「自分の師匠を幽霊だと思った」 マルコによる福音書 6章45~52節
イエスさまが「湖の上を歩いた」という物語が記されています。別の箇所には、イエスさまが福音を宣べ伝え始めるにあたり、40日間、荒野で過ごされたことが伝えられています。そのとき、悪魔から「空を飛んだり、石をパンに変えたりする奇跡を通して人々を信じさせたらどうか」と試みを受けました。イエスさまは、奇跡によって人々を信じさせるという方法を拒絶し、悪魔の試みを退けられたことが記されているのではないかと思います。ですから、この物語は、イエスさまが湖の上を歩いて奇跡を見せた、というような、奇跡に注目を集めさせるような物語ではないように思います。
この物語の最後には、「弟子たちは心の中で非常に驚いた。パンの出来事を理解せず、心が鈍くなっていたからである。」と記されています。パンの出来事とは、この物語の前にある「五千人に食べ物を与える」という物語のことです。弟子たちは、何でも自分たちの力で頑張ろうとしました。イエスさまと共に働こうという思いを忘れてしまったとき、5つのパンと二匹の魚は、弟子たちにとって何の役にも立たない、小さなものでしかありませんでした。そんな弟子たちの目には、イエスさまが幽霊に見えたというのです。イエスさまは、今も決して幽霊ではありません。私たちと共にいてくださり、共に働いてくださるお方であることを信じる者でありたいと思います。