toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「ゆれる階」 村松友視

2022年11月07日 | 読書日記
著者の自叙伝(?)。

雑誌に連載していたものを書籍化したということで、(多分)一回分が1章になっている。
そのせいで、章の冒頭が前章のおさらいだったり、同じ内容が何度も書かれていたり・・・。
本にまとめるときに、見直して欲しかった。

祖父の村松梢風(本名:義一)のせいで複雑な家庭環境で育ったと言うことが分かった。



河出書房新社
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「孤立宇宙」 熊谷達也

2022年11月06日 | 読書日記
2冊続いて厚い本。だけど、どちらも面白くて長さは気にならなかった。

先日読んだ青羽悠の「幾千年の声を聞く」ではアシュアという名のシステムに人間が管理されていたけれど、こちらでもデウス、そしてツクヨミが管理(と言って良いのか?)している。
コンピュータが人間を管理する世界っていうのは、50年も前に星新一が書いていたけれど、流石に同じ状況設定でも洗練されてきた。

この物語はツクヨミの中で意識だけが生きてると言う設定で、リアリティを持たせるために色々理屈をこねくり回して、後半では量子力学的な解釈も入れている。
小学生のようにまだ知識が少ない人やあまり深く考えない人には多少説得力が有るのかも知れないけれど、逆に余計嘘っぽくなってしまってる。
もともとフィクションなんだから、余計なことは言わずに「そういうもんなんだ」という方針で行った方が良かったと思う。

ちょうど半分くらいのところで物語が急展開する、と言うかそこまでが前振りでそこから本題が始まるけれどあっという間に終了し、第2部でまた新しい展開になる。
第2部もスリリングな物語が繰り広げられて読み応えたっぷりだけど、アルマゲドンと同じ展開の上最後がちょっと。。




講談社
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「過怠」 谷村志穂

2022年11月03日 | 読書日記
読んでいてなかなかテーマが見えてこないが、第二章の終わりくらいからようやく見えてくる。
でも年号に注目して、プロローグの固有名詞に注意をはらって読んでいたら、登場人物が出そろった段階で気づけていた・・・。
家族とは、生物学的な親子と現実的な親子・・・、科学技術の発達とともに新しい問題も登場する。
色々と考えさせられる一冊。

宮本菜々子が親子鑑定を行う場面で、DNAの解析場面の描写はどうしてそこまで?って言うほど詳しく書いてあるのに、15座位の説明はほとんどないし、肝心のSTRには全く触れていない。
私は以前仕事で人物同定用のDNA解析装置を開発したんで理解できた(と言うか知っていた)けど、専門外の人には理屈が分からないんじゃないかな。。





光文社
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「幾千年の声を聞く」 青羽悠

2022年11月02日 | 読書日記
先日読んだ宇佐美まことの「ドラゴンズ・タン」と同じような構成。
こちらは同じ場所で時間が経過した物語が5篇が章とされている。
それぞれの物語は微妙な関連を持っているものの基本的には独立した内容になっている。
各章はどれも面白く読めるけれど、最終章は完結させるという制約のせいか他に比べるとイマイチ。
そしてほぼ予想通りのエピローグ。

壮大なスケールの物語で、最後のオチも良くできていたけれど、読み終わった充実感はあまりない。
「木」に拘り過ぎた設定のせいかも。






中央公論新社
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