呪い請け負い屋・７

呪い請け負い屋・７


春井「・・・わかりません・・・

　　　もし彼女が不幸だと認識できたとしても

　　　私の不幸は変わらないですし・・・

　　　これって、後悔は残りますよね」

透明「確かに、後悔する気持ちは残るでしょうね

　　　これだけは覚えておいて欲しいのですが、

　　　どんな状況でも、最終的に自分を

　　　納得させることは難しいものです

　　　ただ、唯一これを覆すことができるとすれば、

　　　春井さんが予想していた、幸せな未来以上の

　　　幸せを手に入れることができれば、

　　　こういった事象は些細な事と思えるように

　　　なることがあります」

春井「」

透明「まぁよく聞くのは、後悔や恨みが原動力になり、

　　『相手に後悔させてやる』と奮起し、

　　　人生を反転させるという話は結構ありますよね」

春井「それ以上の幸せ・・・。」

透明「呪いというのは、直接手が出せない者からすれば

　　　有効な手段のようにも感じますが、

　　　等価交換つまり自分も同等の対価を

　　　払わなければならないことを考えると

　　　過去の事象が消え去ることとは

　　　別の動きでしかないんです

　　　もし春井さんが恨みを晴らすために

　　　呪いを用いたとして、等価交換で

　　　自分にも不幸がかかってくれば、

　　　その不幸も相手のせいで起こったことと

　　　同じに感じてしまうので、恨みが更に

　　　増えるだけだったりもします」

春井「・・・・そ、そっか・・・」

透明「私から視て、春井さんは

　　　今の自分から救われたいと

　　　願っているように感じます

　　　自分が救われることと

　　　相手が不幸になることは、

　　　決してイコールじゃないでしょ

　　　だからこの２つは別々に考えていかないと

　　　最終的に自分だけが不幸を増やして

　　　しまうことになるものなんです」

春井「・・・先生・・・私は・・・

　　　どうすれば幸せになれますか」


その言葉を待ってたよ


透明「簡単なことです　今の状況は

　　　幸せへの始まりでしかないのですから」

春井「えっ」


今の状況が幸せへの始まり

　　一体どういうことなのか



　　　　　　　　　　続く・・・。

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