人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ヤン・ゴズラン監督「ブラックボックス 音声分析捜査」を観る ~ 航空機墜落事故はテロか、操縦ミスか、陰謀か・・・先の読めないサスペンススリラー:ギンレイホール

2022年08月31日 07時21分05秒 | 日記

31日(水)。月日の流れは速いもので、今日で8月も終わりです。月末を迎えたので3つの目標の達成状況をご報告します 8月の実績は①クラシックコンサート=12回、②映画鑑賞=16本、③読書=3冊でした なお、②は今日観る映画を含みます。またこのほかNetflixで伊坂幸太郎原作による映画「グラスホッパー」を観ましたが、ブログアップしていません 映画鑑賞のテンポが上がってきた反面、読書のペースが落ちました 思うようにはいきませんが、計算上12+16+3=31で、この1か月間、毎日3つのうちどれかをやっていたことになります

ということで、わが家に来てから今日で2789日目を迎え、浜田靖一防衛相は30日、閣議後の記者会見で、7月に行われた安倍晋三元首相の「家族葬」に陸上自衛隊の儀仗隊が参列したことについて、「ご遺族のご意向を伺った上で実施した」と述べたが、防衛省によると、戦後、首相経験者の家族葬に儀仗隊が参列したのは初めてで、当時の防衛相は安倍氏の実弟・岸信夫氏だった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     遺族って誰かは判り切ってる 安倍一族は兄といい弟といい やりたい放題じゃね?

 

         

 

昨日、夕食に「麻婆茄子」「生野菜とアボカドと小海老のサラダ」「冷奴」「もやしの味噌汁」を作りました いよいよ秋茄子が美味しい季節が近づいてきましたね

 

     

 

         

 

昨日、神楽坂のギンレイホールでヤン・ゴズラン監督による2021年製作フランス映画「ブラックボックス 音声分析捜査」(129分)を観ました

ヨーロピアン航空の最新型機がアルプスで墜落し、乗客乗務員316人全員が死亡した さらに、事故機のフライトレコーダー(通称「ブラックボックス」)を開いた航空事故調査局の音声分析官ポロックが謎の失踪を遂げる ポロックの手がけた調査を引き継いだマチュー(ピエール・二ネ)は「コックピットに男が侵入した」と記者会見で発表する。乗客にイスラム過激派と思われる男がいたことが判明したことで、マチューの分析は高く評価される ポロックに代わる責任者に任命されさらなる調査を続けるマチューは、被害者の一人が夫に残した事故直前の留守電を聞くが、その音がブラックボックスに残された音と違う事実にマチューは愕然とする その留守電には会話の背後で技術トラブルを示す音が録音されていたのに、ブラックボックスにはそれが残されていなかったのだ マチューは「誰かがブラックボックスの音データを改ざんした」と気づき、失踪したポロックに疑いをかける 彼は何のために改ざんしたのか、危険を承知でマチュは一人で真相の究明に挑む

 

     

 

【以下、ネタバレ注意】

マチューはブラックボックスに残された音だけを頼りに、「誰かがコックピットに侵入し機長に操縦を誤らせた」と結論づけたのですが、肝心のブラックボックスの音のデータが改ざんされていたため判断を誤ったのです 乗客の”留守電”に残されていた技術トラブルを示す音は、何者かがハッキングにより出した異常電波だったことが分かります つまり犯人はイスラム過激派と思われる男ではなく別人であることが判明します マチューはポロックの自宅に侵入し、車に搭載されたドライブレコーダーのデータを持ち去り、分析します。するとマチュー夫妻の航空大学時代の旧友で航空機専門のセキュリティ会社ペガサスを経営しているグザヴィエ・ルノーがポロックと共に映っていました マチューはペガサスが技術提供した自動操縦装置に欠陥があったのではないかと疑います その後、マチューはシステムの脆弱性を見つけてはハッキングし、過去に逮捕されたことのある男が同乗していたことを突き止めます この男はペガサスの社員でしたが、数か月で解雇されていることが分かります その後、マチューは再びポロックの自宅へ行き、彼のパソコンでデータを解析すると、ポロックの映像が残されており、彼はお金欲しさにルノーから依頼された事故のデータ改ざんに加担したことを告白していました 手動操作を必要としないペガサス社のシステムは、ハッキングされた時にコントロール不能になってしまうことが欠点だったのです パニックに陥り自動車事故で死亡したマチューに代わり、妻ノエミはペガサス社の講演会に出席し、ルノーがプレゼン中に、ポロックが「ルノーから依頼されてブラックボックスの録音データを改ざんした」と告白する映像を流すのでした

実際の航空機墜落事故の時には、マチューのような音声分析官がボイスレコーダーの音だけを頼りに「テロ」か「操縦ミス」か「機械的な原因」か「何らかの陰謀」かを判断しているのだと思います 表に出ない地味な役割ですが、責任重大な職業であり、それなりの厳しい訓練を積んでいるのだと思います

この映画は先の展開が読めないサスペンス スリラーとして面白く観ました

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エマニュエル・トッド著「第三次世界大戦はもう始まっている」を読む ~ ウクライナ戦争の原因と責任は米国とNATOにある:ロシア経済よりも西側経済の脆弱さが露呈するだろう

2022年08月30日 07時15分10秒 | 日記

30日(火)。特定健診(健康診断)の結果、血圧が高いということで、昨日午前、事前に予約しておいた池袋の豊島健康検査センターに行き、特定保健指導を受けてきました 食事や運動などにつきアドヴァイスを受けましたが、「自宅で毎日血圧を測って記録し、長く高血圧状態が続くようなら、行きつけのクリニックでデータを基に相談した方が良い」ということだったので、帰りがけに家電量販店で上腕式血圧計(消費税込みで14,380円)を購入しました 説明書を読んでから使い始めたいと思います

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で2788日目を迎え、朝日新聞社が27,28日に実施した全国世論調査の結果によると、岸田内閣の支持率は47%(前回7月は57%)と大幅に下落、不支持率は39%(同25%)に跳ね上がり、昨年10月の内閣発足以来最高だった2月の30%を大きく上回った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      新型コロナ対応、安倍元首相の国葬、旧統一教会問題の3点セットが大きな要因だ

 

         

 

昨日、娘が職場の同僚から賞味期限ぎりぎりの「豚肩ロースのコク甘醤油味」を仕入れてきたので、夕食に焼きました あとは「生野菜とアボカドのサラダ」「冷奴」「ウインナとキャベツのスープ」です。豚肩ロースは柔らかくて美味しかったです

 

     

     

 

         

 

エマニュエル・トッド著「第三次世界大戦はもう始まっている」(文春新書)を読み終わりました エマニュエル・トッドは1951年生まれ。フランスの歴史人口学者・家族人類学者。国・地域ごとの家族システムの違いや人工動態に着目する方法論により、「最後の転落」(1976年)で「ソ連崩壊」を、「帝国以後」(2002年)で「米国発の金融危機」を、「文明の接近」(2007年)で「アラブの春」を予言、トランプ勝利、英国のEU離脱なども次々と予言した 「エマニュエル・トッドの思考地図」「シャルリとは誰か?」「問題は英国ではない、EUなのだ」「老人支配国家 日本の危機」など著書多数

 

     

 

様々な世界的な危機や事件を予言してきたトッド氏の結論は「本来、簡単に避けられたウクライナ戦争の原因と責任はプーチンではなく米国とNATOにある。”事実上”米露の軍事衝突が始まり『世界大戦化』してしまった以上、戦争は容易には終わらず、ロシア経済よりも西側経済の脆さが露呈してくるだろう」というものです

本書は次の各章から構成されています

1.第三次世界大戦はもう始まっている(2022年3月)

2.「ウクライナ問題」をつくったのはロシアでなくEUだ(2017年3月)

3.「ロシア恐怖症」は米国の衰退の現れだ(2021年11月)

4.「ウクライナ戦争」の人類学(2022年4月)

著者は「第三次世界大戦はもう始まっている」の中で概要次のように書いています

「今回の戦争に対する反応として、実はアメリカと西欧の間には大きな違いがある イギリス、フランス、ドイツなどの西欧諸国では、地政学的思考や戦略的思考がまったく姿を消してしまい、皆が感情に流されている それに対してアメリカでは、地政学的・戦略的視点からも論じられている その代表格が元米空軍軍人で、現在シカゴ大学教授の国際政治学者ジョン・ミアシャイマーである。彼は今回の戦争に関して、「まずは感情に流されず、リアル・ポリティクスの観点から、戦争の原因を考えなければならない」と問題提起している 彼の出した結論は「いま起きている戦争の責任は、プーチンやロシアではなく、アメリカとNATOにある」ということである 「ウクライナのNATO入りは絶対に許さない」とロシアは明確に警告を発してきたのにも関わらず、アメリカとNATOがこれを無視したことが、今回の戦争の原因だとしているのだ 「ウクライナはすでにNATOの事実上の加盟国だった」とミアシャイマーは述べている。また、彼は「ウクライナのNATO加盟、つまりNATOがロシア国境まで拡大することは、ロシアにとっては、生存に関わる『死活問題』であり、そのことをロシアは我々に対して繰り返し強調してきた」と述べている 非常に明快な指摘で、私(トッド氏)も基本的に彼と同じ考えである。ヨーロッパを”戦場”にしたアメリカに怒りを覚えている

そして、「いま起きている戦争の責任は、プーチンやロシアではなく、アメリカとNATOにある」という理論の根拠を次のように書いています

「ドイツ統一が決まった1990年の時点で、『NATOは東方に拡大しない』といった”約束”がソ連に対して為されていたが、1999年にはポーランド、ハンガリー、チェコが、2004年にはルーマニア、ブルガリア、スロバキア、スロベニア、エストニア、ラトビア、リトニアがNATOに加盟した それでも、ロシアは不快感を示しながらも2度にわたるNATOの東方拡大を受け入れた しかし2008年のNATO首脳会議で、「ジョージアとウクライナを将来的にNATOに組み込む」ことが宣言されたことから、プーチンは緊急記者会見を開き、『強力な国際機構が国境を接するということはわが国の安全保障直接的な脅威とみなされる』と主張した つまり、この時点でロシアは、「ジョージアとウクライナのNATO入りは絶対に許さない」という警告を発し、「ロシアにとって越えてはならないレッドライン」を明確に示していたのだ。その後、2014年2月にウクライナで「ユーロマイダン革命」と呼ばれる「クーデター」(民主主義的手続きによらずに新EU派によって親露派のヤヌコヴィッチ政権が倒される)が発生した これを受けて、ロシアはクリミアを編入し、親露派が東部ドンバス地方を実効支配したが、それは住民の大部分がこの「クーデター」を認めなかったからだ

つまり「過去に警告したにも関わらず、アメリカやNATOがプーチン・ロシアを追い詰めた」という結論です そして、現在のウクライナ戦争の現況について次のように書いています

「ウクライナ軍は、アメリカとイギリスの指導と訓練によって再組織化され、歩兵に加えて、対戦車や対空砲も備えている とくにアメリカの軍事衛星による支援が、ウクライナ軍の抵抗に決定的に寄与している。その意味で、ロシアとアメリカの間の軍事的衝突は、すでに始まっているのだ ただ、アメリカは、自国民の死者を出したくないだけなのだ

アメリカが関与した戦争で、アメリカ本土が攻撃を受けたのは第2次世界大戦における日本軍によるハワイ「真珠湾攻撃」と、2001年9月11日にアルカイダが実行した航空機ハイジャックによる同時多発テロ事件しかありません ベトナム戦争やイラク戦争をはじめ他の戦争はすべて外国に行って爆弾を落とし、兵力をつぎ込んでその国の国民を殺し、建物を破壊しているのです

前述のジョン・ミアシャイマーは「ウクライナ側の軍事的成功と、ロシアが陥っている困難な状況を、われわれ西側の人間は手放しで喜んでばかりはいられない」と語っていますが、トッド氏はこれに同意し、次のように説明を加えています

「ミアシャイマーは、この問題はロシアにとって『生存をかけた死活問題』である以上、ロシアは困難な状況に陥ることで、さらに攻撃的、暴力的になるだろう と予測していたが、現状を見る限り、すべて彼の予測通りに事態は進んでいる 戦闘はますます容赦ないものとなり、ロシアはこの戦争にますます深くのめり込んでいる

トッド氏は「一点だけミアシャイマーとは見解が異なる」として、次のように書いています

「『ロシアはアメリカやNATOよりも決然たる態度でこの戦争に臨むので、いかなる犠牲を払ってでもロシアが勝利するだろう』とミアシャイマーは予測したが、私はそうではないと考える もしアメリカがロシアの勝利を阻止できなかったら、アメリカの威信が傷つき、アメリカ主導の国政秩序自体が揺るがされることになるので、アメリカにとっても『死活問題』になると考える

「死活問題」同士の対決は終わりがないのではないか、と危惧します

トッド氏は「『ウクライナ戦争』の人類学」の中で次のように書いています

「戦争が長期化すればするほど、多数のウクライナ国民が犠牲となり、難民として国外に流れ、ウクライナの建物や橋は破壊されていく ロシアによる侵攻前に、大量の人口流出によってすでに『破綻国家』に近かったウクライナが、この戦争によって、さらに破壊されていく 要するに、アメリカは”支援”することで、実はウクライナを”破壊”しているわけである

これを読むと、ますますこの戦争に終わりはないのではないか、と思ってしまいます

本書はウクライナ問題を感情論ではなく冷静になって理論的に考えることの大切さを教えてくれます プーチン・ロシアのウクライナ侵略は決して許されることではありません このことは強調しておきたいと思います その上で、過去の歴史を整理してこの問題を捉え直すことも大事だと思います その意味で 本書は最適のテキストになると思います。お薦めします

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ユライ・ヴァルチュハ ✕ 川村尚子 ✕ 読売日響でブラームス「ピアノ協奏曲第1番」、メンデルスゾーン「交響曲第3番”スコットランド”」を聴く ~ 第249回日曜マチネーシリーズ

2022年08月29日 07時08分51秒 | 日記

29日(月)。わが家に来てから今日で2787日目を迎え、タス通信によるとモスクワ市内で27日、ロシア軍参謀本部のセクレターレフ副部長の自動車が、ウクライナへの侵攻に反対する女性により放火された  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ロシアにも反プーチン市民がいることが分かる 放火は良くないが放歌高唱ならOK?

 

         

 

昨日、東京芸術劇場コンサートホールで読売日響第249回日曜マチネーシリーズを聴きました プログラムは①ブラームス「ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 作品15」、メンデルスゾーン「交響曲第3番 イ短調 作品56 ”スコットランド” 」です 演奏は①のピアノ独奏=河村尚子、指揮=ユライ・ヴァルチュハです

ユライ・ヴァルチュハは1976年ブラチスラバ生まれ。2009年から16年までRAI国立管首席指揮者を、2017年からベルリン・コンツェルトハウス管の首席指揮者を務め、今年6月にヒューストン響の音楽監督に就任しました

 

     

 

コンサート仲間S氏から譲り受けた席は1階T列12番、最後列右通路側です

オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの読響の並び コンマスは林雄介、その隣は長原幸太というダブルコンマス態勢を敷きます

1曲目はブラームス「ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 作品15」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833ー1897)が1854年から1858年にかけて作曲、1859年1月22日にハノファーでブラームスのピアノ、ヨアヒムの指揮で初演されました 本作は ブラームスが最初に2台のピアノのためのソナタを書き、満足できなかったため、交響曲化を図り、さらにピアノ協奏曲化を図った作品です 第1楽章「マエストーソ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ロンド:アレグロ・ノン・トロッポ」の3楽章から成ります

ピアノ独奏の河村尚子はハノーファー国立音楽芸術大学在学中にミュンヘン国際コンクール第2位入賞、クララ・ハスキル国際コンクールで優勝しています 現在、ドイツのフォルクヴァンク芸術大学教授を務めています

ヴァルチュハの指揮で第1楽章が劇的な第1主題で開始されます 「マエストーソ」を意識した悠然としたテンポで音楽が進みます その後、河村のソロが静かに入ってきます この曲は「ピアノ序奏をもつ交響曲」とも言われていますが、まさに河村のピアノとオケが対等の立場でスケールの大きな演奏が展開します 第2楽章では、河村の瞑想的なピアノが印象的です 金子亜未のオーボエが華を添えます 第3楽章は冒頭から河村のピアノが軽快に演奏され、その後、オーケストラと絡みながら躍動感あふれる音楽が繰り広げられます 終盤のカデンツァはファンタジックそのもので、魅了されました そして、独奏ピアノとオーケストラとの重層的な演奏により力強いフィナーレを飾りました

満場の拍手に河村は、アンコールにブラームス「4つのピアノ小品  作品119」から第1曲「間奏曲  ロ短調」をしみじみと演奏、再び大きな拍手を浴びました

 

     

 

プログラム後半はメンデルスゾーン「交響曲第3番 イ短調 作品56 ”スコットランド” 」です この曲はフェリックス・メンデルスゾーン(1809ー1847)が1830年に作曲開始(1842年改作・完成)、1842年3月3日にライプツィヒでメンデルスゾーンの指揮により初演されました メンデルスゾーンは1829年4月(20歳)、初めてイギリスを訪れ、ロンドン滞在後にスコットランドを旅行しました エディンバラにあるメアリー・スチュアートゆかりのホリルード宮殿脇の礼拝堂を見た時に、この曲の冒頭部分を着想したといいます しかし、本格的に作曲に取り組んだのは10年以上経った1841年夏で、1842年1月に完成しました 第1楽章「アンダンテ・コン・モート ~ アレグロ・ウン・ポーコ・アジタート ~ アッサイ・アニマート ~ アンダンテ・コメ・プリマ」、第2楽章「ヴィヴァーチェ・ノン・トロッポ」、第3楽章「アダージョ」、第4楽章「アレグロ・ヴィヴァチッシモ ~ アレグロ・マエストーソ・アッサイ」の4楽章から成ります この曲は全4楽章が続けて演奏されるのが特徴です。また、この曲は第3番となっていますが、これは出版順で、実質的に最後の交響曲です。メンデルスゾーンの交響曲は完成順に第1番、第5番、第4番、第2番、第3番となっています

ヴァルチュハの指揮で第1楽章に入ります 哀愁漂う曲想は悲劇の女王メアリー・スチュアートを念頭において書いたのでしょう 第2楽章は軽快なスケルツォです クラリネットの金子平、オーボエの金子亜未、フルートのフリスト・ドブリノヴの演奏が素晴らしい 第3楽章のアダージョはこの曲の白眉です 弦楽アンサンブルによる憂いを帯びた息の長いフレーズが美しく会場に響き渡ります 第4楽章は一転、勇壮で軽快な音楽が繰り広げられます。ここでも金子亜未のオーボエが冴え渡り、弦楽アンサンブルの渾身の演奏が光ります 全体を通して聴いてみて、ヴァルチュハという指揮者は、8月23日に読響を振ったマーラー「第9交響曲」の時と同様、どちらかと言うと「アダージョ」楽章の方が良いのではないか、と思いました ゆったりしたテンポによりじっくり聴かせます 読響は指揮者の意図をしっかり受け止め、真摯な演奏に徹していました

 

     

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新日本フィル室内楽シリーズ・2022年度後半、METライブビューイング・アンコール上映2022のチケットを取る / ヴィム・ヴェンダース監督「まわり道」を観る

2022年08月28日 07時21分45秒 | 日記

28日(日)。わが家に来てから今日で2786日目を迎え、米司法省は26日、連邦捜査局(FBI)がトランプ前大統領の邸宅を家宅捜査した理由を記した宣誓供述書を開示したが、米国立公文書記録管理局が1月に押収した資料に「国家防衛情報」を含む計184の政府の機密文書を確認したと説明、その後の調査も踏まえ、ほかにも機密文書が残っていると判断し、捜査に踏み切ったとしている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     共和党員は トランプが米国の国防上 最も危険な人物だと解ったはず 目を覚ませ!

 

         

 

新日本フィル室内楽シリーズ2022年度後半のチケットを2枚取りました ①11月1日(火)「スリー・ダンス・エピソード ~ 佐藤和彦プロデュース編」、②23年3月2日(木)「文学と音楽と 翻訳家:柴田元幸さんをお迎えして、again!」です 全4公演を取りたかったのですが、12月と1月の公演は他のコンサートの予定が入っているので断念しました

 

     

 

9月2日(金)から同29日(木)まで東銀座の東劇で「METライブビューイング・アンコール2022」が上映されます 何本か観たい映画があるのですが、とりあえずエリーナ・ガランチャが出演する9月24日(土)のサン=サーンス「サムソンとデリラ」を観ることにしました チケット代は@3,200円(学生@2,100円)ですが、東劇限定のセブンチケット4枚セット券が10,800円(@2,700円)で販売されているので、これを購入しました

 

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹でヴィム・ヴェンダース監督による1975年製作西ドイツ映画「まわり道」(103分)を観ました

母親と二人で暮らす作家志望の青年ヴィルヘルム(リュディガー・フォーグラー)だが、スランプに陥り書くことが出来なくなる 彼は母親に勧められ、作家としての才能を見い出すために旅に出る ヴィルヘルムは道中で出会った大道芸人のラエルテス(ハンス・クリスチャン・ブレッヒ)、彼の孫娘で口のきけない少女ミニョン(ナスターシャ・キンスキー)、女優のテレーゼ(ハンナ・シグラ)、放浪詩人ランダウ(ペーター・カーン)たちと行動を共にし、様々なことを語り合いながら気ままな旅を続ける やがてヴィルヘルムは自分探しに意味を見い出せなくなっていく

 

     

 

この映画はゲーテ「ヴィルヘルム・マイスターの修行時代」を基に、ヴィム・ヴァンダース監督が「都会のアリス」に続いて撮った、リュディガー・フォーグラー主演による「ロードムービー三部作」の第2作です

私がこの映画を観ようと思ったのは、出演者の中にファスビンダー監督による1979年製作映画「マリア・ブラウンの結婚」で主役を務めたハンナ・シグラの名前があったからです この映画では、ヴィルヘルムを愛する女優テレーゼを演じていますが、スクリーンに登場した瞬間、マリアだ!とすぐに分かりました 決して美人ではありませんが、独特の魅力があります 

少女ミニョンがもの凄く可愛いと思ったら、彼女こそ「パリ、テキサス」で有名なナスターシャ・キンスキーで、この映画がデビュー作だということを後で知りました いかに映画をいい加減に観ているかを自覚しました

ヴィルヘルムは旅に出るにあたり母親から列車のキップを受け取りますが、行先は「ボン」となっていました ボンと言えばベートーヴェンが生まれた街です この映画では、ヴィルヘルムたちが旅先で散歩に出るシーンがありますが、ミニョンとテレーゼが口笛で「喜びの歌」のメロディーを吹きます ボン ⇒ ベートーヴェン ⇒ 第九「第4楽章”喜びの歌”」と繋がり、さすがはドイツ映画だな、と思いニヤリとしました

ドイツ語が分からないので、原題「Falsche  Bewegung」の意味が不明ですが、邦題「まわり道」と同じような意味だとすれば、ヴィルヘルムの旅は「まわり道」ではないのではないか、と思います 作家志望のヴィルヘルムにとって、旅先での経験はすべて小説の題材になるからです

 

     

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カール・テオドア・ドライヤー監督「奇跡」&「裁かるるジャンヌ」を観る ~ 宗教とは何か?を考えさせられる映画:早稲田松竹

2022年08月27日 07時15分37秒 | 日記

27日(土)。わが家に来てから今日で2785日目を迎え、政府は26日の閣議で、9月27日に都内の日本武道館で開く安倍晋三元首相の国葬におよそ2億5000万円を支出すると決定したが、費用は全額国費で2022年度予算の予備費から出す  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     2億5千万円もの税金を一人の政治家の葬儀に支出する根拠はどこにあるのかな?

 

         

 

昨日、夕食に「鶏の唐揚げ」を作りました 今回は2週間に一度のローテが守れました もちろんビールはサッポロCLASSICです

 

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹でカール・テオドア・ドライヤー監督の「奇跡」と「裁かるるジャンヌ」の2本立てを観ました

「奇跡」はカール・テオドア・ドライヤー監督による1954年製作デンマーク映画(126分、モノクロ:デジタルリマスター版)です

ユトランド半島で農場を営むボーオン(ヘンリック・マルベア)一家。真面目だが信仰心の薄い長男ミッケル(エーミール・ハス・クリステンセン)は、妻インガー(ビアギッテ・フェザースピル)をお産で亡くしてしまう 家族が悲嘆に暮れる中、精神を病み自らをキリストの再来と信じる次男ヨハンネス(プレベン・レアドーフ・リュエ)が失踪する しかし、突然正気を取り戻し、インガーの葬儀に現れ、そこで奇跡を起こす

 

     

 

この映画は、デンマークの劇作家で牧師のカイ・ムンクによる戯曲「御言葉」を原作に家族の葛藤と信仰の神髄を問い、1955年の第16回ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞しました

ボーオン家の三男アナス(カイ・クリスティアンセン)と仕立て屋ペーター(アイナー・フェザースピル)の娘アンネ(ゲアダ・ニールセン)とは相愛の仲ですが、お互いの父親は両家が信仰する宗派が違うという理由で結婚に反対します 台詞から察すると、ボーオン家の方は現世を肯定的にとらえ、社会活動を積極的に行うことを奨励しているのに対し、ペーター家の方は現世を死後の幸福のための苦行のようなものとして捉える信仰であるようです デンマーク版「ロメオとジュリエット」といったところでしょうか 最後はアンネの死を境に両家は和解しますが、宗教上の対立は昔も今も家対家、国家対国家の間で紛争の種になっています 宗教とはいったい何なのだろう? と疑問に思わざるを得ませんが、ドライヤー監督はヨハンネスに奇跡を起こさせています 宗派を超えてキリスト教を信じているということでしょう

 

         

 

「裁かるるジャンヌ」はカール・テオドア・ドライヤー監督による1928年製作フランス映画(97分、モノクロ・無声:デジタルリマスター版)です

百年戦争で祖国オルレアンを解放へと導いたジャンヌ・ダルク(ルネ・ファルコネッティ)だったが、フランス国王に見捨てられ、敵国イングランドで異端審問にかけられ過酷な尋問を受ける 心身ともに衰弱し、一度は屈しそうになるジャンヌだったが、神への信仰を貫き自ら火刑に処せられる道を選ぶ

 

     

 

この映画は、人間としてのジャンヌ・ダルクを実際の裁判記録を基に描いた「無声映画の金字塔的作品」と言われています 台詞の部分は字幕スーパーで表されますが、ほとんど無声です 唯一音として聴こえるのはパイプオルガンによる荘厳な音楽です バッハのようでもあり、そうでもないような、重厚なオルガンの音がジャンヌを火刑台に導くかのように鳴り響きます

ジャンヌ・ダルクと言えば「フランスのヒロイン」で、勇ましい女性を思い浮かべますが、映画では尋問を受けると涙を浮かべ、火刑を告げられると「死ぬのが怖い」と本音を吐きます こういう人間的なジャンヌ・ダルクを描いた作品は珍しいのではないかと思います

 

     

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佐渡裕 ✕ 新日本フィルの「第九」、藝大オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」(指揮=高関健)のチケットを取る / カール・テオドア・ドライヤー監督「怒りの日」「ゲアトルーズ」を観る

2022年08月26日 07時09分16秒 | 日記

26日(金)。わが家に来てから今日で2784日目を迎え、米「ニューヨーク・ポスト」紙によれば、ロシアメディアは北朝鮮が10万人規模の義勇軍をウクライナに派遣し、ロシア軍を支援する用意があると伝えた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     同じ独裁主義国家を支援して恩を売ろうという魂胆? ウクライナ紛争は終わらない

 

         

 

昨日、夕食に「トンテキ」「生野菜とアボカドのサラダ」「冷奴」「舞茸の味噌汁」を作りました トンテキにはキャベツとカイワレ大根がよく合います

 

     

 

         

 

10月9日(日)午後2時から東京藝大奏楽堂で開かれる「第68回藝大オペラ定期公演」のチケットを取りました 演目はモーツアルトの歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」です 指揮は藝大教授・高関健(東京シティ・フィル常任指揮者)、管弦楽は藝大フィルハーモニア管弦楽団、歌手陣は東京藝大の学生です 毎回聴いていますがレヴェルは相当高いです

 

     

 

12月17日(土)午後2時からサントリーホールで開かれる佐渡裕指揮新日本フィルによる「第九」演奏会のチケットを取りました 会員先行発売日が20日だったのを失念して、出遅れたのでS席の良い席がなく、1階後方のA席を押さえました なお、ソリストはソプラノ=高野百合絵、メゾソプラノ=清水華澄、テノール=宮里直樹、バス=福井敬、合唱=栗友会合唱団・二期会合唱団です 個人的には破壊力のあるテノール・宮里直樹に期待しています

 

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹でカール・テオドア・ドライヤー監督「ゲアトルーズ」と「怒りの日」の2本立てを観ました

「ゲアトルーズ」はカール・テオドア・ドライヤー監督による1964年製作デンマーク映画(モノクロ・118分:デジタルリマスター版)です

弁護士ベント(グスタフ・リズマン)の妻ゲアトルーズ(ニーナ・ペンス・ローゼ)は結婚生活に不満を抱き、若き作曲家エアラン(ボーズ・オーヴェ)と恋愛関係にあった ある日、ゲアトルーズの元恋人である著名な詩人ガブリエル(エッペ・ローゼ)が帰国し、祝賀会が開かれる そこで彼女はエアランの伴奏で歌唱するが、途中で卒倒してしまう

 

     

 

この映画はスウェーデンの作家ヤルマール・セーデルベルイの同名戯曲に基づいて映画化されています

本作は、ほとんど室内で撮られている「会話劇」のような形式をとっています 男女が愛について延々と語り合いますが、不思議なのは両者ともカメラの方を向いて話していて、向かい合って話すシーンが極めて少ないことです まるで、お互いの考えは相いれないのだということを表しているかのようです それを証明するかのように、ゲアトルーズが愛したエアランには別に恋人がいて二股をかけられていたことが分かります ゲアトルーズがエアランに遭うため夫に「オペラ『フィデリオ』を観に行く」と言いますが、終演時間に迎えに行った夫は彼女がオペラに来なかったことを劇場の係員から聞かされます ベートーヴェンの唯一のオペラ「フィデリオ」のテーマは「夫婦の愛」です。これほどアイロニカルな選曲はないと思いました ほとんど長回しの会話シーンだけで約2時間を飽きさせずに見せる手腕は凄いと思います

この映画は1965年ヴェネチア国際映画祭国際映画批評家連盟賞を受賞しています

 

         

 

「怒りの日」はカール・テオドア・ドライヤー監督による1943年製作デンマーク映画(モノクロ・94分:デジタルリマスター版)です

中世ノルウェーの小さな村で、牧師アプサロン(トーキル・ローセ)は若き後妻アンネ(リスべト・モーヴィン)と平穏な暮らしを送っていた しかし、アプサロンと前妻との息子マーチン(プレベン・レアドーフ・リュエ)が帰郷すると、マーチンとアンネは互いに惹かれ合う やがてアプサロンが急死し、アンネが魔女として彼を死に至らしめたと告発される

 

     

 

この作品は、ノルウェーの劇作家ハンス・ヴィアス=イェンセンが1908年に書いた戯曲「アンネ・ぺーダースドッテル」を基に映画化したものです 16世紀のノルウェーで実際に起こった出来事に基づいて書かれた戯曲で、夫をはじめ数人の男性を魔力によって殺害したとして魔女裁判にかけられ、火刑に処せられたアンネという人物を主人公にして描いたものです 魔女狩りが横行する混沌とした時代を背景に、複雑に絡み合う人間関係を描いていますが、現代で「魔女狩り」と言えば、勝手に持ち出した公文書をFBIに押収されて「魔女狩りだ~」と騒いでいる某国トランプ元大統領くらいしか頭に浮かびません

この映画では、ベルリオーズが「幻想交響曲」で使ったように、教会音楽「怒りの日」の主題旋律を冒頭とラストで使い、劇中でも変奏曲のような形で使用しています

登場人物の発言から、牧師アプサロンはアンネの母親(魔女の能力を持っている)を魔女裁判にかけられることから救い、娘アンネの意思を確かめずに妻として娶ったことが明らかになります アンネは若くしてアプサロンの妻となったことに、「自由と青春を奪われた」という被害者意識を持ち、常に彼の死を念じていたのです 彼女は母親と同じように魔女の能力を持っており、ついにアプサロンを呪い殺すことに成功します しかし、アプサロンの母親に魔女の正体を暴かれ魔女裁判にかけられることになります

アンネを演じたリスべト・モーヴィンの演技力が素晴らしい 最初は後妻としての貞淑な顔をしていますが、マーチンと出会った瞬間から目つきが変わり、彼の父アプサロンを亡き者にし、マーチンとの結婚を企む妖しく恐ろしい女性の顔に変貌します

この映画は1974年ヴェネチア国際映画祭審査員特別表彰を受けています なお、イタリアの作曲家レスピーギがこの戯曲を「焔(ほのお)」のタイトルでオペラ化(1933年:全3幕)しているそうです 一度聴いてみたいものです

 

     

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シューベルト「ピアノ三重奏曲第1番」「鱒」「セレナーデ」「菩提樹」他を聴く ~ 芸劇ブランチコンサート:藤江扶紀、岡本郁也、清水和音、加来徹

2022年08月25日 07時11分57秒 | 日記

25日(木)。わが家に来てから今日で2783日目を迎え、アメリカのトランプ前大統領は、FBIが邸宅から押収した文書について取り扱いを監視する第三者を指名するよう裁判所に申し立てた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     2年後の大統領選に立候補するためなら何でもする トランプの悪あがきが見え見え

 

         

 

昨日、夕食に「親子丼」を作りました 2人分作りましたが、栗原はるみ先生のレシピでは一人分ずつ作るようになっていたので指示通りにしました。とても美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨日、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで「第37回芸劇ブランチコンサート シューベルトの歌曲とトリオ」を聴きました プログラムはシューベルト①鱒、②菩提譜、③セレナーデ、④御者クロノスへ、⑤ピアノ三重奏曲第1番 変ロ長調 D898です 演奏は①~④のバリトン独唱=加来徹、⑤のヴァイオリン=藤江扶紀、チェロ=岡本郁也、①~⑤のピアノ=清水和音です

 

     

 

相変わらず1階席を中心に満席状態です。1時間弱のコンサートで2,400円のチケット代は魅力です

プログラム前半はシューベルトの歌曲です    バリトン独唱の加来徹は東京藝大修士課程を首席で修了、二期会オペラ研修所を総代で修了   現在、バッハ・コレギウム・ジャパンの常連ソリストとして歌っているほか、オペラでも活躍しています

1曲目の「鱒」はフランツ・シューベルト(1797ー1828)が20歳の1817年に作曲しました この曲はピアノ五重奏曲「鱒」のテーマとして有名です

2曲目の「菩提樹」はシューベルトが30歳の1827年に作曲しました

3曲目の「セレナーデ」は最晩年(31歳!)の1828年に作曲した歌曲集「白鳥の歌」全14曲中の第4曲です

4曲目の「御者クロノスへ」は19歳の1816年に作曲しました ギリシャ神話の時の神クロノスを御者に見立てて、人生を馬車旅行に例えた詞に付された曲です

加来は「鱒」を軽妙に、「菩提樹」を憂鬱気に、「セレナーデ」をロマンティックに、「御者クロノスへ」をドラマティクックに、見事に歌い分け、満場の拍手を浴びました

 

     

 

プログラム後半はシューベルト「ピアノ三重奏曲 第1番 変ロ長調 D898」です この曲は1827年もしくは1828年に作曲された作品です 自筆譜が消失してしまった関係で作曲年が確定できないのです いずれにしても、シューベルトは1828年に31歳10か月で死去しているので晩年の作品には違いありません 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アンダンテ・ウン・ポーコ・モッソ」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ」、第4楽章「ロンド:アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

ヴァイオリンの藤江扶紀は第80回日本音楽コンクールヴァイオリン部門第1位など入賞多数 現在、フランスのトゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団のコ・コンサートマスターを務めています チェロの岡本郁也は2017年のエリザベート王妃国際音楽コンクール第2位、2011年第80回日本音楽コンクール第1位 ミュンヘン音楽大学を首席で卒業し、現在同大学院室内楽科に在籍しています

曲間のトークによると、この作品のチェロの演奏は相当難しいようで、チェリストはやりたがらないそうです しかし、この日の岡本郁也の演奏は素晴らしかった 表現力が非常に豊かで、音楽に深みがあります 彼の演奏に藤江扶紀の美しいヴァイオリンが被さるアンサンブルがまた素晴らしい とくに第2楽章のアンダンテはこの曲の白眉でした。良く歌うチェロです シューベルトの曲を聴いている時 いつも思うのは、同じメロディーの繰り返しが多く、「またかよ」と思うことがままあるのですが、この日の演奏はそんなことが全く感じられず、全曲を通して新鮮な気持ちで聴くことが出来ました

1階M列12番の席ともこの日でお別れです 通路側のとても聴きやすい席でした

 

     

 

次回以降のブランチコンサート(10月・12月・2月)は以下の通りです

 

     

 

帰りがけにロビーの特設前売り券コーナーで、「名曲リサイタル・サロン」の11月・1月・3月のチケットを取りました このうち一番楽しみなのは、来年3月の小林沙羅さんのソプラノ・リサイタルです

 

     

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ユライ・ヴァルチュハ ✕ アンヌ・ケフェレック ✕ 読売日響でモーツアルト「ピアノ協奏曲第27番」、マーラー「交響曲第9番」を聴く ~ 読響第620回定期演奏会

2022年08月24日 07時30分03秒 | 日記

24日(水)。わが家に来てから今日で2782日目を迎え、米紙ニューヨーク・タイムズは22日、複数の関係者の話として、トランプ前米大統領が退任時に自身の邸宅マールアラーゴへ持ち出した公文書の引き渡しを国立公文書館から求められた際、「私のものだ」と主張して抵抗していたと報じた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     危機管理能力は小学生以下  と言ったら小学生に叱られる 今時の小学生はもっと賢い

 

         

 

昨日、夕食に「鮭の西京焼き」「冷奴」「生野菜サラダ」「キュウリの食べるラー油乗せ」「豚汁」を作りました ヘルシーメニューです

 

     

 

         

 

昨夜、サントリーホールで「読売日響第620回定期演奏会」を聴きました プログラムは①モーツアルト「ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595」、マーラー「交響曲第9番 ニ長調」です 演奏は①のピアノ独奏=アンヌ・ケフェレック、指揮=ユライ・ヴァルチュハです

指揮をとるユライ・ヴァルチュハはスロヴァキア出身。サンクトペテルブルクとパリで学ぶ 2009年から16年までRAI国立響の首席指揮者を務め、同年からナポリ、サンカルロ劇場の音楽監督とベルリン・コンツェルトハウス管の首席客演指揮者を務める 22年6月にヒューストン響の音楽監督に就任

 

     

 

オケは12型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの読響の並び コンマスは長原幸太、その隣は林雄介というダブルコンマス態勢を敷きます

1曲目はモーツアルト「ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756ー1791)が最晩年の1791年に作曲した最後のピアノ協奏曲です 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「アレグロ」の3楽章から成ります

ピアノ独奏のアンヌ・ケフェレックは1968年ミュンヘン国際コンクールで優勝して以来、世界各地で活躍しているフランス出身のピアニストです 日本ではラ・フォル・ジュルネ音楽祭の常連アーティストとして有名です

ケフェレックが緑の葉と赤い花を彩った明るくチャーミングな衣装で登場します いつもは赤と黒を基調としたシンプルな衣装が特徴ですが、この日は、まるで「春」を感じさせる衣装です 演奏するK.595の第3楽章のロンド風の主題が歌曲「春への憧れ」に転用されているので、それを意識したのかな、と勝手に想像しました

第1楽章の冒頭はオーケストラによって主題が演奏され、なかなか主役のピアノが出てきません これは当時のコンチェルトのスタイルです そして、「お待たせしました」とばかりにケフェレックのピアノが女王のごとく軽やかに入ってきます 何とエレガントな演奏だろうか 一音一音の粒立ちがとても美しく響きます。カデンツァはキラキラと輝いていました 第2楽章の中間部を聴いていて、言葉では言い表せない感情が押し寄せ、思わず目頭が熱くなりました 後半では装飾音を加えて演奏していましたが、モーツアルトの時代にはこれが普通のスタイルでした 第3楽章は弾むような音楽ですが、ケフェレックはあくまでも抑制を利かせ美しくノーブルに演奏、ヴァルチュハ ✕ 読響がピタリと付けました

満場の拍手に応えて、ケフェレックはヘンデル(ウィルヘルム・ケンプ編)「メヌエット ト短調」を抒情的に演奏、聴衆を沈黙させました 一段と大きな拍手に、ケフェレックは前に後ろに一礼し、ピアノに向かって拍手をして舞台袖に引き上げていきました 何とチャーミングな女性だろうか 「生きてケフェレックのモーツアルトが生で聴ける これほど幸せなことがあるだろうか」とつくづく思います

アンコール曲は下のCDに収録されています

 

     

 

プログラム後半はマーラー「交響曲第9番 ニ長調」です この曲はグスタフ・マーラー(1860ー1911)が1909年から1910年にかけて作曲、マーラーの死後、1912年6月26日にウィーンで初演されました 第10番が未完に終わっているので、完成された交響曲としては最後の作品です。第4楽章がアダージョであることから、マーラーは死を意識してこの曲を作曲したのではないか、という憶測がしばらく喧伝されていましたが、現在では、そうではなく、マーラーはまだまだやる気十分だったことが分かっています ただ、マーラーの死の前年=1910年の夏には、妻アルマと若き建築家ヴァルター・グロビウスとの不倫が発覚し、マーラーは精神的に追い詰められています 年末に再びニューヨーク・フィルを指揮するためにアメリカに向かいますが、現地に滞在中に心内膜炎が発覚し、ウィーンに戻るとそのまま帰らぬ人となりました その意味では、結果的に死を意識した作品のように捉えられても仕方ないのかもしれません

この曲は第1楽章「アンダンテ・コモド」、第2楽章「ゆるやかなレントラー風のテンポで いくぶん歩くように、そして極めて粗野に」、第3楽章「ロンド・ブルレスケ」、第4楽章「アダージョ」の4楽章から成ります

オケは16型に拡大し、4管編成のフルオーケストラ態勢になります ステージ下手にはハープが2台スタンバイしますが、1番を演奏するのは自称「フリーランスの手酌系ハーピスト」高野麗音さんです この人のブログは楽しいです お酒と手作りの酒肴が美味しそうです

ユライ・ヴァルチュハの指揮で第1楽章に入ります 冒頭部分の音楽を聴いて、音楽評論家の江藤光紀氏がプログラム・ノートに書いていたことを思い出しました それには「序奏に続きヴァイオリンに大らかな第1主題が現れる この旋律は前作『大地の歌』の終楽章の『永遠に』という歌詞の音型を引きずりながら、この交響曲の随所で顔を出す」と書かれていました。「そうだったのか」と思わず膝を打ちました 第1楽章は冒頭からハープが絡みますが、高野麗音のハープが素晴らしい 弦楽器のウネリが凄い 第2楽章は舞曲風のテンポ感が素晴らしい 第3楽章は一転、目先がクルクル変わる支離滅裂とも言える曲想が展開します しかし、この狂乱的な第3楽章があって初めて第4楽章アダージョが生きるのです ヴァルチュハは、第3楽章が終わって、出来るだけ早く第4楽章に移りたいと思っている様子が見られました 実際には管楽器の準備(楽器から唾を排出する)があるので、一定の時間は必要でしたが、ヴァルチュハは第3楽章と第4楽章を続けて演奏する方が効果的(両楽章の落差から)だと考えていたのではないか、と思います 私もそう思います。その第4楽章は弦楽各セクションの渾身の演奏に尽きます 分厚い弦楽器によるアンサンブルは第3楽章までの喧騒を浄化するかのように会場を満たしました さらに、徐々に音を減少させながら長い余韻を残して消えていくラストは、まさにマーラーの音楽の神髄とでも言うべき音楽表現でした 「静寂」を音で表したらあのような演奏になるのだろう、と思います

最初のうちは、ヴァルチュハはオケをやたらと鳴らすだけの指揮者かと思っていましたが、第4楽章を聴いて考えを改めました 読響はヴァルチュハの要求に応え、最弱音から最強音までダイナミックレンジの広い演奏でマーラーに迫るスケールの大きな演奏を展開しました

熱い演奏にカーテンコールが繰り返され、なおも拍手が続く会場を出たのは21時半でした

 

     

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新日本フィルから「2023/2024シーズン定期会員継続案内」届く / 曽野綾子著「百歳までにしたいこと」を読む ~ 人生の大先輩が語る「老い」を生きる極意の数々

2022年08月23日 07時11分46秒 | 日記

23日(火)。新日本フィルから「2023/2024シーズン定期会員継続案内」が届きました 新日本フルは今年9月に創立50周年を迎えますが、現在ミュージック・アドヴァイザーの佐渡裕氏が2023年4月から第5代音楽監督に就任します プログラムは以下の通りです

 

     

     

 

現在 私は「すみだクラシックへの扉」(金曜)S席会員ですが、次シーズンも同じ内容で継続することにしました 何と言っても全8回で、S席一般32,000円、同シルバー28,000円は極安で良心的です

なお、「トリフォニーホール・シリーズ」&「サントリーホール・シリーズ」(同一プログラム)については、とても魅力的なプログラムなのですが、他に定期会員になっている読響、都響、東響、東京フィル、東京シティ・フィルの2023年4月以降と、N響(A・B)、新国立オペラの同年9月以降の公演日程がまだ公表されていないので、日程がダブらないように、今回は追加申し込みはせず、しばらく様子を見ることにしました

ということで、わが家に来てから今日で2781日目を迎え、8月12日にフロリダ州にあるトランプ前大統領の別荘にFBIが家宅捜査に入り機密文書を押収したが、それは北朝鮮の金正恩総書記や核兵器に関するもので、ロシアに情報提供した疑いがある  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     これが本当ならトランプはロシアのスパイだ  次の大統領選に出る? 冗談でしょ!

 

         

 

昨日、夕食に「茄子と鶏肉の炒め物」「冷奴」「生野菜とツナのサラダ」「ジャガイモの味噌汁」を作りました 炒め物の材料は茄子、鶏もも肉、オクラ、ミョウガ、パプリカです これは新聞に掲載されていたレシピで作りましたが、今回が3度目です。とても美味しくできました

 

     

 

         

 

曽野綾子著「百歳までにしたいこと」(文春文庫)を読み終わりました 著者の曽野綾子は1931年東京都生まれ。作家。聖心女子大卒業。1979年ローマ法王庁よりヴァチカン有功十字勲章を受章 2003年に文化功労者、2012年に菊池寛賞受賞。1995年から2012年まで日本財団会長を務めた

 

     

 

本書は2021年7月刊行の単行本「人間の使命」(海竜社)に新原稿を増補した文庫オリジナル版です 産経新聞、オール讀物、文藝春秋などに寄稿したエッセイを中心に収録しています

エッセイの内容によって便宜的に次のように区分して掲載されています

1.老年の自由

2.人間力は会話力

3.若者よ、心躍る人生を!

4.生涯をかけて磨く眼力

5.神の任命書

6.また、会う日まで(弔辞)

7.巻末付録「青い空から三浦朱門の声が聞こえる」

著者は「老年の自由」の中で、次のように書いています

「日本では私のように、多くの高齢者が穏やかに老年を生かしてもらっている。この世代にも生きているうちにやるべき義務があるだろう それは綺麗に自分の生活の後始末をして死ぬという計画と、次の世代のために個人的な血のつながりを超えて、何かできることはないかと考える姿勢のような気がする 老年はただ穏やかに生かしてもらえればいい、というものではない むしろ与えて死ぬ時期が迫っていると思うべきだろう

上記のことを裏付けるように、彼女はプロフィールでもご紹介したように、作家としての仕事を全うする傍らで17年間にわたり日本財団の会長を務めました 昨日のブログにも書いたとおり、私は著者の上記の考え方に大きな影響を受けています

また、著者は「人間力は会話力」の中で、次のように書いています

「沈黙を守るのも、会話をするのも人間力を駆使した義務なのだ、と親も教師も覚悟しておいた方がいい 人と語るのは、多くの場合『ただ』だが、その分、その個人の知識や体験の蓄積が要る。しかし人と語れば語るほどまた多くの智恵を取り込めることを、日本人の、特に若者たちはあまり自覚しない 外国語を喋れるかどうか以前に、語るべき深い内容を持つ人になることが先決だろう。これは受験勉強以上に大切な教育である

たしかに、「知識や体験の蓄積」がない人とは会話が続かないし、すぐに沈黙タイムになってしまいます これは文章においても会話と同様のことが言えると思います インプットがなければアウトプットは出来ない。また、インプットした情報は常に新たな情報により上書きしていく必要があります これを怠ると、古い情報を繰り返し使用することになり飽きられてしまいます

著者は次のようなことも書いています

「有効な健康法の一つは、明確な目的を持って暮らすことだろう どんなものでもいいのだが、これをやり遂げたいという目標を持てば、日々の生活は違ってくる。しかし最近のような穏やかな社会の中では、取り立てて目標を決めなくても、日々は怠惰に流れて、これといった問題も起こさない。それが実は問題なのだろう、と私は思う 健康な食欲のためには空腹が要る。精神の空腹を自覚するためにはいささかの操作が要る、と私はこの頃自戒している

幸い私は学生時代から「クラシック音楽鑑賞」という趣味を続けてきたこともあり、また、自由な時間が出来た定年以降は「映画鑑賞」と「読書」という趣味が本格的に加わったので、3つのテーマでそれぞれ前年実績を上回る目標を掲げて日々の生活を送っているので、1週間や1か月があっという間に過ぎていきます さらに、聴いて観て読んでインプットした情報をブログでアウトプットすることも目標にしているので、毎日休むことが出来ません これはある意味、ストイックな生活で辛いことですが、同時に楽しみでもあります

著者は「若者よ、心躍る人生を!」の中で、次のようなことを書いています

「おいしいという評判のラーメン屋に並んで食べるという行動を自分に許すのも貧しい感覚だ ラーメンを食べるだけのためにはるばる出かける物好きは、うちの家族にも知人にもいるが、並んでまで食べるのは屈辱だと思い、人の少ない時刻を狙うか、同じくらいおいしい店を他に探す 人がするからといって、写真を撮られる時にピースサインをしたり、ポケモンGOに溺れたりする癖も、子供の時に厳しく直さねばならない。それを放置すると、多数に倣う羊の群れの一匹になる癖がつく それは2つとない個性的な人生を失わせることになるし、ひいては世間の大勢に従うという弱い精神となって、社会の暴走に加わる どんなに流行の施設だろうが、混み過ぎたプールには入らない程度の抵抗の精神は必要だ

これは「個性の重視」とか、「個人の自由な生き方の確立」とかいったテーマですが、周囲を見渡すと、あまりにも「他人に倣って同じことをやる」人が多いように思います 自分の頭で考えた上て行動したいものです

上にご紹介したことに限らず、現在90歳の「人生の大先輩」ならではの老いを生きるアドヴァイスが満載です お薦めします

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ロン・ハワード監督「アポロ13」を観る ~ 次々と発生するトラブルを乗り越えて地球に帰還した月面探査船を巡るヒューマンドラマ / 寄付について考える ~ 国連WFP協会、国連UNHCR協会

2022年08月22日 07時09分47秒 | 日記

22日(月)。国連世界食糧計画 WFP協会から「国連WFPニュース Vol.68」が届きました この組織は世界から飢餓を無くすために活動している特定非営利活動法人です。私は2月から同協会に毎月わずかながら寄付を続けています。今回の「ニュース Vol.68」ではウクライナ紛争の影響が特集されていますが、現在ウクライナでは国民の3分の1に当たる約1400万人が国内外への避難を強いられているとのことです 国連WFPは5月下旬時点で国内に避難する430万人にパスタや肉の缶詰などの食料を提供し、ウクライナ難民を受け入れているモルドバなどの周辺国でも支援活動をしているそうです また、寄付金はウクライナ難民に限らず世界で食糧の確保に困っている国々に送られています。私としては、引き続き支援を続けたいと思います

 

     

 

また、これとは別に国連UNHCR協会(国連難民高等弁務官事務所)にも寄付をしています この組織は世界の難民支援活動をしている特定非営利活動法人です。今回は4月に単発で寄付金を送りましたが、来年からは国連WFP協会同様、毎月支援するようにしたいと思います

 

     

 

正直に告白すると、私は寄付について特別の意識はなく、せいぜい新日本フィルを応援するため毎年「維持会員」として寄付をする程度でした 考え方を大きく転換させたのは、当ブログでもご紹介した2冊の本でした リリー・フランキー ✕ みうらじゅんの対談集「どうやらオレたち、いずれ死ぬっつーじゃないですか」と、石原慎太郎 ✕ 曽野綾子の対談集「死という最後の未来」です 2冊の対談で共通して語られているのは「人間はいつかは死ぬ。財産を残して死んでも本人は使うことができない。そうであれば、生きているうちに少しでも世のため人のために役立てた方が良い」という考え方です この2冊が「自分と自分の家族のことだけ考えて生きていてはいけない。少しでもひと様の役に立つように生きよう」という方向への転換を促したのです 幸か不幸か、ちょうどその頃 ロシアがウクライナに侵攻し、多くの難民が発生したのです 生き方は人それぞれです。現役で働き、子供に手がかかる間は、家族の生活を維持するだけで精一杯で 寄付どころではないでしょう しかし、子供が自活できるようになり、ある程度生活に余裕が出てきたら、出来る範囲で困っている人たちのために寄付をすることを考えても良いのではないか と思います    そうは言っても、乏しい年金生活で経済的にきついということもあるかもしれません そういう場合は、寄付でなくても、例えば私が何度目かのマンション管理組合の理事長を引き受けているように、いま住んでいる地域社会の中で人のために役立つ方法はあると思います どうでしょう、一歩前へ踏み出してみませんか

ということで、わが家に来てから今日で2780日目を迎え、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)は21日、テレビのワイドショーや新聞、週刊誌を中心に報道が相次いでことに関し、「日本国憲法第20条で保障された『信教の自由』を無視した魔女狩り的なバッシング行為により、著しい名誉棄損と信者や関係者に対する深刻な人権侵害が行われている」と主張するリリースを出した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     メディアは事実に基づく報道をすべきだが 統一教会側も正しい布教活動をすべきだ

 

         

 

昨日、新文芸坐でロン・ハワード監督による1995年製作アメリカ映画「アポロ13」(140分)を観ました

この映画は1970年の月面探査船アポロ13号の爆発トラブルの実話に基づき、絶体絶命の危機に陥った乗組員たちの救出劇を描いたヒューマンドラマです

アメリカでは月面着陸に成功したアポロ11号と12号に続き、13号打ち上げの準備が進められていた   1970年4月11日、アポロ13号はベテラン飛行士ジム(トム・ハンクス)とフレッド(ビル・バクストン)、風疹の疑いで搭乗できなくなったケン(ゲイリー・シニーズ)の代替要員として搭乗したジャック(ケヴィン・ベーコン)を乗せ、月へ向けて出発する しかし、地球から32万キロの月まであと少しの距離に迫った頃、突如として酸素タンクの爆発事故が発生してしまう 絶望的な状況に陥った乗組員たちは、地上管制センターと力を合わせて地球への生還を目指す

 

     

 

この映画はジム・ラヴェルのノンフィクション「Lost Moon」を原作に製作された作品です

ジムの妻マリリンは「13号」という数字に不吉な不安を覚えますが、ジムは「12の次が13だ」と気にしません NASAもそういう意識のようで、アポロ13号は13時13分に発射しました

サターンVロケットで発射されたアポロ13号の最初のトラブルは、5基あるエンジンのうち1基が停止したことです しかしミッションには影響ありませんでした 第2のトラブルは月まであとわずかに迫った頃、ヒューストンの管制室の指示によりジャックが機械船の液体酸素タンクを攪拌するスイッチを入れた途端に大きな爆発が起こり、酸素が外に流出した事故です これが直接のきっかけになり月面着陸は断念せざるを得なくなります 大半の電力を失った司令船は地球への再突入の電力を残すために電源をシャットダウンすることになります。そのため、地球までの帰路は月着陸船で向かうことになりますが、その誘導プログラムを着陸船に移さなければなりません 司令船の酸素残量の関係で15分以内に行わなければなりませんが、彼らは何とか成し遂げます その後、大気圏突入の際の電力を確保するため、生命維持に直結しない全ての電源を切ることになり、船内は摂氏1度まで冷え込みます すると、今度は2人乗りの月着陸船に3人が避難したせいで空調設備の二酸化炭素吸収フィルターのろ過が追い付かず、二酸化炭素中毒の恐れが出てきます ヒューストンの担当者は月着陸船と司令船のフィルターをつなぐアダプタを考案し、乗組員3人に無線での口頭説明で作成させると、二酸化炭素濃度は安全レヴェルまで低下します 安心したのもつかの間、宇宙船が正しい軌道を外れつつあることが分かります 乏しい電力事情から、3人は手動操作で姿勢制御と軌道修正に挑戦し見事成功させます いよいよ大気圏突入が迫りますが、パラシュートが凍結している恐れがあり、台風が接近していました しかし、パラシュートは開き、彼らは無事に帰還します

上記のように、次々と起こるトラブルに対処するには、パニックにならず、常に冷静な判断力と適切な行動が求められることが良く分かります そのために宇宙飛行士には物理学的知識とともに厳しい精神的、肉体的な訓練が課されているのでしょう それと同時に、次々と発生するトラブルに対し全力で解決法を見い出し、3人のクルーに伝えるNASAの管制室のサポートがなければ、3人は地球に生還することが出来なかったでしょう この映画は「危機管理の教科書」的な作品だと思います

この映画は第68回アカデミー賞で9部門にノミネートされ、編集賞と音響賞を受賞しました この受賞からも分かるように、この映画はDVDやネット配信等でなく映画館の大スクリーンで観るべき作品です

 

     

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