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氷上のスポーツ、カーリングをやっています!カーリング以外のことも書くのでon-ice off-iceです!

ありがとう!チーム長野・・・

2009-11-10 01:54:15 | インポート

青森で行われたカーリングのバンクーバーオリンピック代表選考会の応援に行ってきました。

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世間一般がチーム青森を応援している中、私が応援しているのはチーム長野・・・。メンバーには東京で一緒に練習していた方、軽井沢でカーリングを教えてくれた方がいらっしゃって比較的身近な存在のチームなのです。

今回のオリンピックトライアルはチーム長野は日本選手権前年準優勝の立場での出場で、まず、今年準優勝の常呂高校と対戦して先に2勝すると勝ちぬけて、日本選手権2連覇のチーム青森と対戦します。ここで先に4勝するとオリンピックへの切符を手にしますが、チーム青森には実績から2勝のアドバンテージが与えられているので、チーム長野が勝ちぬけるには4勝1敗以上しなければならない厳しい条件になっています。

会場に着くと、人の多さにびっくり!カメラを抱えた報道陣も地元青森はもとより長野や北海道からも駆けつけて来ています。4列あるカーリングシートの1列にはスポンサーの広告が並べられ、壁には応援の横断幕が貼られていて緊迫感があふれています。

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私が観戦したのは対常呂高校の2戦目からでした。常呂高校は今年の日本選手権の決勝戦でチーム青森相手に最後の1投が僅かに届かずに敗れる際どい勝負をしたチームなので、油断できる相手ではありません。はたして常呂高校との2戦目は終盤に逆転されて、勝負は3戦目にもつれ込みました。私は長野からの応援団に応援用のシャツを借りて、プレートを持っての必死の応援をしていました。

その3戦目は延長戦になり、常呂高校はラストストーンを自分のチームのストーンに当ててハウス(円)の中心近くに押し込みました。チーム長野の1投が残っていましたが、前にストーンが溜まっていて容易に弾かれない位置に常呂のストーンはあり、勝ちを確信できる状態を作り上げました。しかし、チーム長野は錯綜するストーンの隙間を縫って、常呂高校のストーンを押し出す奇跡のショットで勝利をものにしました。

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翌日はチーム青森との対戦でした。会場はカメラマンが前日よりもはるかに多く、手前側のシートには発泡スチロール板が敷かれて、そこにテレビカメラが置かれていました。

チーム青森との1戦目は互いに1点ずつ取っていく緊迫した内容で進んでいきました。この均衡状態を破ったのはチーム長野でしたが、青森もすかさず追いついてくる展開。私は前日の応援グッズに加えてストーンの形をした帽子を被って応援していました。これがよく目立って、応援席を映すテレビカメラが私のところで静止するので気分良かったです。

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でも、試合の方は1点差で負けてしまい、チーム長野はあとがなくなりました。

昼休憩をはさんでのチーム青森2戦目はNHK総合テレビとBSで中継されるので、場内は満員でした。子供の応援団が盛んにチーム青森に声援を送っています。チーム長野のショットが決まっても拍手するのは我々の周りだけで、チーム青森のショットが決まると場内中からいっせいに拍手が聞こえる状態。それに後押しされたか、序盤でチーム青森が得点を重ね、チーム長野には苦しい展開になりました。長野は大量得点を狙ってストーンを溜めたいのですが、観客が多いせいか、湿度が上がり氷の表面には霜が立ってストーンが滑りにくくなり、止めたい位置にストーンが止められません。一方、青森は強いウエイトで長野が置いたストーンを次々と弾き出して、大量得点を防いできています。

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そんな、苦しい展開でもチーム長野の選手たちは淡々と試合を進め、ショットが決まったあとは笑顔さえ見せていました。ウエイトの調整が難しく、必死にスゥイープ(掃く)を繰り返し、息使いが観客席にも聞こえてくるほどでした。そんな必死にスゥイープしたにも関わらず、ストーンはハウス(円)に届かずに2点を失い、スコアが3-12になったとき、チーム長野は4人集まって相談・・・そして、チーム青森に握手を求めにいきました。カーリングでは試合の前後に握手をしますが、この場合の握手は自ら試合を終わりにするギブアップの合図なんです。。

チーム青森の勝利に沸き返るカーリングホールでチーム長野のメンバーは応援団の私たちに向かって最敬礼、何秒経ったか・・・なかなか頭を上げませんでした。試合中はどんなに苦しい展開でも落ち込んだ様子ひとつ見せなかった彼女たちでしたが、このときばかりは涙が溢れていました。

 そのあと控室の前で待っていたのですが、みんなマスコミにつかまってなかなか帰ってこられなくて、ようやく戻った一人は「ごめんなさい」を繰り返していましたが、こちらも掛ける言葉が見つからず、「ありがとう。よくやってくれたよ。。」と返すのが精一杯でした。ただ、ホントに必死でやっていたのは伝わってきましたし、追う立場には難しいアイスコンディションだったこともわかっていたので、この言葉は嘘やお世辞ではありません。

翌日、帰りの八戸駅でチーム長野のメンバーに会いましたが、元気を取り戻しつつある様子だったので少しほっとしました。今はゆっくり休んで、次の目標を決めて頑張ってほしいです。

コメント (2)
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