今日は六本木にて観劇~~と、普通に
休日を満喫している中、秋葉原では大変な事件が起きていたんですね~~
まったくもって迷惑な話ですけど、ニュースを見ながらふと、、、視聴者提供の映像=携帯の映像のこと。一般人の「協力」ができる状況があるからこそ記者が駆けつける前の貴重な場面を目にすることができる時代になったわけですが、どういう気持ちでレンズをかたむけてるのかな~~と考えるとゾッとする部分もあるんですよね~~報道に携わる人がやる行動とは違う面がある気がして。。。ちょっと言葉が悪いけど野次馬等々興味本位というか
撮らないからと言って実際に救護できるとか犯人逮捕ができるとかじゃないわけだから……う~~ん、難しい
自分だったらどうするだろうか。撮らないだろうな、、、多分。
さてさて、本日のじい、知り合いの魔女サマのお誘いで俳優座劇場にて「真実のゆくえ」を観てきました
裁判員制度について何かと取りざたされている昨今、ちょうどいいタイミングだな~~と思って惹かれたんですが、、、いや~~良い舞台でした。法曹的な問題提起だけじゃなくて、普通に生きてる1人の人間として、人間関係の見方であったり、事実と真実の間にある溝であったり、それを目に見える形で表現することの難しさであったり……観終わった後に、あーでもない、こーでもない、と勝手語りできる余地のあるものが大好きなじいにとってはかなりツボでした
以下、ネタバレありなのでご注意を。推理小説を思いっきりトリックばらししてるようなものなので
舞台となっているのはイギリス中央裁判所。夫人殺害の容疑者デーヴィッド・メトカーフは多くの勝歴を誇る有名弁護士で弁護士協会の会長。ライバルの検察官・アンソニー・ブレ=ブースは数々の証人尋問によってデーヴィッドの犯行であることが明らかであると証明していこうとする。犯行直後の様子について話すトラヴァーズ警部、デーヴィッド夫妻の仲を疑っていた家政婦・ミセス・ロジャーズ、毒殺した薬について話すドクター・ウィーデン……更に、デーヴィッドが株取引で破産寸前に追い込まれていたこと、夫人の遺産によって救われたこと等々でデーヴィッドは絶体絶命
そして客席(が陪審員という設定なんです)に陪審の裁決を求める。。。結局、夫人は癌で余命幾ばくもなく、痛みに耐えられなくなって愛する夫に殺すことを迫りデーヴィッドはそれに応えた、家政婦が見た夫婦仲の悪さを裏付ける光景は、二人の遊び(お芝居)であり、夫人を笑わせようとした夫の愛情表現。結局無罪を勝ち取るけど、デーヴィッドは夫人の後を追って同じ薬を飲んで死ぬ。
1幕は法廷シーンで2幕に事件の一部始終を再現するという構成になっていました。いきなり法廷シーンから始まるので、付いていくのが大変でした
実は……途中ちょっぴり撃沈
(後ろからは思いっきりイビキが聞こえてましたが
) でも、役者さんの“セリフ”力のおかげというか、ピンとした張りの良い、まっすぐとした声で言葉が飛んでくるので、朦朧としてる時も
ちゃんと頭には入ってくるんですよね~~こう言ってはなんですが、さすが
でございました
あと、所々“マジメな”ツッコミも入っててニヤリ
って感じで。しかも、、、ダメですね~~思考回路がどうしても“あっち”の方向に
服装はイギリスの裁判所で着られてる(今も?)ガウンにかつらに小さい
帽子。思い出すのはベガーズ
うわ、老役者がいっぱい~~なんて
失礼しました、元に戻ります。
2幕はやはり普通にストーリーが展開していくので分かりやすかったです。しかも、1幕の法廷シーンで使われたであろうキーワードとなったセリフなり言葉なりが入っていて「そういうことだったのか
」とまさに腑に落ちるって感じで
シーン毎に法廷でのやり取りを(音声のみだけど)挟んでくれるので助かりました
←本なら読み返すことができるけど舞台は巻戻しできないので。その中で特に、「自信たっぷりに話す証言ほど当てにならないものはない」みたいなセリフがあったんですけど、まさにこれが家政婦・ミセス・ロジャーズの証言。彼女はデーヴィッドが冷たい&厳しい態度で接するので嫌いだった、だから「そういう目」で見てたし、だからこそ夫婦仲も誤解していたんですよね~~他にもセリフと後の再現シーンを照らし合わせていくと面白いかも
台本、あるいは原詩が気になります。。。難解そうだけど読んでみたいな~~
ストーリー的には「半落ち」を彷彿させるような感じ
第1幕の時点で、単細胞なじいでも「多分、被害者の方に何かあるな~」とは思ってたんですけどね~~当たったといえばその通りかな
でも、それだけじゃなくて、人間関係ってのは見る人間によって変わるわけで、本当のことは当の本人しか分からない。いや、本人でさえ“自分”というものを真に理解してるとは限らない……と、ここまで考えちゃうと哲学的になるので止めときますが
夫婦1つ取って見たって、家族であり他人であり、傍から見たら離婚寸前でも別れる気はなかったり、仲良く見えてても前向きに別れたり、実は憎しみ合ってたり。。。特に最後、デーヴィッドが夫人殺しについて、「自分には殺意があった。故意に殺した。だから有罪になるべきだったんだ」って死ぬ前に告白するんですけど、それだって殺意は本当かもしれないし、夫人の狙い・本心は何だったのかは藪の中だし。で、いちおう法廷劇なので、そっちの視点に戻すと……だからこそ人は人を真には裁けない、となるんじゃないかと。ちょいとニュアンスは変わるけど、「良いは悪い、悪いは良い」(今回は小田島先生訳だったので敬意を表してみました
)悪いことなんだけど100%悪くなくて、でも良いことじゃなくて……難しいですよね、ホント。
で、じい的には、実は、、、最後のデーヴィッドの告白シーンは蛇足かな~って
薬を飲んでソファーで息絶えている状態で短く状況説明or告白(心の声みたいなヤツ)でいいんじゃないかな~~って。もうこの時点で伝わるものは伝わってると思うから、余計に喋られるとちょっと・・・って思っちゃったので。でも、デーヴィッドを演じられた金内さん、良かったですね~~蛇足とは書きましたけど、やっぱり最後の閉め方はピシッとした感じになっていたので。それに、男の持つ甘えモードというか愚かで可愛い面も全然嫌じゃなかったので。で、まとめちゃって申し訳ないんですけど、他の方々も良かったです
もしかしたら新劇ばりの大仰な言い方か?と思わなくもない部分はあったんですけど、じいは気にならないんですよね~~いろんな意味で慣らされてるところもあるので
さ~~て、サイゴンが始まるまでは月イチ観劇
って言っといて既に今月は2回(ミーマイです
)……いや、もしかしたら3回決定になるかも~