Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

逆説的絹織物(ニシキフウライウオ)

2017-02-10 19:19:27 | カミソリウオ科

いやもう寒い…、最強寒波……、な本日のやんばるです。

風もビュービュー吹いてます。

まあ、沖縄だけではないようですけど…。

覚悟はしていたけど、それでも厳し~寒さの週末になりそうです。

風は強い北~北西。曇ときどき日差し。

■■

クロコディルズというタイトルのごく短い物語をご存じでしょうか。正確には物語ではなく論文かもしれませんが。

クロコディルズはラテン語で、英語ならクロコダイル、つまりワニのこと。

作者はルイス・キャロル。『不思議の国のアリス』のルイス・キャロルです。

それはこんな話…

ナイル川の河岸で人食いワニが子供を人質に取り、その母親にこう言います。

「これから俺が何をするか言い当てたら、子供は返してやろう。でも不正解なら、子供は食う」

そこで母親はこう言います。

「あなたは、私の子を食べるでしょう」

さて、もしワニが子供を食べようとすれば、母親は正解なので、ワニは子供を食べてはいけません。

もしワニにその気がなければ、母親は不正解なので子供を食べることができるはずですが、食べようとするとその時点で母親は正解となり、やっぱり子供を食べてはいけません。

ワニは子供を食べようとしてもしなくても自己矛盾してしまい、食べることも食べないこともできなくなってしまいます。

つまりこれはパラドックス。自己言及のパラドックスの一つです。

というわけで…

〈カミソリウオ科カミソリウオ属ニシキフウライウオ Solenostmus paradoxus 17年1月11日 沖縄島安和グスク〉

学名種小名は『パラドクス』 日本語で言うなら『逆説・逆理・背理』

パラドックスとは、正しそうに見える前提と、妥当に見える推論から、受け入れがたい結論に至ること。

どちらかというと、今までパズルっぽいイメージを持っていましたが、哲学や数学や論理学に関わる論説なのだそう。

で、本種って逆説的ですかねぇ…。

■■

和名の『ニシキ』は『錦』のこと。

『錦』は様々な色糸を用いて織り出された絹織物の総称。または、錦のように鮮やかで美しいものを指す言葉。

こちらの方はピンときますね。

本種は画像の色彩の他にも様々な色彩を纏いますから。

ところで、絹織物は丈夫であることから、矢や銃弾を防ぐ用途に使われたこともあるのだとか。

本種の場合はもちろんそこまで丈夫なはずはなく、画像の個体も黒いウミシダの内側に潜んでいました。

 

コメント
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