人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

佐渡裕 ✕ 山川永太郎 ✕ キュウ・ウォン・ハン ✕ 新日本フィルでアルチュニアン「トランペット協奏曲」、フォーレ「レクイエム」他を聴く ~ 第28回すみだクラシックへの扉公演

2025年02月01日 00時04分43秒 | 日記

2月1日(土)。月日の流れは速いもので、2025年も2月に突入しました 今月は28日しかないので、「2月は逃げる」の格言通りあっと言う間に3月を迎えることになると思います

ということで、わが家に来てから今日で3672日目を迎え、米旅客機と米軍ヘリコプター衝突事故を巡り、トランプ大統領が30日記者会見し、「残念ながら生存者はいない」と述べたうえ、「民主党政権で進められた「DEI」(多様性・公平性・包括性)の推進が、航空管制官らの人材レベルの低下につながった」と批判した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     何の根拠もない批判を一方的に主張して 既成事実化するのは トランプの常套手段だ

         

昨日、夕食に「チキンステーキ」を作りました。久しぶりに作りましたが、柔らかく美味しく出来ました

     

         

昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィル「第28回 すみだクラシックへの扉」定期演奏会を聴きました    プログラムは①イベール「室内管弦楽のためのディヴェルティスマン」、②アルチュニアン「トランペット協奏曲」、③フォーレ「レクイエム 作品48」です   演奏は②のトランペット独奏=山川永太郎、②のバリトン独唱=キュウ・ウォン・ハン、ボーイソプラノ独唱=中田憲吾、合唱=栗友会(りつゆうかい)合唱団、指揮=佐渡裕です

     

1曲目はイベール「室内管弦楽のためのディヴェルティスマン」です この曲はジャック・イベール(1890-1962)が1929年に、劇作家ウジェーヌ・ラビッシュの戯曲「イタリアの麦わら帽子」(喜劇)のために作曲した劇付随音楽を、翌1930年に組曲のようにまとめ直した作品です ディヴェルティスマン=ディベルティメント=喜遊曲です 第1曲「序曲」、第2曲「行列」、第3曲「夜想曲」、第4曲「ワルツ」、第5曲「パレード」、第6曲「フィナーレ」の6曲から成ります

オケは左からヴァイオリン3,ヴィオラ2,チェロ2,コントラバス1という小編成。コンマスは崔文洙です 舞台下手にピアノの髙橋ドレミが控えます

佐渡の指揮で第1曲に入りますが、これからサーカスでも始まりそうな極めて賑やかな音楽が展開します 第2曲ではメンデルスゾーンの「結婚行進曲」がパロディで引用されます 第3曲ではチェロ、コントラバスの低弦とピアノが大活躍しました 第4曲ではフルートが良く歌いました 第5曲は元気溌剌な音楽が展開し、第6曲では穏やかなテンポから急速テンポへと急転換、喜劇のフィナーレに相応しい賑やかな音楽で締めくくりました 実に楽しい曲でした

2曲目のための編成替えの時間を利用して、佐渡監督が次のようなプレトークを行いました

「これまで、フランスのコンセール・ラムルー管弦楽団を17年、ウィーンのトーンキュンストラー管弦楽団を10年、首席指揮者・音楽監督として指揮してきました フランスのオケで初めてイベールのこの曲を取り上げた時、『これほど楽しい曲があるのか』と思いました 演奏後、イベールの娘さんが訪ねてきてくれて、演奏をとても喜んでくれたことを思い出します 後半はフォーレのレクイエムを演奏します 今年は戦後80年という節目の年に当たり、また、つい先日、小澤征爾さんと共に新日本フィルの創設に貢献された秋山和慶さんが亡くなられたこともあり、追悼の想いを胸に秘めながら演奏に当たりたいと思います

編成替え後のオケは12型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの新日本フィルの並びとなります

2曲目はアルチュニアン「トランペット協奏曲」です この曲はアルメニア生まれのアレクサンドル・アルチュニアン(1920~)が1950年に作曲、同年モスクワで初演されました 単一楽章ですが、続けて演奏されます

トランペット独奏の山川永太郎は青森市出身。尚美学園大学卒業。桐朋オーケストラ・アカデミー研修過程修了 第24回コンセール・マロニエ21金管部門第3位。現在、新日本フィル首席トランペット奏者を務めています

佐渡の指揮で演奏に入りますが、プレトークで「この曲、カッコいいんです」と語った通り スタイリッシュな曲で、独奏トランペットが縦横無尽に天翔けます 佐渡はプレトークで「山川君は新日本フィルが誇るトランペットの名手です 1年に1度は楽団の名手をソリストに迎えて演奏を披露したいと思っています」と語っていましたが、山川は超絶技巧により自由自在に名人芸を披露しました 終盤のカデンツァは圧巻でした

満場の拍手とブラボーに、山川はオーケストラをバックにバラード調の葛西竜之介「ソロトランペットと弦楽オーケストラのための間奏曲」を鮮やかに演奏、再び大きな拍手に包まれました

     

プログラム後半はフォーレ「レクイエム 作品48」です この曲はガブリエル・フォーレ(1845-1924)が1887年から翌88年にかけて作曲、1888年にパリで初演されました その後 フォーレは2度の改訂を行い、最終稿(第3稿)は1900年7月に初演されました   この日の演奏は第3稿によります。小室敬幸氏のプログラムノートによると、「フォーレは具体的な人物への追悼ではないと書き残しているが、1885年7月に父が、作曲中の1887年12月に母が亡くなった経験が無関係とも言い切れない」としています 第1曲「イントロイトゥス(入祭唱)とキリエ」、第2曲「オッフェルトリウム(奉献唱)」、第3曲「サンクトゥス(聖なるかな)」、第4曲「ピエ・イエス(慈悲深きイエスよ)」、第5曲「アニュス・デイ(神の子羊)」、第6曲「リベラ・メ(私を解き放ってください)」、第7曲「イン・パラディスム(楽園に)」の7曲から成ります

バリトン独唱のキュウ・ウォン・ハンは韓国・ソウル出身。米マンハッタン音楽院で学ぶ ベルヴェデーレ国際声楽コンクール、プッチーニ・アラネーゼ国際コンクールほか多くの受賞歴を持っています

オケの後方に栗友会合唱団の男女混声コーラス80数名がスタンバイし、ソリストのキュウ・ウォン・ハンが指揮者の傍らに控えます 2階正面のパイプオルガン席には室住素子がスタンバイします

オケは左からヴァイオリン8,チェロ6,ヴィオラ8,コントラバス3という変則態勢をとり、ある意味、ヴィオラ重視の態勢と言えます

佐渡の指揮で演奏に入ります 印象的だったのは、第2曲と第6曲でバリトン独唱を歌ったキュウ・ウォン・ハンの歌唱です 独特の艶と深みのあるバリトンで声が良く通りました 合唱も素晴らしく、特に第3曲と第7曲の冒頭におけるソプラノの透明感のある歌唱は特筆に値します また、第4曲でソロを歌ったボーイソプラノの中田憲吾君(小学3年生)はピュアな歌唱が印象的でした 満場の聴衆を前にパイプオルガンの傍らでソロを歌うのは、相当緊張すると思いますが、そのプレッシャーを乗り越えて最後まで見事に歌い切りました 素晴らしかったです

佐渡 ✕ 新日本フィルはソリストと合唱に寄り添いながら、永遠の安息を歌い上げました

満場の拍手とブラボーが飛び交い、カーテンコールが繰り返されました

     

     

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