人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

今年の半期中間決算~コンサート・映画・読書

2011年06月30日 06時57分33秒 | 日記
30日(木)。今日で2011年も、はや半年が過ぎました。月日の経つのは本当に速いものです このブログの自己紹介欄で宣言しているとおり、私の年間目標は①コンサートに100回行く②映画を100本観る③本を100冊読む、の3本柱です。

この半年の中間決算をやってみました.本日現在の実績は次のとおりです。
①コンサート59回=1か月当たり10回行ったことになります。このうち9回がオペラ公演でした。6か月を100%とした達成率は118%でした。この間、東日本大震災の影響でコンサートの中止・延期が相次ぎました。そのあおりで払い戻ししたチケットは25公演を超えました。それにもめげずチケットを買いまくり、せっせとコンサートに通ったのが功を奏したようです
②映画24本=1か月当たり4本のペースで観たことになりますが、達成率は48%に止まりました 観たい映画が少なかったのも理由かもしれません
③本42冊=1か月当たり7冊読んだことになります。達成率84%で、もう一歩といったところです 本はジャンルを問わず、1階のジュンク堂や神保町の三省堂で衝動的に買ったものがほとんどですが、内外の推理小説が多いように思います

後半の半年間に向けては、①コンサートはこのペースを守る、②映画は大幅にペースを上げる、③本は少しペースを上げる、ことを考えています

ところで,今度の日曜日にモーツアルトの「ハフナー・セレナードK250」を聴きに行くので今,予習をしています.ネビル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団による1984年の録音です.最初の楽章は「アレグロ」なのに,出だしが歩くようなゆったりペース.大丈夫かな?・・・・と思っていると,そのうちペースを上げていきモーツアルトのアレグロになりました.もたもたしたモーツアルトは聴きたくありません.モーツアルトの「セレナード」や「ディベルティメント」は,華やかで,時に哀しくて,最高です そうそう,モーツアルトが生きていた18世紀後半の貴族社会で,夕方に屋外で演奏されていたのが「セレナード」,主に室内で演奏されていたのが「ディベルティメント」でした 当時,音楽は庶民のものではありませんでした.21世紀の今,いつでも,どこでも,だれでも,モーツアルトの音楽を聴けるのは幸せなことです

  

 
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「音楽展望」再び~久々に音楽のことを書いた吉田秀和

2011年06月29日 06時50分54秒 | 日記
29日(水).きのうの朝日「音楽展望」に吉田秀和氏が久しぶりに音楽のことを書いていました.題して「フェリシティ・ロットの歌声~英国人のたまもの」.

「芸術家,文学者の場合,同じ大家といっても,広く大勢の人々に心から親しまれ,愛される人と,愛よりは尊敬の対象となる傾きの強い人がある.ロットは前者ではないか.彼女と,支えている聴衆のことを考えているうち,初めてロンドンに行ったときに出会った「英国人の知恵」を思い出した.LPレコード・プレーヤーを求めて店に行った時,店員が最新式プレーヤーの長所を説明してくれたが,「この機械は最も新しく,素晴らしい機能を持っている.しかし,最新のものは進歩した半面,どこか不具合になったことろができたかどうかはまだ誰もよく知らないものだ.だから私はこれをあまりお勧めしない.どうしても今ほしいというのなら,むしろこちらをお薦めする」と別のものを薦め,「少し待ってくれるなら,何年かして,今よりはよくわかったとなったら,お知らせしてもいいです」と言った.

その時に彼は「これが有名なイギリスの保守精神の実例か」と思ったそうです.そして,店員の言うとおり,最新最高の機械でなく,その一つ手前の機械を買うことにしたとのこと.

「ロットはこういう公衆に愛されてきた人である」として,「私はあの時,最新最良性能のものが最も望ましいものと受け取る習慣からは抜け出す手がかりを持ったと思っている」と語っています.

「このことは機械に限らない」と彼は言いたいのでしょう.「新人が出てきた」と飛びついて大騒ぎするのでなく,よく見極め,聴き分けて,本物を見抜くことが大切だ,ということでしょう.それを自分はイギリスでの経験で学んだのだと.

残念ながら私はフェリシティ・ロットを聴いたことがありません.CDも持っていないので彼女についてコメントすることはできません.かつて,カルロス・クライバーがウイーン国立歌劇場を引き連れて日本にやってきた時に,リヒャルト・シュトラウスのオペラ「ばらの騎士」で元帥夫人を歌った彼女の歌声を聴きたかったと,今になってつくづく思います.

難だ菅だ(?)言っても吉田秀和氏はタダ者ではありません.だからこそ,彼には「音楽展望」ではやっぱり音楽のことを書いてほしいと思います

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シンプル・オペラでベッリーニ「ノルマ」を観る~紀尾井ホール

2011年06月28日 06時36分29秒 | 日記
28日(火).夕べ紀尾井ホールで音楽工房主催の”シンプル形式”によるオペラ・ベッリーニ「ノルマ」を観ました.”シンプル形式”というのは伴奏も合唱も少人数で,舞台装置や衣装も簡潔に押さえて低料金でオペラを楽しんでもらおうとする試みです.ちなみにオーケストラはバイオリン2,ビオラ1,チェロ1,コントラバス1,フルート1,ピアノ1の合計7人の編成です.舞台の右サイドにこの7人が陣取って演奏し,中央と左サイドに歌手や合唱が登場して歌うというスタイルです 木管楽器から唯一フルートが加わっていますが,フルートを外すとこのオペラは成り立たなくなるほど重要な位置を占めていることがよくわかります.時に歌を支え,時に雄弁に語ります

午後6時半開演と始まるのが早く,しかもA席とB席の区分しかなく,つまりその範囲内で自由席,ということは,早く会場に行かないと良い席が取れないということで,サラリーマンには厳しい条件でした.開演15分前に着きましたが,B席は2階の左右のバルコニー席のみで,1列目はすでに埋まっていました.しかたなく,左サイドの2列目角の席を取りましたが,これが失敗でした.この席からはオーケストラはよく見えるのですが,肝心の歌手がまったく見えません.歌声は確かに聞こえるのですが,どこでどういう表情で歌っているのさっぱりかわかりません.そのせいか,歌が心に響いてこないのです.ただ空しく声が通り過ぎていくといった感じです

これではいけないと思って,休憩後の第2幕は反対側右サイドの2列目に移りました.今度は歌手がよく見えます どういう表情でどういう仕草で歌っているのか目で見てわかるので,すんなりと歌が心に響いてきました つくづくオペラは観て聴いて楽しむものだと思いました.

タイトルロールの「ノルマ」を歌った関定子さんは御年65歳を越えるといいますが,驚異的な歌声です しかもプロンプターがいなかったので,すべて暗譜で歌ったわけで,この年を考えると信じられない記憶力とテクニックです 日本にもこんなソプラノ歌手がいるのだとあらためて感心しました.

演奏に先立って,演出をした大島氏が曲の解説をしてくれました.「この曲は女同士の友情を歌った唯一のオペラと言ってもいいかも知れません」とコメントしていましたが,”なるほど,そのとおりだな”と感心しました.

シンプル形式もいいかも知れませんが,私はやはり,ベルディ,プッチーニ,ベッリーニなどの「グランド・オペラ」はそれなりの規模で,フル・オーケストラで聴きたいと思います



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マーラー,東川篤哉,レディ・ガガ

2011年06月27日 07時13分39秒 | 日記
27日(月).昨日は息子のアイフォンの液晶画面が壊れてしまったので,いっしょにソフトバンク大塚店に行き4にバージョン・アップしてきました.昼食をとって,私だけ神保町の三省堂に向かいました.チケットぴあで夏に向けてチケット3枚を購入しました

①アマチュア・オーケストラ「ザ・シンフォニカ」創立25周年演奏会=ワーグナー「ローエングリンから前奏曲ほか」,マーラー「第5交響曲」(7月31日.サントリーホール).これは指揮者が飯守泰次郎でマーラーを演奏するので.②これもアマ・オケのグローバル・フィル30周年記念演奏会=ウエーバー「魔弾の射手・序曲」,ヒンデミット「ウエーバーの主題による交響的変奏曲」,マーラー「大地の歌」(8月7日.すみだトリフォニーホール).これは「大地の歌」を聴きたいから.③東京都交響楽団「作曲家の肖像シリーズ・モーツアルト」=交響曲第38番「プラハ」,ファゴット協奏曲,交響曲第39番K543(9月4日.東京オペラシティ・コンサートホール).これは言うまでもなく第39番K543が入っているから.

せっかく三省堂に来たので2階の文庫本売り場へ.いま,最近”本屋大賞”を受賞した東川篤哉の「密室の鍵貸します」を読んでいますが,なかなか面白いので,同じ著者の文庫本を3冊(①密室に向かって撃て②もう誘拐なんてしない③交換殺人には向かない夜)を買ってきました.肝心の受賞作「謎解きはディナーのあとで」は文庫本になってから読もうと思っています どうもハード・カバーは苦手です.厚いし,重いし

それにしても,来日中のレディ・ガガの勢いは凄いですネ 身長が160センチもないことに驚きました.もっと大柄だと思っていたので.本業の歌手としての活動はもちろんのこと,相当な親日家のようで,被災地支援のためにいろいろな活動を展開しています すばらしいではありませんか なんと日本での好物は”立ち食いそば”ということです.”立ち食い”というところがスタンディング・オベーションものです
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清らかな女神よ~ベッリーニ「ノルマ」

2011年06月26日 11時14分59秒 | 日記
26日(日).明日,紀尾井ホールでベッリーニのオペラ「ノルマ」(演奏会形式)を聴くので,予習をしています.CDはノルマ=マリア・カラスによる2組を持っています.1組目はアダルジーザ=スティニャーニ,トリオ・セラフィン指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団による1954年の録音,もう1組はアダルジーザ=クリスタ・ルートビッヒ,同じ指揮者・オケによる1960年の録音です.いま新しい録音の方で聴いています

優れたオペラは,序曲がその曲の全体像を現しています 一番の典型はモーツアルトのオペラでしょう.「フィガロの結婚」「コジ・ファン・トウッテ」「魔笛」「ドン・ジョバンニ」・・・・どれをとっても序曲がそのオペラの性格を物語っています.この「ノルマ」も例外ではありません.5~6分の序曲ですが,このオペラの悲劇性を見事に凝縮して表現していて,序曲だけで感動を覚えます

このオペラを生で聴いたのはこれまで2回あります.1回目はソプラノのテオドシューがプラハかどこかのオペラ劇場と来日した時で,2回目は文京区の「区民オペラ」で聴きました.私はこのオペラが大好きなので,プロだろうがアマだろうが,生で聴けるのならどこにでも行って聴きたいのです ベッリーニのオペラというと「清教徒」「夢遊病の娘」がよく取り上げられるのですが,残念ながらこの「ノルマ」は滅多に上演される機会がありません.マリア・カラスなき今,是非実現してほしいのは,ノルマ・ファンティーニにこの「ノルマ」を歌って欲しいのです これは下手な洒落ではなく,彼女が一番相応しいと直感するからです

このオペラの聴きどころは,第1幕第1場のノルマのカバティーナ「清らかな女神よ」です.明日の公演で日本の大ベテラン歌手がどう歌うのか楽しみです

【上=1954年録音,下=1960年録音】
   

ところで今日はモーツアルトが「交響曲第39番K543」を完成させた日です.1788年6月26日でした.K543といえば小林秀雄のエッセー「モォツアルト」にその第4楽章の”テーマ”が紹介されています.

「今,これを書いている部屋の窓から,明け方の空に,赤く染まった雲のきれぎれが,動いているのが見える.まるで「(楽譜の紹介)」の様な形をしている,とふと思った.三十九番のシンフォニィの最後の全楽章が,このささやかな16分音符の不安定な集まりを支点とした梃子の上で奇跡のようにゆらめく様は,モォツアルトが好きな人なら誰でも知っている」

私はこの曲の第3楽章「メヌエット」が大好きで,コンサートのチラシにK543を見つけると,翌日にはチケットを買い求めて走り回ります.今日も9月初旬に都響が取り上げることがわかったので,さっそく購入しようと思います 演奏者はだれでもいいのです.

k543の「メヌエット」といえば,JR川崎駅からミューザ川崎に向かうプロムナードを歩いていると,この曲が流れてきます 今ミューザ川崎は大震災の影響で使用できないため行く機会がありませんので,いまでも流れているかどうかはわかりません.いずれにしても川崎は趣味がいい街ですね



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B.G.M~パーティー終わる

2011年06月25日 14時54分21秒 | 日記
25日(土).夕べのパーティーには100人近くのゲストが見えました.開始時刻午後7時の30分前から「愛のあいさつ」「金と銀」「時の踊り」「スケーターズ・ワルツ」「ドナウ河のさざ波」「カバレリア・ルスティカーナ間奏曲」を流しました

主催者あいさつ,乾杯と続いて懇談・食事の時間になり,さてB.G.Mの出番!とスタンバイしたところ,レストラン専属のピアニストの生演奏が始まりました ナマに勝るものはありませんので,ワインを飲みながら楽しみました.曲はいわゆるイージー・リスニング系の軽い曲で,大変申し訳ないのですが,何の曲か思い出せません ピアノが終わってから2枚目のCD「オペラ・ロマンチック・メロディー」をかけました.プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」「ジャンニ・スキッキ」「蝶々夫人」「トスカ」などのアリアをオーケストラで演奏したものです.

主催者の心使いで,司会の方から「今日のBGMは4000枚の中から4枚のCDを選んでくれたそうです.Sさん,ありがとうございました」と紹介され,大勢の人から拍手をいただいて,嬉しくもあり恥ずかしくもありました

午後9時を過ぎ,お開きの時間になったのでCDをしまって帰ろうとすると,レストランの店長から「主催者がゲストを見送るのでBGMを流してほしい」とリクエストがあったので,急きょ,モーツアルトの「フルートとハープのための協奏曲」を流しました.パーティーも成功裏に終わり一息つきました

週末なのに,めずらしく今日も明日もコンサートの予定が入っていません.少し体を休めようと思います
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名器ストラディバリウス、復興支援に~日本音楽財団

2011年06月24日 06時52分56秒 | 日記
24日(金)。2日前の新聞各紙に「バイオリン名器、12億円で落札。復興支援に」という記事が載りました。「日本音楽財団が、保有するバイオリンの名器ストラディバリウスを東日本大震災の文化復興資金に充てるためインターネット・オークションに出品したところ、1589万4000ドル(約12億7000万円)で落札された」というものです。関係者によると弦楽器としては世界でもまれに見る値段のようです。

全額が、関連団体の日本財団を通じて被災地の伝統芸能の再建に充てられるそうです。この楽器はイタリアの弦楽器製作者ストラディバリが1721年に作った「レディー・ブラント」というバイオリンで、同財団が2008年に購入したとのこと。

そもそも日本音楽財団が2008年に、何の目的で、いくらで購入したのか、気になるところです。普通なら、将来性のある若手アーディストに無償で貸し出して実際に演奏してもらうのが、楽器のためには一番いいと思うのですが、どうだったのでしょうか?貸し出しをしたいと思える若手の実力者がいなかったのでしょうか?それとも、最初から投機目的で購入したのでしょうか

どちらにしても、落札者にお願いしたいのは、その楽器を将来性のある若手アーティストのために”投資”してほしいということです

ところで,前にも書いたように、今夕10階のレストランで地下1階のファーマシーの開店披露パーティーがあり、B.G.Mを担当します。候補CD10枚から①管弦楽名曲集(A.ディビス指揮)レハール「金と銀」ほか②オペラ・アリア集オーケストラ版(A.コストラネッツ指揮)の2枚に絞り込みました。さらに今朝ひらめいた2曲(モーツアルトの「フルートとハープのための協奏曲」,同「ポストホルン・セレナーデ」)を追加して,この4枚からピックアップした曲を、局面に応じて流そうと思います 決して表に出すぎてはいけないBGM パーティーにご参加の皆さんに気に入ってもらえるといいのですが


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バッハ・コレギウム・ジャパン~新年度定期公演スタート!

2011年06月23日 06時57分59秒 | 日記
23日(木).昨夕初台のオペラシティ・コンサートホールでバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の新年度第1回目のコンサートを聴きました.前年度最後の2月度コンサートに行けなかったので,ほぼ半年ぶりに聴きました.BCJは10年以上前からJ.S.バッハのカンタータ全曲演奏会を続けていますが,今回が第60回目です.私はこのうち50回位聴いたことになるでしょうか・・完結まであと2年ですが,最後まで付き合います これからは同時並行で世俗カンタータのシリーズが始まるということで,これも楽しみです 演奏に先立って,指揮の鈴木雅明氏がマイクを持って登場し,あいさつしました.

大地震の3日後の3月14日にBCJはアメリカにコンサート・ツアーに出かけた.カーネギー・ホールやエール大学などでJ.S.バッハの「ロ短調ミサ曲」を演奏したが,各地で自主的にチャリティー・コンサートと位置づけて,聴衆に呼びかけて義援金を集めてくれた.われわれ音楽家が何が出来るかいろいろ考えたが,まず音楽の力を示すこと,そして出来る限りの義援金を集め被災者に届けることとした.ご理解とご協力をお願いしたい.

正規プログラムに先立って,震災犠牲者を悼んで,黙祷に続いて①バッハ「オルガン・コラール”我ら苦難の極みにある時も”」②同「モテット”おおイエス・キリスト,わが命の光よ”」が演奏されました

プログラム前半は①カンタータ第192番「いざ,すべての者よ,神に感謝せよ」②カンタータ第195番「義しき者に光は幾度となく差し昇り」,後半は①カンタータ第157番「あなたを離しません,私を祝福して下さるまでは!」②カンタータ第120番a「主なる神,すべてを司る者」の計4曲です.カンタータにもいろいろありますが,個人的にはトランペットが活躍する明るく躍動感のある曲が好きです この日の演目では195番と120a番です.とくに120a番を聴いていたとき,どこかで聴いたことのあるメロディーが流れてきたので,何だったかと思い巡らせましたが,後でプログラムで確かめたら「第4曲シンフォニアはBWV29/1と同じ作品(無伴奏バイオリン・パルティータ第3番BWV1006/1に基づく)ということがパート譜と総譜の断片から明らかである」とあったので,なるほどそうか パルティータか,と納得しました.

今回が新年度第1回目ということで,気がついたのは客層が変わったということです 定期会員の何割かが入れ替わったのではないか,しかも会員が少し減少したのではないか,と思います それは演奏者が舞台に登場する際の拍手の大きさでわかります.これまでは演奏者に敬意を表してもっと情熱的に拍手をしていたように思います.今回はちょぴり冷めた反応というか,拍手が少なかったように思います.いずれ回を重ねるに連れて,BCJの底力を認識させられるようになれば,自ずと拍手も心のこもった情熱的なものになるでしょう

それにつけても,バッハ・コレギウム・ジャパンは世界に通用する古楽器とコーラスの専門家集団です.バイオリンの若松夏美,高田あずみ,オーボエの三宮正満,チェロの鈴木秀美,フルートの前田りり子,菅きよみ,オルガンの今井奈穂子といったメンバーは超一流の古楽器奏者です

また,毎回登場するソリストも超一流です.今回は,ソプラノのブラシコバ,テノールのゲンツ,バスのペーター・コーイ,アルト(男性)のダミアン・ギヨンでしたが,合唱とともに素晴らしい歌声で,特徴はノン・ビブラートです.

いつも30分前に開場するので,その時間には入場して1000円のプログラムを購入して読むのですが,開演の7時までにとても全部は読み切れません.専門的な解説がふんだんに盛り込まれているせいもあるでしょう.少しでも作品を理解したうえで聴きたいと思うので,休憩時間も含めていつも必死になって読んでいます



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ハーディング=新日本フィルのマーラー「第5交響曲」を聴く

2011年06月22日 06時58分21秒 | 日記
22日(水).昨夕サントリー・ホールで新日本フィルのコンサートがありました.3月11日の大震災の影響で中止になった翌12日の代替公演です.プログラムはマーラーの「交響曲第5番」.いつもは錦糸町のすみだトリフォニー・ホールで聴いているので,会場を間違えないようにチケットを手帳に挟んでおきました

サントリー・ホールでコンサートがある時は大抵,溜池の飲食チェーン店Nで食事をして,ホール近くの喫茶店Dでコーヒーを飲んでから会場に向かうのが習慣になっています.6時10分頃,いつものように「N」で食券を買って空いた席を見回すと,何とすぐ近くに新日本フィルのコンサート・マスター崔文殊さんが座って食事をしているではありませんか バイオリンこそ持っていませんでしたが,葉加瀬太郎似の茶色のアフロ・ヘアは間違いようがありません.コンサート開始が午後7時15分ですから,ほぼ1時間前です.なにげに隣の隣の席に座りました.演奏家は1時間前には腹ごしらえを済ませておくのだなと一人納得しました.彼は店を出るとき「ごちそうさま」と店員に声を掛けていました.なかなか好感がもてる人です.

代替公演ということ,また,会場も違うということで,いつもと違う席が用意されていました.1階15列16番=1階席の後方中央ブロックの最前列通路側で,前から定期会員ならこの席がベストだと思っていた席です.ちなみに東京交響楽団の定期会員としての指定席はこの3列後ろの席です.

オーケストラの配置は,指揮者ダニエル・ハーディングの指示によりバイオリンを左右に分ける対向配置で,コントラバスが向かって左奥に位置しています.主席奏者を端から見ていくと一人だけいつもと違う人が第2バイオリンのトップに座っています.どこかで見たことがあると思って,プログラムに挟み込まれた出演者配置図を見ると★遠藤香奈子とありました.「★印=本日の客演奏者」とあります.遠藤香奈子と言えば東京都交響楽団の第2バイオリン首席奏者です.定期公演の代替公演ということで,第2バイオリンの主席・吉村知子が出演出来なくなり,急きょ他のオーケストラから主席を”借りてきた”といったところでしょうか 都響一の美人奏者で”エンカナ”の愛称で呼ばれているようです.この人がいるから都響の会員になっている人もいるかも知れませんね

最初に「東日本大震災で亡くなった多くの方々へ捧げる」として,エルガーの「エニグマ(謎)」から第9変奏「ニムロッド」(約4分)が演奏されました.悲しみを癒すような静かで感動的な曲でした

あらためて登場したハーディングが指揮台に上がり,しばらく下をうつむいていると,トランペットのファンファーレが会場に響き渡りました 指揮者と演奏者の阿吽の呼吸でしょう.第1楽章の開始です.映画「マーラー」を監督したケン・ラッセルは,この曲を「葬送音楽と結婚行進曲が混じりあった音楽.またの名を精神分裂症」と称しました.なかなかうまいことを言います

第1楽章の終わりの部分で指揮者とオケとの間に微妙なズレを感じましたが,第2楽章「嵐のように激しく」を経て,第3楽章「スケルツォ」,そして第4楽章「アダージェット」と進むにつれて演奏が安定してきたように思います.そして第5楽章フィナーレで,それまで鬱積していたものが一気に爆発して明るい世界が開けたように思います 「アダージェット」といえばビスコンティの映画「ベニスに死す」でテーマ音楽のように使われた有名な曲.甘美で熱情的なメロディーです.今週末のファーマシーのパーティーで流すBGMの候補曲の一つに考えています.

ハーディングはイギリス出身ということもあってか,演奏に熱くなるというより,いつもクールな部分がある,というか,どこか冷めたところがあるように思います.そこが,チョン・ミュンフンと違うところです.チョン・ミュンフンは常に熱いものを内に秘めながら,それを最小限の力で外に向けて最大限に爆発させる,といったところがあるように思います.

チョン・ミュンフンは50代後半,まさに円熟期.ハーディングは36歳,まだまだこれから,といったところ.どちらのマーラーも,これからも楽しみにして聴きたいと思います

【プログラムは3月の時のものが配布されました】










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パーティーのB.G.Mを選ぶ~苦しくもあり,楽しくもあり

2011年06月21日 06時43分58秒 | 日記
21日(火)。昨日の朝日「天声人語」にメトロポリタン・オペラの来日公演が取り上げられていました。

震災後、日本を訪れる外国人が半減、音楽界でも来日中止や延期が相次いだ。その中で米メトロポリタン・オペラは総勢380人が14ステージを務めた。楽団員は事前に専門家の話を聴き、東京の放射線は大丈夫と納得したという。乳飲み子を同伴したソプラノもいた。不安から看板歌手3人が直前に降りたが、代役がまた一流。「メト」の底力である。

コラムで触れられている「乳飲み子を同伴したソプラノ」とは19日に聴いたドニゼッティ「ランメルモールのルチア」でタイトル・ロールを歌ったディアナ・ダムラウのことです 言葉では言い表せない素晴らしい歌唱力・演技力については当日のブログで書きました.それにつけても,”直前に降りた看板歌手”アンナ・ネトレプコの「ラ・ボエーム”ミミ”」を聴きたかった

話は変わりますが,今週金曜日の夕方,地下1階のファーマシーの開店祝パーティーが10階のレストランで開かれ,私がBGMを担当することになりました テナント・サービスの一環というより,自ら楽しんでやらせていただきます.BGMを流すのは約2時間.所有4,000枚のCDの中からこのパーティーに相応しい音楽を選ぶべく現在選定中です 現時点で次の10枚まで絞り込みました

①管弦楽名曲集(A・デイビス指揮フィルハーモニア管弦楽団)※レハール「金と銀」ほか.
②オペラ・アリア~オーケストラ版(A・コステラネッツ指揮コロンビア交響楽団ほか)
③アダージョ・カラヤン(カラヤン指揮ベルリン・フィル)※パッヘルベル「カノン」ほか.
④ワルツ(ピアノ:ニキタ・マガロフ)※モシュコフスキー「ワルツ」ほか.
⑤ショパン小品集(ピアノ:A・ケフェレック)※「舟歌」,「幻想即興曲」ほか.
⑥J.S.バッハ小品集( 〃 )※「主イエス・キリストよ,われ汝に呼ばわる」ほか.
⑦マーラー「アダージョ」(交響曲第3~6番のアダージョ楽章)アバド指揮ウィーン・フィルほか.
⑧管弦楽曲集(A・トスカニーニ指揮NBC交響楽団)※ウエーバー「舞踏への勧誘」ほか.
⑨トランクィリティ(イ・ムジチ・デ・モントリオール)※ぺルコレージ「オーボエ協奏曲」ほか.
⑩ポエム(Vn:モルドコビッチ,P:グリン)※ルービンシュタイン「ロマンス」ほか.

これから金曜日の朝までかけて2枚か3枚まで絞り込みます BGMはわざわざ耳を傾けて聴く音楽ではありません.それだけに”いま流れている曲,何となくいいな”と思っていただければ選曲者としては嬉しいものです.そうした意味ではこの選曲・選定作業は苦しくもあり,楽しくもあります


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