10日(日).わが家に来てから今日で1166日目を迎え,米国のトランプ大統領が中東のエルサレムをイスラエルの「首都」と宣言したことを受け,国連安全保障理事会が8日 緊急会合を開いたが,米国に歩調を合わせることの多い英仏など欧州の理事国も「一方的だ」などと批判に回り,米国の孤立ぶりが浮き彫りになった というニュースを見て感想を述べるモコタロです
トランプ大統領にとっては国内問題なのだろう 中東問題というより高等問題だ
来年5月24日(木)午後7時から紀尾井ホールで開かれるアンジェラ・ヒューイット「バッハ オデッセイ6~ゴルトベルク変奏曲」のチケットを取りました
また,新宿ピカデリーでMETライブビューイング,モーツアルト「魔笛」の座席指定を取りました 14日(木)午前10時からの部です.いつも通り,左ブロック後方の席を押さえました
ところで,この公演(今年10月14日収録)は 80年代に少年への性的虐待が疑われたMET名誉音楽監督のジェイムズ・レヴァインが指揮をとりましたが,収録日が当該問題が浮上する前だったので,そのまま放映するのでしょう(12月5日の当ブログ参照) しかし,来年1月27日に収録予定のプッチーニ「トスカ」と 4月14日収録予定のヴェルディ「ルイザ・ミラー」は 誰か代わりの指揮者が振ることになるのは確実だと思われます
昨日,早稲田松竹で「ありがとう,トニ・エルドマン」を観ました この映画は,マーレン・アデ監督・製作・脚本による2016年ドイツ・オーストリア合作映画(162分)です
悪ふざけが大好きな父・ヴィンフリート(ペーター・ジモニシェック)と 外国でコンサルタントとして働く真面目な娘・イネス(ザンドラ・ヒュラー)の二人は性格が正反対で 関係はあまりうまくいっていない 長年飼っていた愛犬が死んだことから孤独な立場に追いやられたヴィンフリートは,仕事に追われるイネスを心配するあまり,カツラを被り入れ歯で変装してトニ・エルドマンという別人に成りすまして彼女の職場,レストラン,パーティー会場へと出没する 神出鬼没のうえ仕事の邪魔にもなるエルドマンにイネスは鬱陶しさを感じ イライラする しかし,衝突すればするほど お互いを認め合うようになり二人の仲は縮まっていく
ある時はドイツ大使に,ある時はコンサルティングと人生のコーチになるエルドマンは,ダサいスーツを着て変なカツラを被り,変な入れ歯をして現れ,だれにでも親しく話しかけます イネスの自宅でのバースディー・パーティーには毛むくじゃらの聖霊「クケリ」のぬいぐるみに入って現れます 最初は正体が分からなかったイネスは彼の跡をつけて父だと見破ります
自らのバースディー・パーティーを準備するイネスが,超タイトなドレスを懸命に着ようとして上手くいかず,ついに諦めて裸でゲストを迎えるシーンには思わず大笑いしてしまいました
とにかく可笑しい映画です.何回笑ったか分からないくらいです それでいて大笑いできない映画です 仕事中心の娘のことが心配でならない高齢の父親の気持ちが,ユーモアとペーソスにくるまれて表現されています
ドイツ大使に扮したエルドマンとその秘書にさせられたイネスが,パーティーで知り合っただけの婦人の家庭に押しかけて,エルドマンのピアノ伴奏でイネスがホイットニー・ヒューストンの大ヒット曲「GREATEST LOVE OF ALL」を歌います
「自分自身を愛せるようになろう それがなによりも素晴らしい愛 あなたが夢みていた場所が寂しい場所になってしまったら 愛があなたを力づけてくれる」
イネスの熱唱は,彼女自身への応援歌のようでした
イネスに「人生の意味は何か?」と問われたエルドマン(ヴィンフリート)は,
「義務に追われているうちに,人生は終わっちまう」
と答えます.これは女性のマーレン・アデ監督の「限りある人生,そんなに急いでどこへ行く? もう少し心に余裕を持って生きてみたら」というメッセージだと受け止めました 久しぶりに良い映画を観ました