31日(日)。フェスタサマーミューザによると、8月3日の新日本フィル「山本直純生誕90年と新日本フィル創立50年を祝う!」公演は、コロナ陽性の広上淳一氏に代わり、梅田敏明氏が指揮をとることになりました 当日は山本直純作曲「男はつらいよ」のテーマ音楽も演奏されるので、「まだ決まりません」なんて言うと「おいちゃん、それ言っちゃあおしまいよ」と言われてしまいます 早く決まって良かったです
さて、月末を迎えたので、恒例により7月の1か月間の3つの目標の達成状況をご報告します ①クラシック・コンサート=15回、②映画鑑賞=5本、③読書=7冊でした なお、②については今月はNetflixを全く観ませんでした。また、③については7冊のうち2冊はまだブログにアップしていません
ということで、わが家に来てから今日で2758日目を迎え、自民党の福田達夫総務会長が29日の記者会見で、世界平和統一家庭連合(旧・統一教会)と党所属議員との関係が取りざたされていることに「正直、僕自身が個人的に関係がないので、何でこんな騒いでいるのか正直よくわからない」などと発言し野党の批判を浴びたが、その夜、「これまでも被害者を生み出すような、社会的に問題が指摘されている団体との関係が問題であるということは言うまでもありません」と文書で釈明した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
この人 本当に事の真相を理解しているとは思えない 総務会長ってこの程度なの?
昨日、ミューザ川崎で「フェスタサマーミューザKAWASAKI2022」参加公演「NHK交響楽団 エキサイティング!渋谷から熱風が襲来!」を聴きました プログラムは①J.S.バッハ(レーガー編)「おお人よ、汝の大いなる罪を嘆け」BWV622、②ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調 作品26」、ベートーヴェン「交響曲 第7番 イ長調 作品92」です 演奏は②のヴァイオリン独奏=三浦文彰、指揮=下野竜也です
下野竜也は2001年ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝し一躍脚光を浴びました 読響初代正指揮者など多くのオーケストラの重責を歴任し、2017年から広島交響楽団の音楽総監督を務めています
開演1時間前の15時からプレコンサートがありました ほとんど今年度のN響池袋Cプロのノリです 最初にオーボエ=池田昭子、クラリネット=松本健司、ファゴット=菅原恵子の3人により①J.S.バッハ「3声のシンフォニア」より「第1番BWV787」「第2番BWV788」「第8番BWV794」、②ミヨー「コレットによる組曲 作品161b」より「入場とロンド」「タンブーラン」「ミュゼット」「ファンファーレ」が演奏されました 次いで、第1ヴァイオリン=高井敏弘、第2ヴァイオリン=後藤康、ヴィオラ=中村洋乃理、チェロ=市寛也の4人によりラヴェル「弦楽四重奏曲 ヘ長調」から「第1楽章」「第2楽章」が演奏されました いずれもアンサンブルが素晴らしく、N響楽団員のレヴェルの高さが窺えました 室内楽を聴くとそのオーケストラの楽団員の本当の実力が分かってしまうので怖いと思いますが、N響はさすがです
さて本番です オケは弦楽のみで、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並び コンマスはマロこと篠崎史紀、その隣はゲスト・アシスタント・コンサートマスターの郷古廉です
1曲目はJ.S.バッハ(レーガー編)「おお人よ、汝の大いなる罪を嘆け」BWV622です この曲はヨハン・セバスティアン・バッハ(1685ー1750)の「コラール前奏曲」を元に弦楽合奏用にレーガーが編曲したものです
下野氏が指揮台に上り、演奏に入ります メロディーが美しく、「祈りの音楽」という言葉が最も相応しい穏やかな曲想です レーガーの巧みな編曲による分厚い弦楽合奏を聴いていて敬虔な気持ちになりました
管楽器、打楽器奏者が入場し配置に着きます
2曲目はブルッフ「ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調 作品26」です この曲はマックス・ブルッフ(1838ー1920)が1864年に作曲しましたが、初演の出来に満足できず改定し、1868年に改訂版をヨアヒムの独奏により初演しました 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「終曲:アレグロ・エネルジコ」の3楽章から成ります
ヴァイオリン独奏の三浦文彰は2009年、難関のハノーファー国際コンクールで史上最年少の16歳で優勝し、その後 内外のオーケストラと協演を重ねています
下野の指揮で第1楽章の演奏に入ります ヴァイオリンを弾く三浦を見ていて、「彼も貫禄が出てきたなぁ」と思いました 前回彼の演奏を聴いたのは8年以上前だったような気がします その時は父親の三浦章宏氏がコンマスを務めた東京フィルのコンサートでソリストとして出演しました 終演後 親子で照れながら握手をする姿が印象的でした 三浦の演奏姿を見ていて気が付くのは、無駄な動きが全くないということです 不自然に身体を揺らしたり、大げさに弓を持ち上げたり、派手なパフォーマンスが一切ありません ただひたすら作曲家の音楽を忠実に再現すべく懸命に音を紡ぎ出しているように見えます ある意味ストイックな感じを受けます 第2楽章「アダージョ」における独奏ヴァイオリンの美しさは筆舌に尽くせないものがありました 第3楽章では一転、躍動感溢れる演奏で聴衆を魅了しました キビキビとした下野の指揮によりN響の面々が引き締まった演奏でソリストを支えました
文字通り満場の拍手に三浦は、♪アルプス1万尺♪のメロディーが入るビュータン:アメリカの思い出「ヤンキー・ドゥードゥル」を有無を言わさぬ超絶技巧で鮮やかに演奏、聴衆を唖然とさせました 進化を続ける三浦文彰を見守りたいと思います
プログラム後半はベートーヴェン「交響曲 第7番 イ長調 作品92」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770ー1827)が1811年から翌12年まで「交響曲第8番」と並行して作曲、1813年にウィーンのルドルフ大公邸で私的に初演され、同年ウィーン大学講堂で公開初演されました 第1楽章「ポーコ・ソステヌート ~ ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アレグレット」、第3楽章「プレスト」、第4楽章「アレグロ・コン・ブリオ」の4楽章から成ります
下野の指揮で第1楽章が力強く開始されます 吉村結実のオーボエが素晴らしい コントラバスの唸りが心地よい この曲を聴くとどうしても「のだめカンタービレ」を思い出してしまいます 下野の指揮はメリハリが利いていて、見ていて気持ちが良い 演奏する側もやりやすいのではないかと想像します 第2楽章では弦楽アンサンブルが美しく響きます 第3楽章ではホルン、クラリネット、フルート、オーボエ、ファゴットが素晴らしい 第4楽章はワーグナーが言うところの「舞踏の権化」そのものです キレキレの弦楽器(特に終盤におけるコントラバスのウネリが凄い)、咆哮する金管楽器、よく歌う木管楽器、炸裂するティンパニ・・・オーケストラ総動員によるアグレッシブな演奏で豪快なフィナーレを飾りました 満場の拍手が下野とN響の面々を包み込みました
ところで、第4楽章の中盤で、指揮棒が床に落ちたので「アレッ」と思いましたが、下野はなおもタクトを握っていたので、どうやら譜面台に置いてあった予備のタクトが落ちたようです 他の指揮者で予備のタクトを準備しておく指揮者を知りません。下野は何があっても対応できる万全の準備のもとに指揮台に立っているのだと思い、感動を覚えました
下野は拍手を制して「アンコールに短い曲を演奏します。ベートーヴェンのオペラ『フィデリオ』から『行進曲』です 本当に短い曲ですので、終わりましたら盛大な拍手をお願いします」とアナウンスして、演奏に入りました そういえば聴いたことがあるな、と思いながら聴きましたが、下野らしい凝った選曲だと思いました
この曲は下野が17年前に初めてN響を指揮した時の交響曲とのことですが、会心の出来だったのではないか、と思います