30日(木),わが家に来てから今日で1156日目を迎え,北朝鮮が29日午前3時18分ごろ弾道ミサイルを発射し 青森県から約250キロ西部の日本海に落下した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
北朝鮮がミサイルを発射すると株価が上がる 君たちはナメラレているんじゃね?
昨日,夕食に「豚丼」「生野菜と生ハムのサラダ」「イワシ団子とエノキダケのスープ」「マグロの山掛け」を作りました 昨夕は娘が外食だったので息子の希望を入れました
昨夕,浜離宮朝日ホールで「萩原麻未ピアノ・リサイタル」を聴きました プログラムは①ショパン/リスト「6つのポーランドの歌」,②リスト「愛の夢 第3番」,③リスト「パガニーニによる大練習曲」より第2番「オクターブ」,第3番「ラ カンパネラ」,第4番「アルペジオ」,第5番「狩り」,第6番「主題と変奏」,④台信遼「秋霖抄」,⑤シューマン「謝肉祭」です
萩原麻未は広島出身,第27回パルマドーロ国際コンクールで史上最年少の13歳で第1位を獲得.2010年第65回ジュネーヴ国際コンクール(ピアノ部門)で日本人で初めて優勝 年によって第1位を出さないこの伝統あるコンクールで8年ぶりの優勝となりました パリ国立高等音楽院,モーツアルテウム音楽院を経て,現在日本とフランスを中心に活躍しています
自席は1階3列14番,センターブロック右から2つ目です.会場は満席近い入りです
1曲目はショパン作曲・リスト編曲「6つのポーランドの歌」です この曲はショパンの歌曲をリストがピアノ用に編曲したものです.萩原麻未が14歳で開いた故郷広島での初リサイタルで演奏した記念すべき作品とのことです この曲は①乙女の願い ②春 ③指環 ④バッカナール ⑤私のいとしい人 ⑥帰郷の 6曲から成ります
萩原麻未が白のエレガントな衣装で登場,ピアノに向かいます 初めて耳にするこの曲は,1曲目の「乙女の願い」はマズルカ風,2曲目の「春」と3曲目の「指環」がワルツ風,4曲目の「バッカナール」がポロネーズ風,5曲目の「私のいとしい人」がノクターン風,6曲目の「帰郷」がエチュードの「木枯らし」風といった感じの曲想でした 彼女の演奏で聴くショパンは,リストの編曲の力が大きいこともあって,最初からピアノのために書かれた曲のように聴くことができました
2曲目は,リストが1850年に作曲した あまりにも有名な「愛の夢 第3番」です 萩原麻未が なぜあまり弾きそうにない超有名曲を あえてこの位置に据えたかと言えば,前の曲と次の曲との間奏曲的な意味合いを持たせたからです 彼女はこういう甘い超有名曲でも手を抜きません ゆったりと演奏を始め,次第に音が立ち上がってきてクライマックスを迎え,再びゆったりとしたメロディーに戻ります.短いながら一つの物語を聴いているような感じがします
会場いっぱい拍手が起こりますが,彼女は座ったまま聴衆に一礼し 次の曲に備えます 何故なら,この曲は「間奏曲」だからです
プログラム前半の最後はリストの「パガニーニによる大練習曲」から第2番「オクターブ」,第3番「ラ カンパネラ」,第4番「アルペジオ」,第5番「狩り」,第6番「主題と変奏」です よく知られているように,リストは1832年(当時21歳)にイタリアの奇才パガニーニの演奏を聴いて衝撃を受け,6曲から成る「パガニーニによる超絶技巧練習曲」を作曲,さらに大幅に手を加えた改訂版「パガニーニによる大練習曲」を出版したのでした 5曲とも超絶技巧曲ですが,萩原麻未は何の苦もなく表情豊かに演奏します 「ラ カンパネラ」では今まで聴いたことがない高音部での強打があり強く印象に残りました こういう演奏は初めてです.この曲のあと,会場のそこかしこで拍手が起こりましたが,自然な拍手だったので非難は出来ません 圧巻だったのは最後の「主題と変奏」です.音の強弱の妙,音色の変化・・・圧倒されました
プログラム後半の1曲目は台信遼「秋霖抄」です 作曲者はパリ音楽院時代の萩原麻未の友人とのことで,この曲は2013年に完成しました.タイトルの意味は秋の初めにシトシトと降る長雨のことで,連綿と続く雨音をイメージして作曲したとのことです 会場の照明が暗転し,ピアニストだけにスポットライトが当てられ,静かに演奏が始まります.初めて聴く曲なので緊張します 「長雨」をイメージしながら聴きました
演奏後,会場にいた作曲者本人(元気な青年!)がステージに呼ばれ,お互いを讃え合いましたが,とても微笑ましい光景でした
プログラムの最後はシューマンの初期の傑作「謝肉祭」です この曲は21曲から成るピアノ小品集です.キリスト教の四旬節に入る前の3~8日間に行われる謝肉祭の賑やかな様子を描いたもので,①前口上 ②ピエロ ③アルルカン(道化役者) ④高貴なワルツ ⑤オイゼビウス ⑥フロレスタン ⑦コケット ⑧返事 ⑨蝶々 ⑩踊る文字 ⑪キアリーナ ⑫ショパン ⑬エストレラ ⑭再会 ⑮パンタロンとコロンビーヌ ⑯ワルツ・アルマンド ⑰間奏曲(パガニーニ) ⑱告白 ⑲プロムナード ⑳休憩 ㉑フィリシテ人と闘う「ダヴィッド同盟」の行進ーから成ります
1曲目の「前口上」は,萩原麻未の「これが私の謝肉祭です」という宣言のように聴きました 彼女の演奏は力強いですが,がなり立てることはありません すべての曲が説得力をもって迫ってきます 最後の「フィリシテ人と闘う『ダヴィッド同盟』の行進」の真摯で迫力ある演奏には圧倒されました
会場いっぱい拍手とブラボーが飛び交う中,アンコールとしてショパンの「コントルダンス」を,鳴りやまない拍手にショパンの「子犬のワルツ」を,それでも鳴りやまない拍手にドビュッシーの「月の光」を演奏し,聴衆のクールダウンを図りました
その日の演奏が良かったかどうかの判断材料として,私は「もう一度聴きたいか?」という基準を持っています その点から言えば,この日の萩原麻未のリサイタルは「是非もう一度聴きたい」コンサートでした さらに言えば,次に聴く時は別の作曲家の作品も聴きたいと思いました これは誰にも当てはまることではなく,数少ないアーティストの一人が萩原麻未です