和歌山電鐵は和歌山ー貴志間を結ぶローカル鉄道です。南海電気鉄道貴志川線として運転されていましたが、存廃問題を経て岡山の両備グループの岡山電気軌道を親会社にして和歌山電鐵が設立され、10年前の2006年に再出発をしました。経営はかなり厳しいものですが、JR九州の車両デザイナーの水戸岡鋭治氏デザインの車両や、貴志駅の猫駅長たまの存在もあり、観光客の利用も増え経営もうまく軌道に乗っています。その和歌山電鐵に久々に訪問してみました。
今回のおめあてはこの「うめ星電車」。和歌山の梅干しとうめ星をかけています。このうめ星電車。社長の小嶋氏の発案で、和歌山県の代表的名産梅とJR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」をかけたもので、「うめ星電車で紀州梅、南高梅が世界一になるように」というメッセージが込められています。このアイディアを水戸岡鋭治氏に提案すると「そのアイディア、やられた!」と笑って引き受けてくれたそうです。どんな塩梅に仕上がったのか見に来た次第です。
ななつ星は黒一色の光沢のある車体ですが、こちらは光沢のある梅干し色。水戸岡デザインに見られるレタリングもふんだんに使用されています。
ななつ星でも見られる格子状の木の窓枠。車内はふんだんに木が使われています。まだ登場して間もないことから木の香りが車内に漂っていました。
窓の日よけはすだれ。この辺りもJR九州のテイストが感じられます。ちなみにこの車両はすだれでしたが、前の写真の車両の日よけはなんと和紙を使っています。汚れる、壊されるのが当たり前の電車で和紙を使うとはかなり大胆です。でもそれだけ和歌山の人たちが大事に電車に乗ってくれているからこそできたのでしょうね。
この日はうめ星電車の他に、いちご電車が走っていました。おもちゃ電車は日中に車庫に入庫、たま電車は終日車庫に入庫でした。が、伊太祈曽駅では見える位置に留置されており、下車した乗客がシャッターを切っていました。うめ星電車の旅を楽しみながら貴志駅へ。
貴志駅は猫型ロボットならぬ猫型駅舎に改装されており、いまや和歌山県の重要な観光スポットになっています。この日も大勢の観光客が電車に乗って訪れていました。初代たま駅長がデザインされた駅です。もちろんこの駅舎も水戸岡鋭治氏がデザインを担当されています。
こちらはたま二世駅長のニタマ駅長。駅長室で寝ていました。
寝ているのかと思って反対側に回ってみると、起きてました。ニャンダヨ〜!?とばかりに睨まれてしまいました。
暑かったので涼しいたまカフェでアイスコーヒーを飲みしばし休憩。カップにもたまがあしらわれていました。
初代たまスーパー駅長は2015年6月に永眠。現在は貴志駅でたま大明神となり、和歌山電鐵を見守っています。そしてたまは名誉永久駅長に任命され、和歌山電鐵の代表者に名を連ねています。