セオリーは変わる

 今から40年前のサラエボ五輪スピードスケート男子500で優勝
候補筆頭だった黒岩彰だが、4組目のアウトコーススタートを引
いて10位に終わったのに対し得意のインコーススタートを引いた
北沢欣浩は銀メダルを獲得した。

 スピードスケートの500はインコースとアウトコースが入れ替わ
るバックストレートでトップスピードになるといわれ、その状態で
大きなカーブを曲がれるインスタートが有利と黒岩彰の現役時代に
いわれてきたのだが近年はむしろアウトスタートの方が有利といわ
れ始めており驚かされる。

 これなどセオリーが変わった典型的な例だろう。

 アウトスタートを得意としていたのが長野五輪の金メダリスト・
清水宏保でロケットスタートといわれる最初の100mのダッシュ力
が素晴らしく減速せずに第1コーナーを曲がれるし、バックストレ
ートでは先行するインスタートの選手の後ろにいる事から風よけ
に使えるので第2コーナーを曲がるテクニックさえ磨ければ確かに
アウトスタートの方が有利というわけである。

 使用する道具や技術などは年々進化するわけで例えば野球のバッ
ティングでも大谷翔平のようなアッパースイングは日本では邪道と
され、ゴロを打つために上から叩き付けるダウンスイングが推奨さ
れていたのだが今ではMLBでホームランを打とうと思えばアッパー
スイングでなければ厳しい。

 そういえば我々が野球をやっていた昭和の時代は練習中の水分補
給禁止や投手は肩を冷やすべからずなど、今では考えられない事が
多かったが今こういった事を強制すればコーチは解任ものだろう。

 そうやってセオリーは変わっていくので、自らの経験則のみで判
断する者達が百害あって一利なしになっているのを実感する。

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