Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

発信する鰭(ヒレフリサンカクハゼ)

2017-01-05 20:21:00 | ハゼ科

本日は二十四節気の小寒、寒の入りですね。

つまり寒さが厳しくなる頃。

そして当地では〈ムーチー〉の日です。

〈ムーチービーサー〉といわれて、沖縄島でもこの時季は寒さが厳しくなるはずなのですが…。

年が明けてから暖かな日が続いてますやんばるです。

今日も雨交じりにもかかわらず、風が非常に弱いおかげで、寒さは特になく海も凪な一日でした。

風は北東のち南東。曇時々雨時々晴れ間。

〈ハゼ科ハゼ亜科サンカクハゼ属ヒレフリサンカクハゼ Fusigobius signipinnis 16年11月14日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

当地では、近縁種のツマグロサンカクハゼに比べ生息数が少ない印象。

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「明けましておめでとうございます」

という新年のご挨拶ですが、直接会えない人には年賀状を送りますよね。

といっても、最近はもう年賀状は主流ではないのでしょうか。

少し前は携帯電話や携帯メールで新年の挨拶をするのが流行って、回線がパンクしたとかしそうになったとか…なんてことがありましたけど、それももう過去の話。

今はきっとSNSでしょうから、そういうこともないのでしょうね。

SNS的なものは一切やってないので、よく分かりませんが…。

離れた場所にいる他者に、自分の意思や様子を伝える通信技術、その歴史は狼煙や太鼓で始まったのだとか。

その後1800年代から電気的テクノロジーを利用した通信が発達し、今や誰もが高速通信デバイス(携帯電話)をポケットに入れて生活しているわけです。

もし、そういう電気的テクノロジーが使えなかったとしたら……、最も高度な通信技術は『手旗信号』ではないでしょうか。

まあ、望遠鏡や双眼鏡を使っても、伝える距離に限界はありますけど…。

日本で手旗信号が考案されたのは、1893年頃の海軍においてだとか。

その後商船でも準用するようになり、1936年には〈日本船舶手旗信号法〉として定められ、現在でも海上自衛隊や海上保安庁等の船上で通信を行う際に用いられているのだそう。

また国際的にも、〈国際信号書〉という通信法が定められており、現代ではモールス符号を送信する方法が使用されているのだとか。

■■

さて…

本種の学名種小名は『記号・信号のある鰭の』の意。

そして本種の特徴は、第一背鰭を立てたり倒したりする行動を繰り返す習性を持つこと。

和名の由来はもちろんその習性から。

忙しなく背鰭を振り、どんな情報を発信しているのでしょうか?

通信技術の歴史は、同時に暗号技術の歴史でもありますが、この情報も高度に暗号化されているようで、まだ僕には解読できそうにありません。

 

コメント
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