Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

端境(ムネボヤ&…)

2018-05-21 19:56:24 | 水中生物

今日はようやく梅雨を感じられる空模様だったやんばるです。

ただし午前中だけ。

午後は気持ちいい青空でした。

本日は二十四節気の小満。

ここから次の節気である芒種までを、当地では『スーマンボースー』といいまして、梅雨のことをさします。

が…、明日からの一週間の予報で雨マークが1日しかないという…。

空梅雨ですかねぇ。

風は南西のち西。雨のち晴れ。

■■

『端境』とかいて『はざかい』と読みます。これ、大和言葉です。

何のことか解りますか。これは結界のことです。

結界とはそもそもは仏教用語で、ある空間領域を設定することをいうのだとか。

すなわち聖なる領域と俗なる領域を分け、秩序を維持するために区域を限るという意味あいなのだそう。日本では神道にも同じ概念があるのだとか。

神社や寺院の鳥居や注連縄も結界の一つで、こういうものは領域の境界線を視覚化する役割もあるよう。あるいは茶道で、茶室に入るための躙口(にじりぐち:体を屈めないと入れないほど小さな入口)も、茶室を非日常空間にするための結界なのだそう。

複数の領域、つまり複数の世『界』を『結』びつけるので、『結界』というわけです。

実は日本建築には結界がたくさん見られて、『襖(ふすま)』、『障子(しょうじ)』、『衝立(ついたて)』、『縁側(えんがわ)』と、これらは皆広義の意味で結界なのだそう。

結界って意外と身近な存在なのですね…と書きたかったのですが、襖や障子や衝立や縁側って身近にありますかね? 我が家には一つもありませんでした。

身近な結界は、失われていっているのでしょうか。

■■

さて…

〈ユウレイボヤ科ムネボヤ属ムネボヤ Rhopalaea circulata 18年4月10日 沖縄島安和〉

学名種小名は『幅のある輪』って感じかな、自信ないけど。

透明な体にブルーの輪模様を複数纏います。容易に見られますが、綺麗なホヤです。

ところで〈ムネ〉って何でしょう?

胸? 棟? 旨?

それはともかく、このホヤの中を覗いてみると…

〈端脚目(ヨコエビ目)の一種 Amphipoda sp. 18年4月10日 沖縄島安和〉

この透明さ、あるいは輪模様が、なんだか結界のように思えて…。

〈同種同個体 同日 同ポイント〉

この子にとっては、このホヤの内部は聖なる領域なのかも…とか思ってみたり…。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする