

透明「玉置さん、本当に心当たりないの

玉置「・・・はい。」
やれやれ・・・

人間というのは、面白いものだと私は何時も思う

困った時に助けを求めてきて、尚かつその人が何でもお見通しで
信じてもいるのに嘘をつく

別にその事を責める気はないのだが、
後で苦しくなるのは自分なのにと思ってしまう


透明「ふ~っ

一つ聞くけど前の鑑定の時に言った事、覚えてる

玉置「えっ


透明「もし、全てが上手く回りだしたら決して傲ったりしないで、
その分、人にしてあげるように言っておいたよね

玉置「


前の鑑定の時に私は彼に確かにそう伝えていた

透明「玉置さん、前の鑑定から数ヶ月経って、
貴方がしてきた事は同僚や部下、家族や不倫相手

玉置「

透明「どの相手にも、自分の事を優先させて
人の為に何かしてあげては、いないよ

今みてるかぎりでも、
誰からも恨みや妬みを持たれてもおかしくない状態だよ

玉置「・・・す、すみません


少し声を震わせて玉置さんが聞き返す。
透明「全員です

玉置「





玉置さんは相当驚いていて、目を白黒させている。
ちょっとやり過ぎかな

でも、これで犯人捜しをする気は失せただろう

これは、彼女を守る為でもある。
透明「まあ、全員は言い過ぎだけど、
実際誰が生霊を飛ばしてきても
おかしくないと思っておいて下さい。
もし全員が飛ばしているとしたら、どうですか

恐ろしい前に、味方は一人もいない
とんでもなく寂しい状態じゃあないですか

玉置「・・・私は・・・そんなに・・・

玉置さんは目に涙をためながら

強く反省しているようだ。そろそろ良いかな

透明「わかったかな

自分一人だけ幸せになってもそれは、
凄く寂しい事なんですよ

本当の幸せって、自分の幸せを周りにも分けて
一緒に幸せを感じて沢山の信頼と共に成り立っていく

これが、本当の幸せにつながると私は思うのだけど


玉置「・・・はい、本当にその通りです・・・

自分が上手くいっていて、部下を扱き使ったり
同僚を蔑んだり、不倫までして、家族をないがしろにしたり

本当に最低です・・・

透明「今回の事は正直、身から出た錆だけど
それに気づけたことは一生の宝だよ

・・・それじゃ、何とかしましょうか

玉置「・・・助けてくれるんですか

・・・助けてもらっていいんですか

ありゃりゃ、ち~っとお灸がすぎたかな

透明「それだけ反省出来れば良いんじゃない

それに助けてもらいたくて来たんでしょ

ただ、次はないからね

玉置「あ、ありがとうございます・・・

さて、前回もお伝えしたように
生霊の場合、祓うことも返すことも出来ません

ではどうすれば良いのか


飽きるまでやらせておくことです

えっ


と思われると思うのですが、
例えば

生霊が飛んでくる質量の念は、
相手に影響してはじめて消費されます

もし相手に影響がいかず、念の消費が無いときは
生霊を飛ばしている方も念の補充は出来ません

ということは彼女の方も生命力を削ることも無いので安心です

まあ何時か、気持ちも冷めるでしょう

ということは、玉置さんが生霊から影響を受けなければ
OK


説明はこんなもんで

私はおもむろに黒い袋からある物を取り出した。
透明「はい


玉置「



透明「これは、岩塩です

玉置「岩塩ですか

透明「この岩塩は、
チベットと中国の国境付近にある山から取れる
珍しい岩塩なんです

特にこの岩塩は霊的干渉を妨げる力が異常に強いものだから、
持っているだけでそういう事から身を守れます

後は玉置さんの背中に開いている穴埋めだけすれば

大丈夫だよ

玉置「ありがとうございます


玉置さんは頭を深々と下げていた。
私は玉置さんの背中の穴を開けられた念と同量の念で穴埋めをし、
玉置さんを見送った

穴埋めをし、岩塩を持たせた状態で
玉置さんは自分の木人図上に戻っていたので、
もう大丈夫だろう

ちなみに、先ほど取り出した岩塩は、
気づいた人もいると思いますがタイさんからもらったアレです

タイさんありがとう

取り敢ず鑑定は終わったのですが、
折角だから皆さんにも岩塩とまではいきませんが

霊的干渉を防ぐお守りの作り方

楽しみにしていて下さい

続く・・・。