人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「藝大うたシリーズ2024 愛をうたう」&「藝大第425回 合唱定期演奏会 ドヴォルザーク『スターバト・マーテル』」のチケットを取る / 中山七里著「境界線」を読む

2024年10月31日 00時06分04秒 | 日記

31日(木)。月末を迎えたので、恒例により10月の3つの目標の実績をご報告します ①クラシック・コンサート=12回、②映画鑑賞=2本、③読書=9冊でした 今月はコンサートが少なかった一方、読書が比較的多かったです。映画は相変わらず腰痛悪化防止のため控えているので2本に止まりました

ということで、わが家に来てから今日で3579日目を迎え、ロシア大統領府は29日、プーチン大統領の指揮下で戦略核の演習を開始したと発表したが、プーチン氏はオンラインで演習に参加し「新たな軍拡競争に巻き込まれるつもりはないが、核戦力を必要十分なレベルに維持する」と強調した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     軍拡競争に巻き込もうとしてるのは プーチンと金正恩だって 世界中が知ってるぜ

         

昨日の夕食は、今秋初の鍋料理にしました 豚バラ肉、シメジ、キャベツ、ニラ、人参、豆腐、ネギ、モヤシを入れた味噌味鍋です。寒い夜に温まりました

     

         

東京藝大主催公演のチケットを2枚取りました 1枚目は11月3日(日)15時から東京藝大奏楽堂で開かれる「東京藝術大学うたシリーズ2024 愛をうたう」です モーツアルトやプッチーニ等のオペラのアリアや重唱、歌曲などがピアノ伴奏により歌われます 出演は木下美穂子(ソプラノ)、中島郁子(メゾソプラノ)、櫻田亮(テノール)、萩原潤(バリトン)など藝大の教師陣です

     

2枚目は11月8日(金)19時から奏楽堂で開かれる「藝大定期第425回 合唱定期演奏会」です プログラムはドヴォルザーク「スターバト・マーテル」です ソリストは下のフライヤーに記載の通りです 演奏は山下一史指揮藝大フィルハーモニア管弦楽団、合唱=同音楽学部声楽科学生です

     

         

中山七里著「境界線」(宝島社文庫)を読み終わりました 中山七里は1961年 岐阜県生まれ。「さよならドビュッシー」で第8回「このミステリーがすごい!大賞」大賞を受賞し2010年に作家デビュー 「おやすみラフマニノフ」「どこかでベートーヴェン」「おわかれはモーツアルト」「護られなかった者たちへ」など著書多数 「中山七里は七人いる」と言われるほど速筆・多作を誇る

宮城県警捜査一課の警部・苫篠誠一郎は、東日本大震災で妻・奈津美と息子が津波に呑まれ行方不明となっていたが、気持ちの整理がつかないまま、失踪宣言の規定である7年間が経過した後も遺族の死亡届を出さずにいた そんな中、気仙沼の海岸で女性の遺体が発見された。運転免許証には苫篠奈津美とあった 苫篠は「震災から7年も経つのに、いったいどこで何をしていたのか?」と訝りながら遺体の待つ現場に急行した。しかし、そこで目にしたのは似ても似つかない全くの別人だった 「いったい死体の女性は何者なのか? なぜ妻の名義の運転免許証を所持していたのか?」と疑問を抱き、遺体の身元を捜査するさなか、さらなる事件が発生し、失踪宣言の申し立てがされていない行方不明の個人情報を利用した裏ビジネスの存在が浮かび上がってくる

     

本書は2020年12月にNHK出版より単行本として刊行された同名作品を文庫化し、加筆修正したもので、「護られなかった者たちへ」に続く「宮城県警シリーズ」の第2弾です

本書は各章に「生者と死者」「残された者と消えた者」「売る者と買う者」「孤高と群棲」「追われる者と追われない者」というタイトルが付けられていますが、それらが「境界線」を表しています

苫篠は、被災者を助けるNPO法人と名簿屋が事件に関与していることを突き止めます NPO法人の代表・鵠沼と名簿屋の五代は高校時代の同級生でした。鵠沼は正義感が強く、一方の五代は反グレでしたが、ある出来事をきっかけに頼り合うようになります 正義感の強かった鵠沼は東日本大震災で両親を亡くしたことや、目の前で津波に呑まれて流されていく少女を救うことが出来なかったことから人生観が一変します 「人はいつでも身分証を持ち歩いているわけじゃない 自分が両親の遺体を確認できなかったら2人とも名無しの遺体になっていた。人間ってあやふやなものだ」とつぶやきます。そして、苫篠に対し「戸籍売買」の正当性を次のように主張します

「戸籍の売買は違法だが、実質的に被害を被った人はいない 行方不明者といっても実質的に死者と同じで 文句の言いようがない。一方、世の中には本来の名前で就職も生活もできない人がいて、別の名前を欲しがっている。行政は死者から税金を徴取できる。誰もが得するビジネスだ  違法であっても罪悪だとは思わない

これに対し、戸籍売買により亡き妻の運転免許証が偽造された苫篠は「死者を冒涜する行為だ」と諫めます。犯罪者が別人の戸籍を買ってその人物に成りすまし、罪を負うことなく何食わぬ顔で生活することを考えれば、やはり「戸籍売買」は許される行為ではないでしょう 案外、身近なところに別の人物を名乗る「成りすまし」が存在しているのかもしれません

「どんでん返しの帝王」という異名を取る中山七里ですが、本書はそうした「どんでん返し」はありません しかし、2011年3月に起きた東日本大震災が、多くの人々の「人生の境界線」となり、人生観や生活感が変わったことを想像しないわけにはいきません

一人でも多くの読者にお薦めします

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「東京・春・音楽祭 2025」ラインナップ発表 ~ ワーグナー・シリーズは「パルジファル」、合唱シリーズは「ミサ・ソレムニス」、オペラは「蝶々夫人」&「こうもり」

2024年10月30日 00時23分23秒 | 日記

30日(水)。東京シティ・フィルから「楽団創立50周年に関する記者会見のお知らせとご招待について」という文書が届きました 日時は11月18日(月)16時から17時までで、会場は東京オペラシティコンサートホールとなっています 登壇予定者は常任指揮者・高関健、首席客演指揮者・藤岡幸夫、コンサートマスター・戸澤哲夫ほかです

この日は夜、コンサートがあるので出席するつもりはありませんが、当日は出席者に「2025年度シーズンプログラム」を進呈すると書かれているので、この日にラインナップが発表されるようです

ということで、わが家に来てから今日で3578日目を迎え、27日付のニューヨーク・タイムズによると、19世紀のピアニストで作曲家のフレデリック・ショパンのよる未発表曲の楽譜が、米ニューヨークのモルガン図書館・博物館の保管庫で見つかり、楽譜にはショパンが手書きした名前もあった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     ショパンの専門家が本物だと太鼓判を押しているらしいが  どんな曲か聴いてみたい

         

昨日、夕食に「タンドリーチキン」「生野菜とアボカドのサラダ」「エノキダケと人参とウィンナのスープ」を作りました 「タンドリーチキン」は久しぶりに作りましたが、なんとか美味しく出来ました

     

         

「東京・春・音楽祭 2025」のラインアップが公式サイトで発表されました 期間は2025年3月14日(金)から4月20日までで、上野の「東京文化会館」ほか上野公園の各施設で、オペラ、オーケストラ、室内楽、リサイタルなど幅広いコンサートが開かれます

     

Ⅰ。オペラ・合唱公演など(会場は東京文化会館大ホール)

①ワーグナー・シリーズ「パルジファル」:マレク・ヤノフスキ指揮 NHK交響楽団=3月27日(木)15時、同30日(日)15時

②合唱芸術シリーズ:ベートーヴェン「ミサ・ソレムニス」:マレク・ヤノフスキ指揮 NHK交響楽団=4月4日(金)19時、同6日(日)15時

③プッチーニ・シリーズ「蝶々夫人」:オクサーナ・リーニフ指揮 読売日響=4月10日(木)15時、同13日(日)15時

④ヨハン・シュトラウス2世「こうもり」:ジョナサン・ノット指揮 東京交響楽団=4月18日(金)15時、同20日(日)15時

⑤リッカルド・ムーティ指揮 東京春祭オーケストラ公演=4月11日(金)19時、同12日(土)15時:レスピーギ「ローマの松」、イタリア・オペラ序曲・間奏曲

Ⅱ。歌曲シリーズ公演(会場は東京文化会館小ホール)

①マウロ・ペーター(テノール)&村上明美(ピアノ)=3月18日(火)19時

②クリスティアン・ゲルハーヘル(バリトン)&ゲロルト・フーバー(ピアノ)Ⅰ=3月19日(水)19時

③クリスティアン・ゲルハーヘル(バリトン)&ゲロルト・フーバー(ピアノ)Ⅱ=3月22日(土)18時

④アドリアナ・ゴンザレス(ソプラノ)&イニャキ・エンシーナ・オヨン(ピアノ)=4月8日(火)19時

Ⅲ。ルドルフ・ブッフビンダー「シューベルトの世界」東京文化会館小ホール

①ピアノ・リサイタル=4月15日(火)19時:「ピアノ・ソナタ第21番」「4つの即興曲」

②N響メンバーとともに=4月18日(金)19時:「ピアノ三重奏曲第1番・第2番」

③N響メンバーとともに=4月19日(土)18時:「ピアノ五重奏曲”ます”」他

Ⅳ。東京文化会館小ホールにおける主なコンサート

①ベルリン・フィルのメンバーによる室内楽=3月14日(金)19時:スメタナ「ピアノ三重奏曲」、シューマン「ピアノ三重奏曲第3番」他 ~ アレクサンダー・イヴィッチ(Vn)、オラフ・マニンガー(Vc)、オハッド・ベン=アリ(P)

②シューマンの室内楽Ⅰ=3月16日(日)15時:「ヴァイオリン・ソナタ第1番」「ピアノ五重奏曲」他(白井圭、村上淳一郎、津田裕也)

③東京春祭チェンバー・オーケストラ=3月20日(木・祝)15時:モーツアルト「交響曲第39番」「ディベルティメントK.138」他(掘正文、小川響子、辻本玲、梶川真歩ほか)

④トレヴァー・ピノック指揮 紀尾井ホール室内管弦楽団=3月23日(日)15時:バッハ「ブランデンブルク協奏曲第3番」、「ゴルトベルク変奏曲」

⑤金川真弓(Vn)、ベン・ゴールドシャイダー(Hr)、ジュゼッペ・グァレーラ(P)=3月25日(火)19時:ブラームス「ホルン三重奏曲」、ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第26番」他

⑥シューマンの室内楽Ⅱ=3月29日(土)18時:「ピアノ四重奏曲」「3つのロマンス」他(白井圭、村上淳一郎、津田裕也、中館壮志ほか)

⑦室内楽シリーズ(郷古廉&加藤洋之中心)=4月2日(水)15時:メシアン「世の終わりのための四重奏曲」他(横坂源、金子平)

⑧都響メンバーと仲間たちによる室内楽=4月4日(金)19時:モーツアルト「グランパルティータ」、ドヴォルザーク「管楽セレナード」

⑨アナ・チュマチェンコと仲間たち=4月12日(土)18時:モーツアルト「弦楽五重奏曲第3番」、ベートーヴェン「ヴァイオリン・ソナタ第3番」他

⑩名手たちによる室内楽の極=4月14日(月)19時:ドヴォルザーク「弦楽六重奏曲」他(長原幸太、鈴木康浩、伊東裕、ビルマン聡平ほか)

⑪ディスカバリー・シリーズ「ジョルジュ・ビゼー」=4月6日(日)14時:内容未定

⑫マラソン・コンサート「ワルツ王と黄昏のウィーン」=4月13日(日)13時、16時、19時

Ⅴ。東京藝術大学奏楽堂におけるコンサート

〇ザ・プロコフィエフ(加藤昌則&石田泰尚 ✕ 神奈川フィル)=4月5日(土)14時:「ヴァイオリン協奏曲第2番」他

Ⅵ。旧東京音楽学校奏楽堂における主なコンサート

①リヒャルト・シュトラウスの世界=3月15日(土)14時:「ヴァイオリン・ソナタ」「ピアノ四重奏曲」他(水谷晃、加藤洋之ほか)

②川口成彦「ミニピアノとの出会い」=4月19日(土)14時

上記のほかにも美術館や博物館で開かれるコンサートがありますので、全体の日程・プログラム内容については「東京・春・音楽祭 2025」公式サイトをご参照ください

なお、「来場チケット」の発売スケジュールは以下の通りです また、「ライブ・ストリーミング配信」もありますので、あわせて公式サイトでお確かめください

     

     

     

     

現在のところ、オペラ関係の4公演とムーティ ✕ 東京春祭オケの公演はすべてチケットを取りたいと思っています これらはすべて11月10日(日)午前10時から先行販売なので、当日は朝からバタバタと忙しくなると思います

他のコンサートで興味があり、他のコンサートの予定が入っていないのは次の6公演です

1.3月16日(日)15時:シューマンの室内楽Ⅰ=「ヴァイオリン・ソナタ第1番」「ピアノ五重奏曲」他(白井圭、村上淳一郎、津田裕也)

2.3月23日(日)15時:トレヴァー・ピノック指揮紀尾井ホール室内管弦楽団 = バッハ「ブランデンブルク協奏曲第3番」、「ゴルトベルク変奏曲」

3.3月25日(火)19時:金川真弓(Vn)、ベン・ゴールドシャイダー(Hr)、ジュゼッペ・グァレーラ(P)= ブラームス「ホルン三重奏曲」、ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第26番」

4.4月2日(水)15時:室内楽シリーズ(郷古廉&加藤洋之中心)= メシアン「世の終わりのための四重奏曲」他(横坂源、金子平)

5.4月4日(金)19時:都響メンバーと仲間たちによる室内楽 = モーツアルト「グランパルティータ」、ドヴォルザーク「管楽セレナード」

6.4月14日(月)19時:名手たちによる室内楽の極 = ドヴォルザーク「弦楽六重奏曲」他(長原幸太、鈴木康浩、伊東裕、ビルマン聡平ほか)

これらは「Myセレクト3」(3公演まとめて取る)の対象公演なので12月8日(日)午前10時からの先行発売が適用されます

今年はオペラを中心に全9公演を聴きました 来年はこのままだと全11公演になるので、手元資金の関係で絞り込む可能性が大です

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本間ひろむ著「日本の指揮者とオーケストラ ~ 小澤征爾とクラシック音楽地図」を読む ~ 近衛秀麿から沖澤のどかまで :言語コミュニケーションのリハーサルと非言語コミュニケーションの本番

2024年10月29日 00時02分28秒 | 日記

29日(火)。わが家に来てから今日で3577日目を迎え、第50回衆院選は投開票から1夜明けた28日、全ての議席が確定し、自民と公明両党は公示前から64議席減となって過半数(233議席)を割り込んだ  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     問題は誰が新首相になるかだ 無法者プーチンや金正恩に対し互角に張り合えなきゃ

         

昨日、夕食に「豚肉のクリームシチュー」「生野菜とアボカドとチーズのサラダ」を作りました 寒い夜だったのでシチューは温まりました

     

         

本間ひろむ著「日本の指揮者とオーケストラ ~ 小澤征爾とクラシック音楽地図」(光文社新書)を読み終わりました 本間ひろむは1962年東京都生まれ。批評家・ジャーナリスト。大阪芸術大学芸術学部文芸学科中退。著書に「日本のヴァイオリニスト」「日本のピアニスト」「アルゲリッチとポリーニ」など多数あり

     

著者は「まえがき」で概要次のように述べています

「リハーサルは言葉で伝える言語コミュニケーションであり、指揮者の性格やパーソナリティがそのまま出る 一方、演奏会本番では指揮者は観客に背中を見せ、無言でタクトを振る。これすなわち、非言語コミュニケーションの極致である この使い分けが指揮者の腕の見せ所であり、聴き慣れたあの名曲が違って聴こえてくるというマジックはここから生まれる 非言語情報に対するセンスを磨かないと職業的に音楽家にはなれない。この非言語情報に対するセンスを磨くことでしか『教養』は獲得できない

「子供の頃からピアノを習い、それ以外の楽器をとことんさらい、気がつけば数千万円と20年前後の時間(というコスト)をかけて座っている そんなプロの音楽家が100人、舞台の上に座っているのがオーケストラ その100人の猛者を一気に束ねるのが指揮者というお仕事。両者が一体となって作られる音楽のなんと豊かで、贅沢で、心躍ることか

上記の言葉は指揮者が求められる資質と役割を端的に表しています 本書は聴衆を音楽の”沼”に引きずり込んだ日本の指揮者とオーケストラの物語です

本書は次の各章から構成されています 

序 章「もしも、アウグスト・ユンケルが来日しなかったら」

第1章「ベルリン・フィルを振った男たち」 ~ 近衛秀麿と山田耕筰

第2章「関西楽界のデベロッパー」 ~ 貴志康一と朝比奈隆

第3章「鋼の師弟」 ~ 斎藤秀雄と小澤征爾

第4章「違いがわかる男と大きいことはいいことだ」 ~ 岩城宏之と山本直純

第5章「炎のコバケンとみちよし先生」 ~ 小林研一郎と井上道義

第6章「カラヤンの教え子、バーンスタンの弟子」

終 章「ブザンソンを制した新世代指揮者たち」

付 録「日本の指揮者とオーケストラ・ディスコグラフィ30」

序章から第2章までは、日本のクラシック界の黎明期に活躍した指揮者たちが紹介されています この辺は著者の得意とする分野のようで、筆者による「日本のヴァイオリニスト」や「日本のピアニスト」でも筆が冴えています

蛇足ですが、新交響楽団(現・N響)を巡る近衛秀麿と山田耕筰の戦いについては、N響の機関誌「PHILHARMONY」に連載されている片山杜秀氏による「N響百年史」(10月号で第49回)に詳細が書かれていて興味深いものがあります

面白くなるのは第3章以降で、日本の指揮界に大きな足跡を残した斎藤秀雄とその門下生たちの活躍です 「トウサイ」と呼ばれて親しまれ恐れられてきた斎藤秀雄の門下生には、小澤征爾を筆頭に、岩城宏之、山本直純、飯守泰次郎、秋山和慶、井上道義、尾高忠明、円光寺雅彦、高関健、大友直人らがいます だれ一人 似ていない、超個性派揃いであるところが凄いと思います

第3章では小澤征爾が単身ヨーロッパに乗り込んで指揮者としてのキャリアを積んでいく有様が、同氏の「ボクの音楽武者修行」の引用を中心に紹介されています

第4章では、N響による小澤征爾ボイコット事件、日本フィル改組事件(新日本フィルの誕生)などが紹介されています

第5章では、コバケンがブタペストの国際指揮者コンクールに応募した時、締め切りを過ぎていたが、何とか食いついて受け付けてもらい、結果的に優勝したこと それは小澤征爾がブザンソン国際指揮者コンクールの時に書類の不備で締め切りに間に合わなかったが、何とか手を尽くして受け付けてもらい、結果的に優勝したことが紹介され、著者は「友よ、本気で望むものがあったら簡単に諦めてはイケナイのだ」とカツを入れています また、井上道義と尾高忠明は桐朋学園大学時代の同期生だが、井上が今年いっぱいで引退するのに対し、尾高は活動を続けるという生き方の違いを紹介しています 第6章では、カラヤンの指導を受けた指揮者として小澤征爾、小泉和裕、高関健がいるが、山下一史も一時アシスタントをしていたとのことです

第6章で紹介されているブザンソン国際指揮者コンクールにおける日本人の優勝者は、

小澤征爾(1959)、松尾葉子(1982)、佐渡裕(1989)、沼尻竜典(1990)、曽我大介(1993)、阪哲郎(1995)、下野竜也(2001)、山田和樹(2009)、垣内悠希(2011)、沖澤のどか(2019)の10人です

付録「日本の指揮者とオーケストラ・ディスコグラフィ30」では「ベスト30」ではなく「レコメンド30」として紹介しているところがユニークです 古くは近衛秀麿指揮近衛交響楽団によるベートーヴェン「交響曲第5番」から、新しくは沖澤のどか指揮読売日響によるシベリウス「交響曲第2番」まで30枚が詳細な解説とともに紹介されています

個人的には既に知っていることも多々ありましたが、指揮者とオーケストラに絞った解説は、これまでの知識を整理するうえで参考になりました 同じ著者の「日本のヴァイオリニスト」「日本のピアニスト」とともに、クラシック・ファンに限らず、広く音楽ファンにお薦めします

     

     

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青山美智子著「赤と青のエスキース」を読む ~ オーストラリアの若手画家が描いた「エスキース(下絵)」を巡るレイとブーの30年の物語

2024年10月28日 00時17分36秒 | 日記

28日(月)。昨日は午前中に近所の小学校に行って衆院選の投票を済ませました 夜、仕事から帰ってきた娘はいつも通り風呂に入り、その後 一緒に夕食を食べました テレビのニュース番組で「選挙」という言葉を耳にした娘が、いきなり「あっ、まだ投票していない」と叫びました えっマジか  と思いましたが、娘の投票用紙はまだ食卓の上にありました   娘が「散歩しない?」と言うので、「しょうがないな~」とブツブツ言いながらも、小雨が降るなか 再び小学校まで投票の付き添いで行ってきました それにしても、誰に似たんでしょうねぇ、この緊張感のない のどかな性格

ということで、わが家に来てから今日で3576日目を迎え、ウクライナ国防省の情報総局は26日、ロシア南西部クルスク州で、北朝鮮兵を受け入れるロシア軍部隊の通信を傍受したとする記録をSNSで公表したが、ロシア語で「やつらをどこに連れていけばいいのか」と戸惑ったり、装備などの配備を巡って苛立ちを見せたりする声が聞こえた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     北朝鮮兵は ロシア兵の足手まといになって死ぬか 自国で餓死して死ぬかのどちらか

         

青山美智子著「赤と青のエスキース」(PHP文芸文庫)を読み終わりました 青山美智子は1970年生まれ。愛知県出身。横浜市在住。大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活の後に帰国。出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入る デビュー作「木曜日にはココアを」が第1回宮本本大賞を受賞。「猫のお告げは樹の下で」が第13回天竜文学賞を受賞 「お探し物は図書館まで」などで2021年から4年連続で本屋大賞にノミネートされる

     

本書は次の各章(短編小説)から構成されています

〇  プロローグ

1章「金魚とカワセミ」

2章「東京タワーとアーツ・センター」

3章「トマトジュースとバタフライピー」

4章「赤鬼と青鬼」

〇  エピローグ

本書はオーストラリアのメルボルンの若手画家ジャック・ジャクソンが描いた1枚の絵画「エスキース(下絵)」を巡る物語です 交換留学でオーストラリアにやってきた女子大生レイが、バイト先の先輩であるユリさんに誘われて参加したバーベキューでブーと出会う レイはブーの友人ジャックの絵のモデルになる レイとブーは日本に帰国するまでという期限付きで付き合い始める。やがて、その絵は日本に渡って30年、二人の間を紡いでいく

本書のタイトルがなぜ「赤と青のエスキース」なのかと言えば、レイが絵のモデルになった時、彼女が来ていたのが赤いコットンブラウスで、胸元には青い鳥のブローチを付けていたこと。これを見たジャックが、赤と青の2色だけで「エスキース」を描いたこと さらにレイというのは「レッド」が訛って伝わったあだ名(本名は茜)であること。そして、ブーは「ブルー」が訛って伝わったあだ名で、本名は蒼(あおい)であることーというのが背景にあります

青山美智子らしい心温まる物語です 1章では若い頃のレイとブーの愛が、2章では額縁工房で働く空知のジャクソン作「エスキース」への愛が、3章では漫画家の先輩と後輩の間の師弟愛が、4章では30年後の二人の愛が、「エスキース」を媒介として語られています 登場人物が多いようで、実は少ないことが最後に分かるという仕掛けもあります

劇中、印象的な言葉がいくつか語られますが、最も印象に残ったのは4章で勤務先のオーナーが茜に語る言葉です

「よく、人生は一度しかないから思いっきり生きよう、って言うじゃない 私はあれ、なかなか怖いことだと思うのよね。一度しかないって考えたら、思いっきりなんてやれないわよ 私はね、人生は何度でもあるって、そう思うの。どこからでも、どんなふうにでも、新しく始めることができるって。そっちの考え方の方が好き ただ、人生は何度でもあるけど、それを経験できるこの体はひとつしかないのね だから、なるべく長持ちさせなきゃ

要は、「人生は気持ちの持ち方一つ」ということでしょうか

読後感の良い小説です 広くお薦めします

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「都民芸術フェスティバル オーケストラ & 室内楽シリーズ」ラインナップ発表 / 「モーツアルト・シンガーズ・ジャパン」のチケットを取る ~ 「ツァイーデ」「騙された花婿」「カイロの鵞鳥」

2024年10月27日 00時03分05秒 | 日記

27日(日)。昨日、マンションの理事会が開かれたので出席しました いつもは豊島区の施設を借りてますが、現在マンションの大規模修繕工事が行われており、工事事務所が1階の一角に設置されていることから、そこが会場になりました。近くて便利です 会議では管理会社から大規模修繕工事の進捗状況の説明があり(予定通り進んでいる)、消防放送設備不具合の修繕工事も同時並行して進めていくことを確認しました これで積立金を使い果たすので、次は管理費・修繕積立金の値上げの検討に入ることになります 本音としては値上げは避けたいのですが、大地震などの突発事故が起こった時に修繕のお金がない状況は避けたいし、その時に一時金を徴取するのも嫌だし、値上げは仕方ないと思っています

         

24日付の朝日新聞朝刊「オピニオン欄」に、芥川賞受賞作「ポストスライムの舟」でお馴染みの小説家・津村記久子さんが、衆議院議員選挙を見据えたインタビューに答え、概要 次のように述べています

「(私は)投票は『あなたの1票が社会を変えます』みたいな前向きな姿勢ではなく、『それをやらないといいようにされるから』という自衛として向かうものになっています 多くの『普通の人』は、生きていくのに必死で、普段から政治や選挙のことを考える余裕なんてありません でも、『だから行かない』だと、『政治に熱心な人』が推す政治家ばかりになってしまいます 『給料が安い』とか、『コメがない』とか、『生きているのに必死』だからこそできる意思表示があるはずです 『行っても変わらない』から脱却し、『ノー』を付きつけに行きましょう

今日は投票日です いま日本は重大な局面にあります。しっかりと意思表示をしましょう

ということで、わが家に来てから今日で3575日目を迎え、米起業家のイーロン・マスク氏が11月の米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領を後押ししているが、トランプ氏と組んで規制緩和を進めるのが狙いで、政権入りも視野に入れている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     自分のことしか考えていないトランプとマスクが組めば 米国の私物化が進むだけだ

         

来年2月23日(日)14時から銀座の王子ホールで開かれる「モーツアルト・シンガーズ・ジャパン」の第6回コンサートのチケットを取りました                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                           プログラムはモーツアルトのオペラ ①「ツァイーデ K.344」、②「騙された花婿 K.430」、③「カイロの鵞鳥 K.422」からアリア、重唱です 出演は種谷典子(ソプラノ)、望月哲也(テノール)、宮本益光(バリトン)、近藤圭(同)ほかで、ピアノ伴奏は高田恵子です この3曲は滅多に聴く機会がないレアなオペラなのでモーツアルト好きには貴重なチャンスです

     

         

「2025都民芸術フェスティバル オーケストラ・シリーズ & 室内楽シリーズ」のラインナップが発表されました 「オーケストラ・シリーズ」には8団体が、「室内楽シリーズ」には3組が出演します 「オーケストラ・シリーズ」は昨年まで池袋の東京芸術劇場コンサートホールを会場に開催してきましたが、全館改修工事のため休館となることから、錦糸町のすみだトリフォニーホールが会場となるので注意が必要です

     

Ⅰ「オーケストラ・シリーズ」は以下の8公演です

     

     

このシリーズの大きな特徴は、①各オケとも名曲路線、②低料金(A席:4000円、B席3000円、C席2000円)、③普段聴く機会のない指揮者やソリストが登場することです たとえば、1月20日に東響を振る喜古恵理香、同21日に日本フィルを振る高橋直史、2月26日に新日本フィルを振る川本貢司は、いずれも初めて聞く名前です 本公演は 今まで聴いたことのない指揮者を知る良い機会です

本当は全8公演セット券(28,000円)を取りたいのですが、手帳のスケジュールを見ると、1月20日、同21日、2月14日、同26日の4日間はすでに在京オケの定期演奏会等の予定が入っていて聴けません したがって、チケットを取るのは1月28日(火)19時の読売日響、2月18日(火)14時の都響、同20日(木)19時の東京シティ・フィル、3月11日(火)19時のN響の4公演のみとなります ただ、N響についてはソリストが人気の金子三勇士ということもあり、セット券段階でソルド・アウトになる可能性が高いと思います

なお、セット券は11月5日(火)、1回券は11月13日(水)の発売開始となります

Ⅱ 室内楽シリーズ(東京文化会館小ホール)は以下の3公演です

     

1月14日の「ブラス・クインテット」と2月13日の「クロマティック・ハーモニカ & ギター」は新機軸だと思います 両方とも面白そうなので聴きたいのですが、双方ともコンサートの予定が入っています したがって、チケットを取るのは3月5日(水)19時の「チェロ & ピアノ」公演のみとなります チケット代は一般3000円、学生2000円で、11月13日の発売です

     

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上岡敏之 ✕ 新日本フィルでモーツアルト「交響曲第39番、第40番、第41番」を聴く ~ 「第26回すみだクラシックへの扉シリーズ」

2024年10月26日 00時01分47秒 | 日記

26日(土)。わが家に来てから今日で3574日目を迎え、ロシアのプーチン大統領は24日、ロシア国内にいる北朝鮮兵を撮影したとされる衛星写真について「映像があるなら、何かを反映している」と述べ北朝鮮兵の存在を否定しなかった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     戦争で死傷者が増える中 北朝鮮に頼らざるを得ないロシアは土地が広いだけの大国

         

昨日、夕食に「鶏のガーリックチーズ煮・スパゲティ添え」と「生野菜とモッツァレラチーズのサラダ」を作りました   ガリチー煮は久しぶりに作りましたが、美味しかったです   1週間に1度くらいビールも良いでしょう  と勝手に宣言して サッポロCLASSICです

     

         

昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィル「第26回 すみだクラシックへの扉」公演を聴きました プログラムはモーツアルト①交響曲第39番 変ホ長調 K.543、②交響曲第40番 ト短調 K.550,③交響曲第41番 ハ長調 K.551 ”ジュピター”です  指揮は上岡敏之です

「扉シリーズ」を聴く日は、午前11時から開かれる小室敬幸氏のレクチャーを聴講していますが、この日のテーマは「モーツアルトの最高傑作、何が凄いのかを徹底解明!」でした 小室氏は、モーツアルトの「交響曲第25番 ト短調」はヨハン・クリスティアン・バッハの「交響曲 ト短調」(1770年)の影響をもろに受けていると解説しました さらに、モーツアルトの「交響曲第39番 」「交響曲第40番 」「交響曲第41番 」の3曲はフランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)とミヒャエル・ハイドン(1737-1806)兄弟の作品の影響を受けていると、以下のように説明しました    ※( )内の年は作曲年。

モーツアルト(1788年)   第39番:変ホ長調(♭✕3)、第40番:ト短調(♭✕2)、第41番(ハ長調)

F.J.  ハイドン (1785~86年)   第84番:変ホ長調(♭✕3)、第83番:ト短調(♭✕2)、第82番(ハ長調)

M.  ハイドン (1784年)   第27番:変ロ長調(♭✕2)、第29番:ニ短調(♭✕1)、第28番(ハ長調)

私はフランツ・ヨーゼフ・ハイドンの交響曲との類似性については知っていましたが、弟のミヒャエル・ハイドンの作品との類似性については初めて知りました やはりレクチャーは聴いてみるものです 残念ながらこの日のレクチャーでは、時間の関係でハイドン兄弟の交響曲の演奏は聴けませんでした いつか自分の耳で確かめたいと思います

     

さて、本番です 上岡人気か「満員御礼」の掲示が出ています

オケは12型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの新日本フィルの並び コンマスは崔文洙、隣は伝田正秀というダブル・トップ態勢を敷きます

本公演を録音するのか、弦楽各セクションの前には計4本のマイクが林立しています

1曲目はモーツアルト「交響曲第39番 変ホ長調 K.543」です この曲は1788年6月26日に完成しました 第1楽章「アダージョ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「メヌエット:アレグレット」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります

チューニングに入りましたが、クラリネットが音頭を取っています あれ?と思ってプログラム解説の「楽器編成」を見ると、オーボエの記載がありません これほど有名な曲なのに、私の頭の中は「三大交響曲」の楽器編成がごちゃごちゃになっています あらためて「楽器編成」を見ると、第39番=オーボエなし、クラリネットあり、第40番=オーボエあり、クラリネットなし、第41番=オーボエあり、クラリネットなし、となっていました ただ、第40番に関してはクラリネットありの版が存在すると記憶しています

上岡の指揮で第1楽章に入りますが、かなりゆったりしたテンポで悠々と音楽が流れます 上岡は時にコントラバスを強調してゴリゴリ弾かせたり、ティンパニの強打を印象付けたりします 第2楽章は一転、流麗な音楽が奏でられます 第3楽章は比較的速いテンポで演奏が進みますが、私の興味は終盤のトリオです 上岡はテンポを上げも下げもせず中庸のテンポを維持し軽快に音楽を進めます カール・ベームのゆったりしたテンポが懐かしい 第4楽章では時にトランペットやホルンを強調してアクセントを付けて演奏を進めます フィナーレは快速テンポで駆け抜けました

2曲目は「交響曲第40番 ト短調 K.550」です この曲は1788年7月25日に完成しました 第1楽章「モルト・アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「メヌエット:アレグレット」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・アッサイ」の4楽章から成ります

上岡の指揮で第1楽章が哀しみを帯びたデモーニッシュな演奏で開始されます 途中で気が付いたのですが、上岡はこの楽章だけタクトを持たず、両手で音を紡ぎ出すように指揮をしました 彼にとってこの楽章は特別な意味があるのでしょう とても印象的な出来事でした 穏やかな第2楽章を経て、第3楽章に入るとフルートの野津雄太、オーボエの岡北斗の演奏が冴え渡り、ホルンの日高剛の演奏が素晴らしい 第4楽章に入ると再びデモーニッシュな演奏が繰り広げられ、小舟が滝つぼになだれ落ちていくような激しいフィナーレを迎えました

     

プログラム後半は「交響曲第41番 ハ長調 K.551 ”ジュピター”」です この曲は1788年8月10日に完成しました 第1楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」、第3楽章「メヌエット:アレグレット」、第4楽章「フィナーレ:モルト・アレグロ」の4楽章から成ります

上岡の指揮で第1楽章が開始されます 硬いマレットで打ち込まれるティンパ二の演奏が心地よく響きます オーボエとフルートがよく歌います 第2楽章では時にコントラバスを強調します 心地良い第3楽章のメヌエットを経て、第4楽章は何と言ってもフーガが素晴らしい とくに6つのモティーフが徐々に折り重なっていくフィナーレの5声部のフーガは、モーツアルトの天才性を端的に表しています 上岡は新日本フィルの面々から躍動感あふれる演奏を引き出し、モーツアルトの最高傑作とも言われる「ジュピター・シンフォニー」を堂々たる響きで歌い上げました

私はコンサートを聴く際、指揮者の動きに注目するとともに、演奏する楽団員の様子もよく見ながら聴くようにしていますが、上岡敏之に関する限り、終始 彼から目が離せません 上岡のタクトはかなり細かく、すべての楽員をタクト1本で支配している様子が窺えます 実際に多くの指揮者を見た経験からすると、指揮(タクトの振り方)で一番近いのは、在りし日のカルロス・クライバーだろうか・・・しかし、クライバーはあんなに細かく指示を出してなかったから、やはり上岡流は唯一無二の指揮法なのかもしれない、と思います

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されました

     

     

     

     

開演前に登原さんとお話しましたが、チケットボックス部に異動して半年余りと経験が浅いこともあり、まだ仕事にすっかり慣れるまでには至っていないと語っていました 仕事は逃げないので、自分のペースを守って、できるだけ早く慣れるように頑張ってほしいと思います

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マーティン・ブラビンズ ✕ アンネリエン・ファン・ヴァウヴェ ✕ 東京都交響楽団でフィンジ「クラリネット協奏曲」、V.ウィリアムズ「交響曲第9番」他を聴く

2024年10月25日 00時08分59秒 | 日記

25日(金)。昨日の朝日新聞朝刊に「ブドウの王様  巨峰から交代? シャインマスカット作付面積首位の勢い」という見出しの記事が載っていました🍇 農林水産省の調査によるとシャインマスカットの作付面積は2021年に2346ヘクタールと、5年間で倍増したのに対し、巨峰は2528ヘクタールと同じ期間で4割ほど落ち込み、22年の統計がまとまれば、シャインマスカットが王座を奪うとの見方も強いとのことです たしかに1年間に1度の割合で食べるシャインマスカットは美味しいですが、とにかく高い さらに、人工知能の普及・高度化によって仕事が奪われる恐れのある業種で働く人たちにとっては、名前のイメージが良くないようです 従業員の大量解雇を連想させるからです 社員マス・カット

というわけで、わが家に来てから今日で3573日目を迎え、共和党のトランプ前大統領について、トランプ前政権で首席補佐官を務めたジョン・ケリー氏が「トランプは憲法も法の支配の概念も理解していない」と評し、「ファシストの定義に当てはまる。ヒトラーを称賛していた」と述べた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     トランプがヒトラーならプーチンはスターリンか 独裁者は独裁者を礼賛するようだ

         

昨日、夕食に「豚の生姜焼き」「生野菜とアボカドとチーズのサラダ」「シメジの味噌汁」を作りました 生姜焼きは「豚ロース生姜焼き用」と書かれている肉を買いましたが、厚みがあって固くなりがちなので、次回からは今まで通り「豚ロース薄切り」に戻そうと思います

     

         

昨夜、サントリーホールで東京都交響楽団「第1010回 定期演奏会Bシリーズ」を聴きました プログラムは①エルガー:序曲「南国にて”アラッシオ”」作品50,②フィンジ「クラリネット協奏曲 ハ短調 作品31」、③ヴォーン・ウィリアムズ「交響曲第9番 ホ短調」です 演奏は②のクラリネット独奏=アンネリエン・ファン・ヴァウヴェ、指揮=マーティン・ブラビンズです

マーティン・ブラビンズはイングリッシュ・ナショナル・オペラ音楽監督などを歴任。2025/26シーズンからスウェーデンのマルメ交響楽団の首席指揮者に就任予定。現在、英国王立音楽大学客演教授などを務める

     

オケは16型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの都響の並び。コンマスは水谷晃です

1曲目はエルガー:序曲「南国にて”アラッシオ”」作品50です この曲はエドワード・エルガー(1857-1934)が1903年末から04年初めにかけて妻子とともに滞在した地中海沿いの北イタリアの街アラッシオの印象をもとに1904年1月に作曲、同年3月16日にロンドンでエルガー自身の指揮により初演されました

「序曲」とは名ばかりで、演奏時間にして約22分、北イタリアの街アラッシオを主役とする実質的な”交響詩”とでも言える作品です

ブラビンズの指揮で演奏に入りますが、冒頭の弦楽器を中心とする豊潤な音の響きが、太陽の光を浴びる南国イタリアの街を活写しているようで、ワクワクした気分になります 後半のヴィオラ首席・篠崎友美の哀愁を帯びた演奏が素晴らしい こういうところにメロディーメーカーとしてのエルガーを感じます 素晴らしい曲、素晴らしい演奏でした

2曲目はフィンジ「クラリネット協奏曲 ハ短調 作品31」です この曲はジェラルド・フィンジ(1901-1956)がBBC交響楽団の首席クラリネット奏者フレデリック・サーストンのアドヴァイスを得ながら1948年から49年にかけて作曲、1949年9月9日にエルガー自身の指揮、サーストンの独奏により初演されました 第1楽章「アレグロ・ヴィゴローソ」、第2楽章「アダージョ・マ・センツァ・リゴーレ」、第3楽章「ロンド:アレグロ・ジョコーソ」の3楽章から成ります

クラリネット独奏のアンネリエン・ファン・ヴァウヴェはベルギー生まれ。リューベック音楽大学でザビーネ・マイヤーに学ぶ 2012年にミュンヘン国際コンクール第2位入賞 ヨーロッパ各国のオーケストラと共演を重ねる傍ら、アントワープ王立音楽院のクラリネット主任を務めるなど後進の指導にも当たっている

管・打楽器が退場し10型に縮小した弦楽セクションが残ります

ヴァウヴェが赤のキラキラ光る、クリスマスにはまだ早いんだけどなあ、という衣装で登場 ブラビンズの指揮で演奏に入ります ヴァウヴェは高音から低音までクラリネットの特性を生かした演奏を繰り広げます とくに第3楽章は親しみやすいメロディーが軽快に演奏されたので印象に残りました

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、ヴァウヴェはカイヤ・サーリアホ「DUFT」より第2楽章を超絶技巧を駆使して演奏、聴衆を黙らせました

     

プログラム後半はヴォーン・ウィリアムズ「交響曲第9番 ホ短調」です この曲はレイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)がロイヤル・フィルハーモニック協会からの委嘱により晩年の1957に作曲、1958年4月2日にロンドンで初演された最後の交響曲です 第1楽章「モデラート・マエストーソ」、第2楽章「アンダンテ・ソステヌート」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ・ぺザンテ」、第4楽章「アンダンテ・トランクイロ」の4楽章から成ります

管・打楽器が加わり、弦楽セクションは16型のフル・オーケストラ態勢に戻ります ステージ下手にはハープが2台スタンバイします

本公演を聴くにあたり、サー・エードリアン・ボールトの指揮によるCDで予習しておきました その時から感じていたのは、この曲の「暗いドラマ性」です 等松春夫氏は「プログラム・ノート」に次のように書いています

「最終形態は標題のない『絶対音楽』になったが、作曲段階ではトマス・ハーディの小説『ダーヴァヴィル家のテス』(1891年)が強く意識されていた ハーディ作品の多くはイングランド南西部の荒涼とした風景をモデルにした架空の地方「ウェセックス」を舞台にしている。小説の主人公テスは貧しい農村の少女。一時は幸福をつかみかけるが、苛酷な運命に翻弄された末に短い生涯を終える

第1楽章冒頭の重心の低い音楽から「何か悲劇が起こるのではないか」という雰囲気が漂います まさに、テスという少女の不幸な運命を表しているかのようです この空気感は楽章を通して漂っています 第2楽章に移ってもその傾向は変わりません 第3楽章に入って初めて曲想がガラッと変わり、諧謔的な音楽が繰り広げられます どこかとぼけた味は「空耳アワー」風に言うと、デュカス「魔法使いの弟子」の音楽のように聴こえます 第4楽章に入ると、第3楽章までの主題が登場し、大きなクライマックスを経て、最後は静かに終結します これは苦しみからの解放を表しているのだろうか

しばしのしじまの後、ブラビンズのタクトが下ろされると、満場の拍手とブラボーの嵐がステージ上のブラビンズと渾身の演奏を展開した都響の面々に押し寄せました

ブラビンズは2009年に都響に初登場してから、今回が6度目の共演とのことですが、また呼びたくなる気持ちが良く分かります 素晴らしい指揮者だと思います

     

     

     

     

         

今日は新日本フィル「すみだクラシックへの扉」シリーズで、上岡敏之指揮によるモーツアルト「三大交響曲」を聴きます

     

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本間ひろむ「日本の指揮者とオーケストラ」、三宅香帆「ずっと幸せなら 本なんて読まなかった」、柚月裕子「ミカエルの鼓動」、中山七里「境界線」他を買う

2024年10月24日 00時01分03秒 | 日記

24日(木)。最近、トイレのウォシュレットが、使用していない時に勝手にノズルが出てきて水をピューッと放出し 床を水浸しにするようになったので、「あらあら、トトのおじいちゃん、粗相しちゃって、もうそんなお歳ですか~ しょうがないですねえ」とか言ってる場合じゃないので、TOTOの修理部門に電話して昨日午前 修理に来てもらいました 念のためバス・トイレのリフォーム時の保証書を確認したら ちょうど10年経過していることが分かりました まだ5年くらいしか経っていないと思っていたので、あらためて月日の流れの速さを感じました 修理担当者によると、流量調整弁ユニット、ノズルユニット、ポンプユニットを交換し、ウォシュレット本体の清掃をして、出張作業費・税込みで30,415円とのことでした。最近物忘れが激しいので、さっそく銀行振り込みで支払いを済ませておきました お陰さまでトトのおじいちゃんは粗相をすることもなくなり、快適トイレ・ライフに戻りました

話は変わりますが、10月1日からマンションの大規模修繕工事に入っています すでに建物全体に足場が組まれ、今月上旬には窓の外でアジア系と思われる作業員の声が飛び交っていました 建設業界は人手不足と聞いていましたが、こういう風景を見ると身近に感じます 大規模修繕工事に際して住民がやるべきことは、その都度メールボックスに届けられる「お知らせ文書」に書かれています 上旬には「バルコニー内の片づけについて」が入っていたので、娘の人工芝や水入りペットボトル(非常時用の水道水)6本やプランターなどを家の中に取り込んでおきました また、「サッシ(窓)廻りの工事に伴う網戸取り外しのお願い」が入っていたので、昨日、仕事休みの娘と一緒にドライバーでビスを緩め、大小5本の網戸を外して家の中に取り込みました 適当な保管場所がないので横にして廊下に立てかけておきました 狭苦しいですが、全体の修繕工事が終わる来年1月末までの辛抱です

ということで、わが家に来てから今日で3572日目を迎え、北朝鮮当局は7月下旬に中国との国境を接する慈江道などで発生した大規模な洪水から避難した住民のなかで、自宅に飾ってあった金日成氏や金正日氏の肖像画や朝鮮労働党の党員証を持ち出せなかった人々に対し、給料の減給や地方へ移転させるなどの処分を下していることが明らかになった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     金正恩王朝の存続が国民の生活に優先するから 北朝鮮に生まれた時点で人生終わり

         

昨日、夕食に「真鯛のアクアパッツァ」「生野菜とチーズのサラダ」「豚汁」を作りました アクアパッツァは大きめのアサリを使いましたが、真鯛より高くつきました とても美味しかったので良しとします

     

         

手元の本がなくなったので、いつも通りジュンク堂書店池袋本店で8冊購入しました

1冊目は本間ひろむ著「日本の指揮者とオーケストラ」(光文社新書)です この著者の本は当ブログで「日本のピアニスト」「日本のヴァイオリニスト」をご紹介しました

     

2冊目は三宅香帆「ずっと幸せなら  本なんて読まなかった」(幻冬舎新書)です 古今の名作から、「悔しいとき」「仕事に行きたくないとき」「孤独を感じたとき」などの症状別に書籍を紹介しているようです

     

3冊目は西林克彦著「わかったつもり 読解力がつかない本当の原因」(光文社新書)です 普段から本を読んでいて、分かったつもりでいても本当は分かっていないことが多々あります そんな時の対処法が紹介されているようです

     

4冊目は柚月裕子著「ミカエルの鼓動」(文春文庫)です この著者の本は文庫化されたものはすべて当ブログでご紹介しましたが、本書は文庫最新版です

     

5冊目は中山七里著「境界線」(宝島社文庫)です 当ブログでお馴染みの「中山七里は七人いる」と言われる多作家の最新文庫本です

     

6冊目は青山美智子著「赤と青のエスキース」(PHP文芸文庫)です この著者の作品は「月曜日の抹茶カフェ」「お探し物は図書室まで」などをご紹介してきました

     

7冊目は井上ひさし著「ふかいことをおもしろく」(PHP文庫)です 屈指の名文家によるエッセイ集です

     

8冊目は赤松利市著「下級国民A」(幻冬舎文庫)です 東日本大震災からの復興ビジネスに従事してきた著者の過酷な労働実態が書かれているようです

     

いずれも読み終わり次第、当ブログでご紹介して参ります

         

今日は東京都交響楽団「第1010回定期演奏会Bシリーズ」を聴きに行きます ヴォーン・ウィリアムズの「交響曲第9番」はサー・エードリアン・ボールトのCDで予習済みです

     

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佐藤正午著「つまらないものですが。~ エッセイ・コレクションⅢ 1996-2015」を読む ~ 小説執筆中に聴く音楽の話、文章を書くうえで大切なずうずうしさなど

2024年10月23日 00時03分13秒 | 日記

23日(水)。わが家に来てから今日で3571日目を迎え、米大統領選の共和党候補のトランプ前大統領が20日、激戦州のひとつペンシルベニア州のマクドナルドで従業員のように働く姿を報道陣に公開し「私はカマラ(ハリス)より、15分長く働いた」と語り、庶民的なイメージを広げようと躍起になる姿を見せた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     トランプはホワイトハウス行きより ホワイト案件の闇バイトで刑務所行きが似合う

         

昨日、夕食に「エノキダケの豚バラ巻き」「生野菜とアボカドとチーズのサラダ」「大根の味噌汁」を作りました 「エノキダケ~」は先日「アスパラ巻き」のついでに作ったら美味しかったので、今回はエノキダケだけで作ってみました 早い話が肉で野菜を巻いて焼けば良いということで、応用が利きます

     

         

佐藤正午著「つまらないものですが。~ エッセイ・コレクションⅢ  1996-2015」(岩波現代文庫)を読み終わりました 佐藤正午は1955年8月25日、長崎県佐世保市生まれ。北海道大学文学部中退。1983年「永遠の1/2」で第7回すばる文学賞を受賞 2015年「鳩の撃退法」で第6回山田風太郎賞を、17年「月の満ち欠け」で第157回直木賞を受賞。「身の上話」「Y」「彼女について知ることのすべて」など著書多数

     

本書は「かなりいいかげんな略歴~エッセイ・コレクションⅠ」、「佐世保で考えたこと~エッセイ・コレクションⅡ」に次ぐ第3弾です。「Y」から「鳩の撃退法」まで数々の傑作小説を著した壮年期の、軽妙洒脱なエッセイが収録されています また、本書には文庫初収録のエッセイ・書評14篇も収められています

本書を読んであらためて認識したのは、佐藤正午と音楽の関係です

1996年7月の「毎日が同じ朝に」というエッセイで、彼は次のように書いています

「いまから3年前と2年前の都合およそ2年間、僕は毎朝バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番と第2番を聴いていた そしてそれを聴き終わるとすぐさま長編小説の続きにとりかかった

そうなんだ と思ってCDを聴いてみました 「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番 BWV1002」はシャンドール・ヴェーグのヴァイオリンです

     

次に「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 ロ短調 BWV1004」をヒラリー・ハーンのヴァイオリン(デビュー・アルバム)で聴いてみました この曲の第5楽章「シャコンヌ」は単独で演奏されることも少なくありません

     

佐藤正午が誰の演奏で聴いていたのかは分かりませんが、実際にCDで聴いてみて、なるほど小説執筆のBGMとしてバッハは良いかもしれないと思いました

これに関連して彼は、2004年7月の「エアロスミス効果」とエッセイで次のように書いています

「一つの長編小説を書いているあいだ、1日の例外もなく、半年でも1年でも延々と繰り返す つまり毎朝1枚のCDを聴き続け、聴きたおし、聴きつぶす それが小説家としての僕の長年の習慣である。習慣というか、まあ生活の知恵みたいなものである ベルが鳴ると餌を期待して涎をながす犬のように、条件反射的に、そのアルバムがかかるといま取り組んでいる長編小説のことを考える。もっと言えば無性に続きが書きたくなる。そんな状態に自分を持ってゆく。そうやってほぼ20年、小説を書いてきた たとえば、むかし『放蕩記』という小説を書いたときにはシンディー・ローパーのアルバムを聴いた♫ 『彼女のことを知ることのすべて』という小説を書いたときはバッハ♬ で、『取り扱い注意』という小説を書いたときにはユニコーンの『服部』だった  で、エアロスミスは、『Y』という小説を書いているあいだ毎日聴き続けた

残念ながら、私はシンディー・ローパーもユニコーンも聴いたことがないので、彼がどんな内容の音楽を聴きながら小説を書いていたのか分かりません しかし、佐藤正午にとって音楽は小説を執筆するうえで なくてはならないアイテムであることが良く分かります

文章を書くことについて、佐藤正午は2001年10月の「文章の巧拙」というエッセイで次のように書いています

「20年近くこういう仕事をしてきた人間として過去を振り返って言わせてもらえれば、文章を書くうえで、ずうずうしさは大切な気がする ある程度、ではない。ある意味、でもない。文章を書き出すときの心構えとして、ずうずうしさは欠かせない条件だと思う (中略) 言葉と言葉をつなげて文章を書くこと、文と文をつなげて文章を書くことは、たとえばシャツの色柄に合わせて上着を選ぶこと、さらにスカートやズボンや靴下や靴、帽子や髪型や髪の色や眼鏡を合わせて全体としてスタイルの統一をはかることに似通ている (中略) たとえばこの1行をここに残すか削るか、この読点をここに打つか打たないか、試しに削ってみたりまた書き足してみたりしながら机の前で考えることは、この服にこのベルトをしめると印象がどう変わるか、胸もとにブローチをつけるのとつけないのとではどうか、実際につけてみたりはずしてみたりしながら鏡の前で考えることに似ている (中略) 世間で名文と言われるもの、有難がられているものにいったいどれほどの値打ちがあるのか? 結局のところ、人は個人個人の趣味やセンスで、自分の書いた文章にも評価を(下したければ)下すしかない

上記の文中にある「たとえばこの1行をここに残すか削るか、この読点をここに打つか打たないか、試しに削ってみたりまた書き足してみたりしながら机の前で考える」ことは、自分もブログを書く上で普段からやっていることなので、よく理解できます この「推敲」という作業は小説家をはじめ文章を書くことを職業とする人たちの本来業務といっても良いルーティンですが、SNSで情報を発信するアマチュアの書き手についても共通する仕事です 読み続けてもらうには、センスを磨くしかないようです

佐藤正午ファンに限らず、文章を書くことに興味のある方にもお薦めします

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MINAMIさん ⇒ 2025年秋からベルリン・フィル第1ヴァイオリン奏者に / 文京シビック「響きの森クラシック・シリーズ 2025-2026シーズン セット券」案内届く

2024年10月22日 00時11分23秒 | 日記

22日(火)。(株)アスペンによると、同社所属のMINAMI(吉田南)さんが、オーディションに合格し、来シーズン(2025年秋)よりベルリン・フィルの第1ヴァイオリン奏者としてトライアルを開始することになった。引き続き国内外でのソロや室内楽の活動も行うーとしています   MINAMIさんおめでとうございます ますますのご活躍をお祈りしています

     

ということで、わが家に来てから今日で3570日目を迎え、来月の米大統領選で、起業家イーロン・マスク氏が19日、自身が設立した共和党のトランプ前大統領を支持する団体を通じて、激戦州の有権者のうち「言論の自由と銃所持の権利」を支持する請願書に署名した者の中から毎日1人を選び100万ドル(約1億5千万円)を配ると表明した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     裏金作りの自民党も真っ青な桁違いのばら撒きだ  米国では何をやってもいいのか?

         

昨日、夕食に「ビーフカレー」を作りました わが家のビーフカレーは牛バラ肉を使いますが、とても美味しいです

     

         

東京都交響楽団から「2025年度Bシリーズ年間会員券」が届きました 4月から始まるシーズンのオケで一番早い到着です 都響は年間チケット申し込み・振り替えなどのシステムが全オケの中で一番優れていると思いますが、チケットの送付も迅速です    他のオーケストラも見習ってほしいと思います

     

         

文京シビックホールから「響きの森クラシック・シリーズ 2025-2026シーズン セット券」の案内が届きました ラインナップは以下の通りです

※開演時間はいずれも15時。会場は文京シビックホール。オーケストラは東京フィル。

1.8月2日(土)①チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」、②同「交響曲第5番」(Vn=中野りな、指揮=横山奏)

2.11月29日(土)①ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番”皇帝”」、②同「交響曲第5番”運命”」(P=小山実稚恵、指揮=小林研一郎)

3.1月17日(土)①チャイコフスキー「スラブ行進曲」、②同「ロココの主題による変奏曲」、③同「交響曲第4番」(Vc=北村陽、指揮=アンドレア・バッティストーニ)

4.3月7日(土)①チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」、②サン=サーンス「序奏とロンド・カプリチオーソ」ほか(P=谷昴登、Vn=前橋汀子、指揮=角田鋼亮)

     

ラインナップは魅力的でセット券もS席で19,000円(1回当たり4,750円)と良心的なのですが、大きな欠点は「先行販売」の時点では席種(S・A・B)の希望しか出せず、座席指定ができないことです    主催者側は「抽選で決定する」としていますが、申込者がくじを引くわけではなく、主催者が勝手に席を決めるわけです コロナ前は指定出来たので、前年の席を継続していたのですが、今はそれが出来ません  現在の席は先行販売で取ったのですが、「抽選」で指定されたのは通路から一番奥に入った席で大いに不満です 座席を指定したい場合は「一般発売」(12月21日)まで待たなければなりませんが、その頃は良い席はほとんど残っていないと思われます 「一般発売」で座席指定できるのなら、なぜ「先行販売」で座席指定できないのか どうして、こういう主催者第一・聴衆無視のシステムに変更してしまったのか憤りを感じますが、今さらどうしようもありません ここは運を天に任せて「先行販売」の「抽選」で通路側席が取れることを祈るしかないかな、と諦めています

         

昨日の日本経済新聞朝刊に「久石譲さん抱負『古典を再創造』 ~ 交響楽団の音楽監督に」という見出しの記事が載っていました   記事の概要は以下の通りです

「スタジオジブリの映画音楽などを手掛けた作曲家・指揮者の久石譲さんが20日、21年から首席客演指揮者を務めている日本センチュリー交響楽団(大阪市豊中市)の音楽監督就任に向けて同市で記者会見した    久石さんは「クラシックのコンサートは古典作品ばかりになりがちだが、現代作品も取り上げる 古典をリクリエイト(再創造)するような楽団にしたい」と抱負を述べた 任期は2025年4月から3年間

久石氏は現在、新日本フィルのミュージック・パートナーと新日本フィルワールド・ドリーム・オーケストラの音楽監督を務めているので、兼任ということになりますね

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