人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新国立オペラでヨハン・シュトラウスⅡ世「こうもり」を観る / ミューザ川崎「パイプオルガン クリスマス・コンサート」のチケットを取る

2020年11月30日 07時25分33秒 | 日記

30日(月)。月日の流れは速いもので、あっという間に11月も今日で終わりです 今年も残すところあと1か月になってしまいました コロナのせいで思うようにいかないことが多々ありますが、皆さんはいかがですか

ということで、わが家に来てから今日で2251日目を迎え、何週間も記者団からの質問に応じてこなかったトランプ米大統領が26日、記者会見に登場し、ロイター通信のホワイトハウス特派員が 12月14日に行われる選挙人投票について明確な答えを引き出そうと質問したのに対し、「私にそんな口をきくんじゃない!君なぞ取るに足らない人間だ。私にそんな口をきくな・・・・私はアメリカ合衆国大統領だ。大統領に二度とそんな口をきくんじゃない!」と激怒した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     これがアメリカ合衆国大統領の言う言葉か? 小学校のガキ大将と同じレベルだな!

 

         

 

12月19日(土)午後2時からミューザ川崎で開かれる「ミューザ パイプオルガン クリスマス・コンサート」のチケットを取りました バッハ国際コンクール優勝オルガニスト、冨田一樹を中心とする公演で、バッハのオルガン曲やマルチェッロ「オーボエ協奏曲」などが演奏されます 手配が出遅れたので3階席しか取れませんでした

 

     

 

         

 

昨日、初台の新国立劇場「オペラパレス」でヨハン・シュトラウスⅡ世「こうもり」初日公演を観ました キャストはガヴリエル・フォン・アイゼンシュタイン=ダニエル・シュムッツハルト、ロザリンデ=アストリッド・ケスラー、フランク=ピョートル・ミチンスキー、オルロフスキー公爵=アイグル・アクメチーナ、アルフレード=村上公太、ファルケ博士=ルートヴィヒ・ミッテルハマー、アデーレ=マリア・ナザロワ、イーダ=平井香織、ブリント博士=大久保光哉、フロッシュ=ペーター・ゲスナー(クルト・リドルの代演)。管弦楽=東京フィル、合唱=新国立劇場合唱団、バレエ=東京シティ・バレエ団、指揮=クリストファー・フランクリン、演出=ハインツ・ツェドニクです

このオペレッタはヨハン・シュトラウスⅡ世(1825-1899)が1873年に作曲、翌74年にアン・デア・ウィーン劇場で初演されました ヨハン・シュトラウスⅡ世の街ウィーンでは、年末年始の風物詩として「こうもり」が上演されています

 

     

 

物語の舞台はウィーン郊外。銀行家アイゼンシュタインは顧問弁護士の不手際で禁固刑が延長され大憤慨する しかし、悪友ファルケ博士に誘われ、妻ロザリンデには刑務所に出頭すると偽り、変装してロシアのオルロフスキー侯爵邸の夜会へ出かける。そこでハンガリーの伯爵夫人を名乗る仮面の美女を妻と気付かず口説くが、小道具の懐中時計を巻き上げられてしまう 翌朝、刑務所に出頭したアイゼンシュタインは、収監されている若い男アルフレードと、駆けつけた妻の浮気を疑うが、証拠物件の時計を見せられ 自分の浮気がばれて逆にやり込められてしまう そこへ、茶番劇の仕掛け人ファルケが現れ、「すべてはシャンパンのせい」と歌い上げ大団円を迎える

 

     

 

主催者側が用意した席は2階3列35番、右ブロック左通路側です。A席にしては良い席です    前回同様、新型コロナ感染拡大対応措置として、1階最前列と2列目は空席となっています

私がこのオペレッタ「こうもり」を新国立劇場でハインツ・ツェドニクの演出で観るのは2006年、2009年、2011年、2015年、2018年に次いで、今回が6度目です

サンフランシスコ生まれのクリストファー・フランクリンの指揮で、このオペレッタの内容を凝縮したかのような軽快な序曲が演奏されます この序曲を聴くと これから始まる楽しいオペレッタを想像してワクワクします

「こうもり」は何回観ても楽しく うきうきしますが、とくに第1幕で、アイゼンシュタインが刑務所に出頭するため、ロザリンデに別れを告げるシーンは思わず笑ってしまいます     アイゼンシュタインもロザリンデもアデーレも、それぞれが夜会に行くことはお互いに知りません 最初は別れがつらいと悲しく歌い出しますが、次第に夜会への期待が高まり、踊りのリズムが奏でられると身体が動き出して一緒に踊り出します この場面は建前が崩れて本音が勝つシーンです

歌手陣は絶好調でした

アイゼンシュタインを歌ったダニエル・シュムッツハルトはオーストリア出身のバリトンですが、歌唱力はもちろんのこと、3枚目の役柄に徹した見事な演技力は特筆に値します

ロザリンデを歌ったアストリッド・ケスラーはオーストリア出身のソプラノですが、第2幕で仮面を付けて歌うチャールダーシュ「ふるさとの調べは」は美しいながらも力強い歌唱で、会場割れんばかりの拍手を浴びました

オルロフスキー公爵を歌ったアイグル・アクメチーナはロシア連邦バシコルトスタン共和国のウファ芸術大学で学んだメゾソプラノですが、声が良く通り存在感が抜群でした 今回の公演で最も強く印象に残りました

アデーレを歌ったマリア・ナザロワはウクライナ出身のソプラノですが、第2幕でルナール侯爵を名乗るアイゼンシュタインから「家の小間使い」と馬鹿にされて、逆にやり込める「侯爵様、あなたのような方は」を技巧を駆使して歌い上げ、第3幕ではフランクから「才能はあるのか?」と訊かれ、女優としていろいろな人物になれることを歌で証明する「田舎娘になって」を見事なコロラトゥーラで歌い切りました

アルフレードを歌った村上公太は東京音大卒、新国立劇場オペラ研修所第6期修了のテノールですが、良く声が通り演技力も十分で、大健闘でした

以上に挙げなかった歌手陣もそれぞれ聴きごたえのある歌唱を披露していました

クリストファー・フランクリン指揮東京フィルは、歌手に寄り添いながら、木管が、弦楽器が、良く歌っていました

演出で気が付いたのは、とくに合唱団がソーシャルディスタンスを取りながら歌い演じていたことです 前回までの公演と比較して一番違っていたのは、第2幕でロザリンデでがチャールダーシュを歌い終わってから、シュトラウスⅡ世のポルカ・シュネル「雷鳴と電光」に合わせて出演者全員が踊るシーンです 前回までは、ジェンカを踊る時のように、前の人の肩に手をかけて長い列を作って練り歩き、最後は将棋倒しになって崩れ落ちるのですが、今回は人同士が接触することのないように、各自がその場で踊るシーンが目立ちました 合唱団の出演者を絞っているように思いました

今回の初日公演は、主役級の歌手陣を中心に高いレヴェルを保ちながら、オペレッタ特有のわくわく感を醸し出していました

 

     

 

ところで、プログラム冊子掲載の「作品ノート」に堀内修氏が次のように書いています

「1873年5月1日、帝国の経済低迷を打破する起死回生の策として、ウィーン万国博覧会が幕を開けた その8日後の5月9日「暗黒の金曜日」に大恐慌が起こる 全財産を失って自殺した人が150人を超えた。そこにコレラの流行が追い打ちをかける。コレラでは3000人を超える市民が命を落とした 期待された万国博が大きな赤字で終わって5カ月後の1874年4月、『こうもり』が世に出た。絶望の底にあったウィーンの、この上ない慰めだった

オペレッタ「こうもり」の誕生には、このような時代背景があったことを、この文章を読んで初めて知りました

第1幕でアルフレードが、

「さあ飲もう、早く飲もう。飲めば目も澄んでくる・・・・・喜ばせてくれたものも幻のように消えてしまうとき 慰めてくれるのは酒だ 変えることのできないことを 忘れてしまえる人は幸せだ」

と歌います 当時の人々は、暗黒の金曜日も、コレラの流行も、万国博の大赤字も、すべて無かったことにして 忘れてしまいたかったのでしょう 忘れるために酒を煽ったのでしょう 「こうもり」ではオルロフスキー侯爵の館でシャンパンやワインが振る舞われ、アイゼンシュタインにはウォッカの一気飲みが強要されます 第3幕では刑務所の看守フロッシュが朝から晩まで安酒のスリヴォヴィッツ(日本公演では焼酎)を飲んでいます

考えようによっては、「すべてはシャンパンのせい」と歌い上げる「こうもり」は、現実逃避のための最大の娯楽だったのだと思います

翻って現在の日本を鑑みると、新型コロナウイルスのまん延、それによる東京オリンピックの延期と、ヨハン・シュトラウスの時代と似ているかも知れません 人々が「こうもり」を観て、一時でも災難を忘れたいと思うのは自然のことかもしれません

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バッハ・コレギウム・ジャパンでベートーヴェン「交響曲第5番」&「ハ長調ミサ曲」を聴く~第140回定期演奏会 / N響12月17日公演(井上道義指揮によるチャイコフスキー「第4番」)のチケットを取る

2020年11月29日 07時19分42秒 | 日記

29日(日)。N響のチケットを取りました。12月17日(木)午後7時からサントリーホールで開かれるコンサートで、プログラムは①プロコフィエフ:バレエ音楽「シンデレラ」(抜粋)、②チャイコフスキー「交響曲第4番ヘ短調」 指揮は井上道義です。すでに12月6日(日)の井上 ✕ N響の公演(ショスタコーヴィチ「交響曲第1番」、伊福部昭「日本狂詩曲」他)のチケットは取ってあります 今、井上道義は乗りに乗っています

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で2250日目を迎え、製薬大手の英アストラゼネカが、北朝鮮とみられるハッカー集団からサイバー攻撃を受けていたことが分かったが、同社が開発を手掛ける新型コロナウイルスワクチンの情報を狙った可能性があるものの 成功しなかった模様である  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     北朝鮮はコロナ感染者ゼロだと自慢してたよね?  新薬開発能力ゼロということか

 

         

 

昨日、東京オペラシティコンサートホールでバッハ・コレギウム・ジャパンの第140回定期演奏会を聴きました プログラムはベートーヴェン①交響曲 第5番 ハ短調 作品67 ”運命”、②ミサ曲 ハ長調 作品86 です 演奏は、②のソプラノ=中江早希、アルト=布施奈緒子、テノール=櫻田亮、バスー加来徹、管弦楽・合唱=バッハ・コレギウム・ジャパン、指揮=鈴木雅明です

今回も、コロナ禍を見据えて全員日本人による演奏となりました

 

     

       (このチラシは別会場の本日の公演のものですが、内容は同じです)

 

下に掲げたのは1808年12月22日、オーストリアのアン・デア・ウィーン劇場で開かれたベートーヴェンのコンサート・プログラム(ほとんどが初演)です

①交響曲第5番「田園」(現在の第6番)

②アリア「Ah、Perfido」作品65

③「ミサ曲ハ長調作品86」より 「グロリア」

④ピアノ協奏曲第4番ト長調作品58

 ( 休 憩 )

⑤交響曲第6番ハ短調(現在の第5番)

⑥「ミサ曲ハ長調作品86」より「サンクトゥス」と「ベネディクトゥス」

⑦合唱幻想曲

つまり、この日BCJが取り上げる「交響曲第5番」と「ミサ曲ハ長調」は同じ日の同じコンサートで演奏されているのです

この演奏会の記録によると、当日は4時間以上も「暖房もない劇場で、少数の観客が寒さに耐えながら演奏を聴いた」とされており、失敗に終わったと言われています

さて、本番です。古楽器集団バッハ・コレギウム・ジャパンの編成は左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとります コンマスは寺神戸亮、若松夏美は第2ヴァイオリンのトップに回ります 弦はBCJとしては規模が大きい 8・7・6・4・3で、弦だけで28人編成です。ホルンにはN響首席の福川伸陽、新日本フィルの藤田麻理絵がスタンバイします 木管楽器群は、オーボエの三宮正満、フルートの菅きよみ、前田りり子、ファゴットの村上由紀子といった常連が控えます コントラファゴットが異常に長く、バズーカ砲のごとく天井に向かってそびえています

1曲目は「交響曲 第5番 ハ短調 作品67 ”運命”」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1807年から翌08年にかけて作曲しました 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「アレグロ」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります

鈴木雅明が指揮台に上がり第1楽章が開始されます 古楽器特有の柔らかな音が会場を満たします。やや速めの快速テンポで演奏が進みますが、自席が会場後方のせいか、控えめな演奏のように感じます ナチュラルホルンの福川、藤田の演奏が素晴らしい 第4楽章ではオーボエ、フルート、ピッコロ、クラリネット、ファゴットといった木管楽器群が冴えた演奏を展開します 第1楽章で「控えめな演奏」と感じていたのとは打って変わって、豊かな音量を伴ってオケ総力による渾身の演奏が展開します まさに、「苦悩を通しての歓喜」の爆発です

演奏を聴きながら、ベートーヴェンは初演の時、こういう音色で聴いていたんだろうな、と思いました

 

     

 

プログラム後半は「ミサ曲 ハ長調 作品86」です この曲は1807年に作曲、同年9月13日にエステルハージ公の邸宅で お抱えの音楽隊によって初演され、その後、上記の通り12月22日に抜粋して演奏されました 第1章「キリエ」、第2章「グローリア」、第3章「クレド」、第4章「サンクトゥス ~ ベネディクトゥス」、第5章「アニュス・デイ」の5つの章から成ります

オケの後方に いつもの2倍の34人のBCJ合唱メンバーが2列横帯で並び、その手前中央に4人のソリストがスタンバイします BCJ音楽監督・鈴木雅明のこの曲にかける意気込みを感じさせる布陣です

鈴木雅明の指揮で演奏に入ります 全体の印象としては第1章から第4章までは、さほどベートーヴェンらしさを感じない曲想ですが、最後の第5章は明らかに第4章までとは異質な印象を持ちました いかにもベートーヴェンといった感じです

歌手陣は4人とも絶好調と言っても過言ではありません

ソプラノの中江早希は北海道出身、東京藝大大学院修了、数々の音楽コンクール入賞歴がありますが、伸びのある高音が美しく、無理のない歌唱が印象に残りました

アルトの布施奈緒子は東京藝大大学院修了、バロック・オペラを中心に活躍していますが、確かな技巧に裏づけられた歌唱を披露していました

テノールの櫻田亮は今やBCJの看板歌手と言っても差し支えないほどの存在に成長しています 今回も力強い歌唱で会場を圧倒しました

バスの加来徹は実力と人気を伴った、BCJに無くてはならない存在になっています 今回も低音の魅力を発揮し聴衆を魅了しました

バッハ・コレギウム・ジャパンのコーラス陣は、①正確なドイツ語、②透明感のある歌唱で、本場ドイツでも一目置かれる存在ですが、この日の公演でも素晴らしい歌唱を披露してくれました 鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパンのオーケストラがしっかりと彼らを支えました

終演後、大きな拍手の中、鈴木雅明がマイクを持って登場 「本日はこのような状況(コロナ禍)のなか、お出でくださいましてありがとうございました 海外においては、コンサートができない状況にあります そんな中、日本ではこうしてお客様をお迎えしてコンサートができるのは、まだマシだと思っています また、こうして演奏できること自体が何とも幸せなことだと思います ベートーヴェンは、この『ミサ曲ハ長調』を、ハイドンのミサ曲を意識して作曲したと言われていますが、アンコールにハイドンの『神の聖ヨハネのミサ・プレヴィス』から『アニュス・デイ』を演奏しますので、ベートーヴェンと如何に違うか確かめていただければと思います」とあいさつし、演奏に入りました

曲を聴いた感じでは穏やかな曲想で、モーツアルトの「ヴェスペレ」を思い浮かべました

この日のコンサートは、今から212年前の12月22日に開かれたコンサートで演奏された2曲をフィーチャーし、ベートーヴェンの生誕250周年を祝おうと意図したものでしたが、212年前とは違い、マスクを着用しながらも、快適な空調のもと寒さで震えることもなく、多くの聴衆が楽聖の音楽を心行くまで楽しんでいました

 

     

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柚月裕子著「盤上の向日葵」(上・下巻)を読む / 岡田暁生「音楽の危機」、中島京子「樽とタタン」、原田マハ「ゴッホのあしあと」、井上ひさし「四捨五入殺人事件」、筒井康隆「現代語裏辞典」他を買う

2020年11月28日 07時24分34秒 | 日記

28日(土)。わが家に来てから今日で2249日目を迎え、トランプ米大統領は26日、大統領選をめぐり選挙人が民主党のバイデン前副大統領を正式に選出した場合に 再選を断念して退任する考えを示したが、一方で「今から(次期政権が発足する2021年)1月20日まで多くのことが起きると思う」と語った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     多くのことを起こして これ以上米国大統領の尊厳を貶めるのは  恥の上塗りになる

 

         

 

昨日の夕食は「みそ鍋」にしました 材料は豚バラ、豚ロース、鶏肉団子、キャベツ、シメジ、モヤシ、豆腐です。お酒は熱燗です 寒い夜は鍋料理がいいですね

 

     

     

 

         

 

まだ手元に未読の本が数冊あるのに、また池袋のジュンク堂書店で6冊買い込んでしまいました コンサートや映画の予定がない日は散歩がてら池袋に出かける(徒歩で約30分)のですが、池袋に行くとなぜか書店に足が向いてしまい、いつの間にかお店の籠に本を数冊入れてレジに持っていく自分に気が付きます やっぱり病気かもしれません たぶん「本屋に行くと本を買わないと気が済まない症候群」だと思います

1冊目は中島京子著「樽とタタン」(新潮文庫)です どうやら喫茶店の物語のようです

 

     

 

2冊目は原田マハ著「ゴッホのあしあと」(幻冬舎文庫)です 著者はゴッホが生活していた現地に行って取材してきたようです

 

     

 

3冊目は外山滋比古著「読みの整理学」(ちくま文庫)です 毎日、新聞や書籍をはじめ数多くの活字に接している身としては気になる本です

 

     

 

4冊目は井上ひさし著「四捨五入殺人事件」(中公文庫)です 「十二人の手紙」が面白かったので買ってみました

 

     

 

5冊目は筒井康隆著「現代語裏辞典」(文春文庫)です 立ち読みして買いましたが、超面白そうです

 

     

 

6冊目は岡田暁生著「音楽の危機」(中公新書)です 新聞の書評欄に載っていました コロナ禍でライブやコンサートが相次いで中止となった事態を踏まえ、今後の音楽の行方を探る内容になっているようです

 

     

 

いずれも、読み終わり次第、当ブログでご紹介していきます

 

         

 

柚月裕子著「盤上の向日葵(上・下巻)」(中公文庫)を読み終わりました 柚月裕子は1968年、岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー 2013年「検事の本懐」で第15回大藪春彦賞を、2016年に「孤狼の血」で第69回日本推理作家協会賞を受賞、2018年には本作「盤上の向日葵」で本屋大賞第2位を獲得したほか多くの受賞歴があります

 

     

 

1994年(平成6年)夏、埼玉県の山中で身元不明の白骨死体が発見された 遺留品は、600万円の値打ちがある名匠の将棋の駒だった。叩き上げの刑事・石破剛志と、かつてプロ棋士を志した新米刑事・佐野直也は遺留品の駒を追って日本の各地を飛び回る 折しも将棋界では、東大卒で実業家からプロに転身した33歳の異端の天才棋士・上條桂介6段が、世紀の一戦・竜昇戦に挑もうとしていた

上巻では、石破と佐野のコンビが遺留品の駒がどういう流れで被害者の元にもたらされたのかの聞き込み捜査と、幼い頃の上條桂介が病気で母親を亡くし、酒飲みの父親の虐待を受けながらも、元学校教師の唐沢と出会い、将棋を教えてもらうことによって次第に強くなっていく様子が交互に描かれています

下巻では、一旦棋士への夢を断った桂介が、久しぶりに将棋道場に足を踏み入れ、偶然そこで伝説の真剣師・東明重慶と出会ったことが、桂介の運命を大きく狂わせていく様子が書かれています それと同時に、幼時に自分を虐待していた父親がビジネスで成功した桂介を訪ねてきて金をせびるようになり、「殺してやりたいほどの憎しみ」を覚えることも描かれます 白骨死体は父親なのか?  それにしては、なぜ高価な将棋の駒が一緒に埋められていたのか?? いったい誰がなぜ殺人を犯したのか

 

     

 

文中、「☖1六歩、☗3四歩、☖2六歩、☗8四歩、☖4八銀、☗4二銀・・・」などという文面も現れます 将棋素人の私にはチンプンカンプンですが、無視して読み飛ばしていっても差し支えありません 王将には「王将」と「玉将」の2種類があり、強い人の方が「王将」の駒を使うらしいことを初めて知った私が言うのですから間違いありません

柚月裕子のことなので、どんでん返しが続きます しかし、わざわざベージを変えて書かれた最後の2行は、思わず「あっ」と声を出してしまうほど鮮やかです

柚月裕子の作品はどれもが傑作揃いですが、本作は最高傑作と言っても過言ではないでしょう

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リチャード・スタンリー監督「カラー・アウト・オブ・スペース ~ 遭遇」 & S.クレイグ・ザラー監督「ブルータル・ジャスティス」を観る ~ 新文芸坐

2020年11月27日 07時22分21秒 | 日記

27日(金)。わが家に来てから今日で2248日目を迎え、トランプ米大統領は25日、「ロシア疑惑」の捜査を巡って偽証罪に問われたフリン大統領補佐官(国家安全保障担当)に恩赦を与えたことをツイッターで明らかにしたが、大統領選で敗北が確実になったトランプ氏が元側近への恩赦を決めたことに、民主党などは「権力乱用」と強く批判している  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプは大統領特権を失ったら 訴訟の嵐だから 今のうち恩を売っておく作戦か

     

         

 

昨日、夕食に「サバの塩焼き」「タコの刺身」「生野菜サラダ」「もやしの味噌汁」を作りました   サバは脂がのっていて美味しかったです 冷酒が合いました

 

     

 

         

 

昨日、新文芸坐で「カラー・アウト・オブ・スペース ~ 遭遇」と「ブルータル・ジャスティス」の2本立てを観ました

「カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇」はリチャード・スタンリー監督による2019年製作ポルトガル・アメリカ・マレーシア合作映画(111分)です

ネイサン・ガードナー(ニコラス・ケイジ)と妻のテレサ(ジョエリー・リチャードソン)は3人の子どもたち(ラヴィア二ア、ベニー、ジャック)とともに大都会の喧騒から逃れるため、閑静な田舎に移住してきた    しかし、前庭に隕石が激突して以来、一家の生活は心身ともに影響を及ぼす地球外変異体との闘いに明け暮れ、理想としていた静かな田舎暮らしは悪夢へと変わってしまう

 

     

 

この映画は、恐怖小説やSF小説の先駆者H.P.ラブクラフトの「ザ・カラー・アウト・オブ・スペース(宇宙からの色/異次元の色彩)をリチャード・スタンリーが映画化したSFホラーです

「宇宙からの色」はピンクなのですが、ピンクの光線にからめとられると地球外変異体に変化してしまうという恐ろしい光です

主人公のネイサンが面白いのは、家畜としてアルパカを飼っていることです 山羊のようにアルパカの乳しぼりをやったりしています。そのアルパカもピンクの光線を浴びて地球外変異体に変化し、ネイサンに撃たれてしまいます

テーマがテーマだけにCGを駆使した作品ですが、それほど面白いとは思いませんでした

 

         

 

「ブルータル・ジャスティス」は S.クレイグ・ザラー監督による2018年製作カナダ・イギリス・アメリカ合作映画(159分)です

ベテラン刑事のブレット(メル・ギブソン)と相棒のトニー(ヴィンス・ボーン)は、強引な逮捕が原因で6週間の停職処分を受けてしまう    どうしても大金を必要としていたブレットは、犯罪者たちを監視し、彼らが取引した金を強奪するという計画を練る    ブレットはトニーを誘って実行に移し、ボーゲルマンという男の監視を開始する     そして、ある朝、動き始めたボーゲルマンとその仲間を尾行する ボーゲルマンと仲間たちは覆面姿で銀行に押し入り金塊の強奪を図り、その過程で銀行員を数名銃殺し女性行員を人質にして車で逃走する。ブレットとトニーは彼らの車を追い、遂に彼らの隠れ家に乗り込む

 

     

 

かなり冗長な映画です とくに逃走を図る車をブレットとトニーが車で追跡するシーンは異様に長く感じます そこでは、犯人グループが後に仲間割れする萌芽となる小さな出来事も描かれていますが、それを割り引いても長いと思います

この映画はバイオレンス・アクションなので銀行における行員銃殺シーン、鍵を死人の内臓から取り出すシーン、犯人グループのアジトでの撃ち合いシーンなど、あらゆる場面で非道の暴力行為が描かれています しかも、何人も死んだ挙句、最後に笑うのはたった一人というのですから救いようがありません

私にとってこの日の2本は残念ながら好みではなかったようです

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東京交響楽団2021-2022シーズン定期会員継続へ / 三島由紀夫戯曲化・深作欣二監督「黒蜥蜴」 & 三島由紀夫原作・西河克己監督「不道徳教育講座」を観る ~ 割腹自殺から50年

2020年11月26日 07時17分26秒 | 日記

26日(木)。わが家に来てから今日で2247日目を迎え、ダウ工業株平均が3万ドルに乗せたことを受け、トランプ米大統領は24日、ホワイトハウスで急きょ会見を開き、「皆を祝福したい。パンデミックのさなかにもかかわらず、ダウ平均が史上最高値に達した」と語った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     株価は史上最高値だが トランプのせいで米国大統領の株は史上最安値まで下がった

 

         

 

昨日、夕食に「野菜と挽肉のドライカレー」を作りました 何回食べても飽きません

 

     

 

         

 

東京交響楽団から「2021‐2022シーズン定期会員継続案内」が届きました   ジョナサン・ノット音楽監督の8シーズン目、東響75周年を迎える定期演奏会(サントリーホール)のラインアップは次の通りです

1⃣ 4月17日(土)18時開演 ①バーンスタイン「セレナード」(Vn:服部百音)②ショスタコーヴィチ「交響曲第10番」他。指揮=原田慶太楼。

2⃣   5月8日(土)18時開演 ①ドビュッシー「遊戯」②マーラー「交響曲第1番」他。指揮=ジョナサン・ノット。

3⃣ 6月26日(土)18時開演 ①ライネッケ「ハープ協奏曲」(Hp:メストレ)②ブルックナー「交響曲第7番」他。指揮=ベルトラン・ド・ビリー。

4⃣ 7月17日(土)18時開演 ①R.シュトラウス「ドン・キホーテ」(Vc:伊藤文嗣、Va:青木篤子)②シベリウス「交響曲第5番」。指揮=ジョナサン・ノット。

5⃣ 9月25日(土)18時開演 ①ショーソン「愛と海の歌」②ベルリオーズ「幻想交響曲」。指揮=ユベール・スダーン。

6⃣ 10月16日(土)18時開演 ①ベルク「ヴァイオリン協奏曲」(Vn:神尾真由子)②ブルックナー「交響曲第4番」。指揮=ジョナサン・ノット。

7⃣ 11月13日(土)18時開演 ①シマノフスキ「ヴァイオリン協奏曲第1番」(Vn:キム・ボムソリ)②オルフ「カルミナ・ブラーナ」。指揮=クシシュトフ・ウルバンスキ。

8⃣ 12月  4日(土)18時開演 ①ブラームス「ピアノ協奏曲第2番」(P:二コラ・アンゲリッシュ)②ルトスワフスキ「管弦楽のための協奏曲」。指揮=ジョナサン・ノット。

9⃣ 1月  30日(日)14時開演 ①ブラームス「ヴァイオリン協奏曲」(Vn:クリストフ・コンツ)②ブラームス「交響曲第1番」。指揮=秋山和慶。

🔟 3月12日(土)18時開演 ①ラヴェル「マ・メール・ロワ」②ラヴェル「ダフニスとクロエ」(全曲)他。指揮=沼尻竜典。

ざっと見渡した限り、私好みのかなり重量級のラインアップです いずれのプログラムもオーケストラの醍醐味が味わえる選曲になっています 考えるまでもなく、現在の1階後方 通路側のA席を継続することにしました 継続したからには、発表のプログラム通り実行してもらわなければ意味がありません 中止に次ぐ中止、代演に次ぐ代演はもう沢山です

なお、サントリーホールでの「定期演奏会」の他に、「川崎定期演奏会」「東京オペラシティシリーズ」「名曲全集」「こども定期演奏会」「新潟定期演奏会」がありますが、興味のある方は東響のホームページをご覧ください

 

     

 

         

 

昨日、新文芸坐で「黒蜥蜴」と「不道徳教育講座」の2本立てを観ました

「黒蜥蜴(くろとかげ)」は江戸川乱歩の原作を三島由紀夫が戯曲化し、深作欣二監督が映画化した1968年製作映画(87分)です

宝石商の岩瀬は、娘の早苗(松岡きっこ)の誘拐と、時価1億2千万円のダイヤ「エジプトの星」の強奪を予告する女賊・黒蜥蜴におびえ、明智探偵(木村功)に警護を依頼する 岩瀬父娘は大阪のホテルに姿を隠したが、隣室には岩瀬の店の顧客・緑川夫人(丸山明宏)が泊まっていた。彼女こそ黒蜥蜴だった 黒蜥蜴は部下の雨宮(川津祐介)を使い早苗をまんまと誘拐したものの、明智は機敏な行動で早苗を奪い返す それから半月後、岩瀬邸から早苗が姿を消した 明智が駆けつけた時には、早苗と引き換えに「エジプトの星」を持参せよという手紙が残されていた。岩瀬は黒蜥蜴に「エジプトの星」を渡したが、早苗は戻らなかった 黒蜥蜴は早苗の美しさにすっかり魅了され、早苗を人間剥製美術館収蔵の剥製に加えようとしていた 明智は黒蜥蜴の部下に変装して黒蜥蜴の本拠地に忍び込む 黒蜥蜴は明智の変装を見破ったが、警官隊に囲まれ毒を仰ぎ、明智の腕の中で息を引き取る

 

     

 

主人公の黒蜥蜴を演じる丸山明宏は現在の美輪明宏ですが、この映画の最大の魅力は彼(彼女)の妖艶な美しさと見事な演技力・歌唱力だと言っても過言ではないでしょう 三島由紀夫が戯曲化しているだけに、黒蜥蜴の台詞や演技が極めて戯曲的です。特に明智探偵に対する愛を独白するシーンは、まるで舞台を観ているようです 自ら出演を申し出たという三島本人も登場しています。ナイフを構えて闘うシーンと剥製にされ黒蜥蜴のキスを受けるシーンです 三島は”健全な精神は健全な肉体に宿る”と言わんばかりの、ボディビルで鍛えた筋肉隆々の肉体を披露しています 誰がこの映画の2年後の今日(11月25日)に自決すると想像できたでしょうか

 

         

 

「不道徳教育講座」は三島由紀夫の原作を西河克己監督が映画化した1959年製作映画(モノクロ・87分)です

藤村良助(大坂志郎)は結婚詐欺罪で何度目かの牢獄生活から解放されたその日、監獄の門前で突然 昔の強盗仲間、大野(植村謙二郎)と小島(佐野浅夫)に襲われる   2人は昔、盗んだ金を持ち逃げした藤村に仕返しをしにきたのだ しかし、藤村はうまく彼らを撒いて逃げ、タイミングよくやってきた列車に飛び乗った 列車の中で、大スター大月麗子(月丘夢路)と同席していた自分と瓜二つの男を発見し、男が寝込んだところを襲い服を取り換える 追跡してきた大野と小島は、気絶している男を藤村と間違えて列車から担ぎ出す 2人組を撒いた藤村はさっそく色事師ぶりを発揮し、麗子の気を惹こうとするが、麗子は前日同席していた男と態度がまったく違うのでビックリする 実は男は文部省の役人(視察官)で道徳教育界の権威・相良文平(大坂志郎)だった。彼は折しも道徳教育のモデル都市問題で山城市に行く途中だった 一方、その山城市ではモデル都市問題で大騒ぎとなっており、モデル都市に指定されれば市に1千万円が転がり込むことに目がくらんだ市長一派と、道徳教育反対派が駅前で正面衝突し、列車が着くと大混乱になる その混乱にかこつけて相良ならぬ藤村は姿を消す しかし、視察官・相良の行方不明に大慌ての市長一派に探し出されて、無理やり校長の朝吹邸に連れ込まれ大歓迎を受ける 最初は事情が良く分からなかった藤村も、やがてそれが分かると、視察官に成りすます度胸を決める ところが、この朝吹家の校長の桂馬(信欣三)は教科書汚職に手を汚し、妻の美也子(三崎千恵子)は運転手の西倉によろめき、長男の圭一(長門裕之)はドンファン気取り、長女の和美(清水まゆみ)は恋人の桐野利夫(柳沢真一)をそっちのけで、自分の処女権を三角クジで売りつけるトンデモ女、次男の康二(浅沼創一)はミステリー狂で時限ピストルを作り完全犯罪を企てているというトンデモ家族ぞろいだった そのころ、藤村ならぬ相良をリンチしていた大野と小島は、ようやく相手が藤村ではないことに気が付き、慌てて山城市へ行き、学校で不道徳的な演説をぶっている藤村を発見する。2人は康二を捕まえて金を握らせ、その夜朝吹邸に侵入する ところが、康二もさるもの。時限ピストルを藤村の寝床に向けて発砲、大野たちをその犯人に仕立て上げるという完全犯罪を企む その夜、和美から買った三角クジを開けて当たっているので喜んだ藤村は、さっそく和美の部屋に行ったが、そこへ利夫が飛び込んできて大格闘になる しかし、その間に藤村の部屋では時限ピストルが暴発、忍び込んだ2人組は驚いて逃げ去る。市長一派はこの爆発事件を反対派の仕業と早合点し、藤村を大月麗子の別荘に匿う。ところが、翌朝、公会堂の道徳教育講演会に相良が傷だらけとなって本物の視察官と名乗って現れる 市長一派は目をパチクリ、大野と小島も呆然としている間に警官隊に逮捕されてしまう。そのころ藤村は麗子と意気投合し 手を携えて山城市を去っていくのだった

 

     

 

あの三島由紀夫が書いたのか、と驚くほどのドタバタ喜劇です この映画にも三島由紀夫が出演しています ストーリーとは関係なく、映画の導入部と完結部に登場し、ほんの少しの台詞を言うだけですが、なかなかダンディです 三島は偽善的な社会に対し 逆説的な意味で「不道徳教育講座」というタイトルを付けたようですが、原作の中では「どんな時でも無害な悪党は人を微笑ませる」と書いているらしいので、純粋な風俗喜劇として楽しめば良いのかもしれません

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アンソニー・ホロヴィッツ著「その裁きは死」を読む ~ 「カササギ殺人事件」の筆者による犯人捜しミステリー

2020年11月25日 07時20分38秒 | 日記

25日(水)。1カ月後の12月25日のクリスマスの日が娘の誕生日なので、昨日 バースディーケーキの予約をしてきました 例年「フレンチ・パウンド・ハウス」のイチゴショートケーキ(4号ホール)なのですが、そろそろ別のお店のが食べたいと言うので、一度食べに行ったことがある「パティスリー・ヨシノリ・アサミ」でイチゴショート(4号ホール)を注文してきました 同じ巣鴨にあるお店ですが、両店ともすごい人気です また、明日が山形県鶴岡市に単身赴任している息子の誕生日なので、池袋西部の「人形町今半」からステーキ肉のセットを送りました コロナ禍のせいで、息子が年末年始に帰京できるのか微妙になってきました 

午後は肺がん検診(レントゲン検査とCT検査)のため「としま健康保険診査センター」に行ってきました 7月に申し込んだのですが、コロナ禍の影響で1日当たりの人数制限がかかり、4か月後の11月24日になったものです 検査自体は10分程度ですぐに終わりました

ということで、わが家に来てから今日で2246日目を迎え、安倍晋三前首相の後援会が「桜を見る会」の前日に主催した夕食会で安倍氏側が費用の一部を負担した疑いがある問題をめぐり、立憲民主党の安住淳国会対策委員長は24日、安倍氏の参考人招致を求める考えを示した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     モリカケ問題だって国民は納得していない! 権力の私物化は友だちのトランプ流だ

 

         

 

昨日、夕食に「アスパラの豚肉巻き」「生野菜とアボカドのサラダ」を作りました   「アスパラ~」はこれまで塩コショウ味だったのですが、今回初めてマヨネーズを使ったCOOKPADのレシピで作りました。こちらの方がマイルドで美味しいです

 

     

 

         

 

アンソニー・ホロヴィッツ著「その裁きは死」(創元推理文庫)を読み終わりました 著者のアンソニー・ホロヴィッツはイギリスを代表する作家。アガサ・クリスティーへのオマージュ作品「カササギ殺人事件」は「このミステリーがすごい!」「本屋大賞(翻訳小説部門)」の1位に選ばれるなど、史上初の7冠を達成しました この作品は、ホーソーン&ホロヴィッツ・シリーズの第1作「メインテーマは殺人」に次ぐ第2弾にあたります

 

     

 

真面目さが評判の離婚専門の弁護士リチャード・プライスが殺害された 未開栓のワインのボトルで頭部を殴打されたうえに、砕けたボトルで喉を切られていたのだ。これより前に、彼によって離婚裁判が不満足な結果に終わった女性作家アキラ・アンノが、彼にグラスのワインをぶちまけた上に「ワインのボトルでぶんなぐってやる」と脅かしていたところを複数の人に目撃されていた さらに、現場の壁にはペンキで乱暴に「182」という数字が書かれていた 殺害された状況から被害者が書いたとは思えない。それでは誰が何のためにこの数字を書いたのか 元刑事ホーソーンと、彼に「おれの本を書いて欲しい」と頼まれた小説家ホロヴィッツはコンビを組んで事件の真相に迫っていく 調べていくうちに、事件直前の夜、リチャードのところに来客があり、その時リチャードと電話で通話中だった人物がいたことが分かる その人物によると、リチャードは訪問者に向かって「いったい、どうして?」「もう遅いのに」と話かけていたという。その訪問者が犯人である可能性が高いが、いったい誰なのか? さらに調べていくと、殺害の24時間前には、リチャードの同級生で建設資材会社の経理部長を務めているグレゴリー・テイラーという人物が列車に飛び込んで亡くなっていることが判明する 事故なのか自殺なのか、そしてリチャード殺人事件と関係があるのか? 事件は混迷を深めていくが、ホーソーンは冷静な推理によって犯人を突き止める

最後に 犯人を突き止めた、と思っていると、実は真犯人は別にいた、というどんでん返しが待っています

ところで、ホーソーンとホロヴィッツの組み合わせがシャーロック・ホームズとワトスンを意識しているのは容易に想像がつきます しかし、ホーソーンはかなり無遠慮で意地悪な人物設定になっていて、ホロヴィッツがまんまと利用されて地団駄を踏むところが面白いと思います

どうでもいいことですが、この作品に登場する ある人物の誕生日(月日)が私と同じであるのを発見しました この人物は事件の鍵を握る極めて重要な人物です

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ベートーヴェンの難聴 ~ NHKテレビ「偉人たちの健康診断 ~ ベートーヴェン」 から / 新国立オペラで藤倉大「アルマゲドンの夢」千秋楽を観る

2020年11月24日 07時17分29秒 | 日記

24日(火)。普段 テレビはニュース番組以外ほとんど観ないのですが、昨日午前10時ごろ、たまたまNHKをつけたらニュースに続いて「偉人たちの健康診断」という番組が始まり、ベートーヴェンが取り上げられていました 今年はベートーヴェン・イヤー(生誕250年)ということでヒューチャーされたのだと思いますが、興味深い内容でした

番組では主にベートーヴェンが20代で発症した難聴について取り上げ、「聴こえているのに意味が解らない」という症状について、かつては「耳小骨の損傷」という説が有力だったのが、現在では「内耳」の病気だという説が有力になっていることが紹介されていました これは高音部分が聴こえないため子音が聴き取りにくく、「あかさたな」が「あああああ」と聴こえてしまうという症状のようです アムステルダム大学がベートーヴェンの弦楽四重奏曲を分析したところ、難聴を発症した20代の頃と、音がほとんど聴こえなくなった40代の頃の作品を比べると、後者の方が高音を避けて作曲していることが判明したそうです

また、ベートーヴェンの功績として、王侯貴族のための娯楽音楽から 自分の感情表現のための音楽へという流れを作ったこと、貴族だけが聴けるコンサートから市民も聴けるコンサートへ(低料金の設定)道を開いたこと等が、「悲愴ソナタ」やオペラ「フィデリオ」などの作品を通して紹介されました

ベートーヴェンの死因についても取り上げられていました。彼は肝臓病の一種「黄疸」が原因で死去しましたが、毎日ワイン1本を空けていたという説明には絶句しました

確かNHKは過去の番組が観られるシステムがありましたね 興味のある方はチェックしてみてください

ということで、わが家に来てから今日で2245日目を迎え、米大統領選に敗れたことを認めず不正選挙だと主張し続けるトランプ大統領に対し、共和党のクリスティー前ニュージャージー知事は22日、「正直に言って、大統領の弁護団のふるまいは国民的な恥さらしだ。不正選挙があったと法廷の外ではしきりに主張するが、いざ法廷に入ると 不正選挙だと主張しないし、不正選挙だと陳述しない」と批判した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     弁護団はトランプが支持者から集めた金で雇われてるから 仕事としてやってるだけ

 

         

 

昨日、夕食に「豚バラこんにゃく」と「生野菜サラダ」を作りました あとは娘が漬けた「キュウリとカリフラワーのぬか漬け」です。お酒は冷酒にしました

 

     

 

         

 

昨日、新国立劇場・オペラパレスで藤倉大「アルマゲドンの夢」を観ました このオペラは、新国立劇場の日本人作曲家委嘱シリーズ第2弾の作品で、イギリスを拠点に活躍する作曲家・藤倉大が、H.G.ウェルズの短編小説「アルマゲドン(世界最終戦争)の夢」をオペラ化したものです 全1幕約100分の作品です。キャストは、クーパー・ヒードン=ピーター・タンジッツ、フォートナム・ロスコー/ジョンソン・イーヴシャム=セス・カリコ、ベラ・ロッジア=ジェシカ・アゾーディ、インスペクター=加納悦子、歌手/裏切り者=望月哲也。管弦楽=東京フィル、合唱=新国立劇場合唱団、指揮=大野和士、演出=リディア・シュタイアーです

いつもならプルミエ(初日)公演を聴くところですが、他のコンサートとの関係で千秋楽を聴くことになりました 主催者側の用意した席は2階3列15番、センターブロック左通路側です。現代オペラにしては結構多くの聴衆が入っています

 

     

 

大都市に向かう通勤電車の中で、若い税理士フォートナムは本を読んでいたが、見知らぬ男クーパーに「その本は夢についての本か?」と問われる フォートナムは警戒心を抱くが、クーパーは、「夢と現実が入り混じることはないか? 自分は夢の中で殺された。別の時間に生きていたのだ」と畳みかける クーパーは美しく聡明な妻ベラと新婚生活を送っていた。ダンスホールに現れたインスペクターの扇動で、若者たちは戦争への恐怖を煽られ、ジョンソン率いる一派にあっけなく取り込まれてしまう 敢然と立ち向かおうとするベラ。なだめるクーパーを、ベラは自由を求め戦おうと必死で説得する。やがて巨大な飛行機や戦艦が近づき、興奮が渦巻く中、爆撃が始まる ベラが撃たれ、クーパーの腕の中で息絶える

 

     

 

驚くべきことに、H.G.ウェルズが1901年に短編「世界最終戦争の夢」を執筆したときは、まだ第一次世界大戦も 第二次世界大戦も起こっておらず、大量破壊兵器や国際的規模の衝撃的な残忍行為は行われていませんでした    その先見性には目を見張るものがあります     演出家のリディア・シュタイアーはリアルの舞台に加えて映像を駆使した演出により、近未来の残忍行為を鮮やかに再現していきます クーパーが列車から降りると、そこに夢の世界が再現され、最後にベラが撃たれた後、再び列車が現れ、クーパーは現実の世界に戻りますが、そこにいた何人かの乗客は皆死んでいます それは夢の世界が現実として続いているかのようです。この辺の演出は鮮やかでした

現代オペラということでかなり警戒していたのですが、予想していたよりもメロディーもあり、聴きやすい公演でした

クーパー・ヒードンを歌ったピーター・タンジッツは、アメリカ出身のテノールですが、伸びのある歌声で演技も優れていました

フォートナム・ロスコーとジョンソン・イーヴシャムの二役を演じ 歌ったセス・カリコは2010年から19年までベルリン・ドイツ・オペラ専属歌手を務めた実力者ですが、力強いバリトンで存在感を示していました

ベラ・ロッジアを歌ったジェシカ・アゾーディはオーストラリア出身のソプラノですが、美しくも力のある歌唱で聴衆を魅了しました

インスペクターを歌った加納悦子はエキセントリックな衣装で登場し、魅力のあるメゾソプラノを披露していました

ラストで「アーメン」を歌ったボーイソプラノは澄んだ声で美しい歌唱を披露しました

新国立劇場合唱団は、ソーシャルディスタンスを取りながらの歌と演技が求められましたが、見事に役割を果たしていました

ところで、開演前に2階のロビーでプログラム冊子を読んでいたら、近くにいた高齢者2人の会話が耳に入ってきました

「こんにちは。久しぶりです 今回の公演は初めてですか?」

「初日公演を観たんですが、一度聴いただけでは解らなかったので また観に来たんですよ

同じオペラ公演を2度観るなんて、よほどのオペラ好きか、お金が余って仕方がない人なんだろうなと思いましたが、確かに、現代もののオペラ公演を理解するには一度聴いただけでは分からないと思います 私はどんなオペラでも、「プログラム・ノート」などで作品内容や演出の意図などを事前に把握したうえで本番を聴くようにしていますが、それでも、初めて接する作品は1度聴いただけでは理解するまでに至りません 人によっては、事前知識をまったく得ないで いきなり本番を観たり聴いたりする主義の人もいますが、私の場合は、オペラに限らず映画を観る時も、事前にある程度調べてストーリーを把握してから観るようにしています。そうすると注意力が増します 皆さんの場合はどうでしょうか

 

     

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新日本フィル「室内楽シリーズ4月・6月・7月公演」のチケットを取る / 第3回「哀しみのモーツアルト」公演のチケットを取る / 五木寛之著「大河の一滴」を読む

2020年11月23日 07時18分49秒 | 日記

23日(月・祝)。わが家に来てから今日で2244日目を迎え、トランプ米大統領は21日、オンライン方式で開催された20カ国・地域首脳会議(サミット)に出席し、米国は未曽有の経済回復を実現させたと説明する一方、新型コロナウイルスの新たな治療法やワクチンの開発を記録的な速さで実現させ、何百万人もの命を救うことになるだろうと強調したが、会議の冒頭、大統領選に関するツイートを盛んに発信したほか、会議が始まってから約2時間後には中座してワシントン近郊のゴルフ場に向かい、一部首脳らによる新型コロナ危機を巡る関連会合に欠席した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     国民の審判に従って 素直に退陣すれば ゴルフ三昧の毎日が待っているんだけどな

 

         

 

新日本フィル「室内楽シリーズ~楽団員プロデューサー編」のうち2021年4月、6月、7月の3公演のチケットを取りました 会場は すみだトリフォニーホール(小ホール)、開演時間はいずれも19時15分ですが、19時からプレトークがあります

①4月14日(水)西江辰郎プロデュース編「同時代を生きた作曲家たち」 ①R.アーン「弦楽四重奏曲第2番ヘ長調」、②コダーイ「ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲」、③コルンゴルト「ピアノ五重奏曲」。

②6月23日(水)重松希巳江プロデュース編「ウィーンの森を一緒に散歩しませんか?」 ①クロンマー「クラリネット四重奏曲」、②シューベルト「八重奏曲」。

③7月  7日(水)藤井将矢プロデュース編「二面性を持つ楽器、コントラバス」 ①ボッテジー二「クラリネットとコントラバスのための協奏的大二重奏曲」、②同「ヴァイオリンとコントラバスのための協奏的大二重奏曲」、③ベートーヴェン「七重奏曲」。

 

         

 

12月3日(木)19時からサントリーホール「ブルーローズ」で開かれる第3回「哀しみのモーツアルト」のチケットを取りました かなり前に入手したチラシに「近日発売予定」と書いてあったのですが、いつの間にか忘れてしまい、出遅れてしまいました 後方の席しか残っていませんでしたが、モーツアルト好きとしては是非聴きたいコンサートなのでS席を押さえました

プログラムはモーツアルトの短調の作品を中心としたもので、「ピアノ協奏曲第24番ハ短調」「ピアノ・ソナタ第14番ハ短調」ほかが演奏されます

 

     

 

         

 

五木寛之著「大河の一滴」(幻冬舎文庫)を読み終わりました 五木寛之は1932年9月、福岡県生まれ。生後間もなく朝鮮に渡り47年に引き揚げる。52年に早稲田大学ロシア文学科入学、57年に中退後、PR誌編集者、作詞家、ルポライターを経て、66年「さらばモスクワ愚連隊」で第6回小説現代新人賞を、67年「蒼ざめた馬を見よ」で第56回直木賞、76年「青春の門 筑邦篇」ほかで第10回吉川英治文学賞を受賞 81年から一時休業し、京都の龍谷大学で仏教史を学び、85年から執筆を再開。代表作に「朱鷺の墓」「戒厳令の夜」「風の王国」」「蓮如」「大河の一滴」「百寺巡礼」などがあり、第1エッセイ集「風に吹かれて」は刊行35年を経て、現在総発行部数約450万部に達する 現在、直木賞、泉鏡花文学賞、吉川英治文学賞ほか多くの選考委員を務める

 

     

 

この本を読もうと思ったキッカケは、女優の黒木瞳さんが新聞の書評欄の特集「私の1冊」で挙げていたからです

この本は22年前の1998年に幻冬舎から刊行され、現在 320万部を超えるロングセラーになっています この本には、新たに書き下ろした「人はみな大河の一滴」とともに、「プレジデント」などの雑誌に寄せた文章やNHKラジオ「ラジオ深夜便」で語った内容など50数篇の文章が収録されています 著者は、

「『人はみな大河の一滴』それは小さな一滴の水にすぎないが、大きな水の流れをかたちづくる一滴であり、永遠の時間に向かって動いていくリズムの一部なのだ」「私たちはそれぞれの一生という水滴の旅を終えて、やがては海に還る。母なる海に抱かれてすべての他の水滴と溶けあい、やがて光と熱に包まれて蒸発し、空へのぼっていく そしてふたたび地上へ。子どもの絵のような幼い比喩だが、私にはそれがたしかに目に見えるような気がするのである

と書きます そして、「人生は苦しみと絶望の連続である」「なにも期待しないという覚悟で生きる」「自分を憎む者は他人を憎む」など、人が生きていく上での人生訓が語られていきます

私が最も印象に残っているのは「かつて『体』と『心』は一致して人間をつくっていた」という話の中で紹介されている、ある医師から聞いたというエピソードです それはこんな内容です

「ある人の奧さんが進行性のガンで、医学的な常識では余命3か月という症状でやってきた 夫は遊び人で家族を顧みない男だった しかし、妻が深刻なガンであることを知り、これまでのぐうたらな生活を後悔し、妻の病状を心配するあまり、自分が妻よりも思いガンにかかっているのに気が付かなかった 医師は事実を伝えた方が良いと判断し、ガンであることを伝えた。夫は自分のことよりも、これから遺される妻子のことを心底悩み、それまでの罪滅ぼしの意味もあり、入院しなければならない体にも関わらず、未回収になっていた手形の決済のため必死の思いで全国を駆け回り始めた そうしているうちに、不思議なことに、それまでエコーにはっきり映っていた腫瘍が少しずつ小さくなり、影も薄くなってきた 一方、妻は 夫の病状を知り、家族のために体に鞭打って働きまわるのを見て、夫の身を案ずるあまり、全く自分の体の不調を訴えなくなった 2人ともガンが小さくなり2年経っても生存し続けた この話を聞いた時、どこかで読んだ文章の一節を思い出した。それは『病気を忘れるとき病気が治る』というものだ こうなると、『心』と『体』は深く関わり合い、人の『命』を支えている、あるいは形作っている、と言えるのではないか、と思う

このエピソードは、西洋医学では説明がつかない現象ですが、実際には起こるのでしょう 「病は気から」という言葉を思い浮かべますが、このケースは、自分のことよりも家族のことを思って行動したことが大きな要因になっています 人は何かに夢中になっていると、つらいことも悲しいことも忘れているものですが、それが身近な人の命に係わることであれば、奇跡を起こすことにもなるということでしょう

また、「寛容(トレランス)のすすめ」の中で、筆者は次のように書いています

「勉強の得意な子もいるし、苦手な子もいます。それを無理にでも勉強させなければ、この子は落伍するだろうと考える しかし案外、そんなものでもないのです。ちがう方向で思いがけない才能を発揮するかもしれない いずれにしろ、人間にできることには限界があります。ぼくはある程度あきらめるということも必要だと思います。『あきらめる』の語源は『あきらかにきわめる』ことです。物事を明らかにして、人間にはできないこと、どうしようもないこともあるのだと理性的に確認することです

しかし、寛容には忍耐が要りますね

なるほど と思ったのは「なにも期待しないという覚悟で生きる」という文章です

「なにも期待していないときこそ、思いがけず他人から注がれる優しさや、小さな思いやりが、『干天の慈雨』として感じられるのだ そこにおのずと湧き上がってくる感情こそ、本当の感謝というものだろう。親切に慣れてしまえば感謝の気持ちも自然と消えていく だから慣れないことが大切だ。いつもなにも期待しない最初の地点にもどりつつ生きるしかない。だから夫は妻に期待すべきではない。妻も夫に期待すべきではない。愛情も家庭も、『老・病・死』するものである。自然に持続することを無意識に期待するのは、まちがっている

人は誰もが悩みや問題を抱えて生きているものです 「私はこれまでに二度、自殺を考えたことがある。最初は中学二年生のときで、二度目は作家としてはたらきはじめたあとのことだった」という体験の持ち主だからこそ、文章に説得力があります 生きていく上での様々なヒントを与えてくれる本です。お薦めします

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沼尻竜典 ✕ 佐藤友紀 ✕ 東京交響楽団でモーツアルト「交響曲第32番」「交響曲第38番」、ハイドン「トランペット協奏曲」を聴く ~ 第43回モーツアルト・マチネ / 都響1~3月公演払い戻しへ

2020年11月22日 07時26分29秒 | 日記

22日(日)。わが家に来てから今日で2243日目を迎え、トランプ米大統領は20日、薬価引き下げに関する記者会見で、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、米製薬大手ファイザーなどが臨床試験結果発表を3日投票の大統領選まで意図的に見合わせたと主張した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     どんなに恨み節をほざいても負けは負けだ  無能な大統領は引き継ぎして早く去れ

 

         

 

東京都交響楽団から「2021年1月~3月主催公演チケット代金(会員券を含む)払い戻しについて」という通知が届きました それによると、

「12月までの定期演奏会ほかの会員券・1回券は全て払い戻し済みだが、2021年1月~3月の主催公演のチケットも同様に払い戻す。11月公演から少しずつ緩和して客を収容してきたが、ステージ周りや客同士の間隔確保のため、まだすべての座席を100%用意することが出来ないので、いったん払い戻すことにする。払い戻しは①現金書留で12月下旬に登録住所へ返金する。②手元のチケットの返送は必要ない。③チケット代を寄付の形にもできる。なお、1月~3月の公演は『都響スペシャル』として実施するが、内容が決まり次第チケットを新たに販売する」

となっています やむを得ないこととは言え、いつまでこういう面倒なことを繰り返さなければならないのか、と苛立ちも覚えます 返金しないで、そのお金で「都響スペシャル」が聴けるようにできないものだろうか 主催者側からすれば その方が面倒なのでしょうね、きっと

 

         

 

昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールで東京交響楽団の「第43回 モーツアルト・マチネ」を聴きました プログラムは①モーツアルト「交響曲第32番ト長調K.318 」、②ハイドン「トランペット協奏曲 変ホ長調」、③モーツアルト「交響曲第38番ニ長調”プラハ”K.504 」です 演奏は②のトランペット独奏=佐藤友紀、指揮=沼尻竜典(ジョナサン・ノットの代演)です

オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置。コンマスはグレブ・二キティンです

 

     

 

1曲目はモーツアルト「交響曲第32番ト長調K.318 」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1779年に作曲した作品です この曲は第1楽章「アレグロ・スピリトーソ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「プリモ・テンポ」の3楽章から成る交響曲ですが、全体の演奏時間が10分足らずの作品で3つの楽章が切れ目なく演奏されることから、単一楽章のシンフォニア(序曲)とも考えられています

沼尻竜典の指揮で演奏に入ります メリハリのある音楽作りはこの指揮者の特徴です 第1楽章ではオーボエ首席の荒木奏美の演奏が素晴らしい 第3楽章では固いマレットによる清水太のティンパニが小気味よく響きます 全体を通して聴いた印象は、オペラのストーリー性を感じる曲想なので「シンフォニア」のように思います

2曲目はハイドン「トランペット協奏曲 変ホ長調」です この曲はヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)が1796年に作曲した生涯最後の協奏曲で、ウィーンの宮廷トランペット奏者アントン・ヴァイディンガ-のために作られました 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「アレグロ」の3楽章から成ります

東響首席トランペット奏者・佐藤友紀を迎え、沼尻の指揮で第1楽章が開始されます 独奏トランペットとオケとの掛け合いが心地よく響きます 沼尻のテンポ感が素晴らしい カデンツァは華やかで輝いています 穏やかな第2楽章を経て、第3楽章が快速テンポで演奏されます トランペットとオケの丁々発止のやり取りで躍動感あふれる演奏が展開します 佐藤の鮮やかな演奏にカーテンコールが繰り返されました

ところで、ハイドンはトランペット協奏曲を書きましたが、モーツアルトは書いていません 当時の作曲家は、技巧の優れた演奏者がいるとその人のために新しい協奏曲を作曲しました モーツアルトの場合で言えば、クラリネットのアントン・シュタートラ―、ホルンのヨーゼフ・ロイトゲープといった人たちです モーツアルトの周囲には、この人のために協奏曲を書きたいというほどのトランペットの名手がいなかったのでしょう

 

     

 

3曲目はモーツアルト「交響曲第38番ニ長調”プラハ”K.504 」です この曲は1786年に作曲、翌87年にプラハで初演されました 1786年5月にオペラ「フィガロの結婚」がウィーンで初演され、同年12月にはプラハでも上演されましたが、ウィーンとは異なり 当地では熱狂的に受け入れられました その後、作曲者自身の指揮で「フィガロの結婚」を上演してほしいという要請を受け、モーツアルトは翌1787年1月にプラハに招かれます 「フィガロの結婚」は1月22日に上演されましたが、それに先立つ1月19日に国民劇場で彼のコンサートが開かれました その時、前年12月初旬に作曲したばかりの「交響曲第38番」を上演しました。そのためこの曲は「プラハ」の愛称で呼ばれています 

通常 交響曲は4つの楽章から成りますが、この曲は3楽章構成となっているのが大きな特徴です 第1楽章「アダージョ~アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「フィナーレ:プレスト」の3楽章から成ります

ここで初めて気が付いたのですが、コントラバスには新日本フィルの希望の星、菅沼希望(首席)がスタンバイしています

沼尻の指揮で第1楽章が開始されます 冒頭のゆったりしたテンポによる序奏部は、この年(1787年)にプラハのエステート劇場から依頼されたオペラ「ドン・ジョバンニ」の序曲を彷彿とさせる堂々たる重みのある響きが聴こえます アレグロに移ってからの沼尻 ✕ 東響の演奏は軽快そのもので、ティンパニの打ち込みが心地よく響きます 第2楽章は弦楽器の響きが美しい 第3楽章に入ると再び快速テンポで演奏が進みます 荒木奏美のオーボエ、相澤政宏のフルート、福井蔵のファゴットが素晴らしい

終始 爽快な演奏に大きな拍手が送られました    沼尻竜典はモーツアルトを得意としているだけあって、メリハリのあるテンポ感が素晴らしかったです

 

     

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若松孝二監督「11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち」 & 五社英雄監督・三島由紀夫出演「人斬り」を観る ~ 新文芸坐

2020年11月21日 07時28分23秒 | 日記

21日(土)。わが家に来てから今日で2242日目を迎え、広島県選挙管理委員会は20日、県内の政治団体が提出した2019年分の政治資金収支報告書を公開したが、19年7月の参院選広島選挙区を巡る買収事件で、公職選挙法違反の罪で公判中の元法相・河井克行議員と妻の安里参院議員が関係する4団体は、収支がすべて「不明」と記されていた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

        自民党からの1億5千万円があるから不明で通す? 「不明」は「不名誉」に通じる

 

         

 

昨日、夕食に「鶏の唐揚げ」を作りました    唐揚げは2週間に一度のペースが定着しました  お酒はお酒はもちろんビールです

 

     

 

         

 

昨日、新文芸坐で「生誕95年・没後50年 三島由紀夫 文学と映画」特集のうち「11.25  自決の日 三島由紀夫と若者たち」と「人斬り」の2本立てを観ました

 

     

 

「11.25  自決の日 三島由紀夫と若者たち」は、若松孝二監督が、1970年11月25日に防衛庁内で割腹自殺へと至るまでの三島由紀夫と「盾の会」の若者たちの物語を2011年に映画化(119分)したものです

三島由紀夫は数々の名作を著し、ノーベル賞候補と目される文豪になっていた    その一方で、学生運動全盛期の1968年(昭和43年)、三島(井浦新)は民族派の学生たちと民兵組織「盾の会」を結成し、有事の際には自衛隊とともに治安出動し、自衛隊国軍化に命を賭ける覚悟でいた。そのために自衛隊に体験入隊し訓練に勤しんでいた しかし、暴動が起きても警視庁機動隊が収拾を図り、自衛隊の出る幕はなく、三島と楯の会の森田必勝を筆頭とする若者たちは「これでは自分たちの存在意味がない」と苛立ちを募らせていく そして、ついに70年11月25日を迎え、三島は楯の会の4人と共に、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地へ向かう。5人は益田総監を総監室に人質に取り、三島はバルコニーに出て、多くの自衛隊の隊員に向かい自衛隊によるクーデターの決起を促すアジ演説をしたが、相手にされなかったため総監室に戻り、三島と森田は割腹自殺する

 

     

 

この映画では、2.26事件、浅沼稲次郎社会党委員長刺殺事件、東大安田講堂事件、10.21国際反戦デー事件など、過去のニュース映像を交えながら、いかに三島や楯の会の若者たちが左翼に反感を抱き、実力行使を持って自衛隊を軍隊として認めさせ、天皇を中心とする社会を構築しないと日本は堕落してしまうと考えるようになったかが描かれています この映画を観ると、三島は本気で日本刀で実力行使をしようと考えていたことが窺えます 三島夫人が「あなたはどういう死に方をするのでしょうね」と問いかけるシーンが象徴的です 三島は「武士道とは死ぬことと見つけたり」という「葉隠れ」の思想を持ち出し、いずれ意思を全うし自害することを暗示します 三島にとって、生きることはどう死ぬかということだったのです 「言葉に力があった時代」に、言葉だけではどうにもならないと限界を感じて行動に移し、花と散った三島由紀夫でした

映画を観ながら、学生時代のことを思い出しました 60年代から70年代の初めにかけては、あまりにも多くの出来事がありすぎました 一部の学生は過激な政治活動に身を投じていましたが、私は一人のノンポリ学生でした 三島の前に出たら、不甲斐ない顔を張り飛ばされていたことでしょう

 

         

 

「人斬り」は橋本忍脚本、五社英雄監督による1969年製作映画(139分)です

岡田以蔵(勝新太郎)は土佐の暴れん坊だった 土佐勤王党の首領・武市半平太(仲代達矢)は、滅法剣に強い以蔵に目を付け、”人斬り以蔵”と呼ばれるまでの刺客に仕込む 以蔵は薩摩の有名な人斬り田中新兵衛(三島由紀夫)と比較されるほど有名になる 冷酷な武市は以蔵を利用して反対勢力を次々と暗殺する しかし、坂本龍馬(石原裕次郎)から「いつかは主人から犬は捨てられる」とたとえ話を聞かされ、武市に反発するようになる 命令通りに働かない以蔵に怒りを覚えた武市は冷酷に以蔵を捨てる 以蔵は毒を盛られるが、九死に一生を得て、奉行所で武市一派の一連の暗殺を暴露する その結果、武市はやがて切腹、以蔵は武市から解放された喜びを味わいながら磔台に上がる

 

     

 

冷酷な武士を演じて仲代達矢ほど相応しい役者はいないでしょう 勝新太郎は、無学で剣だけは強いハチャメチャな以蔵にピッタリです その点、石原裕次郎の坂本龍馬はミスキャストとしか言いようがありません

この映画には三島由紀夫が人斬り田中新兵衛役で出演していますが、ちょんまげ姿がなかなか似合っています ただ、「人斬り」には見えません 姉小路が斬られた刀が自分のものだったため、暗殺の嫌疑をかけられた田中新兵衛が、その場でその刀を腹に突き刺して自害するシーンは、演技とは思えないリアリティがありました そんな三島が本当に割腹自殺をしたのは、その翌年のことでした。役者として生きる道もあったかもしれません。日本は惜しい人を亡くしました

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