31日(土).1年で一番海老天が高い日を迎えました.年越しそばの準備は出来ましたか? さて,昨日の日経朝刊・国際面のコラム「Voice」に,「SMAP,中日友好に貢献」という見出しの記事が載りました 超訳すると
「駐日中国大使館の報道官を務める張梅参事官は12月の定例記者会見で『SMAPは中日友好に貢献してくれた』と,年内に解散する日本の国民的アイドルグループに対し謝意を述べた 同大使館は26日,ツイッターの公式アカウントに『ありがとう,SMAP』とメンバーが中国を訪れた際の写真を投稿.2万件以上のリツイートを記録していた 2017年は日中国交正常化45周年.SMAPなき後,芸能・文化交流の『顔』は誰が担うのだろうか」
私は基本的にニュース以外はテレビ番組を観ないので,SMAPの活躍は新聞で知るくらいしか機会がないのですが,この記事を読むと,SMAPというグループが日本国内での影響力に止まらず,隣国との芸能・文化交流の面でも大きな役割を果たしていたことが,あらためて分かります 張梅参事官も彼らのファンで北京公演にも足を運んだそうです お互いの国に対する国民感情を良い方向に持っていくのに,芸能・文化交流の果たす役割は われわれが考える以上に大きいと思います.その意味で,SMAPの果たした役割は大きかったと言えるでしょう 記事にもあるように,これから誰が芸能・文化交流の『顔』を担うのでしょうか
ということで,わが家に来てから今日で823日目を迎え,日銀の黒田総裁が「日本の経済は良い方向に向かっているとはっきり言える」と発言したというニュースを見て 感想を述べるモコタロです
今後の経済の見通しを「白」か「黒」かと問われれば 黒田って言うけど・・・
「緩和,まだまだやれる」と言うけど,後で「アカンワ」って言わないでよ
閑話休題
昨日の夕食は「すき焼き」にしました わが家の場合は「焼く」というより「煮る」に近い調理法です
も一度,閑話休題
本を5冊買いました.1冊目は深水黎一郎著「ジークフリートの剣」(講談社文庫)です 「トスカの接吻」に次ぐ同氏の「オペラ・ミステリー」の第2弾です
2冊目は米澤穂信著「さよなら妖精」(創元推理文庫)です 米澤穂信の作品は文庫化するたびにこのブログでご紹介してきました
3冊目は道尾秀介著「獏の檻」(新潮文庫)です 道尾秀介の作品も文庫化するたびにご紹介してきましたね
4,5冊目はジェフリー・アーチャー著「機は熟せり(上)」「同(下)」(新潮文庫)です これは「時のみぞ知る」「死もまた我等なり」「裁きの鐘は」「追風に帆を上げよ」「剣より強し」に次ぐ「クリフトン年代記」の第6話です もう一人のジェフリー(ジェフリー・ディーヴァー)同様,ページをめくる手が止まらない面白いシリーズです
最後の,閑話休題
荻原浩著「ママの狙撃銃」(双葉文庫)を読み終わりました 荻原浩は1956年埼玉県生まれ.成城大学卒業.広告会社勤務を経て,コピーライターとして独立,97年「オロロ畑でつかまえて」で第10回小説すばる新人賞を受賞し作家デビューしました 多くの著作がありますが,最近では2016年に「海の見える理髪店」で第155回直木賞を受賞しています
主人公の福田曜子は幼い頃にアメリカで暮らし,祖父のエドから 格闘技,護身術,射撃,銃の分解・組立等々 生きるためのあらゆる技術を教わった それもそのはず,エドの職業は暗殺者だったのだ 現在41歳の曜子は 今では夫と二人の子どもとささやかながら幸せな生活を送っていた そんな彼女に「もう一度,仕事をしてみないか」と聞き覚えのある声で電話がかかってきた 仕事とは暗殺のことで,依頼者はKと呼ばれる男だった 彼女はかつて1度だけ「仕事」でコーネリアスという男を殺したことがあり,時々現れる亡霊に悩まされていた 二度と殺人はしないと決めていた曜子だったが,家族が脅かされないように 今度限りで止めようと決心して引き受ける.ターゲットは環境問題活動家で次期米大統領候補のクレイグ・リアドン.横浜のホテルに滞在することろを銃で暗殺するという指令だった 彼女は大観覧車に乗り込み,籠が頂点に達した時に引き金を引いた.これで亡霊が2人に増えた.その頃,夫の孝平は子会社への出向を命じられたことに反発し会社を辞めてしまう 経済的な不安を抱えた福田家の家族を守るため,曜子は報酬の高い次の暗殺依頼も引き受けざるを得なくなる
一方,そのころ中学生の珠紀はいじめに遭っていた 珠紀のお誕生会を巡って,曜子がいじめの張本人・小林萌音を車で送る途中,人通りのない林の中で彼女を降ろし,二度と娘に関わらないようにとライフルを突き付ける.冗談だと思っていた萌音のケータイを空に放り上げてライフルで撃ち落とすと彼女は失禁してしまい,その後は二度と珠紀に関わらないようになる
Kからの報酬の高い2度目の暗殺依頼は,何とターゲット自身が暗殺してほしいと希望しているとのことだった 曜子がKの指定する現場に行き,ターゲットに狙いを定めるとそこにはK自身が居た.Kは顔なじみの男だった
荻原浩という人は,家庭の日常生活を書かせたら右に出る者がいないくらい描写が素晴らしいと思います 思わず笑ってしまう幼稚園児・秀太の傍若無人の振る舞い,中学生の珠紀の思春期特有の反発心,自分が居なければ会社はダメなんだという自尊心で生きている夫・孝平の頼りなさ,本当は二度と殺人を引き受けたくないのに家族を守るためにやらざるを得ない曜子の揺れる心・・・・・
この小説で一番印象に残ったのは,2度の暗殺シーンではなく,曜子が娘をいじめている張本人の女子中学生をライフルで脅すシーンです 「家族を守るためなら何でもやる.警察に通報するなら通報してみろ」という強気の態度が読者の共感を呼ぶのではないかと思います それにしても,中学生に銃を突きつけるところまでやるか?とは思いますが
月日の経つのは速いもので,2016年も今日で終わり 皆さまにとってどんな1年だったでしょうか? 例年同様 今年も1日も休まず書き綴ってまいりましたが,1年間お読みいただきありがとうございました このブログの読者の皆さまだけの幸せとご健康をお祈りして年末のごあいさつを申し上げます 良いお年をお迎えください