新宿コマ劇場の思い出

　新宿歌舞伎町にある新宿コマ劇場が今年一杯の12月31日で閉館に
なるらしい。
　私自身は2度ほど行っているので、閉館と聞いて感慨深いものがあった。

　最初は高3だった81年の夏休みに榊原郁恵主演のミュージカル・ピーター
パンを妹と一緒に叔母さん達に連れて行ってもらった。
　この時は祖父の古希祝をやるのに上京、最初の夜は古希祝の宴会
だったが母親の弟である叔父さんたちに‘どこに行きたい？’ と聞かれ
私は当然‘神宮球場のスワローズ対ジャイアンツ戦’ とリクエストし、
妹がピーターパンをリクエストしたのだ。

 　私も榊原郁恵は好きだったので、生の郁恵ちゃんを見られるのは
大いに楽しみだった。
　そして最初に榊原郁恵が舞台に現れ生で見た時は大いに感動した。

 　榊原郁恵だけではない。
　ウエンディの香坂みゆきやバーゲンの木の葉のこ ら普段TVでしか
見た事のない人達を生で見る事ができて夢中になった。
　当然のようにパンフレットだけでなく、帰りにはピーターパンの榊原郁恵
メドレーのレコードLPまで勢いで買ってしまった。

　帰宅してから妹と毎日のようにピーターパンのLPを聞いていたのは
言うまでもない。
　とにかく生の榊原郁恵を見て、本当のファンになったのだ。

　それから19年後の00年に女房と上京し、東京ディズニーランドなど
回って帰る日に再び新宿コマ劇場に2人で行った。　

　それが安達祐美主演のオズの魔法使いだった。

　女房も喜んでくれて思い出になる作品だった。

 　博多座ができるまで、福岡では本格的な劇を見る機会がなかったので
新宿コマ劇場で見た2つのミュージカルはインパクトが強かったし、それを
演じる舞台装置も相応しいものでなければならない。
　だからこういう伝統のある劇場が閉館するというのは時代の流れだから
仕方ないのだろうが、妙に寂しいものがある。