昨日テキサスのダルビッシュ有がMLBで3度目の先発でデトロイトで6回1/3
を2安打1失点の好投、チームも10-3で勝ち2勝目を挙げた。
四球が5と多かったもののMLBを代表する強打者のミゲル・カブレラやプリンス
・フィルダーをノーヒットに抑えたのだから素晴らしい出来だったわけでTV中継も
安心して見られたのだが、一方で心地よかったのは小宮山悟の解説だ。
マリーンズ時代から現ボストンの監督であるボビー・バレンタインお気に入りの
投手でNYメッツでのプレーしているし、かなりの理論派で頭もいいタイプだった。
NHKのMLB中継を見ていて最もフラストレーションが溜まるのがMLBの試合
を日本野球の基準で語る解説者。
もはやMLBの‘ベースボール’と日本の‘野球’とは かなりの違いがあるという
のは素人の視聴者でも分かっているわけで、それも無視して日本野球のセオ
リーが一神教の如く正しいと主張する解説者が多いのには閉口する。
横浜の中村紀洋がLA時代に2点リードをしてノーアウト1・3塁の場面で3塁
正面に強いゴロが飛んできてホームに突入した3塁ランナーをバックホームで
刺したところコーチから‘1点やっても5-4-3の併殺を取るべき’と注意された
という話があった。
つまり‘ベストスコアは8-7’という価値観で試合をするMLBではサヨナラ負け
するピンチでもなければ1点と引き換えに確実にアウトカウントを増やすべきと
いう文化だ。
にも拘らず‘次の1点が流れを変えるのだからクリーンアップといえども前進
守備を敷くべき’とかノーアウト2塁で首位打者の2番に対し‘ビッグゲームで
先取点がモノを言うのだからバントで送るべき’などと主張する解説者が呆れる
ぐらい多かった。
その点MLB経験者である長谷川滋利や小宮山悟らは間違っても そんな解説を
しないので安心して聞く事ができる。
民放に比べて潤沢な予算を持っているNHKなのだから日本のプロ野球とMLB
とは違う解説者を、仮にMLB経験者以外を起用するなら前記したような‘常識’
を持った者に解説させるべきだろう。
やはり解説は現役時代の実績よりも いかに解説する競技を勉強しているかが
大事で、自分の現役時代の実績をひけらかす場ではないのだから。