人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

マクシム・エメリャ二チェフ✕スティーヴン・ハフ✕東響でベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番」、ブラームス「交響曲第1番」他を聴く / バッハ・コレギウム・ジャパン2019‐2020シーズン会員継続へ

2018年09月30日 07時24分26秒 | 日記

30日(日)。雨の日が多かった9月も今日で終わりです   が、9月最後の今日も大型台風の影響で雨模様です   今日は久しぶりに家で本を読んで過ごそうと思います

「間が持たない」「押しも押されぬ」「怒り心頭に達する」「足もとをすくう」「過半数を超える」「愛想を振りまく」「恨み神髄に達す」「思いもつかない」「乗るか反るか」「熱にうなされる」

・・・これらの表現はすべて間違いです。と指摘されて、まさか!と思われた方も少なくないでしょう 昨日の朝日朝刊別刷り「be」は「間違いやすい慣用表現」を特集していました これらの正解は次の通りです

「間が持てない」「押しも押されもせぬ」「怒り心頭に発する」「足をすくう」「半数を超える・過半数を占める」「愛嬌を振りまく」「恨み骨髄に徹す」「思いもよらない」「伸るか反るか」「熱に浮かされる」

ただし、これらの表現は俗用として辞典が公認しているものも多いようなので、厳密に間違いとも言えないようです 言葉は生きている。「言葉は世につれ 世は言葉につれ」ということでしょうか

ということで、わが家に来てから今日で1458日目を迎え、米フェイスブックは28日、外部によるハッキングにより最大5000万人分のユーザーアカウントが「乗っ取り」に遭う恐れがあると発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      最近8700万人分の個人情報が流出したよね  FBってフェイクブックの略じゃね?

 

         

 

バッハ・コレギウム・ジャパンから「2019‐2020シーズン定期演奏会 会員継続案内」が届きました 従来通り年5回のコンサートで、ラインナップは次の通りです

第132回 4月19日と21日から選択  マタイ受難曲           指揮:鈴木雅明

第133回 6月2日         教会カンタータ、マニフィカト   指揮:鈴木優人

第134回 9月22日          狩のカンタータ、結婚のカンタータ 指揮:鈴木雅明

第135回 11月24日          ブランデンブルク協奏曲全曲     指揮:鈴木優人

第136回 2月16日         祈りのモテット           指揮:鈴木雅明

現在私はA会員ですが、これを継続することにしました   A会員のチケット代は5回で31,000円と1回当たり単価(@6,200円)が高めですが、B.C.Jの演奏の質を考えたらリーズナブルだと思います 参考までに、S席は38,000円、C席は25,000円、C席は19,000円となっています

 

     

 

         

 

昨日、東京オペラシティコンサートホールで東京交響楽団の「オペラシティシリーズ第105回演奏会」を聴きました プログラムは①メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」、②ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番変ホ長調”皇帝”」、③ブラームス「交響曲第1番ハ短調」です ②のピアノ独奏はスティーヴン・ハフ、指揮はマクシム・エメリャ二チェフです

マクシム・エメリャニチェフは1988年、ロシア生まれということなので、今年で弱冠30歳。指揮者の世界では洟垂れ小僧以前の乳幼児くらいでしょうか ただ、侮れないのはモスクワ音楽院で指揮をロジェストヴェンスキーに師事し、モダン・オーケストラ(リヨン国立管ほかに客演するほか、2019年シーズンからスコットランド室内管の首席指揮者に就任予定)、バロック・オーケストラ(イル・ポモ・ドーロの首席指揮者)の両方で活躍していることです

 

     

 

このシリーズはいつも1階席後方に空席が目立っているのですが、この日はかなり埋っています 多分 ベートーヴェンの「皇帝」とブラームスの「第1交響曲」の組み合わせの魅力が集客の最大の要因だと思います

オケは左から第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、第2ヴァイオリンという対向配置をとり、コントラバスは管楽器の後方に横一列で並びます。コンマスは水谷晃です

1曲目はメンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」です この曲はフェリックス・メンデルスゾーン(1809‐1847)が1830年に、前年8月に訪れたスコットランドのヘブリディーズ諸島の印象を基に作曲した作品です ローマで一旦完成したものの、1832年のロンドンでの初演まで何度も書き直されました メンデルスゾーンは曲のタイトルを「ヘブリディーズ諸島」としたにも関わらず、出版社はそれを無視し「フィンガルの洞窟」として出版しました。作曲家っていったい・・・・出版社っていったい・・・・

マクシム・エメリャニチェフが指揮台に上がりさっそく演奏に入りますが、彼はタクトを使用しません 彼は全体的に速めのテンポで演奏を進めます。畳みかけるような演奏は彼の特徴なのだろうか、と思わせます  まずは名刺代わりの演奏です

2曲目はベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番変ホ長調”皇帝”」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770‐1827)が1808~09年に作曲し、1811年にライプツィヒで初演された作品です 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ・ウン・ポコ・モッソ」、第3楽章「ロンド:アレグロ」の3楽章から成ります

ピアノ独奏のスティーヴン・ハフは1983年、ニューヨーク・ナウムブルク国際ピアノ・コンクールで優勝、以後世界各国のオーケストラと共演しています   プログラム冊子の「プロフィール」によると、ピアニストのみならず作曲家、作家としても活躍しているようです

マクシム・エメリャニチェフの指揮で第1楽章がダイナミックに開始されます   ハフのピアノは明快で知的な響きがします 比較的速めのテンポで音楽が進められますが、「皇帝」のニックネームに恥じない堂々たる演奏です 第2楽章では一転、かなりゆったりしたテンポで演奏され、抒情感を醸し出します そして第2楽章から切れ目なく第3楽章に入ると、再び高速テンポになりスケールの躍動感に満ちた演奏が展開します この演奏を聴いて、1811年11月28日の初演時には第2楽章と第3楽章との曲想の変化とテンポの落差が大きな魅力となって、聴衆の喝采を浴びたのではないか、と想像しました

ハフはアンコールにシューマンの「トロイメライ」をロマン豊かに演奏しました アンコールのシューマンが プログラム後半のブラームスを先導する役割を果たします さすがは単なるピアニストではありません。全体の構成を考えて選曲しています


     


休憩後のプログラム後半はブラームス「交響曲第1番ハ短調」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833‐1897)が構想から20年以上かけて1876年に完成させた労作です 初演は1876年11月4日にカールスルーエでフェリックス・オットー・デッソフの指揮で行われました

第1楽章「ウン・ポーコ・ソステヌート~アレグロ」、第2楽章「アンダンテ・ソステヌート」、第3楽章「ウン・ポーコ・アレグレット・エ・グラツィオ―ソ」、第4楽章「アダージョ~ピュウ・アンダンテ~アレグロ・ノン・トロッポ、マ・コン・ブリオ」の4楽章から成ります

マクシム・エメリャニチェフの指揮で第1楽章がティンパニの連打で開始されますが、「ちょっと待ってくれ」と言いたくなるような高速テンポです。これほど速い演奏は聴いたことがありません その後は速めのテンポを維持しながらも、かなり自在にテンポを揺らします 小気味の良い演奏で躍動感が醸し出されますが、これは彼がモダン・オケとバロック・オケの両方を指揮していることと無関係ではないと思われます 第2楽章に入ると一転、ゆるやかなテンポで始まりますが、次第にテンポアップしていきます。オーボエ首席・荒木奏美、クラリネット首席・吉野亜希菜、ファゴット首席・福士マリ子による歌心に満ちた演奏が素晴らしい 第3楽章からほとんど間を置かずに突入した第4楽章では、フルート首席・甲藤さちの演奏が冴えわたります ホルン・セクションが良い音を出しています マクシムはこの楽章でも速めのテンポで音楽を進めますが、フィナーレに至ってはオケに超高速演奏を求めました 畳みかける演奏は、やはり彼の特徴のようです

私はこれまで、何度もブラームスの交響曲第1番を生演奏で聴いてきましたが、これほど刺激的で挑戦的な演奏は初めて聴いたと言っても良いかも知れません 今まで聴いてきた演奏では聴こえなかったフレーズが聴こえてきたりして、新鮮さを感じました 東京交響楽団のメンバーは、マクシムの要求に応え コンマスの水谷晃を筆頭に全力で熱い演奏を繰り広げました この演奏をひと言で言い表すと「現代に息づくブラームス」です

弱冠30歳のマクシム・エメリャニチェフは「洟垂れ小僧以前の乳幼児」どころではありません   従来の演奏スタイルに挑戦状を叩きつけるような刺激的な演奏によって、聴衆に 本来あるべき演奏とはどんなものかを改めて考えさせます

ここで 大胆な提案をさせていただくと、何年後かにジョナサン・ノットの後を引き継ぐ東響の常任指揮者はマクシム・エメリャニチェフでどうでしょうか。面白いと思います

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カンブルラン✕諏訪内晶子✕読売日響でシマノフスキ「ヴァイオリン協奏曲第1番」、ラヴェル「ラ・ヴァルス」他を聴く~第581回定期演奏会 / 「チンジャオロースー風」を作る

2018年09月29日 08時08分40秒 | 日記

29日(土)。わが家に来てから今日で1457日目を迎え、トランプ米大統領が最高裁判所判事に指名した保守派のブレット・カバノー氏が27日に米議会上院の公聴会に出席し、女性に対して性的暴行をした疑いについて「無実だ」と否定したが、告発した女性がカバノー氏に暴行されたと断言したことについて、トランプ大統領はツィッターで「カバノー氏の証言は力強く、誠実で魅力的だった」と評価した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     同じような疑惑で 次はトランプ自身が証言台に立たされる という自覚がゼロだな

 

         

 

昨日、夕食に「チンジャオロースー風」と「キャベツとしめじのスープ」を作りました 「チンジャオロース-風」の「風」というのは、電子レンジで調理し、牛肉を細く切らないからです。これは武蔵裕子先生のレシピです  「キャベツ~」は本来「お浸し」なのですが、段取りを間違えたのでスープにしました こういうのを臨機応変、または いい加減と言います。これはこれで美味しかったです

 

     

 

         

 

昨夕、サントリーホールで読売日響第581回定期演奏会を聴きました プログラムは①ペンデレツキ「広島の犠牲者に捧げる哀歌」、②シマノフスキ「ヴァイオリン協奏曲第1番作品35」、③ハース「静物」、④ラヴェル「ラ・ヴァルス」です ②のヴァイオリン独奏=諏訪内晶子、指揮=シルヴァン・カンブルランです

 

     

 

オケはいつもの読響の並びで、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成です コンマスは長原幸太。第2ヴァイオリン首席の瀧村依里さんの隣には 新日本フィルの第2ヴァイオリン首席・吉村知子さんがニコニコしながらスタンバイしています。読響さん、レンタルしましたね 

吉村知子さんといえば忘れられない思い出があります。もうかなり前のことですが、すみだトリフォニーホールで小澤征爾指揮新日本フィルによる公開リハーサルがあり、ドヴォルザークの交響曲第7番の練習風景を見学したのですが、楽章の間に、なぜか吉村さんが笑い出して止まらなくなってしまったのです 小澤氏が「何が可笑しいの?」と訊いてもただ笑うだけ 笑いが止まらないので「そんなに可笑しい?」と訊きますが、止まりません 次の楽章に入り演奏中も思い出し笑いを必死にこらえる表情を見せていました 天下の小澤征爾もお手上げでした

さて、本題に入ります。1曲目はペンデレツキ「広島の犠牲者に捧げる哀歌」です この曲はクシシュトフ・ペンデレツキ(1933~)が1959~60年に作曲した作品で、弦楽器だけによる10分足らずの作品です 

カンブルランのタクトで演奏が開始されますが、冒頭、ヴィオラ⇒第1ヴァイオリン⇒第2ヴァイオリン⇒チェロ⇒コントラバスへと各楽器の最高音が受け継がれ、音のずれが作り出されます その後ははっきりとは覚えていません。この曲は最近観た映画で使われていましたが、タイトルを思い出せません。緊張感に満ちた作品でした

2曲目はシマノフスキ「ヴァイオリン協奏曲第1番作品35」です この曲はポーランドのカロル・シマノフスキ(1882‐1937)が同国のヴァイオリニスト、コハンスキのために1915~16年に作曲した作品です しかし、ロシア革命の混乱で初演が延期され、1922年にオズィミニスキの独奏で初演されました 単一楽章ですが、全体は第1部「ヴィヴァーチェ・アッサイ」、第2部「アンダンティーノ」、第3部「ヴィヴァーチェ」の3つの部分から成ります

黒を基調とするラメ入りのエレガントな衣装に身を包まれた諏訪内晶子がカンブルランとともに登場、さっそく演奏に入ります 諏訪内晶子は1990年に史上最年少でチャイコフスキー国際コンクールで優勝、現在 世界各地で活躍しています

冒頭は煌びやかな管弦楽で、ピアノも入り、まるでストラヴィンスキーのペトルーシュカの世界のようです そして高音域で独奏ヴァイオリンがエキゾチックなメロディーを奏でます ほとんど途切れることなく流れるように美しい音楽が奏でられますが、諏訪内のストラド「ドルフィン」が良く鳴っています カンブルラン✕読響が完璧にフォローしています 第3部ではコハンスキの作曲によるカデンツァが奏でられますが、諏訪内は超絶技巧をものともせず最高音から最低音まで美しい音色で弾き切ります カンブルラン✕読響の完璧なサポートと相まって、聴きごたえのある素晴らしい演奏でした

諏訪内の演奏姿を見ていて気が付いたのは、彼女は時々正面を向くものの、常に指揮者の方を向いて演奏しているということです また、ヴァイオリニストによっては、頻繁に髪をかき上げたり、顔をしかめて演奏したり、ちょっと格好つけたりする人がいますが、彼女の場合はそういう仕草は一切見られません わざとらしいことをしなくても、聴衆は自分の実力を認めたうえで演奏姿を注視していることを自覚している とでも言ったらよいでしょうか

満場の拍手に応え、諏訪内はアンコールにイザイ「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番」から第1楽章を 超絶技巧を駆使して音楽性豊かに演奏し、会場の温度を上昇させました


     


プログラム後半の1曲目はハース「静物」です ゲオルク・フリードリヒ・ハース(1953~)はオーストリアの作曲家です この作品は2003年にドナウエッシンゲン音楽祭で、バーデンバーデン&フライブルクSWR交響楽団と首席指揮者だったカンブルランにより初演されました 全体は3つの部分から成りますが、続けて演奏されます

カンブルランの指揮で演奏が開始されます。冒頭の低弦によるメロディーを聴いていて、「グロテスクなワルツと言えなくもないな」と感じました。次に演奏される「ラ・ヴァルス」との関連でこの曲を持ってきたのかな、と。第2部に入るとすべての楽器がリズムを刻みます この音楽を聴いて連想したのは、デヴィッド・リンチ監督「イレイザーヘッド」でした 映画全体を通じて一貫して流れる不気味な重低音 もしリンチ監督がこの作曲家を知っていたら音楽担当者に起用するのではないか、と余計なことを考えてしまいました タイトルの「静物」はアイロニーでしょう

最後の曲はラヴェル「ラ・ヴァルス」です この曲はモーリス・ラヴェル(1875‐1937)が1919~20年に作曲し、同年12月12日にパリで初演された作品です 作曲年に要注目です 1919年は第一次世界大戦が終結した年です ラヴェルは戦争後の絶望感と母親を亡くした喪失感を抱えながら、戦争によって失われた古き良き時代への郷愁を 1855年頃の宮廷のウィンナ・ワルツに求め、その時代の栄光を再現しようとしたのでしょう

カンブルランのタクトで演奏が開始されます コントラバスの重低音から不気味なメロディーが奏でられ、次第にワルツが姿を見せてきますが、鈴木康浩、柳瀬省太率いるヴィオラ軍団の艶のある演奏はどうでしょう 素晴らしいのひと言です オーボエ首席の蠣崎耕三、フルート首席のドブリノヴをはじめとする木管楽器群の演奏も冴えていました カンブルランは歯切れのよいリズムと優雅なワルツを繰り返しながら、ボレロのような最後のどんでん返しに向かって突き進みます 躍動感に満ちた色彩感溢れる演奏でした

満場の拍手とそこかしこからかかるブラボーがステージ上のカンブルランと読響のメンバーに押し寄せます カンブルランは2010年から読響の常任指揮者を務めてきましたが、来年3月いっぱいで退任します この日の演奏を聴いて、あらためて 読響にとってカンブルランが如何に大きな存在だったかを再認識しました

 

     

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パーヴォ・ヤルヴィ✕NHK交響楽団(Bプロ)でシューベルト「交響曲第3番」、ハイドン「交響曲第102番」他を聴く / デヴィッド・リンチ「マルホランド・ドライブ」を観る / 鶏のトマト煮を作る

2018年09月28日 07時23分01秒 | 日記

28日(金)。わが家に来てから今日で1456日目を迎え、トランプ米大統領は25日国連総会の一般討論演説で「現政権は2年足らずで歴代のほぼ全ての政権よりも多くのことを成し遂げた」と語り、その後、経済成長について語ろうとしたが、会場から失笑が漏れ続けたため話を中断し「事実だ」と強調、さらに会場の笑いが大きくなると「そんなリアクションは期待していなかったが、まあいいだろう」と強がった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                ここまで世界からコケにされて平然としているトランプは ある意味大物だと思う

 

         

 

昨日、夕食に「鶏のトマト煮」と「ミックスビーンズとトマトのスープ」を作りました 「鶏の~」は娘のリクエストです。もう何度も作ったので味は安定しています

 

     

 

         

昨日、早稲田松竹でデヴィッド・リンチ監督・脚本によるアメリカ・フランス映画「マルホランド・ドライブ」(145分)を観ました

夜のマルホランド・ドライブで自動車事故が起こる 事故現場から一人だけ生き延びた黒髪の女性(ローラ・ハリング)は助けを求めにハリウッドまでたどり着く。女性が偶然潜り込んだ家は、有名な女優ルースの家だった。ルースの姪である女優志望のベティ(ナオミ・ワッツ)に見つかった彼女は、部屋に貼られていた女優リタ・ヘイワースのポスターを見て、反射的に「自分はリタだ」と名乗る 彼女はベティに自分が事故で記憶喪失になっていると打ち明ける。リタのバッグには大金と青い鍵が入っていた ベティはリタの失った記憶を取り戻すことに協力する

 

     

 

【若干ネタバレです】この映画も先日観た「ロスト・ハイウェイ」同様非常に解りにくい作品です つまり時間軸がずれているのでストーリーの繋がりを理解するのが困難なのです しかし、途中で、自称リタが自分の名前はカミーラであることを思い出してから、少しずつリタとベティの関係が分かるようになってきます 実は過去に二人は親密な関係にあり、リタが仮の名前だったようにベティも仮の名前で本当はダイアンという名前だったのです そしてベティはあることでカミーラに嫉妬を抱いていたのでした

リンチ監督の「イレイザーヘッド」や「ロスト・ハイウェイ」ほどではないにしても、この映画でも「音」が重要な要素を占めているように感じました

 

         

 

昨夕、サントリーホールでNHK交響楽団第1893回定期演奏会を聴きました  今までのCプロからBプロに移り、会場がサントリーホールに変わりました。席のランクを落としたので比較的前方ながら右端という感じです

プログラムは①シューベルト「交響曲第3番ニ長調D.200」、②リヒャルト・シュトラウス「ホルン協奏曲第2番変ホ長調」、③ベートーヴェン「プロメテウスの創造物」序曲、④ハイドン「交響曲第102番変ロ長調」です ②のホルン独奏はラデク・バボラーク、指揮はパーヴォ・ヤルヴィです

 オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置=ヤルヴィ・シフトをとります コンマスはマロこと篠崎史紀氏です。チェロの首席には藤森亮一氏の隣に、鶏のトサカ・ヘアで有名な日本フィルのソロ・チェリスト 辻本玲氏がスタンバイしています。N響さん、レンタルしましたね、鶏を、いや辻本氏を

1曲目はシューベルト「交響曲第3番ニ長調D.200」です この曲はフランツ・シューベルト(1797‐1828)が18歳の時、1815年7月19日に完成した作品ですが、シューベルトの交響曲の中で最も短い作品です 第1楽章「アダージョ・マエストーソ~アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アレグレット」、第3楽章「メヌエット:ヴィヴァーチェ~トリオ」、第4楽章「プレスト・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

ヤルヴィが指揮台に上がり第1楽章の演奏に入ります シューベルトはベートーヴェンも一時師事していたアントニオ・サリエリに師事しましたが、この第3番を聴く限り、ハイドンやモーツアルトの音楽に近いという印象があります この曲をひと言で言い表すと「溌剌」です まさに青春の伊吹を感じます。ヤルヴィ✕N響はメリハリのある演奏でシューベルトの青春の音楽を歌い上げました

2曲目はリヒャルト・シュトラウス「ホルン協奏曲第2番変ホ長調」です この曲はリヒャルト・シュトラウス(1864‐1949)が1942年に完成し、1943年8月11日にザルツブルクで、ゴットフリート・フォン・フライベルクのホルン独奏、カール・べーム指揮ウィーン・フィルの演奏で初演されました 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「ロンド:アレグロ・モルト」の3楽章から成りますが、第1楽章と第2楽章は切れ目なく演奏されます

ホルン独奏のラデク・バボラークは1976年チェコ生まれ。18歳でチェコ・フィルの首席に就任したのを皮切りに、ミュンヘン・フィルの首席、ベルリン・フィルのソロ奏者を歴任し、退団後は室内楽奏者として活躍する傍ら指揮者としても活動しています

バボラークがヤルヴィとともに登場、さっそく第1楽章に入ります 冒頭からいきなり独奏ホルンが息の長い美しい旋律を奏でますが、いったいどこで息継ぎをしているのか、と思うほど鮮やかにホルンを操ります これは第1楽章に限らず、全楽章について言えることです。それにしてもリヒャルト・シュトラウスという作曲家は、まるでオペラのアリアのような旋律をホルンに吹かせますね 彼の父親がホルン奏者だったということもあってか、ホルンという楽器の特性を十分把握しているからこそ書けるのでしょう。シュトラウスとバボラークにブラボー

アンコールにブラームス「トランペットのための練習曲集」から第3曲を演奏、大きな拍手を受けました


     


プログラム後半の1曲目はベートーヴェン「プロメテウスの創造物」序曲です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)がバレエ作品のために書いた曲です。ヤルヴィの指揮で演奏に入りますが、冒頭の和音はほとんど交響曲第1番の第1楽章の冒頭と同じです 曲名当てクイズで冒頭の音楽を出題されたら第1交響曲と答えてしまうかも知れません 短い曲ですが、きびきびしたヤルヴィのタクトにより緊張感溢れる演奏が展開しました

最後の曲はハイドン「交響曲第102番変ロ長調」です ヨーゼフ・ハイドン(1732‐1809)は約30年におよぶエステルハージ公爵家での音楽家としてのお勤めを”円満退職”した後、興行師ザロモンの招きに応じて1791~92年と1794~95年の2度にわたりロンドンに赴いています。この間、次の通り各6曲ずつ交響曲を作曲しています

第1期(1791‐92年)

交響曲第93番ニ長調

交響曲第94番ト長調「驚愕」

交響曲第95番ハ短調

交響曲第96番ニ長調「奇蹟」

交響曲第97番ハ長調

交響曲第98番変ロ長調

第2期(1794‐95年)

交響曲第99番変ホ長調

交響曲第100番ト長調「軍隊」

交響曲第101番ニ長調「時計」

交響曲第102番変ロ長調

交響曲第103番変ホ長調「太鼓連打」

交響曲第104番二長調「ロンドン」

なお、各作品の愛称はハイドン自身が付けたものではないとされています それにしても、100曲を超えると、愛称でも付けないととても把握しきれませんね

交響曲第102番変ロ長調は第1楽章「ラルゴ~ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「メヌエット:アレグロ~トリオ」、第4楽章「終曲:プレスト」の4楽章から成ります

ヤルヴィの指揮で第1楽章が開始されます 長い序奏に続いてフルート、オーボエ、ファゴットといった木管楽器が中心となって軽快な音楽が展開します。木管楽器群は充実していますね 第2楽章ではチェロの独奏が聴かれますが、辻本玲の演奏は見事でした それにしても、藤森亮一という優秀な首席奏者がいるんだから彼がソロを弾けばいいのに、と思うのですが、いろいろ事情があるのでしょうね。第3楽章、第4楽章を含めてハイドンらしい明朗な曲想ですが、ヤルヴィ✕N響はメリハリを付けて生き生きと演奏を展開しました

この曲を聴きながら、1曲目のシューベルトの第3交響曲と曲想が似ているな、と思いました 速度表示はほとんど同じです。しかし、冷静に考えてみると、シューベルトの第3交響曲は18歳の時の作品、一方ハイドンの第102交響曲は63歳の時の作品です。これはシューベルトが歳のわりに成熟していたと考えるべきなのか、あるいは、ハイドンがいつまでも若々しい精神で作曲に取り組んでいたと考えるべきなのか、判断が難しいところです 両方かも知れません

カーテンコールが繰り返され、女性のヴァイオリン奏者からヤルヴィに花束が贈呈されました    これは彼の誕生日とかロシアの建国記念日(プーチン大統領に似てるなぁ!)ということではなく、ヤルヴィ✕N響のコンビが4年目のシーズンに突入したということで、「今までありがとう、これからもよろしく」という意味の花束だったのだと思います ヤルヴィの今後の活躍に期待したいと思います

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新国立劇場避難体験オペラコンサートに参加する / 「クァルテット・エクセルシオ✕クァルテット奥志賀」、「エルデーティ弦楽四重奏団」のチケットを取る / 筑前煮とモヤシ豚汁を作る

2018年09月27日 07時50分22秒 | 日記

27日(木)。ニュース以外 テレビ番組は観ない主義ですが、昨夜7時のニュースに続いて7時半から放送されたNHKスペシャル「樹木希林を生きる」は、興味深くて最後まで観てしまいました NHKのディレクターが昨年6月から約1年間にわたり樹木希林さんに密着取材したドキュメンタリーです この間、希林さんは「モリのいる場所」「万引き家族」「日日是好日」の3本の映画に立て続けに出演しましたが、ディレクターのハンディカメラが希林さんを追い、言葉を収録していきます 驚いたのは、ガンが全身に転移している中で凛として役柄を演じ切っていること。さらに、自分で車を運転してディレクターの自宅まで迎えに行ったりしていることです NHKのディレクターやヘヤメイクさんとの会話は淡々として軽やかで、とても全身ガンとは思えません さすがに今年に入ってからは、身体も思うように動かなくなり、杖をついて歩くようになりましたが、抗がん剤はほとんど飲まずに淡々と生きていきます 9月15日、本人の希望通り自宅で家族に見守られながら息を引き取りましたが、75歳の死はあまりにも早すぎました。希林さんは、この番組のタイトルのように樹木希林という人間を生きていたのだと思います まだ観ていない映画を観たくなりました

ということで、わが家に来てから今日で1455日目を迎え、国連総会の一般討論演説が25日 ニューヨークの国連本部で始まり、トランプ米大統領が「グローバリズムを拒絶する」と演説し 持論の米国第一主義を明確に打ち出した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                アメリカ・ファーストではなく トランプ・ファーストだ  自分が再選されたいだけ 

 

         

 

昨日、夕食に「フライパン筑前煮」と「もやし豚汁」を作りました 筑前煮は館野鏡子先生、豚汁は笠原将弘先生のレシピです。両方とも美味しくできました

 

     

 

         

 

チケットを2枚取りました 1枚は来年2月23日(土)に第一生命ホールで開かれる「エルデーティ弦楽四重奏団」コンサートです プログラムは①モーツアルト「弦楽四重奏曲第21番ニ長調K.575”プロイセン王第1番”」、②イベール「弦楽四重奏曲ハ長調」、③ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第8番ホ短調 作品59-2”ラズモフスキー第2番”」です

もう1枚は3月9日(土)に第一生命ホールで開かれる「クァルテット・エクセルシオ✕クァルテット奥志賀」コンサートです プログラムは①モーツアルト「弦楽四重奏曲第16番変ホ長調K.428」、②ヤナーチェク「弦楽四重奏曲第1番”クロイツェル・ソナタ”」、③エネスコ「弦楽八重奏曲ハ長調作品7」です 演奏は①が奥志賀、②がエクセルシオ、③が合同です

なお、クァルテット奥志賀は会田莉凡、小川響子(以上ヴァイオリン)、石田紗樹(ヴィオラ)、黒川美咲(チェロ)というメンバーです   ヴィオラが男性から女性の石田さんに代わったようです

 

     

 

         

 

昨日、初台の新国立劇場(中劇場)で避難体験オペラコンサートがあり 参加しました 会場入口では手荷物検査があり、鞄の中を見られました。いいんですよ、別に。ダイナマイトとか手りゅう弾とか警察手帳とか入っていないから

 

     

 

この公演は第1部「オペラ・アリア集」、第2部「PIVOT!ミニオペラ『フィガロの結婚』ハイライト」からなり、第1部の途中で火災が発生、避難をするというものです 「エリア指定」に従って1階5列50番、右ブロック左から3つ目の席を取りました

 

     

 

第1部「オペラ・アリア集」では高田絢子さんのピアノ伴奏により次の順番でアリアや重唱が歌われました

1.ヴェルディ「椿姫」より「乾杯の歌」を出演者全員で歌いました

2.ビゼー「カルメン」より「ハバネラ」をメゾ・ソプラノの藤井麻美さんが感情を込めて歌いました

3.ヴェルディ「マクベス」より「何という暗闇か」をバスの松中哲平さんが低音の魅力を発揮して歌いました

4.モーツアルト「魔笛」より夜の女王のアリア「復讐の炎は地獄のようにわが心に燃え」をソプラノの宮地江奈さんが美しいコロラトゥーラで歌い上げました

5.ヨハン・シュトラウス「こうもり」より「シャンパンの歌」を宮地、藤井、松中、岸浪愛学の4人が楽し気に歌いました

 

     

 

歌の途中で舞台袖から突然関係者が出てきて、歌手に「火事です、避難してください」と言って舞台袖に誘導しました それと同時に「火災が発生しました。指示があるまで席に座ったまま待機してください」とアナウンスが入り、次に支配人の佐藤さんが舞台に現われ「ぼやが発生しました。お客様は係員の誘導にしたがって避難してください」と案内しました みんなぞろぞろと左右と中央の階段を上がっていきます。すると、客席の中央辺りにいた高齢男性が大きな声で「早く逃げろ、天井が落ちてくるぞ、大丈夫か「年寄りが先だ。若い奴は後だと叫びました。みな声のする方を見て「あの人、関係者なのかな?」「違うんじゃないの」と口々に言い合っています   関係者が「早く逃げろ、天上が落ちてくるぞ」などと言うはずがありません。どこぞのお騒がせ爺さんです アンケート用紙が配られていたので「避難中に『早く逃げろ、天井が落ちてくるぞ』と叫ぶ高齢者がいたが、手荷物検査の所で入場を阻止しておくべきだった」とは書けないので、「デマを口走る高齢者がいた。次回の訓練時には想定外のデマを口走る不届き者対策も考えねばならないでしょうかねえ」みたいなことを書いて提出しておきました

約20分の休憩の後、第2部「モーツアルト『フィガロの結婚』ハイライト」に入りました 林よう子さん演じる伯爵夫人がナレーターとなって物語を紹介し、オペラの主要な部分のアリアが歌われる形で進められました キャストはアルマヴィーヴァ伯爵=小林啓倫、フィガロ=後藤春馬、スザンナ=種谷典子、ケルビーノ=宮地江奈、マルチェリーナ=藤井麻美、ドン・バルトロ=松中哲平、ドン・バジリオ/ドン・クルツィオ=岸浪愛学です

ピアノによる序曲に続いてフィガロとスザンナの二重唱「5 10 20・」が歌われます 面白かったのはスザンナとマルチェリーナの二重唱「どうぞお通りになってください」です。種谷さん演じるスザンナと藤井さん演じるマルチェリーナの軽妙なやり取りに思わず笑みがこぼれます フィガロ演じる後藤さんの「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」は演技力も伴って良かったです ケルビーノ演じる宮地さんの「恋とはどんなものかしら」は初々しさがあってとても良かったです 第4幕で歌われるスザンナの「レチタティーボとアリア~早くおいで、素晴らしい喜びよ~」は、種谷さんのソプラノがとても美しく、思わず聴き惚れてしまいました。この人には華があります 伯爵夫人役の林よう子さんがナレーターを務めた関係で伯爵夫人のアリアが1曲もなかったのは残念でしたが、時にアドリブを入れた軽妙洒脱なナレーションはさすがだと思いました この人、演劇の世界でも生きていけるかも

その林よう子さんも加わって全員で歌われた「皆の者、武器を取れ」はモーツアルトのオペラのエッセンスのような楽しいフィナーレでした

アンコールとして、第1部の最後で訓練のために中断した「こうもり」の「シャンパンの歌」を全員で歌い、避難体験コンサートを締めくくりました

年を追うたびにコンサート会場が狭くなっていくので、来年は小ホールでしょうか そうだとすると、参加者が限定されるので競争率が高くなりそうです って、これは新国立劇場を非難して訳ではありません。非難体験コンサートではなく避難体験コンサートですから

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高関健 ✕ パスカル・ロジェ ✕ N響のコンサート・チケットを取る / デヴィッド・リンチ監督「ロスト・ハイウェイ」を観る~理解を超える難攻不落の映画

2018年09月26日 07時45分15秒 | 日記

26日(水)。昨日、元の勤務先のOB会(旧友会)が内幸町のNPCビル9階で開かれたので出席しました   1年ぶりにお会いするOBの皆さんでしたが、来年90歳になろうというのに友人と徹夜マージャンをやったりカラオケに行っているというK女史とか、新しく歌のサークルに入り大きな声を出して気分爽快だというA氏とか、チャレンジ精神にあふれる前向きの姿勢が聞かれ、こっちもうかうかしてられないと思いました 元の職場のN専務・事務局長のあいさつでは、収入の多くを占める新聞・放送・通信社の会費分担金収入が激減しているのため、事業運営面で苦労を強いられていることが報告され、少ない人数でやりくりしている後輩たちは大変だなとあらためて思いました

二次会はNPCビル地下の焼き鳥Oで飲みました A氏、M氏、もう一人のM氏、S氏、秋田から参加されたS氏、そして私を含めた6人で、ビール、日本酒、焼酎を飲みましたが、飲んでる最中、防災センターのI隊長、テナントT社のH社長、近隣のIビルのK専務が声を掛けてくれ、しばし懐かしい想いに浸りました

ということで、さんざん飲み食いに明け暮れたので今朝は朝から頭が頭痛ですと書くとそれは日本語としておかしいのではないかとツッコまれる恐れを抱きますがこれギャグですからといちいち説明すると面白くも何ともなくなってしまうので書きたくないのですが書いてしまったので取り返しが出来ませんということでわが家に来てから今日で1454日目を迎え2日遅れで「中秋の名月」を鑑賞するモコタロです

 

     

      最近は中秋の名月もハンディになったもんだ えっ これ中小の迷月だって?

    

  昨日は娘が外食、私が夜の会合だったため夕食作りはお休みしました  

 

          

 

11月1日(木)午後7時から東京オペラシティコンサートホールで開かれる「第175回NTT東日本N響コンサート」のチケットを取りました   プログラムは①デュカス:交響詩「魔法使いの弟子」、②ラヴェル「道化師の朝の歌」、③同「スペイン狂詩曲」、④サン・サーンス「ピアノ協奏曲第2番ト短調作品22」、⑤ラヴェル「ボレロ」です ④のピアノ独奏はパルカル・ロジェ、管弦楽はNHK交響楽団、指揮は高関健です これはサン・サーンスを聴きたくて買ったようなものです

 

     

 

         

昨日、早稲田松竹で デヴィッド・リンチ監督による1997年アメリカ映画「ロスト・ハイウェイ」(135分)を観ました

妻の浮気を疑う人気サックス奏者フレッドは、ある日「ディック・ロランドは死んだ」という謎のメッセージを受け取る その翌日から彼の元にビデオテープが届き始める。1本目には彼の家の玄関が、2本目には寝室が、そして最後に届けられたテープには彼が妻を惨殺する様子が収録されていた それが証拠となりフレッドは逮捕され、裁判で死刑の判決を受け収監される。ある日、監視員がフレッドの独房を覗くとフレッドとは似ても似つかない若者ピートと入れ替わっていた。映画はそこからピートを主人公として新たなストーリーが展開する

 

      

 

ひと言で言うと、非常に解りにくい映画です 厳重な管理下にある独房に収監されていた主人公が、ある日突然まったく別人と入れ替わっていたということ自体が説明がつきません さらに、映画の終盤で、若者ピートが急に消えたかと思うと次の瞬間フレッドが再登場するのです。それでは、ピートはどこに行った フレッドとピートは同一人物だったのか? それとも、すべての出来事はフレッドが見ていた幻想の世界だったのか 考えれば考えるほど訳が分からなくなります

この映画を観ていて感じたのは、巧みな音の使い方です 同じデヴィッド・リンチ監督の「イレイザーヘッド」でも使われていた手法ですが、常に何かしら「音」が鳴り続けているような作りです それが不安を掻き立てる重低音だったり、ロックの激しい音楽だったりしますが、常に「音」が画面を支配していると感じます

同じデヴィッド・リンチ監督の「マルホランド・ドライブ」との2本立てだったのですが、いろいろとやるべきことが多かったので諦めざるを得ませんでした いつか きっと観ようと思います

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鈴木優人 ✕ モイツァ・エルトマン他 ✕ バッハ・コレギウム・ジャパン で モーツアルト 「レクイエム」 、「アヴェ・ヴェルム・コルプス」、「交響曲第25番ト短調」他を聴く

2018年09月25日 07時16分56秒 | 日記

25日(火)。わが家に来てから今日で1454日目を迎え、日本経済新聞社とテレビ東京による世論調査で、安倍内閣の支持率が55%となり、前回の8月下旬の48%から7ポイント上昇した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      26日に開かれる日米首脳会談の通商問題がどうなるかで支持率は上下するだろう

 

  土曜日にカレーを作ったので、昨日は夕食作りの代休を取りました  

 

         

 

昨日、東京オペラシティコンサートホールでバッハ・コレギウム・ジャパン「第129回定期演奏会」を聴きました プログラムはモーツアルトの①交響曲第25番ト短調K.183、②レチタティーヴォとアリア「どうしてあなたが忘れられましょう・・・心配しないで、愛する人よ 」 K.505、③レクイエム K.626、④アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618です ソリストはソプラノ=モイツァ・エルトマン、アルト=マリアンネ・ベア―テ・キーラント、テノール=櫻田亮、バス=クリスティアン・イムラ―、合唱と管弦楽=バッハ・コレギウム・ジャパン、指揮=鈴木優人です

会場は3階席まで満席です B.C.Jのコンサートでは「マタイ受難曲」や「ヨハネ受難曲」などの大曲が演奏される時と同じような活況です これはモーツアルト人気? 美人歌手エルトマン人気? それとも、まさかの鈴木優人人気? そのどれもが当てはまるような気がします

1曲目は「交響曲第25番ト短調K.183」です この曲は1773年10月5日(モーツアルト19歳の時)に完成されましたが、モーツアルトの交響曲の中では稀な短調で書かれています。もう1曲は「第40番ト短調K.550」です 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「メヌエット~トリオ」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります この曲の大きな特徴は、この時代にしては珍しくホルンを4本用いていることです 当時は自然管の楽器しかなく、短調の場合は自然管で出せる音が限られていたため、それを補おうとしたためと言われています

オケはヴァイオリン・セクションが左右に分かれる対向配置をとります。コンマスは寺神戸亮 ホルン4人の中にはN響首席・福川伸陽、新日本フィルの藤田麻利絵の姿があります 総勢25人の小編成で第25番を演奏するというシャレでしょうか? たぶん違います

鈴木優人の指揮で演奏に入ります。古楽器特有の柔らかい音が心地よく響きます 少人数による演奏であるがために、それぞれの楽器の音がクリアで、曲の構造がハッキリと把握できるように感じます 第1楽章では三宮正満のオーボエが冴えわたりました 鈴木優人は速めのテンポで緊張感を維持しながら全楽章を駆け抜けていきました。とても心地よい演奏でした

2曲目はレチタティーヴォとアリア「どうしてあなたが忘れられましょう・・・心配しないで、愛する人よ」 K.505です この曲は1786年12月26日に「フィガロの結婚」のスザンナ役を演じたロンドン生まれのソプラノ歌手ナンシー・ストレースのために作曲された作品です ソプラノ独唱はドイツ・ハンブルク生まれのモイツァ・エルトマンです。2006年にザルツブルク音楽祭にデビュー、それ以降 世界各国の歌劇場で歌っています   バロックから現代に至るまで幅広いレパートリーを誇り、美声と容姿端麗によって世界中で人気を博しています


     


エルトマンが黒の衣装で登場、鈴木優人のチェンバロとB.C.Jのオケのバックで、愛する人を想う歌を美しいソプラノで歌い上げます 私は彼女が華やかな歌を歌うのに黒の衣装を身に着けているのに違和感を感じましたが、「そうか、後半はレクイエム(死者のためのミサ曲)を歌うから黒にしたのか」と納得しました

 

     

 

プログラム後半は「レクイエム  ニ短調 K.626」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756‐1791)が作曲した「死者のためのミサ曲」です モーツアルト最晩年の1791年8月末、見知らぬ男が彼を訪ね、匿名の依頼主からの「レクイエム」の作曲を依頼し、高額な報酬の一部を前払いして帰りました。1964年になって、この匿名の依頼主がフランツ・フォン・ヴァルゼック伯爵という田舎の領主であり、彼の使者が伯爵の友人フランツ・アントン・ライトゲープだったことが明らかになりました 伯爵は1791年2月に若くして亡くなった妻の追悼のためにモーツアルトに「レクイエム」の作曲を依頼したのでした。モーツアルトは作曲に取り掛かったものの病に侵され、作品は未完のまま残され、弟子のフランツ・クサーヴァー・ジュースマイヤーによって補筆完成されたことは良く知られています

作品は1.イントロイトゥス(入祭唱)、2.キリエ、3.セクエンツィア(続唱)、4.オッフェントリウム(奉献唱)、5.サンクトゥス(聖なるかな)、6.ベネディクトゥス、7.アニュス・デイ(神の子羊)、8.コム二オ(聖体拝領唱)」から成りますが、モーツアルトは「セクエンツィア(続唱)」の第8曲「ラクリモーサ(涙の日)」の8小節まで書いて息を引き取りました

ジュースマイヤー補筆版以降、バイヤー版、モーンダー版、ランドン版、レヴィン版などが相次いで出ましたが、回演奏されるのは、アイブラー、ジュスマイヤーの補筆版に鈴木優人がさらに補筆を加えた校訂版によるものです 例によって、私は1100円で別売りされているプログラム冊子を買わないので、どの部分が補筆されているのか分かりません

拍手の中、4人の歌手が登場します。驚いたことにエルトマンは”お色直し”をして、深緑青色の衣装で現れました 前半が黒の衣装だったので死者のためのミサ曲である「レクイエム」では着替えないと思っていました 変わり身の早さは エルトマン というより エイトマン か 

アルトのマリアンネ・ベア―テ・キーラントはノルウェー国立アカデミーで研鑽を積み、ハノーヴァー国立歌劇場のアンサンブル・メンバーとして活躍した後、ヨーロッパの数々の音楽祭に出演、2015年のB.C.Jによるモーツアルト「レクイエム」公演とCD録音に参加しています テノールの櫻田亮は2002年のブルージュ国際古楽コンクール第2位など多くの受賞歴があります。二期会会員で東京藝大准教授を務めています バスのクリスティアン・イムラ―はロンドンのギルドホール音楽学校で学び、2001年パリのナディア&リリー・ブーランジェ コンクールで優勝、現在はローザンヌ音楽院、フリブール音楽院の教授を務めています

まず最初の「イントロイトゥス」第1曲「レクイエム・エテルナム(永遠の安息を)」でソプラノ・ソロを歌ったエルトマンが素晴らしかった 思わず聴き惚れてしまいます 「セクエンツィア」の「ディエス・イレ-(怒りの日)」の合唱は迫力がありました 「レコルダーレ(思い出したまえ)」におけるソリストの四重唱はアンサンブルが見事でした 「ラクリモーサ(涙の日)」を聴くと、いつも「モーツアルトはここで筆を置いたのか」と悲しい気持ちになります 「俺は35歳の今まで生きてきたけれど、本当はもっと生きたいんだ」というモーツアルトの嘆きを聴くようです

「ラクリモーサ」の次にアーメンの合唱が入りましたが、これはジュースマイヤー版とは異なります 次いで「オッフェントリウム」の「ドミネ・イエス(主イエス)」における四重唱は聴きごたえがありました そして最後の「コム二オ」の「ルックス・エテルナ(永遠の光)」の合唱は素晴らしかった

 

     

 

全体を通して、鈴木優人は速めのテンポでサクサクと演奏を進め、スキのない音楽作りに徹していましたが、これが功を奏したようです いつもながら、合唱の素晴らしさは特筆に値します ソリストと合唱を支えたB.C.Jの管弦楽の素晴らしさは言うまでもありません

大きな拍手とブラボーの中、鈴木優人がマイクを持って登場、この日、B.C.Jの首席指揮者に就任した旨をアナウンスし、大きな拍手を浴びました

最後にソリスト4人が合唱に加わり、弦楽合奏のバックで「アヴェ・ヴェルム・コルプス」K.618が歌われました この曲はカトリックで用いられる聖体讃美歌で、モーツアルト最晩年の1791年6月17日に 妻コンスタンツェの療養を世話した合唱指導者アントン・シュトルのために作曲した作品です わずか46小節の小品ですが、晩年の傑作と言われています あらかじめ「アンコール曲」代わりにプログラムに組み込んでいた感のある楽曲ですが、透明感のある合唱により純粋で天国的に美しい音楽を堪能できました

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ペトル・アルトリヒテル✕新日本フィルでスメタナ:連作交響詩「わが祖国」全曲を聴く~サントリーホールシリーズ 新シーズンのスタート / 会員継続特典CDは「シュトラウス:ワルツ・ポルカ集」

2018年09月24日 07時58分36秒 | 日記

24日(月・休)。わが家に来てから今日で1453日目を迎え、宇宙航空研究開発機構は22日、探査機「はやぶさ2」から分離した小型探査ロボット2台が、小惑星「リュウグウ」に到着したと発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                  次の機会にトランプ大統領をハヤブサ3に乗せて リュウグウに送還してくれね?

 

         

 

昨日、サントリーホールで新日本フィル第594回定期演奏会(ジェイド=サントリーホール・シリーズ)を聴きました 2018-19シーズン第1回目のコンサートで、私は今シーズンからこのシリーズの会員に移行し、2階席で聴くことになりました。新シーズン第1回目のプログラムはスメタナの連作交響詩「わが祖国」全曲 指揮はペトル・アルトリヒテルです

アルトリヒテルは1976年ブザンソン指揮者コンクールで第2位及び特別賞を受賞、1990年からプラハ交響楽団、1997年からロイヤル・リヴァプール・フィル、2002年からブルノ・フィルの各首席指揮者等を歴任、2017年5月の「プラハの春音楽祭」ではイルジー・ビエロフラーヴェクの代役を務めました

 

     

 

べドジフ・スメタナ(1824-84)は「チェコの国民楽派」の「祖」となり、後にドヴォルザークが「父」として続きました 「わが祖国」は1872年頃から構想され1879年に完成した6曲からなる連作交響詩です

第1曲「ヴィシェフラト(高い城)」、第2曲「ヴルタヴァ(モルダウ)」、第3曲「シャールカ」、第4曲「ボヘミアの森と草原から」、第5曲「ターボル」、第6曲「ブラニーク」から成ります

第1曲「ヴィシェフラト(高い城)」は、プラハの丘の上に残されたヴィシェフラド(高い城)に寄せて、チェコ王国の過去の栄光と悲哀を綴った曲です

第2曲「ヴルタヴァ(モルダウ)」は、水源から次第に流れを集め、大きな流れとなっていくモルダウ川に託して、祖国の自然を歌い上げた曲です

第3曲「シャールカ」は女性軍の女戦士シャールカの伝説を描いた曲です

第4曲「ボヘミアの森と草原から」はチェコの風景描写の中に、祖国への賛美を込めた曲です

第5曲「ターボル」は「陣営」の意です。ただし、ここではチェコ人の独立のために根気強く戦ったフス教徒の「ターボル派」を意味しています

第6曲「ブラニーク」は前曲のターボルが最後に立てこもり、1452年に陥落した砦のあった山の名前です 祖国独立の勇士の霊がそこに眠り、いつかは立ち上がることへの願いを込めた曲です

全6曲の一括演奏の初演は1882年11月5日にプラハで行われました

オケはいつもの並びで、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成。コンマスはチェ・ムンスです いつものように、第2ヴァイオリンの松崎千鶴さんを確認。篠原英和さんは降り番のようです

長身のアルトリヒテルが指揮台に上がり第1曲「ヴィシェフラト(高い城)の演奏に入ります。譜面台には分厚いスコア・ブックが置かれていますが、彼はまったく開く様子がありません

曲の冒頭、2台のハープが 吟遊詩人が過去の物語を語り始めるように 印象的な動機を演奏します  これを聴くと「ああ、これからチェコの6つの伝説や物語が始まるんだな」と思います

次いで、第2曲「ヴルタヴァ(モルダウ)」の演奏に入ります   スメタナはこの曲のスコアに次のような標題を書き入れています

「ヴルタヴァの最初の水流~ヴルタヴァの第2の水源~森ー狩り~森の結婚式~月の光―水の精たちの踊り~聖ヨハネの急流~ヴルタヴァの大河の流れ~ヴィシェフラトのモティーフ」

アルトリヒテル✕新日本フィルは、スメタナが書き入れた標題の通り、最初の一滴が徐々に仲間を集め 川となり、様々な出来事や風景に出会いながら川幅を広げて流れていく様子を色彩感溢れる管弦楽によって再現しました

第3曲「シャールカ」の演奏では、冒頭の弦楽器による迫力ある演奏が際立ち、マルコス・ミランダのクラリネットが冴えわたっていました

「シャールカ」の演奏が終わるや否や、アルトリヒテルはオケに向かって「ブラボー」と叫び、客席に振り返り、満場の拍手を受けました 彼の意図がパーフェクトにそれぞれの楽員の演奏に反映したという現われでしょう 何度かのカーテンコール後、彼はコンマスのチェ氏の手を取って、そのまま舞台袖に引き上げていきました これから一旦休憩に入るよ、という合図ですが、アルトリヒテルってお茶目なんだから、もう

休憩時間にロビーに出ると、その一角で数人の男女のグループがたむろしており、「ずいぶん違うね~」とか「そうそう、モルダウなんて全く違った」という会話が聞こえてきました 誰の、あるいはどこのオケの演奏と比べて違うと言っているのか分かりませんでしたが、「モルダウ」に関しては 演奏によって「まったく違う」なんてあるんだろうか、と疑問に思いました   私など素人には、テンポが極端に速いとか遅いとかであれば 以前 他のコンサートで聴いた演奏とは違うと判断できますが、それ以外の要素だと どこが「全く違う」のか明確には分かりません 一瞬 自分は頭以上に耳が悪いんだろうか と思いましたが、今に始まったことじゃないし、彼らは耳の肥えた人たちの集まりなんだろうな、と思い直しました

 

     

 

プログラム後半は第4曲「ボヘミアの森と草原から」の演奏から入ります この曲では、中間部での弱音による第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスへと繋がれるフーガが美しく響きました 次いでホルンが森の情景を描きますが、この演奏が素晴らしかった

第5曲「ターボル」では、新日本フィルを”円満退職”し”、臨時に呼ばれた近藤高顯氏によるティンパニの打ち込みが心地よく響きました

最後の第6曲「ブラニーク」では、オーボエ首席の古部賢一とホルン首席の吉永雅人の演奏が冴え渡りました 管・打楽器、弦楽器総動員によるフィナーレは、新日本フィルの底力を示す白熱の演奏でした

アルトリヒテルは、「拍手を受けるべきなのは、スメタナのこの作品です」とでも言いたげに、譜面台の上のスコアブックを取り上げ指をさして抱きました アルトリヒテルにとって「わが祖国」は文字通り「わが祖国を代表する音楽」なのでしょう

帰りがけに定期会員継続特典CDをいただいてきました 内容は今年1月12日に開かれたトリフォニー・シリーズのライブ録音で「シュトラウス:ワルツ・ポルカ集」です 一度ゆっくり聴いてみようと思います

 

     

     

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ユベール・スダーン✕堀米ゆず子✕東響でモーツアルト「ヴァイオリン協奏曲第4番」、ハイドン「交響曲第100番」、ベートーヴェン「交響曲第6番」を聴く

2018年09月23日 07時22分14秒 | 日記

23日(日)。わが家に来てから今日で1452日目を迎え、ローゼンスタイン米司法副長官が昨春、トランプ大統領の発言を隠れて録音し、職務不能だと過半数の閣僚らが宣言すれば、大統領職を解任できる憲法規定の提案を検討していたと米ニューヨーク・タイムズが報じた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                    検討しただけで 実行に移さなかったから 全世界から嫌われるアメリカの今がある

 

         

 

普段、土曜と日曜は夕食を作らないのですが、昨日は山形に居る息子が東京での研修に参加するため帰京したのでカレーライスを作りました いっぱい作り過ぎたので、残ったカレーは鍋ごと冷蔵庫に入れて保存しました

 

     

 

         

 

昨日、サントリーホールで東京交響楽団第663回定期演奏会を聴きました プログラムは①ハイドン「交響曲第100番ト長調”軍隊”」、②モーツアルト「ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K.218」、③ベートーヴェン「交響曲第6番ヘ長調”田園”」です ②のヴァイオリン独奏は堀米ゆず子、指揮はユベール・スダーンです

 

     

 

オケはいつもの東響の並びで、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成。コンマスはグレヴ・二キティンです

1曲目はハイドン「交響曲第100番ト長調”軍隊”」です エステルハージ公爵家にお抱え音楽家として長年仕えたのち”円満退職”したハイドン(1732-1809)は、興行師ザロモンの招きによりロンドンに渡りました 1791年~92年と1794年~95年の2回です。この間 ハイドンは現地で12曲の交響曲を作曲しました  第93番~第98番、第99番~104番です。交響曲第100番は2回目のロンドン行きで作曲された作品です   この交響曲が「軍隊」という愛称で呼ばれているのは、第2楽章の終結部の楽想が軍隊風の響きであるからで、初演の頃からこの名で呼ばれていたようです   第1楽章「アダージョ~アレグロ」、第2楽章「アレグレット」、第3楽章「メヌエット:モデラート」、第4楽章「フィナーレ:プレスト」の4楽章から成ります

スダーンが登場しセンターの譜面台に向かいます。相変わらずスダーンは古典派の交響曲を指揮する時は指揮台を使いません。さらに言えばタクトも持ちません 彼の用いるのはアイ・コン タクトです   第1楽章がアダージョから始まり、フルートとオーボエにより軽快な主題がアレグロで踊り出します   相澤政宏のフルートと荒木奏美のオーボエが素晴らしい  これぞハイドンの愉悦感!という演奏です   第2楽章ではこの作品のニックネームにも通じた軍隊風の音楽が展開しますが、固いマレットで打ち込まれるティンパニが小気味よく響きます

スダーンの作り出す音楽は、軽快な中にハイドンのユーモアを感じさせるもので、聴いた後 爽快感が残りました

2曲目はモーツアルト「ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K.218」です   モーツアルト(1756‐1791)は19歳の時=1775年に 生まれ故郷ザルツブルクで4曲のヴァイオリン協奏曲を作曲しました 第2番から第5番までですが、第1番はその2年前の1773年に作曲されたと考えられています 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」、第3楽章「ロンド:アレグレット・グラツィオーソ~アレグロ・マ・ノン・トロッポ」の3楽章から成ります

ヘアも衣装もシルバーの堀米ゆず子がスダーンとともに登場、センターにスタンバイします 堀米ゆず子の演奏を聴くのはヤマハ・ホールでのバッハ「ブランデンブルク協奏曲全曲演奏会」以来です

スダーンの指揮で第1楽章が開始されますが、かなり速いテンポです が、流れる音楽は流麗です 堀米ゆず子の弾くヴァイオリンを見て、「あれが かつて ドイツの空港で差し押さえられたヴァイオリンね」と余計なことを考えてしまいました

ヴァイオリン協奏曲と言えば、最近はメンデルスゾーン、チャイコフスキー、シベリウス、ブラームスといったロマン派を中心とする技巧的な作品を演奏するヴァイオリニストが多いようですが、そういう傾向に背を向けてモーツアルトのヴァイオリン協奏曲に真正面から取り組む堀米ゆず子の姿勢は「怖いもの知らず」と言ったらいいのか、何と言ったらいいのか 終始笑顔で演奏しているように見えましたが、いま一つ乗り切れていないような感じを受けました カデンツァは良かったです

 

     

 

プログラム後半はベートーヴェン「交響曲第6番ヘ長調”田園”」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(Ⅰ770-1827)が1808年に完成させ、同年アン・デア・ウィーン劇場で「交響曲第5番」、「ピアノ協奏曲第4番」、「合唱幻想曲」とともに公開初演されました 自然描写を試みた交響曲はクネヒト「自然の音楽的描写」をはじめとして18世紀には数曲ありますが、この曲は単純な自然の描写ではなく、田園の印象に基づく人間感情の表現を追求しており、ベルリオーズをはじめとするロマン派の標題音楽の先駆的な役割を果たしたと考えられています 第1楽章「田舎に到着した時の愉しい感情の目覚め アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「小川のほとりの風景 アンダンテ・モルト・モッソ」、第3楽章「田舎の人たちの楽しい集い アレグロ」、第4楽章「雷鳴、嵐 アレグロ」、第5楽章「羊飼いの歌、嵐の後の喜びと感謝の気持ち アレグレット」の5楽章から成ります

全体を通して感じたのは、フルート首席・相澤政宏、オーボエ首席・荒木奏美、クラリネット首席・吉野亜希菜、ファゴット首席・福井蔵、ホルン首席・上間善之の演奏の素晴らしさです これほどの”通俗名曲”を最後まで飽きずに聴かせるには、演奏する側の優れた表現力と集中力が求められます さらに 指揮者には個々の演奏者の音をブレンドして美しいアンサンブルを醸し出す統率力が求められます 管楽器同士の、あるいは管・打楽器と弦楽器の見事なアンサンブルを聴いて、40年間東響の音楽監督兼常任指揮者を務めた秋山和慶氏の後を継ぎ 2004年から2014年まで音楽監督を務めたスダーンは、東響の音の「ブレンド力」をアップし、引いては東響の「ブランド力」のアップに多大な貢献をしたのだな、と思いました スダーンの指揮で「田園」を聴いていると、指揮者の包容力を感じ、音楽に心地よく耳を傾けることが出来ます

さて、東響のプログラム冊子「Symphony」の「定期演奏会」の楽曲解説は、一昨日と昨日の当ブログでご紹介した音楽評論家・奥田佳通さんが書かれています 分かり易いです

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「METライブビューイング アンコール2018」でプッチーニ『マノン・レスコー』を観る~ヒロインを演じたオポライスとカウフマンの代演を務めたアラーニャにブラボーの嵐 / サイモン・ラトルの美学

2018年09月22日 07時20分26秒 | 日記

22日(土)。昨日のブログ(ハンブルクトリオによるメンデルスゾーン『ピアノ三重奏曲全曲演奏会』)の中で、音楽評論家の奥田佳通氏が 名前を名乗らず挨拶と曲目解説をしたことについて、「名前を名乗ってから あいさつすべきではないか」という旨を書いたところ、ご本人からコメントをいただきました 「指摘の通りであり 反省している。以後気を付けたい」という旨の内容ですが、まさか高名な音楽評論家・奥田佳通さん本人からコメントをいただけるとは思ってもみなかったのでビックリしました それと同時に、単なる音楽好きの素人の意見に真摯に向き合ってくださった奥田さんの人柄に感激しました 

音楽評論家の中には、専門的な用語を多用して簡単なことを難しく表現して素人を惑わしたり、文学的な表現にこだわって ひとり悦に入ったり、あまりにも抽象的で何を言っているのかさっぱり分からないといった人が少なくありません その点 奥田さんの解説は、昨日のブログでも若干触れましたが、素人の私にも分かり易く、聴く側の立場に立って書かれていることが分かります コンサートのプログラム冊子や音楽関係の雑誌などに奥田佳通さんが書かれた曲目解説やコンサート評をお読みになれば、私の言っていることが分かっていただけると思います

ということで、わが家に来てから今日で1451日目を迎え、文部科学省の戸谷一夫事務次官と高橋道和初等中等教育局長が21日、一連の贈収賄事件の責任を取って辞任した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      教育を司る役所のトップが贈収賄やってるんじゃ 子供たちに説明がつかないぜ

 

         

 

昨日、夕食に「なすと豚ひき肉のマーボー蒸し」と「小松菜と厚揚げのナムル」を作りました 「なす~」は小田真規子先生、「小松菜~」は本多京子先生のレシピです 「なす~」は完成してから失敗に気が付きました。味噌を入れ忘れたのです そこがミソなのに ところで どうでもいいことですが、本多先生は十年以上前に 現在わが家が入居しているマンションに住んでいらっしゃいました

 

     

 

 

         

 

昨日の朝日朝刊 文化・文芸面に「指揮者とオケ  求めた親密さ ー サイモン・ラトルの美学」という記事が載っていました。超訳すると

「ベルリン・フィルの首席指揮者兼芸術監督を今年退任した指揮者サイモン・ラトルだが、退任の理由はなお憶測を呼んでいる   そこには指揮者とオケとの関係性をめぐる彼なりの美学が潜んでいるようだ   ベルリン在任は2002年から今年6月までの16シーズン   昨シーズンから音楽監督に就任したロンドン交響楽団との違いをこう振り返る⇒『ベルリン・フィルは常に彼らの歴史について議論していて、歴史がその肩に非常に重くのしかかっている それは素晴らしい重しだ。ロンドン交響楽団は常に先のこと、どこに向かうのかを議論している。考え方が違う』。ベルリン在任中、演奏会のネット配信を始め、子どもたちの音楽教育にも力を入れた カラヤン時代(1955~89年)を含め、ベートーヴェンやブラームス、ブルックナーなどドイツ音楽の伝統と重厚さで知られる楽団に 古楽器奏法や新たな解釈を取り入れ、違いを際立たせた 第1コンサートマスターの樫本大進は『今日のベルリン・フィルは、一つの決まった音ではなく、いろいろな色を持つ花束のような音になっている。カラヤン時代の音は素晴らしいが今、当時のように弾きたいかといえば、違う』と語る。団員の強烈な個性を圧倒的なカリスマで統率したカラヤンとは時代が異なる。ラトルは『ベルリン・フィルは、いい意味で互いに激しく競い合い、わがままな集団です。ドイツ的というよりはカラヤンの影響だろう』と語る。これに対し、ロンドン交響楽団はラトル本来の方向性とも一致するようだ 『18世紀中期から昨日書かれた曲まで幅広く関心を持っている。様々な奏法を熟知しており、とても柔軟だ。素晴らしい奏者たちだが、競い合う関係ではない。互いの関係がより柔らかく、人間的だ』と語る。指揮者とオケの関係性、あるいは音楽作りにおいて、彼が求めてきたのは、上下関係ではなく、民主的で親密な関係だ だれの影響なのかについて聞くと、2人の対照的な指揮者を挙げた。専制君主的な指揮者として知られるトスカニーニと、ナチス支配の欧州から逃れ、主に米国で活動したブルーノ・ワルターだ。『私は常に、トスカニーニ型ではなくワルター型。楽団員の面倒見がいい指揮者の音楽を好む』。どちらが”人間性を伴った芸術”(ラトル)を生み出すかは明らかだろう。退任後もベルリンに住み、ベルリン・フィルやベルリン国立歌劇場などに客演する。英国の欧州連合離脱との関係については『ベルリンに住み続けることは国民投票の前に家族会議で決めていた。ロンドンは素晴らしい場所だが非常に慌ただしい。音楽は人生に関するものだが、人生は音楽だけではない。いい決断だったと思う』と語る

この記事を読んで疑問に思ったのは、帝王カラヤンの後を継ぎ1990年にベルリン・フィルの首席指揮者に就任し、2002年にラトルにバトンタッチしたクラウディオ・アバド(1933‐2014)について、ラトルがひと言も言及していないことです アバドこそ、カラヤン的なカリスマ性を排し、オケとの民主的な関係性を求めた前任者だと思うからです もっともインタビューの中でアバドの名前が出たものの、記事にする際に割愛したことも考えられます どちらにしても、ベルリン・フィルにとって、いかにカラヤンという指揮者が後世に多大な影響を及ぼす大きな存在だったかということを再認識せざるを得ません

 

         

 

昨日、東銀座の東劇で「METライブビューイング  アンコール2018」のプッチーニ「マノン・レスコー」を観ました これは2016年3月5日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です キャストは、マノン・レスコー=クリスティーヌ・オポライス、デ・グリュー=ロベルト・アラーニャ、レスコー=マッシモ・カヴァレッティ、ジェロント=ブリンドリ―・シェラット、管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団、指揮=ファビオ・ルイージ、演出=リチャード・エアです なお、デ・グリュー役は当初ヨナス・カウフマンが歌う予定でしたが健康上の理由から急きょアラーニャに変更になりました

 

     

 

舞台はフランス、アミアンのホテル前。奔放な性格のため修道院に入れられることになったマノンは、兄レスコーに連れられてホテルに着く。彼女に一目ぼれしたデ・グリューはもう一度会いたいと口説く しかし、銀行家のジェロントもマノンに目をつけ、馬車を用意させていた その計画を察知したデ・グリューはマノンを誘い二人でパリに逃げる(以上第1幕)。

パリで暮らし始めた二人だが、間もなく金に困り、マノンはデ・グリューと別れてジェロントの愛人になっている。豪華なジェロントの屋敷で贅沢三昧の生活に飽きてきたマノンのところに、デ・グリューが現われる 最初は怒っていた彼だが、マノンの魅力に負けて抱き合う。そこに現れたジェロントは怒って警官を呼び、マノンを逮捕させる(以上第2幕)。

【間奏曲】

ル・アーブルの港。マノンは囚人としてアメリカに追放されることになった。兄レスコーとデ・グリューがマノンを救出しようとするがすべて失敗に終わる いよいよ出航の時、デ・グリューは船長に懇願し、マノンと一緒に乗船してアメリカに行く許可を得る(以上第3幕)。

ニューオーリンズの砂漠。水も食料も底をつき、二人は荒野を彷徨っている。マノンは病に冒され息も絶え絶えになっている 二人は運命を嘆き、お互いを思いやる。デ・グリューが水を探しに出かけたあと、一人残されたマノンは死を覚悟する。戻ってきたデ・グリューの腕に抱かれマノンは短い生涯を終える(以上第4幕)。

 

     

 

今マノン・レスコーを演じさせてクリスティーナ・オポライスほど相応しい歌手は他にいないかもしれません ただ歌が上手いだけではダメだし、容姿端麗でスタイルが良いだけでもダメだし、演技力が優れているだけでもダメです 常識を持った男を狂わせる魅力に満ちた「ファム・ファタール」でなければなりません オポライスはマノンに求められるすべての条件を備えています MET衣裳部によるセクシーなドレスがオポライスのファム・ファタールぶりに磨きをかけていました

驚くべきはデ・グリューを歌ったロベルト・アラーニャです 幕間のインタビューで「カウフマンが降板しMETのピーター・ゲルブ総裁から急きょ代演を頼まれた時、初めて歌う役だったので、2週間毎日12時間の練習を重ね リハーサルと本番に臨んだが、高音部をクリアしなければならない場面が多く喉を酷使してしまった」と語っていました。インタビュアーから「これでプッチーニのオペラはすべて歌いましたね」と賞賛されていましたが、初挑戦の役を2週間で仕上げる根性はまさにプロ中のプロです しかも、彼の場合は常に全力投球なので観ている方も思わず感情移入してしまいます

レスコーを歌ったマッシモ・カヴァレッティも、ジェロントを歌ったブリンドリ―・シェラットも申し分のない歌唱力でしたが、オポライスとアラーニャの前では存在が霞んでしまいます

素晴らしかったのはファビオ・ルイージ指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団の演奏です 歌手にしっかりと寄り添い、第3幕への「間奏曲」では、このオペラの結末を物語るかのような悲しい旋律を奏でていました

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ハンブルクトリオでメンデルスゾーン「ピアノ三重奏曲第1番、第2番」、ファニー・メンデルスゾーン「ピアノ三重奏曲ニ短調」を聴く~どの曲も緩徐楽章が美しい!

2018年09月21日 07時19分15秒 | 日記

21日(金)。昨日 テレビの天気予報で、東京では9月に入って雨が降らなかった日が2日間しかなかった、と言っていました そのせいか、ここしばらくは涼しい日が続いています。そこで、もう「残暑厳しき折」は無いだろうと考えて、衣替えをしました といっても半袖シャツをしまい 長袖シャツを出しただけの話です ついでに 着なくなって久しいシャツも整理して10枚ほど「古着」として分別ごみに出しました。まさか さんざん着古した衣類をメルカリに出すような図々しい人はいませんよね

ということで、わが家に来てから今日で1450日目を迎え、今年3回目の南北首脳会談のため訪朝している韓国の文在寅大統領は20日朝、金正恩朝鮮労働党委員長と中国国境にある朝鮮民族の聖地・白頭山に登った というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     両国首脳の胸中は「共に白髪の生えるまで」ということかな  頭の中は真っ黒か?

 

         

 

昨日、夕食に「牛肉のしぐれ煮」と「生野菜とアボカドのサラダ」を作りました サラダを作るのは久しぶりです

 

     

 

         

 

昨夕、東京オペラシティ リサイタルホールで「ハンブルク トリオ メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲全曲演奏会」を聴きました プログラムは①フェリックス・メンデルスゾーン「ピアノ三重奏曲第2番ハ短調作品66」、②ファニー・メンデルスゾーン「ピアノ三重奏曲ニ短調作品11」、③フェリックス・メンデルスゾーン「ピアノ三重奏曲第1番二短調作品49」です

私がハンブルク・トリオの演奏を聴くのは、2015年の「ブラームス  ピアノ三重奏曲全曲演奏会」以来3年ぶりです 演奏はヴァイオリン=塩貝みつる(元ハンブルク国立フィル)、チェロ=ウルリッヒ・ホルン(フランクフルト放送響)、ピアノ=エバーハルト・ハーゼンフラッツ(ベルリン芸術大学)です チェロは当初 ヴィタウタス・ゾンデキス(NDRエルプフィル)の予定でしたが、急病のためホルンがチェロを弾くことになりました

 

     

 

全自由席です。センターブロック4列目の右通路側を押さえました。会場はほぼ満席です

開演に先立って、男性がステージに現われ歓迎のあいさつと曲目解説をしましたが、どこのだれかを名乗らないので、いったい誰が話しているのかわかりませんでした あとでプログラムを見たら「ご挨拶」として「前回と同様に、音楽評論家の奥田佳道氏がお話しくださいます」と書かれていました しかし、こう書かれているからと言って、聴衆を前にして挨拶をする限り 最初に名前くらいは名乗るのが常識でしょう 奥田氏と言えば、音楽評論家の中では分かり易い解説で定評のある人で、普段から私は好感を持っています しかし、今回の”省略”はいただけません 

フーテンの寅さんのように「私、生まれも育ちも葛飾柴又です。帝釈天で産湯をつかい、姓は車、名は寅次郎、人呼んで風天の寅と発します。西へ行きましても、東へ行きましても、とかく土地土地のお兄いさんお姉えさんにご厄介かけがちなる若造でござんす。以後、見苦しき面体お見知りおかれまして、今日後万端引き立って宜しくお頼ん申します」とまで自己紹介する必要はありませんが、名前くらいは名乗るべきだと思います どうだい、労働者諸君

さて 1曲目はフェリックス・メンデルスゾーン(1809‐1847)の「ピアノ三重奏曲第2番ハ短調作品66」です この曲は1845年4月に完成、同年12月にライプツィヒで初演されました。第1楽章「アレグロ・エネルジコ・エ・コン・フォーコ」、第2楽章「アンダンテ・エスプレッシーヴォ」、第3楽章「スケルツォ:モルト・アレグロ・クアジ・プレスト」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・アパッショナート」の4楽章から成ります

3人の演奏で第1楽章に入りますが、冒頭からメンデルスゾーンの短調の魅力全開です ほの暗い情熱とでも言うべき曲想が聴衆の心を鷲づかみします この曲がブラームスに大きな影響を与えたということが実感できます 3人の演奏で特に印象に残ったのは第2楽章「アンダンテ・エスプレッシーヴォ」です 「エスプレッシーヴォ」とは「表情豊かに」という発想表示ですが、ヴァイオリンを中心に天国的な音楽を奏でます

次いでフェリックスの姉 ファニー・メンデルスゾーン(1805‐1847)の「ピアノ三重奏曲ニ短調作品11」の演奏に入ります この曲は、1846年から翌年にかけて作曲されました。第1楽章「アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アンダンテ・エスプレッシーヴォ」、第3楽章「リート:アレグレット」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・モデラート」の4楽章から成ります

弟のフェリックスの作品との大きな違いは第3楽章です フェリックスの作品は「スケルツォ」がきますが、ファニーは「リート」つまり「歌曲」がきます ファニーは歌曲やピアノ小品を数多く作曲していることからも納得できます 3人の演奏を聴いていて感じたのは、第2楽章がまさに「エスプレッシーヴォ」だったことと、第3楽章と第4楽章の音楽がシューベルトのようだったということです カギは「リート」にあると思いますが、これは弟のフェリックスの音楽では感じないことです。全体を通じて感じたのは、ファニーの作品はビューティフルだったということです

 

     

 

プログラム後半はフェリックス・メンデルスゾーン「ピアノ三重奏曲第1番二短調作品49」です この曲は1839年に完成し、ヴァイオリンをゲヴァントハウス管弦楽団のコンマスのダーヴィト、チェロを同管弦楽団のチェリストでシューマン夫妻とも友好関係にあったヴィットマン、ピアノをメンデルスゾーン自身が担当して、ライプツィヒ・ゲヴァントハウスホールで公開初演されました 第1楽章「モルト・アレグロ・アジタート」、第2楽章「アンダンテ・コン・モト・トランクィロ」、第3楽章「スケルツォ:レッジェッロ・エ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・アッサイ・アパッショナート」の4楽章から成ります

この曲も第1楽章の冒頭から短調の魅力全開です 3人の演奏で特に良いと思ったのは、この曲でも第2楽章「アンダンテ~」でした。どうやらこのトリオは緩徐楽章を得意中の得意にしているようです 3人のアンサンブルは素晴らしく、夢みるような音楽が奏でられます 第3楽章はメンデルスゾーン得意のスケルツォで、森の中を妖精が飛び回っているような音楽です そして、第4楽章は「アパッショナート」の表示の通り情熱的な音楽が奏でられます

満場の拍手に3人はブラームスの「ピアノ三重奏曲第1番ロ長調作品8」の第3楽章「アダージョ」を抒情性豊かに演奏し聴衆のクールダウンを図りました

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