人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

今年のクラシック・コンサート「マイ・ベスト3」の発表 ~ リゲティ、モーツアルト、プッチーニの あのコンサート / 今年の3つの目標の達成状況のご報告 / 1年間ご訪問ありがとうござじました!

2023年12月31日 01時32分40秒 | 日記

31日(日)。月末兼年末を迎えたので、3つの目標の実績をご報告します 最初に12月の実績は①クラシック・コンサート=13回、②映画鑑賞=10本、③読書=3冊でした

次に2023年のトータルの実績は①クラシック・コンサート=180回(前年比 36回 増)、②映画鑑賞=130本(前年比 43本 増)、③読書=49冊(前年比 21冊 減)でした コンサートと映画が増えた一方、読書が減りました。①のコンサートは、N響はCプロに代えてAプロ、Bプロの会員になり、読響は定期に加え名曲も会員になり、シティ・フィルは定期に加えティアラも会員になったこと、また5月の「ラ・フォル・ジュルネ音楽祭」が復活したことが大く影響しています なお、②映画鑑賞にはNetflixで観た10数本の作品は含めていないので、トータルでは140本以上になると思います

また、健康面の1年間を振り返ってみると、2月には「鼡径ヘルニア手術」で3拍4日の入院があり、4月には「前立腺癌検査」のため1泊2日の入院がありました また、9月には酔って玄関で転倒しオデコに瘤を作り、右手の甲を打撲しました お酒には気をつけなきゃアカンと思った出来事でした 皆さまの1年はいかがでしたでしょうか

ということで、わが家に来てから今日で3273日目を迎え、カナダに事実上の亡命をした香港の民主活動家・周庭さんについて、香港警察は「一生追跡する」などと警告して逮捕する方針を示し、近く指名手配されると見られている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     言論の自由の根絶を目指す 中国・習近平の傀儡政権の 執拗な追及に対し抗議する!

 

         

 

昨日は娘が仕事休みだったので、帰省した息子を交えて巣鴨駅 atre の「OTTIMO  KITCHEN」でランチしました 白ワインを片手にオードブル(4種)、ピザ(2種)、パスタ(2種)とデザート(ジェラート&コーヒー)をいただきました 撮り忘れた料理が2種類あります 白ワインもしこたま飲んだので満腹です

 

     

     

     

     

     

     

     

 

         

 

今年聴いた180回のクラシックコンサートの中から「マイ・ベスト3」を選びました 私は音楽評論家ではありませんので、あくまでも「今年聴いた最も印象に残ったコンサート」という観点で独断と偏見により選びました

最初に手帳の日程表を見ながらパッと直感的に演奏を思い出した次の10公演を候補として選びました この時点で「マイ・ベスト10」と言えます 演奏月日順に次の通りです

Ⅰ。井上道義指揮 音楽大学フェスティバルオーケストラ(3月26日:ミューザ川崎) ①ヨーゼフ・シュトラウス「天体の音楽」、②伊福部昭「シンフォニア・タプカーラ」、③ストラヴィンスキー「春の祭典」※何と言っても井上道義の十八番「シンフォニア・タプカーラ」です

 

     

 

Ⅱ。大野和士指揮 東京都交響楽団、(3月27日:サントリーホール) ①リゲティ「ヴァイオリン協奏曲」、②同「マカーブルの秘密」(以上Vn:パトリツィア・コパチンスカヤ)、③バルトーク「中国の不思議な役人」※コパチンスカヤの超個性的な演奏が光ります

 

     

 

Ⅲ。東京・春・音楽祭「郷古廉&加藤洋之 ~ 横坂源を迎えて」(4月11日:東京文化会館小ホール) ①ブロッホ「パール・シェム」より「ニーグン」、②ショスタコーヴィチ「ヴァイオリン・ソナタ」、③シルヴェストロフ「ヴァイオリン・ソナタ”追伸”」、④ショスタコーヴィチ「ピアノ三重奏曲第2番」※ピアノ・トリオにおける3人のグルーブ感に満ちたアグレッシブな演奏が印象的です

 

     

 

Ⅳ。新国立オペラ:ヴェルディ「リゴレット」(5月18日:オペラパレス) マウリツィオ・ベニーニ指揮東京フィル。ロベルト・フロンターリ、ハスミック・トロシャン他 ※指揮者も歌手陣も最高レベルでした

 

     

 

Ⅴ。梅田俊明指揮 東京交響楽団「モーツアルト・マチネ」(5月27日:ミューザ川崎) ①モーツアルト「セレナータ・ノットゥルナ」、②同「フルート協奏曲第2番」(Fl:高木綾子)、③同「交響曲第40番」※セレナータ・ノットゥルナにおけるウィットに満ちた演奏が楽しく魅力的でした

 

     

 

Ⅵ。チョン・ミョンフン指揮 東京フィル:ヴェルディ「オテロ」演奏会形式(7月31日:サントリーホール) グレゴリー・クンデ、小林厚子、ダリボール・イェニスほか ※終始、暗譜によるチョン・ミョンフンの指揮のもと、オペラの魅力が十二分に伝わってきました

 

     

 

Ⅶ。上岡敏之指揮 読売日響:ブルックナー「交響曲第8番」(8月31日:サントリーホール) ローター・ツァグロゼクの代役 ※集中力に満ちた気迫の演奏でした

 

     

     

Ⅷ。高関健指揮 東京シティ・フィル:プッチーニ「トスカ」演奏会形式(11月30日:東京オペラシティ) 木下美穂子、小原啓楼、上江隼人、妻屋秀和ほか ※高関健の渾身の指揮と歌手陣が素晴らしい

 

     

 

Ⅸ。フォーレ四重奏団(12月10日:横浜みなとみらい小ホール) ①マーラー「ピアノ四重奏断章」、②フォーレ「ピアノ四重奏曲第1番」、③ブラームス「ピアノ四重奏曲第1番」※ブラームスにおける迫真の演奏が凄かった

 

     

 

Ⅹ。ファビオ・ルイージ指揮 NHK交響楽団:マーラー「交響曲第8番”一千人の交響曲”」(12月17日:NHKホール) ジャクリン・ワーグナー、ヴァレンティーナ・ファルシュカ、オレシア・ペトロヴァほか ※大管弦楽と合唱とソリストとルイージの完璧な統率力に脱帽

 

     

 

         

さて、いよいよ「マイベスト3」の発表です

上記10公演の中で最も印象に残ったのは、大野和士指揮 東京都交響楽団(3月27日:サントリーホール) ①リゲティ「ヴァイオリン協奏曲」、②同「マカーブルの秘密」(以上Vn:パトリツィア・コパチンスカヤ)、③バルトーク「中国の不思議な役人」の公演です 特に「マカーブルの秘密」は奇抜な衣装といい、鋭角的なヴァイオリン独奏といい、何を言っているのか分からない叫び声といい、パトリツィア・コパチンスカヤの独演会の様相を呈していました これほど強烈な個性は現代では天然記念物的存在です しかし、アドリブ満載のように思えて彼女はほとんど楽譜通りに演奏しているのが驚きです

 

     

 

次に印象に残ったのは梅田俊明指揮 東京交響楽団「モーツアルト・マチネ」(5月27日:ミューザ川崎)①モーツアルト「セレナータ・ノットゥルナ」、②同「フルート協奏曲第2番」(Fl:高木綾子)、③同「交響曲第40番」の公演です 特に「セレナータ・ノットゥルナ」におけるユーモア溢れる演奏スタイルはモーツアルトの本質を突いており、指揮者・梅田俊明のセンスの良さを再認識しました

 

     

 

3番目に印象に残ったのは、高関健指揮 東京シティ・フィル:プッチーニ「トスカ」演奏会形式(11月30日:東京オペラシティ)木下美穂子、小原啓楼、上江隼人、妻屋秀和ほかの演奏です 木下美穂子をはじめ「オール・ジャパニーズ」でこれほど高水準のパフォーマンスが達成できるのは素晴らしいことです

 

     

 

上記の通り、今年は3点ともオーケストラの「定期演奏会」とそれに準ずるコンサートから選んでいます 特に強調したいのは、チケット代の高低とコンサートの印象度とは必ずしも比例しないということです 低料金のコンサートでも、企画次第で強く印象付けることが出来ることを「モーツアルト・マチネ」は証明しています

昨年の年末にも書きましたが、私はもともとオペラが好きで「新国立オペラ」を中心に鑑賞し、映画でも「METライブビューイング」や「同アンコール上映」を毎年欠かさず鑑賞しているのですが、最近の円安を背景に高騰する海外オペラ劇場来日公演のチケット代に、二の足を踏んでいるのが実情です もっと安価な料金で鑑賞できるようにならないか、といつも思っています

さて、皆さまの「2023年のマイベスト」はいかがだったでしょうか

今年1年間、toraブログをご訪問いだだきありがとうこざいました 来年も1日も休まず書き続けて参りますので、モコタロともどもよろしくお願いいたします

 

         

【忘備録】

2023年12月31日におけるtoraブログのトータル・アクセス数とランキング

①トータル  閲 覧 数   8,438,675 PV(前年末は  7,487,082 PV)※ +951,593PV

②トータル訪問者数   2,667,959 IP (前年末は  2,313,157  IP) ※ +354,802 IP

③gooブログ全体におけるランキング  3,176,944ブログ中184位(前年末は  3,140,875 ブログ中245位)

④日本ブログ村「コンサート・演奏会感想」におけるラキング 57ブログ中 1位(前年末は54ブログ中1位)

⑤フォロワー数 2026人( X分73人を含む)※前年末は2001人( ツイッター分47人を含む)

     

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地方オーケストラ事務局の労働条件 ~ 関西フィルの募集要項より / 柚月裕子著「ふたつの時間、ふたりの自分」を読む ~ 「孤狼の血」でお馴染みの著者の文庫オリジナル初エッセイ集

2023年12月30日 00時06分38秒 | 日記

30日(土)。27日のブログで、日経に掲載された「揺れる音楽ホール  枯渇する専門人材」という記事をご紹介したところ、読者の方から、「全国公益文化施設協会」が学芸員のような「新たな資格」を新設しようとしていることに対し「お金にならない資格に意味がありますか?  正規雇用100%と待遇の改善しかありえません」というコメントをいただきました 私も全くその通りだと思います さらに、地方オケ事務局の厳しい労働条件(特に給与面)の例として、関西フィルの「事務局スタッフ募集」告知サイトをご紹介くださいました。同フィルの公式サイトによると、「事務局スタッフ(公演・企画担当)を募集します」(2023年7月3日付告知)とあり、「雇用形態」は正社員、「給与・待遇」は月給150,000円~200,000円 ※年齢・経験等を考慮の上 決定、交通費全額支給、社会保険完備となっています「賞与」「昇給」については触れていません 当該読者の方は「当該オケだけでなく、N、都、読以外は実際こんな感じなのかもしれません」とコメントされていますが、私も似たり寄ったりだと想像します なお、上記ブログでご紹介した「武蔵野市民文化会館」の令和6年4月採用の正職員募集の給与条件は、「職員採用試験案内(芸術文化事業業務)」によると「初任給209,612円(大学新卒、地域手当含む)。この他に、要件を満たせば諸手当(扶養手当、通勤手当、超過勤務手当、住居手当等)及び期末手当・勤勉手当を支給します」となっています

ということで、わが家に来てから今日で3272日目を迎え、北朝鮮は27日、朝鮮労働党中央委員会拡大総会の2日目の議論を行ったが、金正恩総書記は、軍や核兵器部門などが「戦争準備の完成に拍車をかけるための戦闘的課題」を示し、米国との対決姿勢を鮮明にした  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     プーチン、ネタ二ヤフの2人に 負けず劣らず好戦的な金ちゃんには 困ったもんだ

 

         

 

昨日、宮城県白石市に単身赴任中の息子が帰省し、さっそく夕食を作ってくれました 「手羽元とソボロと五穀米のサムゲタン風」と「生野菜サラダ」です。「サムゲタン風」は本格的な調味料が足りないので「風」と呼んでいますが、味は本格的でとても美味しかったです

 

     

     

         

 

柚月裕子著「ふたつの時間、ふたりの自分」(文春文庫)を読み終わりました 柚月裕子は1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー 13年「検事の本懐」で第15回大藪春彦賞を受賞、16年「孤狼の血」で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞 「盤上の向日葵」「パレートの誤算」「ウツボカズラの甘い息」「検事の信義」など著書多数

 

     

 

本書は柚月裕子のデビューから作家生活15年の軌跡を追う文庫オリジナル初エッセイ集です

柚月裕子の小説は文庫化されたものはすべて読んでいますが、小説が優れている人はエッセイも優れているということを証明するような文章です

柚月さんは岩手県釜石市の出身。両親と兄と自身の4人家族で、父親の仕事の関係で県内を転々とし、その後 山形県山形市に移り、当地で結婚しそこに定住しています ご両親は2011年に起きた東日本大震災による大津波で命を落としています そのショックは大きく、エッセイではそのことにも触れています

本書を読むと、引っ越しを繰り返したため親密な友だちが出来なかった孤独な少女期に慰めになったのは、両親が与えてくれた物語(本)の世界だったことが分かります それが将来の小説家を型造る基礎となりました

印象に残るエッセイはいくつもありますが、特に印象に残った随想をいくつかご紹介します

「安心なる不安」と題するエッセイでは、最近図書館で目にした「フランス名句辞典」に収録されていたフランスの詩人で思想家のポール・ヴァレリーの句に目が留まったと書いています それは、「湖に浮かべたボートをこぐように、人は後ろ向きに未来に入っていく。目に映るのは過去の風景ばかり。明日の景色は誰も知らない」という句でした この句について昔友人と話し合ったことがあったので、あらためて考えてみた。そして友人に電話して次のように言った。『ヴァレリーが言ったように、人は後ろ向きに未来に入っていくなら、先は見えなくて当然だと思う。まだ歩いていない足跡など見えるわけがない。歴史に名を残す著名な思想家だって未来などわからなかったんだから、私たちが将来に不安を感じるのは当たり前。だから安心して不安になってもいいと思う』と。友人は小さく笑って『そうね、これからは安心して不安になる』と答えた・・・という内容です 柚月さんは「すでに起きている出来事に対しては対処できるが、まだなにも起きていない時点での不安は対処のしようがない。ならば、安心して不安になった方がいい」と書いています

「たったひとつのきっかけ」というエッセイでは、本の読み聞かせをボランティアでやっていた時「子どもを本好きにさせるには、どうしたらいいか」と訊かれ、「本を読むことを強制しないこと、それから、本の感想を聞かないこと」と答えた、と書いています 「読書は嗜好品と同じだと思っている。本に限らず、その面白さがわからない人にいくら口で魅力を説いても、伝わらないと思う では、苦手な人に興味を持たせるにはどうしたらいいのか。簡単なことだ。興味を持たせたいものを、面白い、と思わせればいいのである 本ならば、心の底から『面白い!』と思える1冊に出会える機会を設けてやりさえすればいい」と書いています

「誰もが気づきたくない孤独」というエッセイでは、マーティン・スコセッシ監督、ロバート・デ・ニーロ主演「タクシー・ドライバー」を取り上げています 主人公トラヴィスの孤独感を次のように表しています

「『ひとり』を表現する言葉に『ロンリー』と『アローン』があるが、意味合いが違う 『アローン』は物理的なひとり、『ロンリー』は大勢の中にいても感じる精神的な孤独だ。この作品は後者を抱える人間の寂寥と虚無感、そこから生み出される狂気を見事に表している 誰もが気づきたくない孤独を、スコセッシ監督は容赦なく引きずり出し、観る者の心を激しく揺さぶる そして、観客はトラヴィスとともに、独り、夜の街を彷徨うことになる

「孤狼の血」の主人公・大上章吾をはじめ、柚月さんの小説に登場する人物は「ロンリー」を感じさせます

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日経「今年の収穫 映画」 ~ 5人の評論家らが選ぶ今年の「ベスト3」 / フランシス・フォード・コッポラ監督「ドラキュラ」を観る

2023年12月29日 00時01分01秒 | 日記

29日(金)。昨日は年末恒例の”1年に1度の大苦行”油だらけのレンジフード掃除をしました 数年前まで金属タワシや油汚れ洗剤総動員で悪戦苦闘していたのが、最近は洗剤も”優秀”になり、”洗剤一隅のチャンス”とばかりに、あまり力を入れずに油汚れが落ちるようになり、助かりました 助かると言えば、今年はどういう訳か、娘がキッチン収納キットを搬入して、フライパンやら鍋やら菜箸やらを整理整頓してくれたので、料理がスムーズに作れるようになりました こんな感じです

 

     

 

ちなみに、反対側の壁は「サッポロCLASSIC ゴールデンカムイ」空き缶タワーです これは今年の分だけではなく 昨年からの蓄積です

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で3271日目を迎え、来年3月に行われるロシア大統領選挙の候補者になるための登録を拒否された反プーチンを掲げる候補者ドゥンツォワ氏が、最高裁判所に不服を申し立てていたが棄却された  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ロシアに三権分立はない あるのはプーチン政府・プーチン議会・プーチン裁判所だ

 

         

 

昨日、夕食に「タラのアクアパッツァ」と「舞茸の味噌汁」を作りました 極めてヘルシーメニューです

 

     

 

         

 

昨日の日経夕刊文化欄に「今年の収穫 映画」が載っていました これは日経の「シネマ万華鏡」に寄稿する評論家らが今年公開された映画の「ベスト3」を選んだものです

Ⅰ。中条省平氏が選んだのは次の3作品です ※は補足。

①PERFECT  DAYS(ヴィム・ヴェンダース監督)※役所広司がカンヌ映画祭で男優賞

②コンパートメントNo.6(ユホ・クオスマネン監督)※フィンランド映画、ロードムービー

③青いカフタンの仕立て屋 ※モロッコの女性監督の作品

Ⅱ。宇田川幸洋氏が選んだのは次の3作品です

①そして光ありき(オタール・イオセリアーニ監督) ※1989年の作品の正式公開

②サントメール  ある被告(アリス・ディオップ監督) ※セネガル系の女性監督の作品

③天国か、ここ?(いまおか しんじ監督) ※低予算の日本映画の面白さ

Ⅲ。村山匡一郎氏が選んだのは次の3作品です

①EO  イーオー(イエジー・スコリモフスキ監督) ※ブレッソン監督の古典作に着想を得たロバの放浪物語

②福田村事件(森達也監督) ※関東大震災時の虐殺事件の再現劇

③独裁者たちのとき(アレクサンドル・ソクーロフ監督) ※第2次世界大戦の政治指導者たちの風刺的な寓話劇

Ⅳ。渡辺祥子氏が選んだのは次の3作品です

①PERFECT  DAYS(ヴィム・ヴェンダース監督) 

②BADS  LANDS  バッド・ランズ(原田眞人監督) ※原作小説の主人公の女を男に変え、わき役陣を活かす娯楽づくりの巧みさ

③ロスト・キング  500年越しの運命(スティーヴン・フリアーズ監督) ※リチャード3世の墓探しをする英国の主婦を描く実話がモデル

Ⅴ。日経編集委員・古賀重樹氏が選んだのは次の3作品です

①花腐し(荒井晴彦監督) ※原作の設定を変えて斜陽のピンク映画と重ね合わせた

②王国(あるいはその家について)(草野なつか監督) ※映画の構造を解体し再構築を試みた

③枯れ葉(アキ・カウリスマキ監督) ※変わらないスタイルで変わりゆく世界の不安を捉える

上記の中で私が観たのは次の5作品ですが、感想をブログに書きましたのでそれぞれの日にちのブログをご覧ください

〇コンパートメントNo.6(ユホ・クオスマネン監督)=5月23日付ブログ参照。

〇そして光ありき(オタール・イオセリアーニ監督)=11月18日付ブログ参照。

〇サントメール  ある被告(アリス・ディオップ監督)=11月25日付ブログ参照。

〇EO  イーオー(イエジー・スコリモフスキ監督)=11月1日付ブログ参照。

〇独裁者たちのとき(アレクサンドル・ソクーロフ監督)=4月25日付ブログ参照。

評論家の皆さんが推薦していてまだ観ていない映画で、是非観たいと思っているのはヴィム・ヴェンダース監督「PERFECT  DAYS」です

今年は130本映画を観ましたが、何割かは「METライブビューイング」と「METライブビューイング・アンコール」で占めており、また今年初公開の作品に限らず1年以上前の映画も相当数含まれています したがって、「今年のベスト3」の観点からすると対象外となる作品が多いので、あえて「マイベスト3」は選ばないことにしました

 

         

 

新文芸坐でフランシス・フォード・コッポラ監督による1992年製作アメリカ・イギリス・ルーマニア合作映画「ドラキュラ」(128分)を観ました

1462年、ルーマニア・トランシルヴァニア城の城主であるドラクルはトルコ軍との戦争に出征するが、そこで戦死したという虚偽の情報を真に受けた最愛の妻である妃エリザベータ(ウィノナ・ライダー)は投身自殺する 帰ってきたドラクルは悲しみの最中、司祭から自殺した霊魂は神に救われないという言葉を聞かされる 絶望の末、ドラクルは神への復讐を誓い、血を糧に生きながらえる吸血鬼と化す

1897年、ロンドン。弁護士ジョナサン(キアヌ・リーブス)はルーマニアのドラキュラ伯爵(ゲイリー・オールドマン)からの依頼を受けて彼の城に向かうが、そこでドラキュラ伯爵の正体を知ったため、城に囚われてしまう 一方、ロンドンへ渡ったドラキュラ伯爵は亡き妻とうり二つの女性ミナ(ウィノナ・ライダー:二役)と出会う ジョナサンの婚約者であるミナは、ジョナサンとドラキュラ伯爵の間で揺れ動く 時を同じくして,ミナの親友であるルーシー(サディ・フロスト)は奇妙な夢遊病の発作に悩まされていた 徐々に心身ともに衰弱していくルーシーの様子を心配した婚約者であるアーサー(ケイリー・エルウィス)は、友人のジャックとクィンシーからこのことを形而上学者のヴァン・ヘルシング(アンソニー・ホプキンス)に相談するよう勧められる ルーシーの屋敷を訪れ、彼女を診察したヘルシングは、その症状が吸血鬼に血を吸われたことによるものだと気づく それからしばらく経ち、ドラキュラ城から脱出したジョナサンはロンドンに戻るが、そこでドラキュラ伯爵もロンドンに渡ってきていたことを知る その後、ヘルシングと出会ったジョナサンはドラキュラ伯爵がミナを奪おうとしていることを知り、アーサー達やヘルシングと共にドラキュラ伯爵に闘いを挑むことを決意する ヘルシングは吸血鬼と化したルーシーを退治し、ドラキュラ伯爵の行方を追う 一方、ミナのベッドに入り込んだドラキュラは、自分の血を飲ませようとするが ためらう    彼の愛の深さを知ったミナは、自ら血を飲んでしまう。ドラキュラはミナをさらって屋敷に逃げ込むが、ヘルシングらが追跡する。苦しむドラキュラにミナが杭を打ち込むと、息絶えたドラキュラの顔が平穏な表情に変わっていく    そしてミナはドラキュラの首を斬り落とすのだった

 

     

 

この映画は、1897年に発表された恐怖小説の古典「吸血鬼ドラキュラ」を、原作のイメージに忠実なスタイルで描いた作品です

タイトルが「ドラキュラ」なのでホラー映画を想像していましたが、ほとんど恐怖を感じませんでした むしろ、最後にドラクルの妻エリザベータの生まれ変わりの「ミナ」により、本当の愛を知ってやっと成仏していったドラキュラの物語のように思いました

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日経「音楽 今年の収穫」~ 音楽評論家が選ぶクラシックコンサート・今年のベスト3 / ニール・ブロムカンプ監督「グランツーリスモ」を観る

2023年12月28日 06時13分43秒 | 日記

28日(木)。26日付の日経夕刊文化欄に「今年の収穫 音楽」が載っていました クラシック、オペラ、クラシック(関西)、ポピュラー、ジャズが取り上げられており、それぞれ評論家が選んだ「印象に残った公演ベスト3」が紹介されています

「クラシック」は江藤光紀氏が次の3点を選んでいます ※はコメントの要約・補足。

①ファビオ・ルイージ指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(11月・サントリーホール)※サウンドに独特の香りがあり、ルイージの情熱的なリードで交響楽の醍醐味を味わった

②上岡敏之指揮読売日本交響楽団(8月・サントリーホール)※ブルックナー「交響曲第8番」 ※ ローター・ツァグロゼクの代役だが、デモーニッシュな演奏だった

③クァルテット・インテグラ(1月・サントリーホール ブルーローズ)※完成されたアンサンブルと個性的な音作りだった

「オペラ」は山崎浩太郎氏が次の3点を選んでいます ※は同上。

①オテロ(7月・オーチャードホール)※チョン・ミョンフン指揮東京フィルによる演奏会形式での上演は歌も管弦楽も合唱も優れていた

②田舎の騎士道/道化師(2月・東京芸術劇場)※マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」とレオンカヴァッロ「道化師」は上田久美子の演出が刺激的で挑発的だった

③ラ・カリスト(2月・川口総合文化センター・リリア)※濱田芳通 ✕ アントネッロによる演奏は17世紀の作品の魅力を感動的に伝えた

「クラシック(関西)」は小石かつら氏が次の3点を選んでいます ※は同上。

①森は生きている(1月・びわ瑚ホール)※沼尻竜典の指揮による人間の存在を問う真摯な姿勢が会場を満たす

②エマニュエル・リモルディ ピアノリサイタル(9月・ザ・フェニックスホール)※最初の一音で続く和音の全部が聴こえる

③フィガロの結婚(10月・びわ湖ホール)※指揮者・阪哲朗のフォルテピアノ驚く

上記の9公演の中で私が聴いたのは上岡敏之 ✕ 読売日響のブルックナー「交響曲第8番」とチョン・ミョンフン ✕ 東京フィルのヴェルディ「オテロ」です 両公演とも今年のクラシック・コンサート「マイベスト3」の有力候補です

ということで、わが家に来てから今日で3270日目を迎え、米国のトランプ前大統領は怒りや憎しみを込めたクリスマスのメッセージを相次いでSNSに投稿したが、バイデン大統領やジャック・スミス特別検察官に対しては24日に全て大文字で「彼らは私の陣営をスパイして議会にウソをつき、外交情報監視法でずるをして、大統領選挙を不正に操作し、多くは刑務所や精神施設から来た何百万人もの人々に我が国を侵略させ、アフガニスタンをめちゃくちゃにした。頭のおかしいジャック・スミスやジョー・バイデンの不良どもや悪党どもが私を追って来ている。わが国でこれほどの迫害はかつてなかった。それは選挙妨害と呼ばれる。メリークリスマス!」と書き込んだ  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     こういう低能に 米国の政治を再び4年間も任せるほど 米国人はバカじゃないよね?

 

         

 

昨日の夕食は「寄せ鍋」にしました 食材は鶏もも肉、鶏肉団子、白菜、水菜、シメジ、ニンジン、長ネギ、モヤシ、豆腐です 鍋なので浦霞禅の冷酒を飲みました 禁酒はもう完全になし崩しです

 

     

 

         

 

新文芸坐でニール・ブロムカンプ監督による2023年製作アメリカ映画「グランツーリスモ」(134分)を観ました

ドライビングゲーム「グランツーリスモ」に熱中する青年ヤン・マーデンポロー(アーチ―・マデクウィ)は、同ゲームのトッププレイヤーたちを本物のプロレーサーとして育成するため競い合わせて選抜するプログラム「GTアカデミー」の存在を知る そこには、プレイヤーの才能と可能性を信じてアカデミーを発足した男ダニー(オーランド・ブルーム)と、ゲーマーが活躍できるような甘い世界ではないと考えながらも指導を引き受けた元レーサーのジャック(デビッド・ハーバー)、そして世界中から集められたトッププレイヤーたちがいた 想像を絶するトレーニングや数々のアクシデントを乗り越え、ついにデビュー戦を迎える彼らだった

 

     

 

この映画は世界的な人気を誇る日本発のゲーム「グランツーリスモ」から生まれた実話をもとに、ハリウッドで映画化したレーシングアクションです

「GTアカデミー」とは正式には「GTアカデミー by 日産 ✕ プレイステーション」で、日産自動車とプレイステーションとポリフォニー・デジタルによって2008年に始まったバーチャルとリアルを繋ぐ革新的なドライバー発掘・育成プログラム(2016年まで実施)です 選抜試験は過酷を極め、ゲームのドライビングテクニックだけでなくレーサーとして必要な精神力や体力も試されるものでした 前代未聞のチャレンジに企画当初は異端視されましたが、その後「GTアカデミー」出身の数多くの選手がリアルレースで表彰台に上がることになりました

この映画は言うまでもなくレーシングカーの超高速レースが見もので、重低音が身体に響いてきます 車好きやスピード狂には堪らない映画でしょう

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「揺れる音楽ホール 枯渇する専門人材 ~ クラシック、資格制度創設へ」 ~ 日経の記事から / アントワン・フークア監督デンゼル・ワシントン主演「イコライザー THE FINAL」を観る

2023年12月27日 00時01分02秒 | 日記

27日(木)。昨日の日経朝刊文化欄に「揺れる音楽ホール 枯渇する専門人材 ~ クラシック、資格制度創設へ」という見出しの記事が載っていました 記事を超訳すると次の通りです

「クラシックでは音楽ホールでプロデュース業務に関わる人材の不足が深刻化している   各ホールが独自に育てるのも限界があり、業界全体で育成の必要性が叫ばれる クラシックの分野でプロデューサーやマネジャーと呼ばれる人材には、プログラム作成やアーティスト選定、制作プロセスや作品の管理、助成金の申請など様々なノウハウが求められる シンポジウムのコーディネーターを務めた芸術文化観光専門職大学の藤野一夫副学長は『多くの施設で、専門知識を持たない事務スタッフがこなしているのが現状』と嘆く 全国公立文化施設協会(公文協)の22年度の調査によると、公立の劇場や音楽ホールで働く人材は、正規雇用が41.3%、非正規は58.5%だった 一方、年齢構成をみると50歳以上が52%と過半数を占め、若い年代ほど割合は低下していく 2003年導入の指定管理者制度が拍車をかけた 行政の文化事業費の削減や、民間事業者への運営丸投げが加速し、『本来時間をかけるべき人材育成がないがしろになった 特に現在30~40代の働き盛りが枯渇し、早急な対策を打たないとさらに深刻化する』と藤野副学長は語る。民間事業者にも育成に力を入れる動きが出ている。公共ホールの指定管理を手掛けるサントリーパブリシティーサービスは、3年前からアートマネジメントを学んだ芸術系大学の学生の新卒採用を始めた 指定管理事業者のほとんどは即戦力の人材を中途採用することが多いが、『様々な文化施設で経験を積めるのが当社の強み。専門性だけでなく総合力を持った人材を育てることで、業界全体にもプラスになる』と同社担当者は語る。公文教は今年、専門人材の認定制度の創設に向けて動き出した。美術館の学芸員や図書館司書を念頭に、音楽ホールや劇場向けの新たな資格をつくる 今後2年間ほどかけてカリキュラムや認定方法などを検討するという

私はこの記事を読むまで、クラシックの各ホールでは専門知識を持ったプロデューサーやマネジャーがいて、主催公演をはじめ様々な公演をこなしているのだと思っていました また、公立の劇場や音楽ホールで働く人たちの約6割が非正規職員によって運営されているということも初めて知りました 「指定管理者制度」は創設早々から問題があると言われてきましたが、やっぱり「運営丸投げ」だったのですね 「専門人材の認定制度の創設」は避けて通れない道だと思います とにかく若い人を育てないとクラシック音楽ホールの未来は暗いと思います

それで思い出したのは、「サントリーホールでは20,000円、武蔵野なら15,000円」というキャッチで有名な「武蔵野市民文化会館」(公益財団法人  武蔵野文化生涯学習事業団)です 数日前のXで同事業団の「正職員募集」の告知が流れていました 採用職種は「芸術文化事業業務」で、勤務先は武蔵野市民文化会館ほか市内文化施設、仕事の内容は事業の企画・運営、施設管理運営業務、庶務経理など、採用日は令和6年4月1日としています これこそ、音楽ホールの専門家を養成し定着させるための正職員募集だと思います 私が現役の働き手だったら何の躊躇もなく応募するでしょう まだ十分 現役で働くことが出来、クラシック音楽が好きな人は応募してみてはいかがでしょうか 競争率は相当高いと思いますが

ということで、わが家に来てから今日で3269日目を迎え、米コロラド州最高裁の裁判官が、来年の米大統領選挙に向けた州予備選にトランプ前大統領の出馬を認めない判断を示したことをめぐって脅迫を受けていたことが分かり、米連邦捜査局(FBI)や地元当局が捜査に乗り出した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプが犯罪容疑者なら 支持者も右へ倣えか 仲良く牢獄で過ごせばいいんじゃね

 

         

 

昨日の夕食は、前日の「ローストビーフ」が余ったので2日連続でいただくことにしました 違いは? 前日はサッポロCLASSICでしたが、この日は赤ワインです

 

     

 

         

 

昨日、新文芸坐でアントワン・フークア監督による2023年製作アメリカ映画「イコライザー  THE  FINAL」(109分)を観ました

シチリアでのマフィアが管理するワイナリー襲撃で負傷し、心身ともに限界を迎えたアメリカ国防情報局の特殊工作員だったマッコール(デンゼル・ワシントン)は、アマルフィ海岸沿いの静かな田舎町に辿り着く 身内のように温かく接してくれる人々の存在に救われた彼は、この町を安住の地にすることを心に誓い、イコライザーのスイッチともいうべき腕時計を外すことを決意する しかし、この町にもマフィアの手が広がり、マッコールは大切な人々を守るため再びイコライザーの仕事を開始する やがて事態はイタリア全土を巻き込む爆破テロ事件へと拡大していく

 

     

 

本作は名優デンゼル・ワシントンが”正義の味方”を演じる人気アクション「イコライザー」シリーズの最終章となる第3作です

私は第1作も第2作も観ていないので、初めて観る作品です 「equalizer」とは「等しくする人、平等にする人」といった意味で、この映画では「世の悪人を完全抹消する闇の仕事請負人」として活躍するマッコールのことを指します 最初はマフィアが一般市民を苦しめ、それを知った主人公が単独で、人に知れないうちにマフィアを殺害していくという「勧善懲悪」の典型のような分かりやすいストーリーです

マッコールがシチリア島で負った傷を、街で長年医者を務めてきたエンゾが治療します その時エンゾは「あなたは良い人間か、悪い人間か?」と訊きます。マッコールは「分からない」と答えます。その答えを聞いたエンゾは彼の傷が銃創であることを追求せず、警察にも通報しませんでした その後、マッコールが「あの時、なぜあんなことを聞いたんだ?」と訊くと、エンゾは、「良い人間は『分からない』と答える」と言います もし彼が「俺は良い人間だ」と答えていたら信用されなかったであろうと推測されます 世の中には良いことをしている善人のような顔をして、裏でキックバックを受けて私腹を肥やしている悪い奴がいくらでもいますから、油断できません

この映画で一番良かったのは、アマルフィ海岸沿いの街並みの美しさです あんな街に住んでみたいと思いました

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ジョン・ヒューストン監督「荒馬と女」を観る ~ マリリン・モンローとクラーク・ゲーブルの遺作となった名画 / 今年のコンサートホールの「クリスマスツリー・コレクション」

2023年12月26日 00時01分01秒 | 日記

26日(火)。年賀状は今回こそ止めようと思うのですが、1年前に「これで最後にします」と書かなかったな、と思い直して今回も出すことにしました 年賀状は自分がまだ生きているという発信になり、相手が生きているかを確かめる手段にもなるので、なかなか止めることが出来ないのが実情です 今回は、できるだけ手間がかからないようにと、挨拶面に絵柄の入った年賀はがき(5枚セットで600円)を5セット購入しました 宛名印刷は数年前からCD-ROMのソフト(住所録を登録済み)を使用しているのでパソコン+プリンタで簡単に出来ます 挨拶面にひと言付け加えればよいというイージーな作成方法です 数年前までは挨拶面も新しい干支の年賀状ソフトを利用して印刷していたのですが、予想以上にカラーインクを消費することが分かったので、止めました 今回も「これで最後にします」と書かなかったので、1年後も同じことを繰り返すことになります 私の辞書には反省とか進歩という言葉はないのでしょうか

ということで、わが家に来てから今日で3268日目を迎え、トランプ前米大統領は23日、2020年大統領選結果を覆そうとしたとして刑事訴訟されたのに対し、公務の範囲内で行動したとの理由で訴追免責の特権が認められるべきだと、ワシントンの連邦高裁への提出文書であらためて主張した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプの”公務の範囲内”は 当選するためなら 違法行為も許される ということか

 

         

 

昨日は娘の誕生日だったので、誕生会をしました 娘が「ローストビーフ」を作ってくれたので、ポテトサラダ+野菜サラダ、オニオングラタンスープを買っておきました ローストビーフは柔らかくてとても美味しかったです 久しぶりにサッポロCLASSICを飲みました

 

     

 

バースデーケーキ(プレートはクリスマス・バージョンだけど)は地元・巣鴨の FRENCH POUND HOUSE の苺ショートケーキです 先月、長蛇の列に並んで予約を取っておいたものです

 

     

     

     

         

 

遅ればせながら、昨日アップするのを忘れたので本日アップします 今年のコンサート会場の「クリスマスツリー・コレクション」です

「今さら遅いわ」と言われそうですが、タイガースの日本一に免じてお許しください

最初は今年最も多く通ったサントリーホール前のカラヤン広場のツリーです

 

     

     

ちなみにサントリーホール内はこんな感じです

 

     

 

次は東京オペラシティのツリーです

 

     

 

オペラシティ・コンサートホールのロビーのツリーです

 

     

 

次は新国立劇場ホワイエのツリーです

 

     

 

次はミューザ川崎コンサートホール1階ロビーのツリーです

 

     

 

次は紀尾井ホールのツリーです

 

     

 

次はハクジュホールのツリーです

 

     

 

ついでに早稲田松竹のツリーです

 

     

 

         

 

早稲田松竹でジョン・ヒューストン監督による1961年公開アメリカ映画「荒馬と女」(124分)を観ました

美しい女性ロザリン(マリリン・モンロー)は離婚都市と呼ばれるリノを訪れる 離婚直後の彼女はカウボーイのゲイ(クラーク・ゲーブル)と自動車修理工のギド(イーライ・ウォラック)と知り合いになる 2人の男はロザリンにすっかり魅了されてしまう ゲイの友人バース(モンゴメリー・クリフト)も加わり、一行は砂漠へ野馬狩りに出発する 馬と人間の壮絶な闘いを見たロザリンはそれを止めようとする

 

     

 

その昔、「マリリン・モンロー・ノーリターン」という歌(野坂昭如)があって、それを揶揄して「マリリン・モンロー・ノータリーン」というフレーズが流行ったことがありました 「美人でグラマーな魅力的な女性ではあるが、頭が弱い」といった意味合いで作られたフレーズです しかし、この映画に観るマリリン・モンローは純粋な心を持ち、人や動物に思いやりのある優しくクレバーな女性として登場しています

原題の「MISFITS」は「環境や仕事に順応できない人たち」という意味です つまり、ゲイのように野生の馬狩りをして業者に売ることを生業としている男は、動物愛護精神を大切にする世の中から取り残された”時代遅れ”の人種だという意味を表しています

ゲイを演じたクラーク・ゲーブルは1960年11月16日、ロサンゼルスで心臓発作により死去(享年59歳)しています。一方、1962年8月4日、マリリン・モンローはロサンゼルスの自宅でバルピタールの過剰服用により不慮の死(享年36歳)を遂げています 自殺なのか他殺なのか不明です したがって2人とも「荒馬と女」が遺作となりました これからというところだっただけに惜しいと思います 2人とも決して MISFITS ではありませんでした

 

         

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地方オーケストラは持続可能か ~ 神奈川フィル、山形交響楽団の活動を中心に:日経の記事から / ウェス・アンダーソン監督「アステロイド・シティ」を観る

2023年12月25日 06時45分13秒 | 日記

25日(月)。昨日の日経朝刊の「文化時評」欄に「地方オーケストラは持続可能か」という見出しによる記事(執筆:滝順一氏)が載っていました 超略すると次の通りです

「神奈川フィルには地域の寄付で負債を解消し、解散の危機を乗り越えた歴史がある 首席ソロ・コンマス、石田泰尚さんの渾身の統率ぶりの魅力も加わり、支持を広げてきた コロナ禍の苦境時にはいち早くネット配信に挑んだ。今年はテレビ番組「リバーサル・オーケストラ」出演でも注目を集めた それでも定期会員数をコロナ禍前に戻すのに苦労している 多くの地方オーケストラが同様の困難に直面する。山形交響楽団は創立名誉指揮者の村川千秋さんが県内各地を巡る『スクールコンサート』を基盤に活動を始め、50年間に5400回、およそ300万人が聴いた 楽団は山形の『文化的共通言語』と言える。楽団の全収入に占める事業収入(定期公演と企業からの依頼公演、協賛金の合算)の割合は65%だ 日本オーケストラ連盟の資料によると、正会員オーケストラ25団体の『稼ぎ』の割合は60%なので、山形は高い方だ ネット配信で、曲間の『休憩時間』に山形の魅力を紹介する画像を挟んだり、コロナ禍で生演奏に触れられなかった子供たち向けに、常任指揮者、阪哲郎さんの指揮によるベートーヴェンの交響曲の演奏を収録したDVDを県内全校に寄付した 対照的に、シンフォニエッタ静岡は2018年に静岡県内での定期公演『撤退』を宣言した 会場確保が困難であるなどの事情から公演は東京で開く。同楽団は楽団員を雇用せず公演ごとに演奏家を集める身軽さゆえ、思い切った選択をした クラシック音楽の『クラシック』に『古い』という意味はない。東大名誉教授・村上陽一郎さんは『社会共同体にとって大切なもの、優れたもの』との意味だと著書『音楽 地の塩となりて』で書く 社会の変容が『大切なもの』を揺さぶる コロナ禍では『不要不急』と呼ばれた。クラシック音楽に限らず芸術には市場で測れる以上の価値がある 音楽を奏で聴くこと、それ自体の価値を、社会的効用をあえて問わずに、守り、育む心持ちを見失ってはならないだろう

神奈川フィルの石田組長については、20年以上前の新星日響のコンマス時代から”見て”いますが、ここ数年の人気は異常とも言えます この人気が「定期演奏会」の集客に繋がっていることを考えれば、オーケストラにとっては良いことです 本人は相当多忙な演奏生活を送っているようですが、健康第一で頑張ってほしいと思います

山形交響楽団については、飯森範親氏が常任指揮者時代の2017年にモーツアルト「交響曲全集」を発売し、第55回レコード・アカデミー賞(特別部門:企画・制作)を受賞、クラシック界で大きな話題になりました 地方オケの取り組みとしては快挙と言えるでしょう 私は今年、「フェスタ・サマーミューザ」で初めて山形交響楽団の演奏を聴きましたが、これからも全国的に活動してほしいと思います

ということで、わが家に来てから今日で3267日目を迎え、トランプ前米大統領の国家安全保障問題担当補佐官を務めたジョン・ボルトン氏は24日までに共同通信の取材に応じ、トランプ氏は「政策に基づいてではなく、政治と経済両面で私欲を優先する」と語り、来年の大統領選で当選すれば、日本を含めた同盟・友好国を軽視すると予測した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプが当選を狙うのは ”裏切り者”への復讐と 自らの悪事をチャラにするためだ

 

         

 

昨日午後、池袋のデパ地下の食品売り場に行ったら、顔の踏み場もない、もとい、足の踏み場もないほどの混雑でした よく考えたら昨夜はクリスマス・イブでした 鶏の蒸し焼きをいただいたので、デパ地下で並んで買ったオードブル・セットと赤ワインと一緒にいただきました ちなみに今日=25日が娘の誕生日なので今夜誕生祝いをやります 

 

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹でウェス・アンダーソン監督による2023年製作アメリカ映画「アステロイド・シティ」(104分)を観ました

時は1955年、アメリカ南西部の砂漠の街アステロイド・シティ。隕石が落下してできた巨大なクレーターが観光名所になっているこの街に、科学賞を受賞した5人の天才的な少年少女とその家族が招待される 子供たちに母親が亡くなったことを言い出せない父親(ジェイソン・シュワルツマン)、映画スターのシングルマザー(スカーレット・ヨハンソン)など、参加者たちが様々な想いを抱えながら授賞式が幕を開けるが、祭典の真っ最中にまさかの宇宙人が到来して、人々は大混乱に陥る 街は封鎖され、軍が宇宙人到来の事実を隠蔽する中、子どもたちは外部へ情報を伝えようと企てる 果たしてアストロイド・シティに閉じ込められた人々の運命やいかに

 

     

 

この映画で真っ先に目に入ってきたのはパステルカラーのポップな映像です そして演劇的な映像表現です それぞれのシーンがシュールで面白可笑しいのですが、いまいちストーリーが読み取れないきらいがあり、前半は時々眠ってしまったのでどんな宇宙人が到来したのか分からなくなってしまいました

本作は、あらかじめストーリーを理解したうえで観るべきだったと反省しています

 

    

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朝日新聞「回顧2023 クラシック音楽」を読んで / エリア・カザン監督「欲望という名の電車」を観る ~ ビビアン・リーとマーロン・ブランドの演技力に魅了される

2023年12月24日 06時30分45秒 | 日記

24日(日)。21日の朝日新聞夕刊に「回顧2023 クラシック音楽」が掲載されていました 吉田純子編集委員による1年間の「回顧」と2人の音楽評論家の「私の3点」が取り上げられています

吉田編集委員の回顧は「民族音楽に光 問い直される価値観」という見出しのもと、次のように書き出しています

「坂本龍一と西村朗の死、リゲティ生誕100年、サマーフェスでの三輪眞弘の企画公演などが、ガムランを中心に様々な民族音楽に光を当てた コロナ禍がもたらした深い思考は、西洋中心の権威的な価値観の問い直しへと明らかに舵を切った

その上で、内外の音楽家の活躍を紹介していきます 限られたスペースの中で今年活躍したアーティストを紹介するには無理があり、どうしても総花的になってしまいますが、仕方ありません 吉田さんが取り上げたアーティストは登場順に次の通りです

元宝塚の上田久美子、狂言の野村萬斎、内田光子、アルゲリッチ、レヴィット、ホロデンコ、コパチンスカヤ、アームストロング、藤田真央、オノフリ ✕ ハイドン・フィル、トネッティ ✕ オーストラリア室内管弦楽団、濱田芳通、アントネッロ、鈴木秀美、佐藤俊介、鈴木優人 ✕ バッハ・コレギウム・ジャパン、山田和樹、カーチュン・ウォン、ポリャンスキー ✕ 九州交響楽団、沼尻竜典 ✕ 神奈川フィル、パシフィック・フィル、井上道義、村川千秋、坂入健司郎 ✕ ユベントス・フィル、大野和士の「シモン・ボッカネグラ」、ペトレンコ ✕ ベルリン・フィル そして訃報の外山雄三と飯守泰次郎

上記の中で私が今年聴いた音楽家は、パトリツィア・コパチンスカヤ(✕ 都響)、鈴木秀美(✕ 山形響)、佐藤俊介(✕ 東響)、鈴木優人(✕ 読売日響、✕東響)、山田和樹(✕ 読売日響)、カーチュン・ウォン(✕ 日本フィル)、沼尻竜典(✕ 神奈川フィル)、井上道義(✕ 読売日響、✕音大フェス)、坂入健司郎(✕ 日本フィル、✕読売日響)、大野和士(✕ 東京フィル、✕都響)、飯守泰次郎(✕ 東京シティ・フィル=公開リハ―サル)です

次に、音楽評論家2氏の「私の3点」は以下の通りです 

Ⅰ。東条碩夫氏

①オスモ・ヴァンスカ ✕ 都響:シベリウス「交響曲第5,6,7番」

②ジョナサン・ノット ✕ 東響:ベートーヴェン「交響曲第6番」

③新国立劇場「シモン・ボッカネグラ」(大野和士 ✕ 東京フィル)

私は②と③を聴きました 「シモン・ボッカネグラ」は舞台・演出が鮮烈でした

Ⅱ。布施砂丘彦氏

①mumyo(成田達樹、山根明季子、梅本佑利):「ゴシック・アンド・ロリータ」

②古楽オケ「ラ・ムジカ・コッラ―ナ」:第10回記念特別大編成

③セバスティアン・ヴァイグレ ✕ 読売日響:アイスラー「ドイツ交響曲」他

私は③を聴きました 東ドイツ出身のヴァイグレの指揮による反ナチス、反共産主義の強烈な作品でした

さて今年の「マイ・ベスト3」はどの公演になるか・・・今年聴いた180公演の中から独断と偏見で選んで31日に発表します

ということで、わが家に来てから今日で3266日目を迎え、ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏が8月に搭乗機墜落で死亡したことに関し、米紙ウォールストリート・ジャーナルは22日、プーチン大統領の側近、パトルシェフ安全保障会議書記が暗殺命令を出したと報じた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     あまりにもリアル過ぎて誰も驚かないよ プーチンは世界中で政敵を狙ってるからね

 

         

 

昨日、早稲田松竹でエリア・カザン監督による1951年製作アメリカ映画「欲望という名の電車」(125分)を観ました

アメリカ南部の没落した大地主の名家に生まれたブランチ(ビビアン・リー)は、若くして夫を亡くして親の看護や葬儀で財産を使い果たして家を失い、ニューオーリンズで暮らす妹ステラ(キム・ハンター)の元へ夜逃げ同然でやってきた ステラの夫スタンリー(マーロン・ブランド)はお嬢様気取りのブランチのことが気に入らず、気高く振る舞うブランチも粗野で暴力的なスタンリーを嫌っていた やがてブランチはスタンリーの友人ミッチとの結婚に希望を見い出そうとするが、スタンリーは彼女の暗い過去を執拗に暴き出してミッチに密告し、妨害する

 

     

 

この作品は、ピューリッツァー賞に輝いたテネシー・ウィリアムズの戯曲を映画化したもので、1952年の第24回アカデミー賞で主演女優賞をはじめ4部門を受賞した人間ドラマです

この映画は、とにかくビビアン・リーとマーロン・ブランドの迫真の演技が凄い ビビアン・リーは、過去のお嬢様気質が抜けきれず、庶民を低く見る性癖のあるバツイチ女性を、役に成り切って演じています 本作より12年前に出演した「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラ役の時と比べて円熟味が増したせいか、この映画を観て初めて彼女が凄い女優だと思いました またマーロン・ブランドは、懸けトランプ・ゲームに夢中の暴力的な工場労働者でステラの夫を見事に演じていました 彼が怒った時のシーンなどは野性味に溢れ、本気でやっているとしか思えませんでした こういう人たちだからこそ、後々まで映画界の第一線で活躍していけたのだろう、と思わずにはいられませんでした

また、この作品は「演劇」として舞台で観たら 別の魅力を発見することが出来るかもしれない、と思いました

 

     

 

     

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ブラッドリー・クーパー監督「マエストロ その音楽と愛と」を観る ~ バーンスタインと妻フェリシアの激動の人生と愛を描く:Netflix / 東京シティ・フィル「ティアラ定期」新シーズン座席変更

2023年12月23日 00時01分16秒 | 日記

23日(土)。昨日、東京シティ・フィルの「ティアラこうとう定期演奏会」2024年度の座席変更手続きをしました 現在の席が前過ぎる(H列)ので、より後方の通路側か通路に近い席を希望していたのですが、やはり現会員が継続していて、条件の良い席が残っていませんでした 通路から奥の方に入るのは嫌なので、かなり後方のS列ですが通路から2つ目の席を押さえました。取りあえずここで1年間聴いてみようと思います

ということで、わが家に来てから今日で3265日目を迎え、トランプ前米大統領の顧問弁護士だったジュリアーニ元ニューヨーク市長が21日、同市の裁判所に破産法の適用を申請したが、同氏は2020年米大統領選をめぐる名誉棄損訴訟で、根拠のない発言で選挙管理職員2人の名誉を傷つけたとして先週、2人に計1億4800万ドル(約210臆円)を支払うよう命じられていた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     自業自得だ 次はトランプ・グループの破産法適用申請か? 出馬どころじゃないぜ

 

         

 

昨日、夕食に大学時代の友人で勝浦市在住のS君が送ってくれた大振りの「鯵」を塩焼きにして、「生野菜サラダ」「ダイコンの味噌汁」を作り、「マグロの刺身」と一緒にいただきました 鯵は脂が乗っていてとても美味しかったです

 

     

 

         

 

Netflixでブラッドリー・クーパー監督による2023年製作アメリカ映画「マエストロ その音楽と愛と」(129分)を観ました この作品は「ウエスト・サイド物語」などで知られる世界的指揮者・作曲家レナード・バーンスタインと、妻で女優・ピアニストのフェリシア・モンテアレグレ・コーン・バーンスタインが共に歩んだ激動の人生と情熱的な愛の物語を、バーンスタインや他の作曲家の音楽とともに描いた映画です ジョシュ・シンガーが脚本を手掛け、製作にはマーティン・スコセッシとスティーブン・スピルバーグが名を連ねています

この映画はすでに12月8日から一部劇場で公開されていましたが、12月20日からNetflixで配信されると事前に分かっていたので配信を待ちました 最近 Netflix を観る機会が激減してしまったので良い機会となりました

本作では、バーンスタインをブラッドリー・クーパー自身が演じ、フェリシアをキャリー・マリガンが演じています

 

     

 

レナード・バーンスタイン(1918-1990)はウクライナ系ユダヤ人移民2世として米マサチューセッツ州で生まれました ハーバード大学、カーティス音楽院で学び、1943年夏にロジンスキの指名によりニューヨーク・フィルの副指揮者に就任します 同年11月14日、病気のため指揮できなくなったブルーノ・ワルターの代役としてニューヨーク・フィルを指揮しましたが、映画の冒頭はその時の様子を活写します 彼はロベルト・シューマン「マンフレッド序曲」を振って華々しく代役デビューし、一大センセーションを巻き起こします そこから将来の妻となるフェリシアとの出会いが描かれ、全般を通じてバーンスタインの交響曲「カディッシュ」、ミュージカル「ウエスト・サイド物語」、「ミサ曲」などが流れます また、ベートーヴェン「交響曲第8番」なども扱われていますが、特別に扱われているのはマーラーの交響曲です

本作はモノクロで描かれていますが、彼がマーラー「交響曲第5番」の第4楽章「アダージェット」を指揮するシーンで、途中から突然カラーに変わります ここからバーンスタインとフェリシアの明るい未来が開かれるような扱いでとても印象的です

また、映画の終盤ではマーラー「交響曲第2番”復活”」第4楽章のフィナーレを指揮するシーンが映し出されますが、バーンスタインの情熱的な指揮ぶりを再現しようとするブラッドリー・クーパーの意図は分からないでもないですが、デフォルメし過ぎで反って不自然です あの指揮ではオーケストラや合唱団は演奏できないのではないか、と思います 「指揮者が燃えている一方で、楽団員は冷めている」という典型的なパターンのように感じます

この映画は、バーンスタインの音楽家としての側面よりも、愛する妻フェリシアとの間に3児をもうける一方で、同性愛の傾向を示しフェリシアを苦しめるという泥臭い人間バーンスタインを描いていると言っても良いと思います その点で付け加えれば、彼はベビースモーカーとして知られており、映画の中でも、何をやるにも口に煙草をくわえているシーンが映し出されています 彼は1990年10月14日に肺癌のため72歳で亡くなりましたが、過度な喫煙が少なからず影響したのは間違いないのではないかと思います

この映画では、若い指揮者を指導するシーンも映し出されますが、私がバーンスタインの幅広い活動の中で一番素晴らしいと思うのは「ヤング・ピープルズ・コンサート」です これは、子どもがクラシック・コンサートに親しみを抱くようにバーンスタインが企画・指揮・司会を努めた全53回の演奏会シリーズです 彼はニューヨーク・フィルを指揮をして「音楽って何?」「協奏曲って何?」「古典派音楽って何?」などのテーマで、ポピュラーなクラシック作品を演奏し、分かりやすく解説しています このシリーズはテレビで録画中継され、後にレーザーディスクで発売されました 私も10枚組のセットを購入して観ていましたが、残念ながらレーザーディスクの再生機が壊れてしまい、ソフトの命も短かったので泣く泣く中古レコード屋に売却しました

これまで、ヘルベルト・フォン・カラヤン ✕ ベルリン・フィルも、カール・ベーム ✕ ウィーン・フィルも、カルロス・クライバー ✕ バイエルン国立歌劇場管も、ユージン・オーマンディ ✕ フィラデルフィア管もライブで聴きましたが、バーンスタイン ✕ ニューヨーク・フィルを聴く機会はありませんでした 今となってはそれが心残りです

 

     

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ヤン・ウイレム・フリーント ✕ 森谷真理 ✕ 山下裕賀 ✕ アルヴァロ・ザンフラーノ ✕ 加藤宏隆 ✕ 新国立劇場合唱団 ✕ 読売日響でベートーヴェン「第九」を聴く ~ 読響名曲シリーズ

2023年12月22日 00時01分45秒 | 日記

21日(木)。わが家に来てから今日で3264日目を迎え、国民生活センターは、美容のため瘦せたいと受けるオンライン診療で数十万円のコースの契約をはじめトラブルが増えているとして注意を喚起した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     途中で契約解除ができないことに 後で気がついた人達は 痩せる思いだったろうな

 

         

 

昨日、夕食に「キャベツの肉みそ炒め」「生野菜とアボカドのサラダ」「モヤシの味噌汁」を作りました 野菜中心のヘルシー・メニューです

 

     

 

         

 

昨夜、サントリーホールで読売日響「第668回名曲シリーズ」を聴きました プログラムはベートーヴェン「交響曲第9番 ニ短調 作品125 ”合唱付き”」です 出演はソプラノ独唱=森谷真理、メゾ・ソプラノ独唱=山下裕賀、テノール独唱=アルヴァロ・ザンフラーノ、バス独唱=加藤宏隆、合唱=新国立劇場合唱団、管弦楽=読売日本交響楽団、指揮=ヤン・ウイレム・フリーント です

ヤン・ウイレム・フリーントは1962年オランダ生まれ。1982年にコンバッティメント・コンソート・アムステルダムを創設し音楽監督を務め、17世紀、18世紀の音楽に特化するアンサンブルとしてピリオド奏法をモダン楽器に適用してバッハ、ヘンデルなどの作品を演奏している 2015年から19年までハーグ・レジデンティ管の首席指揮者を、15年から21年までバルセロナ響の首席客演指揮者を務めた 現在はウィーン室内管の首席指揮者とシュトゥットガルト・フィルの首席客演指揮者を務めている 24年には京都市響の首席客演指揮者に就任予定

 

     

 

ベートーヴェン「第九」はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1818年頃から24年にかけて作曲、1824年にウィーンのケルントナートーア劇場で初演されました 第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ・ウン・ポコ・マエストーソ」、第2楽章「モルト・ヴィヴァーチェ」、第3楽章「アダージョ・モルト・エ・カンタービレ ~ アンダンテ・マエストーソ」、第4楽章「プレスト ~ アレグロ・アッサイ」の4楽章から成ります

 

     

 

P席が客席になっているため、新国立劇場合唱団のメンバー約60人(男声1対女声2の割合)はオケの後方にスタンバイします 次いでオケのメンバーが入場し配置につきますが、14型で 左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、その後ろにコントラバスという並び コンマスは長原幸太、隣は林悠介というダブルコンマス態勢を敷きます

この編成を見て、私はン十年前に初めてライブで「第九」を聴いたのが若杉宏指揮読売日響だったことを思い出しました あの時も同じ並びでした。最前列の右端の席で聴いていたのを覚えています

長身のヤン・ウイレム・フリーントが登場し、ステージ中央に向かいますが、指揮台はありません また、彼はタクトを持ちません 先日、東京交響楽団を振ったユベール・スダーンも同じスタイルでしたが、彼もオランダ生まれです オランダの指揮界には共通する伝統があるのだろうか

フリーントの指揮で第1楽章が開始されますが、かなり速いテンポでサクサクと音楽を進めます メリハリのある演奏が特徴的で、固いマレットで打ち込まれるティンパニの強打が尋常ではありません 彼の指揮ぶりを見ていると、まるでボクシングのスパークリングを見ているようで、そばに近寄ったらぶん殴られそうです 弦楽器から出てくる音を聴いて「ひょっとして、これはピリオド奏法か」と思いましたが、確信が持てません 第2楽章に入っても速度は落ちず、小気味のよい快速テンポで音楽が進みます この楽章の終了後、ソリスト4人が入場しオケの後方にスタンバイします 第3楽章の緩徐楽章に入り、弦楽セクションがビブラートをかけていないのを確認できたので、指揮者は弦楽器にノン・ビブラートの「ピリオド奏法」を求めていることが分かりました アダージョ楽章にしてはテンポが速めですが、違和感はありません 日橋辰朗率いるホルン・セクションの厚みのある演奏が素晴らしい 第4楽章は怒涛の如く激しい演奏で開始されます ソリスト4人は絶好調と言っても良いでしょう とくにバスの加藤宏隆と、日本を代表するソプラノ森谷真理の独唱は天下無敵です それに輪をかけて素晴らしかったのは新国立劇場合唱団の混声コーラスです とても60人の合唱とは思えず、まるで100人規模のコーラスを聴いているような印象を受けました 合唱や4人のソリストの歌唱が終わった後の終結部では、弦楽セクションを中心に”死に物狂い”とでも言いたくなるような壮絶な演奏が繰り広げられ、圧倒的なフィナーレを迎えました

繰り返されるカーテンコールで拍手を送りながら、3日前に聴いた佐渡裕指揮新日本フィルの「第九」との演奏の違いをかみしめていました 大きな特異点は、片やモダン楽器によるモダン演奏で、片やモダン楽器によるピリオド演奏だったことです しかし、ライブ演奏を聴いた共通の感想は「やっぱりベートーヴェンの『第九』は素晴らしい」ということです

 

     

 

ということで、この日の『第九』をもって6日連続コンサートが終了し、それと同時に私が今年聴いた180回目の「ラスト・コンサート」が終わりました 今年は 計算上2日に1回の割合で聴いたことになります この中から今年1年間で最も印象に残ったコンサートを独断と偏見で選び、12月31日のブログで「マイ・ベスト3」を発表します

コメント (2)
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