31日(火).早いもので今日で10月も今日で最後です わが家に来てから今日で1126日目を迎え,気象庁が30日,冬の訪れを告げる「木枯らし1号」が東京都心で吹いたと発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
去年より10日早いそうだ ご主人は財布の中に木枯らし1号が吹いたと言ってたよ
昨日,夕食に「豚バラとゴボウの柚子コショウ煮」「生野菜とタコのサラダ」「トマトとタケノコとウインナのスープ」を作りました 「豚バラ~」のゴボウは太くならないようにピーラーで剥きました
昨夕,東京オペラシティコンサートホールで「松田華音 ピアノ・リサイタル」を聴きました プログラムは①チャイコフスキー/リスト編「歌劇”エフゲニー・オネーギン”から『ポロネーズ』」,②プロコフィエフ「ロメオとジュリエット」から10の小品,③ムソルグスキー「展覧会の絵」です
松田華音(かのん)は1996年5月香川県高松市生まれの21歳 2002年秋,6歳でモスクワに渡りエレーナ・ペトロ―ヴナ・イワノーワに師事,翌年ロシア最高峰の名門音楽学校,モスクワ市立グネーシン記念中等(高等)音楽専門学校ピアノ科に第1位で入学,2013年2月,同校を首席で卒業,同年9月にモスクワ音楽院に日本人初となる政府特別奨学生として入学.2014年11月にドイツ・グラモフォンからCDデビューを果たしています
松田華音の演奏を聴くのは2015年4月7日に東京オペラシティで聴いて以来2年半ぶりです
自席は1階19列12番,センターブロック左から2つ目です.会場は8割方埋まっている感じでしょうか
1曲目は チャイコフスキー/リスト編「歌劇”エフゲニー・オネーギン”から『ポロネーズ』」です この曲はプーシキンの小説に基づき1878年に完成されたオペラ「エフゲニー・オネーギン」の第3幕の舞踏会のシーンで流れる壮麗な音楽です 天才リストが1880年にピアノ用に編曲しています
ブルーの鮮やかなドレスで登場した彼女は,前より大人びて見えました ピアノに対峙する彼女は歯切れよくダイナミックに演奏します まずは挨拶代わりといったところでしょうか
2曲目はプロコフィエフ「ロメオとジュリエット」から10の小品です この曲は1934~35年に作曲され,1938年のバレエの初演に先立って1937年にピアノ編曲版として発表されて 作曲者自身のピアノにより初演されました
第1曲「フォークダンス」,第2曲「情景」,第3曲「メヌエット」,第4曲「少女ジュリエット」,第5曲「仮面」,第6曲「モンタギュー家とキャプレット家」,第7曲「僧ローレンス」,第8曲「マーキュシオ」,第9曲「百合の花を手にした娘たちの踊り」,第10曲「別れの前のロメオとジュリエット」の10曲から成ります
松田華音の演奏は,最小音から最大音までのダイナミックレンジが広く,第6曲「モンタギュー家とキャプレット家」では力強い演奏で聴衆を魅了します 彼女の演奏の大きな特徴の一つは歯切れの良さで,もう一つは曲の間を空けることなく ほぼ連続して弾き進めることです 集中力を高めるためには最善の方法かも知れません.が,少し先を急ぎ過ぎか,と思わないでもないです
プログラム後半はムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」です この曲は,1874年に35歳で急死した親友の建築家・画家のヴィクトル・ハルトマンの遺作展を見た時に受けたインスピレーションをもとに作曲されました ほとんど見向きもされなかったこの作品が脚光を浴びるようになったのは,モーリス・ラヴェルが管弦楽用に編曲してからです
曲の冒頭と途中に,展覧会で絵を見て歩く様子を表す「プロムナード」が置かれ,全部で10枚の絵が音楽で表現されます
プロムナード,第1曲「小人」,プロムナード,第2曲「古い城」,プロムナード,第3曲「テュイルリーの庭」,第4曲「ビドロ」,プロムナード,第5曲「卵の殻を付けたひなどりのバレエ」,第6曲「サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ」,プロムナード,第7曲「リモージュの市場」,第8曲「カタコンブ」,第9曲「鶏の足の上の小屋(バーバ・ヤーガ)」,第10曲「古都キエフの大門」から成ります
松田華音がピアノに向かいプロムナードの演奏に入ります 予想外の速いテンポで驚きました この曲では音の強弱・濃淡を自由自在に弾き分け,ダイナミックな演奏を展開し 色彩感豊かな音の世界を表出しました
ただ,全体的に速めのテンポでサクサクと演奏するのは良いのですが,前の「ロミオとジュリエット」と同様,曲と曲の間に”間”を置かず次に進んでしまうので,余韻に浸っている余裕がありません あたかも,ベルトコンベアに乗って10枚の絵を次から次へと”見せられている”という感じがします 演奏側と聴衆側の両方の立場に立って客観的に見ると,集中力を維持するためには,間を置かずに連続して演奏する方が良いと思いますが,それは程度問題で,もう少し余裕が欲しいと思いました ただ,そのように演奏することが彼女の演奏スタイルだとしたら,つまり,意図してそのような演奏を目指しているとしたら,聴く側が考え直さなければなりません かのマルタ・アルゲリッチはショパンのプレリュードで,いくつかの曲を繋げて演奏し あたかも1つの物語を語るような効果を上げていましたが,それと同じような効果を狙っているのでしょうか こればかりは本人に訊いてみないと分かりません
鳴りやまない拍手とブラボーに,ムソルグスキーの「古典様式による間奏曲」を演奏 それでも鳴りやまないので,彼女のテーマ音楽を演奏しました.曲は「パッヘルベルの華音」です