31日(月)。月末を迎えたので、いつもの通り7月の3つの目標の達成状況をご報告します ①クラシック・コンサート=15回(今夜の公演を含む)、②映画鑑賞=18本、③読書=6冊でした ①はこのほか公開リハーサルを1回見学しました。②は短編映画が含まれているので多くなっています。③は6冊のうち2冊はまだブログアップしていません 今月は超ハードスケジュールでいささか疲れましたが、8月もコンサートが15回あります 熱中症に気をつけて乗り切りたいと思います
【追記:6時45分】スマホのツイッターのロゴが今朝、「ツイッター・ブルー」から「 X ブラック」に変わりました ブラック・ジョークだと思いました
ということで、わが家に来てから今日で3121日目を迎え、香港民主派支援などに取り組んできた中国の元人権派弁護士、慮思位氏が渡航先のラオスで現地の警察当局に連行されたことが29日分かった というニュースを見て感想を述べるモコタロです
中国・習近平政権は 反政府主義者が世界中のどこにいても 見つけ出して逮捕する
昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールで、「フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2023」参加公演「山形交響楽団 山響 ✕ 鈴木秀美 ~ クラシックの神髄プログラム」を聴きました プログラムは①ベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61」、シューベルト「交響曲第8番 ハ長調 D944 ”ザ・グレート” 」です 演奏は①のヴァイオリン独奏=石上真由子、管弦楽=山形交響楽団、指揮=鈴木秀美です
当音楽祭に初参加となる山形交響楽団は1972年、東北初のプロオーケストラとして創立(団員49名)されました。常任指揮者=阪哲郎、首席客演指揮者=鈴木秀美、ミュージック・パートナー=ラデク・バボラーク、桂冠指揮者=飯森範親という布陣です
拍手の中、オケのメンバーが配置に着きます オケは8型で、左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置をとります ホルンは古楽器=ナチュラル・ホルンを使用します。コンマスは犬伏亜里さんです
1曲目はベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が旧知のヴァイオリニストのフランツ・クレメントの依頼により1806年にたったの1か月で作曲、同年12月23日にアン・デア・ウィーン劇場で初演されました 第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「ロンド」の3楽章から成ります
ヴァイオリン独奏の石上真由子は1991年京都生まれ。京都府立医科大学卒という異色の経歴の持ち主。日本音楽コンクール第2位など国内外の受賞多数 この人が素晴らしいのは、オーケストラとの共演のほかに、自主企画を次々と実行しているところです
石上真由子が白地に銀のラメ入りのエレガントな衣装で登場、中央でスタンバイします
鈴木秀美の指揮で第1楽章がティンパニの4連打で開始されます 通常のティンパニを固いマレットで叩いているのか、バロック・ティンパニを使っているのか不明ですが、古楽器のような音がします オケだけの演奏に続いて、独奏ヴァイオリンが入ってきますが、演奏を聴いていて違和感を覚えました これまで聴いてきた石上の演奏は自然で美しいヴィブラートが大きな特徴だったのに、それがまったく見られません いったいどうしたのか・・・と、しばし考えてみましたが、1楽章が終わるころに、ハタと気が付きました 指揮者は古楽の大家・鈴木秀美です 弦楽器はヴィブラートをかけない古楽奏法を採用します 石上は鈴木 ✕ 山響に合わせてノン・ヴィブラートで演奏しているのではないか、と
終盤のカデンツァは耳慣れない曲想でしたが、刺激的な曲想で面白く聴きました ベートーヴェン自身はカデンツァを作曲していないので、クライスラー、ヨアヒム、アウアー、シュ二トケなどによるものか、あるいはベートーヴェン自身がこの曲をピアノ協奏曲に編曲したバージョンのカデンツァだったのかもしれない また、第2楽章の終盤のカデンツァはそれに輪をかけて面白い曲想だった 第3楽章でもカデンツァが独特で、面白く聴けた チャレンジ精神旺盛な石上のこと。あまり演奏されない作曲家のカデンツァを使用したのではないか・・・と思って、帰りがけに案内ボードを見たら「カデンツァ 松崎国生編」とありました あとで石上さんのツイッターを見たら、「松崎君が書いてくれたカデンツァを勝手にアレンジしまくり」と書かれていました 要するにベートーヴェンの主題をもとに松崎氏がカデンツァを書いて、それを石上さんが即興でアレンジして弾いたということのようです ベートーヴェンを現代に息づかせるという意味では理想的な演奏だと言えるかもしれません
満場の拍手に石上は、ベートーヴェン「七重奏曲 作品20」から第3楽章「テンポ・ディ・メヌエット」(松崎国生編)を軽快に演奏し、再び大きな拍手に包まれました
ところで、開演直前、ステージ下手の方から言い争いの声が聞こえてきました 女性が甲高い声で何かを言い、最後に「何なのよ」と叫び、男性が「もう始まるんだから」と注意を促している様子です コンマスも気がついて、不安そうにそちらの方を見ていました 私はその時、舞台袖の奥で出演者とスタッフの間でトラブルがあったのかな? でも本番直前では有り得ないし・・」と思っていました。コンサート終了後、電車の中でツイッターを見ていたら、舞台袖の奥ではなく、その上の2階Lブロックで女性が騒ぎ出したらしいことが分かりました いくつかのツイートをまとめると、体調が悪そうな女性にレセプショニストが気づかいの声をかけたところ、「どうしても聴きたいのよ」と叫びながら床に寝そべっていた、ということです これについては「2階Lブロックにヤバいオバサンがいた」「オケの人たちも気が付いていた」「演奏者に失礼だろ」といったツイートが複数見られました そういえば、演奏終了後にホールの出口で係員に何やらしつこくクレームをつけている女性を見かけましたが、あれが当該者だったのだろうか
いずれにしても、オケの楽員がスタンバイし、あとはソリストと指揮者の登場を待つだけのタイミングで、大きな声を出して自己主張するのは「演奏妨害」です 体調が悪いのならコンサートに来るべきではないし、途中で気分が悪くなったのならレセプショニストの助けを借りて会場から出て休憩所で横になって休むべきです あまりの猛暑続きの異常気象のせいで、こういう唯我独尊・自己中心・四面楚歌・猪突猛進・因果応報・排他的経済水域のような行動に走る者が出てきたのかと驚きを禁じ得ませんが、演奏者や聴衆に迷惑をかける行為は断じて許せません 当該女性には猛省を求めます あなたにコンサートを聴きに来る資格はありません もっとはっきり言います。もう2度とコンサート会場に来るな
プログラム後半はシューベルト「交響曲第8番 ハ長調 D944 ”ザ・グレート” 」です この曲はフランツ・シューベルト(1797-1828)が1825年から28年にかけて作曲、シューベルトの死後、1839年1月にウィーンに滞在していたシューマンが、シューベルトの兄の家を訪問した際に、この交響曲の楽譜を発見、同年3月21日にメンデルスゾーン指揮ゲヴァントハウス管弦楽団によりライプツィヒで初演されました 第1楽章「アンダンテ ~ アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ ~ トリオ」、第4楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります
オケを見渡すと、ホルンのほかに、トランペットもトロンボーンも古楽器を使用していることが分かります
鈴木は暗譜で指揮をとります 第1楽章がナチュラル・ホルンの柔らかい音色で開始されます 演奏は速めのテンポでサクサクと進みますが、オーボエとフルートが素晴らしい 第2楽章ではオーボエの軽快な演奏に加え、クラリネット、ファゴットの演奏が冴えています またホルン、トランペット、トロンボーンといった古楽器の独特の柔らかい音が印象的です 第3楽章に入ると、私の悪い癖が出てきて、「何と長い曲なんだ シューマンが『天国的な長さ』と評したのが良く分かるよ なんでシューベルトは同じメロディーを何回も繰り返すんだ・・・」と口には出さず独り言ちます 第4楽章も同様です。それでも、これまでの他のオケの演奏と比べれば、古楽器奏法によるメリハリの利いた演奏が功を奏し、あまりしつこさは感じませんでした 全曲を通じて感じたのは、少人数の割には迫力のある音が出ていたことです 山響は侮れないと思いました
大きな拍手とブラボーの嵐の中、カーテンコールが繰り返され、楽員がセクションごとに立ち上がり拍手に応えました
鈴木 ✕ 山響はアンコールに、ベートーヴェン「オーケストラのための12のメヌエット WoO7」から第11番を優雅に演奏、満場の拍手の中 コンサートを締めくくりました