これに対し、戸籍売買により亡き妻の運転免許証が偽造された苫篠は「死者を冒涜する行為だ」と諫めます。犯罪者が別人の戸籍を買ってその人物に成りすまし、罪を負うことなく何食わぬ顔で生活することを考えれば、やはり「戸籍売買」は許される行為ではないでしょう 案外、身近なところに別の人物を名乗る「成りすまし」が存在しているのかもしれません
「どんでん返しの帝王」という異名を取る中山七里ですが、本書はそうした「どんでん返し」はありません しかし、2011年3月に起きた東日本大震災が、多くの人々の「人生の境界線」となり、人生観や生活感が変わったことを想像しないわけにはいきません
一人でも多くの読者にお薦めします