円谷怪獣は予算の関係から着ぐるみを改造して使用するケースが
多々あるわけで最も有名なのはフランケンシュタイン対バラゴンで
使用されたバラゴンの着ぐるみがパゴス-ネロンガ-マグラ-ガボ
ラと首を挿げ替えながら使い回された事だろう。
他にはベムラーがギャンゴに、レッドキングは一旦首を挿げ替え
青く塗ってアボラスにして再びレッドキングとして使用されている。
一方で既存の着ぐるみをそのまま使用し名前だけ変えたのがペギ
ラ-チャンドラーやガラモン-ピグモンにテレスドン-デットンら
だが、特にテレスドンがかっこよかっただけにデットンでは着ぐる
みの劣化が激しく当時の子供達をガッカリさせていた。
これら同じ着ぐるみの怪獣は活躍した方のイメージが強く多々良
島でレッドキングと戦って翼をもぎ取られたチャンドラーより南極
や東京を襲撃したペギラの方がインパクトが強いし、2度目の襲撃
で東京タワーを破壊したものの電子頭脳からの電波を遮断されると
活動を停止したガラモンより等身大ながらレッドキングや2代目ド
ラコから人類を守ったピグモンの方が印象は強い。
そんな中ウルトラマン最終回で岩本博士に成りすまし科特隊本部
を中から破壊していた宇宙人はケムール人の着ぐるみを使っており、
当時の文献にも名無しだった事から‘ケムール人がゼットンを運ん
で来た'などと子供時代は話していた。
ところが朝日ソノラマのファンタスティックコレクションあたり
の本には、その星人の名前が‘ゼットン星人'と呼称されていたので
驚いたし`何がゼットン星人か!ケムール人やろう'と友人達と言って
いたのを覚えている。
その後ケムール人は90年代に入ってサントリー・アイスジンの
CMで森高千里と共演するなどメジャーだったが、05年のウルト
ラマンマックスでゼットン星人が復活してゼットンはおろかキング
ジョーまで操る形だった事からゼットン星人の方が有名になった。
その後ゼットン星人は劇場版の大怪獣バトルシリーズなどに登場
しているのに対しケムール人は深夜番組であるウルトラゾーンでの
レギュラー出演ぐらいしかないので、少なくとも平成生まれの子に
するとケムール人の姿を見るとゼットン星人と言ってしまうのでは
ないだろうか。