恩人は攻撃できない?

 ウルトラシリーズ最初のニセキャラであるザラブ星人が化けたニセウル
トラマンが宇宙局の傍に現れ、街を破壊しているという報を聞いたムラマツ
キャップは‘例えウルトラマンといえども、この地球上で暴力を振るうもの
とは戦わなければならない’と毅然と攻撃命令を出した。

 一方でウルトラマンガイアのEP27・新たなる戦いでジオベースのコンピュ
ーターに侵入したクリシスゴーストが金属生命体の破片からニセガイアを
作り出す。
 XIGはファイターチームに攻撃命令を出すが、クロウやライトニングの
メンバーは逡巡するシーンが印象的だった。

 実は謎の円盤UFOという海外ドラマで‘宇宙人フォスター大佐’という
EPがある。
 防衛組織SHADOのリフレッシュ施設を宇宙人から襲撃され幹部のフォス
ター大佐が拉致されるのだが、大佐が乗せられていると思われるUFOを
撃墜せよという命令を受けた戦闘機・スカイ1は逡巡し外してしまいUFOを
取り逃がしてしまう。

 命令を下した司令官は‘ダメージを受けて速度が落ちているUFOを赤外
線誘導装置のあるミサイルで何で外した’と激怒するシーンがあった。
 ストレーカー司令官は冷徹でコンピューターのような男というキャラ。
 フォスター大佐をスカウトし彼の能力を最も知っているし、大佐が洗脳
された時も最後まで彼を立ち直らせる事に尽力したぐらいだから誰よりも
大佐の存在を大切に思っている。
 しかし敵に捕まって利用されると組織の機密を知っているだけに、防衛
任務に支障が出ると判断しての命令だ。

  ところが一緒に戦ってきたスカイ1のパイロット・ウォーターマン大尉や
月面基地のクルー達は、心情的に大佐の命を奪う事には同意できない。
 これは指揮官と現場で戦う人間の立場の違いからきている。
 サンダーバードを製作していた21世紀プロが作った この作品はリアリズ
ムを追求しているので、こういうシーンが多々ある。

 ファイターチームで最も撃墜されガイアから助けられるケースが多かった
大河原が特に逡巡するシーンは確かに理解できる。
 やはり一緒に戦ってきた人間として仲間を攻撃するというのは頭では
分かっていても本能的にブレーキがかかるものだろう。

 そこに付け込む根源的破滅招来体の一部・クリシスゴーストは力攻め
してくる敵以上に強敵なのかもしれない。 

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