タバコをくゆらせ、いつも長い時間椅子に坐って、
参拝する人たちを眺めている。
そびえる岩、ポロリと落ちはしないかと思わせる、
巌の上に坐っている岩に食い込むような榛名神社の双竜門。
社殿は関口文治郎、上州花輪彫刻集団の異才。
海老紅陵をの龍が、彼の最後の仕事。
のち、1856年、文治郎の師、石原吟八の門人、小林源八の息子、
小林源太郎(長谷川源太郎)が、
双竜門の龍を彫った。
その源太郎が、最後の仕事になったのが、
高崎市箕郷町生原にある「北野神社」
箕郷の鳴沢湖の近く、原山の大工棟梁清水和泉と、
双竜門を仕上げてまもなく、そのままコンビを組んだの。
小林源太郎は、北野神社を仕上げた1861年、
熊谷宿に戻り、越後で彫物大工になって名を挙げた、
倅、小林丑五郎には会えず、近所の皆に看取られる、
63歳。
まだ活躍できた年齢でもあった筈。
小林源太郎、最後の作品、北野神社。
季節が違う、今は秋、でも山ツツジ。
写真 2018.10.8 榛名湖&箕郷町