ポルトガルの初優勝で幕を閉じた今年のUEFA EURO 2016が
終わって早くも1週間が経つ。
今年のEUROを見ていて改めて思ったのは、結果を残した国は
攻撃的に行くのが厳しければしっかり守るという戦術の切り替
えを行なえる事。
ポルトガルといえば中盤の鮮やかなパス回しがお家芸だったが、
それゆえ勝つ時は鮮やかな勝ち方をする反面 負ける時はカウンタ
ーを喰って失点しという強さともろさを併せ持つチームだった。
ところが今大会は決勝トーナメントに入って守備的な戦術に切り
替えただけでなく決勝のフランス戦など‘これがポルトガルの試合
か'と言うような試合運びが印象的で、従来の戦い方では絶対に
優勝できなかっただろうと実感するものだ。
対照的なのがジーコやアルベルト・ザッケローニが率いていた時
の日本代表で常にボールをキープし華麗なパス回しで相手を崩して
いく攻撃サッカーを旗印にW杯を戦ったものの、いずれも1分2敗
と1勝もできずにグループステージ敗退しただけでなくシード国の
ブラジルやコロンビアには大敗を喫した。
特にブラジルW杯でのザック・ジャパンは1年前に行なわれたコン
フェデ杯でブラジル・イタリア・メキシコ相手に3連敗したものの、
それを反省する事もなく‘自分達のスタイル’に拘ってW杯に臨んで
勝てなかったわけだから罪は重い。
日本はアジア予選では基本的にトップシードのため‘強者のスタイ
ル'で戦えるもののアジア予選を通じて積み上げたスタイルがW杯本
大会では使えないというジレンマを抱えているし、パスをつないで崩
すというテクニカルなスタイルを選手達だけでなくマスコミも大好き
なので切り換えをしようとしても批判を浴びるケースが多い。
もっともアジアの格下チーム相手に守備的な戦いをするわけには
いかないわけで、本大会で守備的な試合をするにはアウェーで試合を
積む必要があるだろう。
ちなみに02日韓大会や10南アフリカ大会では‘守備的’といわれた
スタイルで臨みグループステージ突破という結果を残しているの
だから、しっかりと守った上でどうやって得点するかというオプ
ションを1つでも多く作るというのが日本代表が世界で活躍する
ための課題だろうしハリルホジッチ監督にはそういう部分を期待
したい。