具志堅用高の防衛新記録達成から40年経ち

 今から40年前の今日80年6月1日に高知県民体育館で行われた
WBA:Jフライ級タイトルマッチで王者の具志堅用高は、1位の
マルティン・バルガスを8RでKOしJフライ級の防衛記録を塗り
替える12度目の防衛に成功した。

 フライ級時代に3度の世界挑戦記録を持つ強打のバルガス相手と
いう事から慎重なペースで試合は始まり3Rに左を貰うものの、こ
れが唯一の被弾で逆にスイッチが入った具志堅が一方的に打ちま
くり一気にペースを握る。

 そして5Rに左ストレートで最初のダウンを奪うと8Rにワンツー
でコーナーに追い立て連打でダウンを奪うと、立ち上がって来た
ところに右フックでダウンを追加し更に連打でレフェリーが止め
た。

 挑戦者のバルガスはフライ級時代に14度防衛したミゲル・カン
トに2度、WBA王者ベツリオ・ゴンサレスに1度挑戦し敗れている
ものの特にカント初戦は際どい試合を展開していた。

 58勝41KO5敗3分という驚異的なKO率を誇り13連勝で世界ラン
ク1位に上昇して挑戦して来たわけで、防衛新記録を狙うのに‘よく
もまぁ危険な相手を’と思ったものだ。

 基本的に具志堅はタイトル奪取以来5度目の防衛戦から奇数回に
1位相手の指名試合を行っていたのだが、前回はWBAとWBC共に1
位だったイラリオ・サパタがWBCに行ったため選んだ金龍舷に手
こずった事から強打のバルガス相手は大変だと考えたのだ。

 このバルガスは来日してから連日コーラを30本も飲むという奇
行を演じるなど、かなり不気味な雰囲気を醸し出していた。

 しかし具志堅は相手の強打をかわしながら強打を打ち込むとい
うクレバーなスタイルで、以前ならムキになって打ち合う場面も
3Rなど自ら矛を収めていた。

 ジョー小泉氏によると常に猛烈なラッシュ攻撃を見せていたファ
イティング原田がジョー・メデルに負けてから足を使うアウトボク
シングを修得しメリハリを付けるようになったおかげでエデル・
ジョフレに勝てたし、フェザーに上げると一発強打型になるなど
歳を取る毎にスタイルが変わって行ったと語っていたように具志堅
も前回の防衛戦から相手の出方を見極めて慎重に戦うスタイルに
なっていようだ。

 確かにファン・グスマンをKOしてタイトルを奪取してから4年が
経つので年齢も重ねているから、その頃のようなスタイルでは無理
だというのが分かる。

 逆に言えば80年に入ってからのような戦い方をしていれば20回ぐ
らい防衛できるのではと思ったのだが、意外な事に破局はすぐそこ
まで近づいていた事に誰も気づかなかったのだ。

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