小林至と高塚猛を同列に語る事なかれ

 今月の半ば夕刊フジに元ホークスの取締役だった小林至氏の連載
が掲載されていたので読んでいたのだが育成枠を利用して3軍を整
備したりした事などが記されるなど、なかなか面白い内容で氏の存
在なくして現在のホークスはないと実感するものだ。

 小林至というと30年前に東京大卒でマリーンズに入団し大いに話
題になったのだが、残念ながら選手としては通用しなかったものの
引退後にこういった思い切った事をできる存在になったのだから正
しく適材適所といったところだろう。

 ただ日本球界では現役時代の実績がモノを言う世界で、小林氏の
ような現役時代の実績がないにも拘わらず進歩的な事を言う人材は
決して評判がよくないのが実情だ。

 だからか一般のファンの中に杉内俊哉とケンカ別れした事だけを
理由に評価しない人が多数いるのも事実で、あろうことか工藤公康
や小久保裕紀を追い出した高塚猛と同じ存在と見る人がいるのは大
いに残念だと思う。

 そもそも杉内がFA流出したのは氏が導入した前年の活躍をベース
にした球団独自の査定方法を嫌ってのもので、特に斉藤和巳や松中
信彦ら長年ケガが原因でリハビリ続きの選手達の年俸を大きく削減
した事について不満を持っていたと思われる。

 もっとも杉内はFA移籍した時の条件で‘引退するまでジャイアン
ツにいられる保証’を求めており、安定感を求めるタイプなので成
果報酬型査定システム自体を嫌っており先述した‘FA宣言したとこ
ろで…’発言がなくても流出していた可能性は高い。

 一方で工藤公康に‘君の登板日は客の入りが悪い’や小久保裕紀に
‘君のグッズの売れ行きが悪い’発言をした高塚猛のコメントは完全
に彼らを追い出すための口実で、実際に工藤がFA移籍した直後に‘
来年37歳になる工藤に3億やるよりも若くて将来のある田中総司
や広田庄司らに金をかけた方がいい’的な発言をしていたし自分に
苦言を呈する小久保を嫌っていたのも有名な話。

 つまり当時のホークスの投打のリーダーを世代交代などを口実
に放出しチームを弱体化させた高塚と、結果的に杉内は流出させ
たもののチームをここまで強化した小林氏を同列に扱うスポーツ
紙の程度の低さがファンの誤解を招いているのではないだろうか。

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