砂防林を再建する為に、砂丘の海岸側に住む、酒田市浜中地区の
10軒の家が移転しなければならない時期の一枚の写真。
1960年、
砂浜に埋もれそうな天井、やぶき屋根の天井から降ってくる
砂の下で食事の為に番傘をさしだしている女性。
現代文学の鬼才「安部公房」は
青森県へ向かう汽車の中で、週刊誌のグラビアを見て、
たちどころに、目を奪われたという。
この地に降りたとき、グラビアは現実だと驚きに変わった。
「砂の女」の筋書きは一瞬で出来上がったという。
そのモデルの砂丘が下の写真。
「庄内砂丘」山形県酒田市浜中。
ただこの写真は2008年1月13日のたぶん「読売新聞」に掲載されたもので、
モデルになってから48年後の写真。
別件の資料を探しているときに、ひょんな場所から見つけた切り抜き。「砂の女」はひっそりとした漁村の風景。
昆虫採集で訪れた男は、砂の中に埋もれていく。
掻いても、掻いても砂の中から抜け出せない。
食事をつくり始める女。
男を監視する集落の人々の目。
男の、ただひたすら、砂を掻き上げる理由は、
渇いた砂の中の家から脱出。
砂の中の家を守る為に男を食い止める女。
男の脱出を妨害する集落の人々・・・との日々。
渇く喉に、留水装置の研究を始めた男は、装置の出来具合に夢中になり、
やがて、砂の家からの脱出が薄れていく。
装置の情熱は男に希望を与え、
「逃げる手立ては、明日考えれば、いいではないか・・・・」と思い始める。
砂の中で、留水作りに精を出した、昆虫採取に出かけた学校の教師。
7年後、男を待ち続けた妻に下った「失踪宣言」の認定。
「罰が無ければ、逃げる楽しみは無い・・・」と観念して、砂の家になじんだ男。
監視されつづける生活、息が詰まる思いは容易ではない。
下の記事は、最近の記事ですが。
私は、四六時中何処でも「監視」される訳で、都会の砂漠から逃れられず、
こんな環境で生き続け、僅かだが希望を持つためには、
かすめた金は、生涯博打に使い果たしたという
「鼠小僧」のような
抜け目ない、はしっこさと図太さだけは
見習うべきかも・・・・・?
カーテン開ければ、強い陽射し・・・
てな・・わけで・・・・・。
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