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六花亭のお菓子と襟裳岬

2022-08-14 16:22:34 | 日記・エッセイ・コラム
都内から出ずに終わりそうな8月、とりあえず北海道のお菓子をスーパーで買ってきました(*^_^*)


 花の包装紙で北海道のお土産の定番にもなっている六花亭ですが、本店は帯広にあります。学生時代、卒業寸前に春先の北海道を一周、就職先の仕事始めが早かった私は、釧路で友人たちと分かれて帯広へ寄り六花亭本店に行き、直営店限定の「シーフォームケーキ」を買いました。翌日は襟裳岬を回って静内の近く、新冠に泊まる予定でした。

 翌朝、帯広は土埃が舞う強風で、街角の飲み物の自販機の取り出し口のふたがバタバタと音を立てています。道東と違って雪はほとんど残っていません。帯広駅前のバス停からバスに乗り込み、まずは帯広と襟裳岬の中間にある広尾へ向かいます。北海道の都市に多い碁盤の目のように整備された帯広の市街地を過ぎ、のどかな景色の中を進みます。途中の大きなバス停で運転手さんに「広尾で襟裳方面に向かわれる方いますか?」と尋ねられました。私が答えると「遅れているので、乗り継ぎのバスに待っててもらいますので。」と言われました。順調に走っているように感じていましたが、遅れていたようです。
 広尾で、そそくさと急かされるように待ち構えていたバスに乗り、あとは乗り換えなしで襟裳岬へ行くことができます。海岸線に出ると、天候は悪くないのに海は荒れていました。もともと襟裳岬は風が強いと聞いていたし、ふだんからこんな感じなのであろうと、構わず進むバスに頼もしさを感じていました。ところが、左は海、右は断崖という険しい地形の中で風に煽られたバスの車体がセンターラインを大きく越えて反対車線に流されたあたりで、これは普通ではないのでは?!と思い始めました。道路の上の電光板には「黄金道路 強風注意」の表示が見えます。黄金道路とは昔ゴールドラッシュで賑わった道というわけではなく、地形の険しさ故に黄金を敷き詰めるほどの建設費が掛かったという痛烈な皮肉のこもったネーミングなのです。帯広から広尾への途中にあった幸福町も入植者が苦労ばかりするので捨て鉢になって名付けたともいわれています。ほかにも船で100人が遭難したという百人浜など、住む人にとっては辛い土地であることを地名が物語っています。

 強風に吹かれながらも、バスはどうにか襟裳岬にたどり着きました。しかし、バスを降りるといきなり強風が襲い掛かります。もう強風から身を守ってくれるバスはいません。私のほかに黒ジャンパーを着た旅人らしきの男性が一人バスを降りました。襟裳岬を目指すというので、いっしょに岬へ向かって歩きます。というより、強い追い風に押されて歩かされるように灯台のある岬まで進みました。そこで写真を撮ると、黒ジャンパー氏は「帰りのバスがあるので」と、小走りに元のバス停に戻って行きました。岬で写真を撮るためだけに何時間もバスに乗ってきたのでしょうか。私が乗るのは、今来た方向とは逆の様似へ向かうバスで、時間に余裕があるので岬で海を眺めていました。岬の先は波で岩礁が見え隠れしており、沖の方まで白波が立っていて、見方によっては数日前に眺めた流氷のように真っ白な海見えました。鴎も風に煽られて飛んでいるのか飛ばされているのか、わからない状態でした。
 いざ、バス停に戻ろうとすると、今度は向かい風で思うように進めません。たまたま通りかかった乗用車が見かねて止まってくれました。とにかく乗ってと言われ、乗り込みました。「こんな風の中、どこへ行くの?」と尋ねられ、「様似です。バス停がすぐそこにあるのでそこでいいです。」と私は答え、車なら1分とかからないバス停でお礼を言って降りました。様似なら1時間以上かかるので、仮にこの車が様似に行くとしても遠慮する距離です。バス停は大きめの小屋で、扉も閉まるので風を凌ぐことができてありがたかったです。中には私と同年代のカップルと同年代の男性ひとりがバスを待っていました。バスの時間まで余裕があったので、近くの商店でパンを買ってバス停で食べました。

 ところが、時間になってバスは来ません。風で遅れているのだろうと思いながら、待っていたのですが、既に予定の時間を30分を過ぎています。さすがにこれはおかしいということで、カップルのふたりがバス会社に電話を掛けにいくことになりました。間もなく、戻ってきて女性の方が「風速30メートルを超えたのでバスは動いていないそうです。」と、言いました。
 で、どうするか。とりあえずヒッチハイクして様似方向を目指すということになりましたが、ふつうに考えて4人を乗せてくれるような車が都合よく通ってくれるとは思えないので、カップルと男性2人に分かれることになりました。
 車は思ったよりも通るのですが、手を振ったところでなかなか止まってはくれません。手を振る我々を見てスピードを上げる車もいます。やがて、通り過ぎた車窓から先ほどのカップルが手を振っているではありませんか!乗せてくれる車もあると認識し、再び来る車ごとに手をふり続けました。

 何台やり過ごしたか、ようやく1台の車が止まってくれました。子供を一人乗せたママさんで、「様似の方へ行きたいのですが、バスが風で止まってしまっているので途中まででもいいので乗せていただけませんか」というと、「様似は無理だけど、途中までなら」と乗せてもらえることになりました。子供さんも「様似まで遠いよ」と言っていました。恐縮しながら車に乗り込み、襟裳岬をあとにしました。

 30分ほど走ったところにある襟裳町バスターミナルで「ここからならバスが動いているはずなので」と降ろしてもらいました。「ありがとう。助かりました。これ食べてください。」と六花亭の包を渡すと、「なんも、なんも」と遠慮しながらも、「自分でつまみ食い用に買ったものですから」と、受け取ってもらいました。降りたあと、車を見送るとバスターミナルのロータリーを回り、今来た方向へ走り去って行きました。わざわざ我々を送ってくれていたのです。お礼しておいてよかった~。
 あれから襟裳岬に行く機会はありませんが、今でもそのお菓子を見ると襟裳岬でのハプニングとありがたい出逢いを思い出します。
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