怪奇大作戦は変身ヒーロー不在の作品だから当然のようにSRI
の隊員達が主役になるわけだが、美女と花粉では女性隊員の小川
さおりが主役として活躍する。
犯行がマニキュアを使っている事に気付いたり犯人の特定をし、
尾行して犯人の友人を装い屋上の熱帯植物園に忍び込むなど最後に
囚われるのは減点かもしれないが堂々たる活躍だ。
さおりは基本的に的矢所長の秘書的な存在で普段はコーヒーを入
れたり連絡員というバックアップ的な任務をしているのだが、かま
いたちでは野次馬達の写真撮影をして犯人特定の手がかりを作った
し最後は囮として危うくバラバラ殺人の被害者になるところだった。
怪奇大作戦の26話全体を見てみると隊員個人が主役的な働きを
している回数では主役格の三沢と牧が多く、さおりや野村に的矢所
長は1回づつという形になっている。
ちなみに三沢は5回なのに対し牧は7回と当初の主役格・三沢を
差し置いて牧の回数が多いのだが、実は三沢の主役回が前半に多い
のに対し牧は後半に多いのが特徴でシリーズの性格が陽性の三沢よ
り陰性の牧の方に合っているという証拠だろう。
当初 牧は主役格の三沢のブレーキ役という感じで特に恐怖の電話
では目撃者の滝口麗子を追い詰める形で犯人を特定するには手段を
選ばず的な捜査をするなど、MATにおける岸田隊員のような立ち位
置だった。
とりあえず光る通り魔では燐光人間となった山本信夫に対する思
い入れの強さが目に付く形ぐらいだったのだがオヤスミナサイでは
事件に巻き込まれたし24年目の復讐では自身の生い立ちを辿るよう
な内容で、かまいたちでは執拗に犯人と特定した小野松夫に拘り続け
て狂鬼人間では犯人の美川冴子の手によって脳波変調機にかけられ
るなど完全な主役的な存在になる。
こうしてみると怪奇大作戦という作品の性質から徐々に主役格が
三沢から牧に移って行ったというのが分かるだろう。