

乗代「そ、そう言えば、この掛け軸は
どちらなんでしょう

透明「んっ

負の感情が込められた呪いの呪物だよ

乗代「えっ

透明「それも、相当厄介な代物

乗代「ど、どういうことですか

透明「呪物はさっきも言ったように
目的と呪となるエネルギーが必要なんだけど
もう一つ、大切な要素がある

それが、媒体

乗代「媒体ですか

透明「お寺の木札や紙札は、仏様の力を
木気の含まれた自然物に移して
作られているよね

そもそも、御札も力の序列として、
木札・紙札・布札となっていて、
より自然に近い木札の方が力は強い

つまり、より手が加えられ加工されているものでは
特殊な加工をしない限り、その効果を移すには
媒体としての容量が低いとされているんだ

ちなみに昔のお城とかで使われている堀や城壁は、
岩本体を少し削って積み上げられているでしょ

あの時代でも、石や土を砕いて固める技術はあったから
なぜ重たく形の定まらない石をわざわざ使ったのか

それは石という硬さの中にある媒体としての許容量が
呪に適していた為、守りの呪い(まじない)を
構成しやすかったとされているんだよ

乗代「なるほど~

つるつるの表面や、塗りを施した方が
登りにくいのに、石そのものがむき出しで
使われていますもんね

透明「ということで、こういう呪物には
媒体としての適性も大切になってくる

乗代「でも、この掛け軸は・・・紙ですよね

それほど強い媒体じゃぁないんじゃ


透明「そう思うのが普通だろうけど乗代さんは
この呪物の媒体を見間違えているんだ

乗代「どういうことですか

透明「この掛け軸の媒体は、この絵が書かれている
染料なんだ

乗代「

透明「人の強い念は、人を媒体とするほど効果が高い

まあ、人間から出たものなんだから当たり前だけど
つまり・・・。」
乗代「ま、まさか

透明「この絵を構成している墨のような黒は、
人間の血液だよ

乗代「


透明「その上、呪いの効果を向上させる為に
骨を砕いた骨粉まで混ぜられている

乗代「うっ


透明「まあ、この呪物を作った者の魂が呪物に
残っている時点で予想はついていたけど

この呪物、一体どんな人物がどんな思いで
作ったのだろう


相当な覚悟がなければできない代物だし

次回、掛け軸に残る想いが・・・。
続く・・・。







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