ウルトラセブン42話・ノンマルトの使者が印象深い要素の1つと
してノンマルトのテーマがある。
以前も記したようにセブンでは39話のガッツ星人編から新たな
BGMが追加されており、3曲にわたるガッツ星人のテーマやポイン
ターの疾走テーマなどと一緒に作られていたようで哀愁感漂うオ
カリナの音色が印象深い。
劇中でノンマルトの使者ともいえる真市少年がオカリナで奏で
ていたテーマだったのだが、そのオカリナはダンに自らの訴えを
聞いてもらえない事から怒りに任せて岩に叩き付けて壊されてし
まう。
これがラッパのような楽器ならカランカランと音を立てて凹むぐ
らいだろうが、岩場に叩き付けられて粉々になったオカリナがダン
とノンマルトとの会談の決裂を意味している感じだ。
本来ならばノンマルトのテーマはガッツ星人のテーマ同様にこの
EPのみ使用と思われたのだが、次作・第四惑星の悪夢でもロボット
長官から打擲される女秘書・アリーや人間居住区にダンとソガを匿
う事をアリーが懇願するシーンでも使用されている。
考えてみれば第四惑星では先住民族の人間がロボットに支配され
ているわけで、このテーマは虐げられし者というイメージだったの
だろうか。
それから3年後の帰ってきたウルトラマンでは25話のザゴラス編
で‘じゃみっ子’と呼ばれて蔑まれている六助少年のテーマとして
使用されただけでなく、帰ってきたウルトラマンだけでなくウルト
ラシリーズ史上最大の問題作・怪獣使いと少年でも使用されており
凄く印象深いテーマ曲になっている。
共に虐げられている者の哀愁をテーマにしているわけでノンマ
ルトの使者や怪獣使いと少年のようにシリーズを代表する問題作で
使用されているし、ウルトラマンメビウスで怪獣使いと少年の後日
談とも言える怪獣使いの遺産で音楽を担当した佐橋俊彦はノンマル
トのテーマをモチーフにした曲をこのEPのみに使用しているのを
みてもノンマルトのテーマは欠かせないと思うのだ。