Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

小さな心蔵…小さな波(ヒメキモガニ)

2018-10-05 19:04:14 | エビ・カニ類

台風25号は遠ざかりつつありますが、まだ沖縄島は強風域の中にすっぽり入っています。

海もまだもちろん大荒れ状態です。

まあ、今回は長時間の停電がなかったので良かったですけど…。

風は強い南東のち強い南西。雨のち曇。

■■

『肝に銘ずる』

『肝を潰す』

『肝が太い』

『肝を据える』

等々、肝という言葉の出てくる慣用句はたくさんありますね。

『肝』という字は『かん』あるいは『きも』と読みますが、『かん』と読めば臓器の一つである肝臓を指すのだとか。

『きも』と読めば、それは肝臓だけではなく、心臓や内臓全体を指すこともあるのだそう。

さらには心や精神が宿るところという意味で使われたり、『心=体の大切な部分』という意味から転じて、『物事の重要な点・急所』という意味も持つのだとか。

『肝心要』なんて言葉もありますね。

■■

さて…

〈オウギガニ科キモガニ属ヒメキモガニ Cymo andreossyi 18年8月28日 沖縄島崎山〉

画像の右上の方に、もう1個体います。

それがこちら↓

〈同種別個体 同日 同ポイント〉

たぶんペアなのでしょう。

和名に含まれる『ヒメ』は小さいことを表す接頭辞。

つまり小さなきも、小さな臓器、あるいは小さな心臓。でも毛が生えているから、きっと肝が据わっているはず…。

とまあ、ここまで和名の『キモ』を『肝』のように扱ってきましたが、実は全然違います。

本当は本種学名の属名『Cymo(キモ)』がその由来。

これはギリシャ語の『波』を意味します。

つまり『小さな波』という名を持つカニです。

 

コメント
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